転生少女は片腕をなくした薬屋の片腕になる

しのだ

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2人でお買い物①

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 後日、父親はお店に来てジグと話をしていた。
 実際に片腕を見て心配してしていたが、ジグは心配されるのも慣れたようなもんだった。記念にと私とジグで作ったポーションを1つお買い上げ。

 これで堂々とこのお店でお手伝いできると思うと嬉しかった。

「ジグ、今日は何するの?」

「そうだな、マースさんから貰った魔石を換金してその金で中古の瓶でも買いに行くか」

 ポーションの瓶は特殊な瓶らしいので、新しい物を買うとその分利益が減ってしまう。
 使い終わった瓶を集め、洗浄し、また使えるように販売する中古の瓶専門店があるという。

「へー、知らなかった。全部新しい瓶かと思ってたよ」

「俺らみたいな個人のポーション屋ぐらいしか行くやつはいないから、知らないのも当然だ。だが、ハイポーションやギルドに卸すポーションは新品の瓶を使うぞ。シルニアにはそれを届けてもらってたんだ」

「そうだったんだ」

 まずは魔石の換金するためにジグの知り合いの魔道具店へと行くことになった。店に入ると早々に店主に絡まれるジグ。

「おう! ジグ! 久しいな。お前子供いたのか!?」

「いやこの子は雇ってるんだ。まだ若いが俺の片腕として働いてもらってるんだ」

「そりゃよかったな。嬢ちゃん名前は?」

「リーンです」

「オレはエゾってんだ。よろしくな」

 ギョロギョロとした目でまじまじと見てくる熱い視線には耐えられなくて、視線を外して店内の奇怪な魔道具に目を移した。それでも背中で視線のようなものを感じる。

「で、今日は何用だ?」

「魔石の買取をしてほしくてな」

「魔石か。いやー助かった。最近魔石が高くて困ってたんだ」

「そんなに値が上がってるのか?」

「いやいや、魔石自体が無いんだよ。ギルドも困ってたみたいだぜ」

「貴族の買占めか? また戦争でも始める気なのか……」

「どうだかな。ここまで市場から魔石が消えれば、誰が買い占めてるか噂が出てもいいがそれがない」

「もし買占めじゃないとなると、そもそも魔石が採取されてないということか」

「そうだな。ギルドでの買取は通常の2倍を超えてる。それでも冒険者が魔石を持ち込んでる様子は聞かないぞ」

「2倍なら他から持ち込んでも利益になりそうだが、それすらできないほどに枯渇してるのか」

「そんな中ジグはどこから魔石を手に入れたんだ」

「実はなポーション1本と交換したんだ。リーン見せてやってくれないか」

 カウンターへ駆け寄り、持っていた布袋から取り出した3つの魔石。それを見て目を輝かせるエゾ。

「おお。これがポーション1本と交換とはボロい商売だな」

「たまたまだ。買ったのがドライアドじゃなきゃこうはならない」

「そうだな、お前さんとこの店らしい」

「買取はいつもの額で構わない。困ったときはお互い様だろ。そのかわりこのことは他言無用でな」

「そいつはありがてぇ。あぁそこは任せとけ。商売は信用が第一だからな」

 お互い持ちつ持たれつの関係なのだろうと思い、2人の固い握手を見ていた。
 
 いつもの額といっても1個あたり金貨10枚での取引だ。全ての魔石が金貨30枚へと交換される。

「またよろしくな」

「おう。リーンちゃんもまたおいで」

「はい」

 魔道具店を出ると、突然気が楽になったように感じる。
 その足で次は中古の瓶専門店へと向かう。

「エゾはどうだった?」

「なんか緊張しちゃった」

「気をつけろよ。あいつ俺と話しながらもリーンのことチラチラ見てたぞ」

「え? なんで私を?」

「リーンは若いからな」

「若いから? そうゆうのが趣味なの?」

「んーー。エゾは変幻自在のスキルを持つ魔族だ。人のフリして町にいるが楽しいんだと」

「ええええぇぇ」

「それで若い女の子の血が大好物だからな。万が一、血をねだられても絶対にあげちゃダメだからな」

「わ、わかった。気をつける」

「絶対秘密だぞ」

「う、うん」

 できれば先に言ってほしかった。あの熱い視線の謎が解けてスッキリするも、今後会うときどんな顔をしたらいいのか迷ってしまう。

 ドキドキと異様な胸の高鳴りを抑えつつ中古の瓶専門店へと到着する。

「ここだ」

 看板などは無く、言われなければ素通りしてしまいそうな店構えだ。

「ちょっとまってジグ」

 店に入るのを止めるように服の裾を引っ張る

「ん?」

「ここの店の人はどんな人なの?」

「どうした急に」

「ドライアドに、血が好きな魔族。次は何族の人なのか知っておきたいなぁって」

「そんなことか。次は見ればすぐわかる」

 そういうと入り口のカーテンをめくると、スタスタと中に入っていってしまった。
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