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18〜21ページ目
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18ページ目∶
ここはすごい、洞窟の中なのに昼と夜の切り替えがあるのだ
夜になると模擬太陽の明かりが途切れ今度は白い光を放つ苔が星のように散り散りに光る
ずっと空のない生活をしていたからなのだろうか、昼夜の切り替わりを目の当たりにした時の宙の美しさと、地下とは思えない広大な情景に圧倒され心を打たれた
この時、俺の中にある勇気と元気が生まれた
俺の言葉では上手くは言い表せられない
どこか曖昧で、されどくっきりとしたこの感情は昔持っていたような懐かしさがあった
忘れていたこの感情を取り戻すことが出来たのがこのダンジョンに入って初めて来てよかったと思える瞬間だった
この時俺は決心した
【必ず四人全員で地上に戻る】と
これは、連れてきた責任から生まれたものでない、もっと別の所から来るものだ
さっきからしっかりとした形のない感情を表す言葉が出てこない
俺はこういうのが苦手なのだろう、されど僧侶がいない今この感情をなかったことにしたくはない
次の夜が明けたらオレたちは僧侶をおいて出発する
未だ痕跡すら見つけられていない魔法使いだが、俺は必ず生きていると信じる
◇◇ ◇◇
19ページ目∶
あの家で休んで僕たちの精神状態は大幅に回復した
ずっと薄暗闇の閉所で仲間捜索と死への不安で全く休めていなかったから、もしあそこを見つけられてい
なかったら僕達の精神もどうなっていたか分からない
前よりも頭が回るし、ほんとに感謝だ
僕がかの部屋に来るまでに通ったあの長い道の中で壁を見ていると、彼女がいろいろ教えてくれた
彼女がいうにはあれはトンネルといって洞窟とかを切り開いて崩れないように硬い壁で固定するものらしい
鉱山でよく見る柱を側面に張ったような感じかな?
そしてそのトンネルはお母さんとお父さんが2人で作った壁でコンクリートというんだって
壁には比較的清掃がしやすいものが使われていて、天井の方には音を吸収する材質のものが使われているそう
それでもあれだけいだけあって、すぐに音が響いてとても面白いと思う
こんな建築技法や技術は地上では聞いたことがない昔
からこう会うカラクリや構造とかを知るのはとても興味があったんだ
無事ここを出られたら親に話して冒険家をする隙間でそういう界隈に手を出しても良いかもしれない
他にもみたことのない建築技法で作られた家に住んでいたり、みたことのない料理のレシピをたくさん知っていたり
昔ダンジョンに住んでいた人達は地上よりも発展していたのかもね、僕もそこに生まれてみたかったな
あっ今更だけどどうして僕がこの日記を書いているかは、戦士が少し一人でダンジョンに入って僧侶が体験したことを知りたいとか言って日記忘れてでていっちゃったんだよね
1日経っても帰ってこないから1ページだけ書かせてもらってる、遊んでる暇はないのはわかってるけど、僕もなにかしていないとおかしくなりそうなんだよ
皆には明るく振る舞ってても僕も焦ってるのかもね
◇◇ ◇◇
20ページ目∶
訳あって今回も僕が日記を書くよ
無事帰ってきた戦士たちはここを出たときと比べると少しやつれているように見えた
戦士が言うには、「今回は変える場所があるという希望と、彼女は毎日してることだという精神的な支えがあったから良いものの、これは僧侶が壊れてしまっても仕方がなかった」らしい
想像するだけで身震いしたよ、そんなこと絶対にしない
と思ってたのに、
戦士が帰ってきてから半日が経って、ついに新しい道に出発することになった
ここを見つけたときの回る部屋にいったあと、僕たちは彼女に教えてもらった手順通りに石板を操作した
言われたとおりに操作したらトンネルに来たときのように地面が回り始めて、来た道とはまた別の道へ繋がった
その道はトンネルのように特殊な道じゃなくて普通の洞窟の見た目だったから、やっぱりあそこが特別だったんだね
あそこへ着くまでの道との違いといえば、彼女が撒いたであろう青い光苔ぐらいで変わった様子はなかった
だからこそ油断しちゃってたんだろうね
洞窟をすこし進むとイノシシ型の魔物に出会った
戦士が隙を作るために盾を構えイノシシの突進を喰らうと、戦士が吹っ飛んだ
今まで魔物はこれで抑えられていたから慢心しちゃってたのかも
ダンジョンの魔物に地上の魔物とは違うのに
そして吹っ飛んだ戦士は、偶然壁に埋め込まれていた転移罠に衝撃を与えてしまって、そのまま居なくなっちゃった
隠れていたからだろうね、勿論解除なんてされていなかった
イノシシ魔物は突進しかしてこなかったから、なんとか倒せたけど
戦士とまではぐれてちゃった、これからどうすれば良いだろう
◇◇ ◇◇
21ページ目∶(心なしかこのページの文字は震えていてところどころに子供の落書きのような絵が書かれていた)
イノシシで戦士とはぐれと事を僕はとても後悔したよ
戦士の火力と誘導がなければ僕は何も戦えないことを悔やんだ
前まで簡単に倒していた魔物が全く倒せなくて簡単に負傷を繰り返してしまう、回復ポーションは使い切ってしまった、材料は戦士が持っていたから新しく作ることもできない
片足を魔物に食われ、残った片足も震えが止まらず立ち上がることでやっとだった
でも、僕はもう大丈夫だ。助けが来たんだ
死にかけた僕の後ろから別の魔物が来て魔物を殺してくれた
なぜかその魔物は言葉を話してくれたよ、「もう大丈夫だ、私が守ってあげるから安全なところへ行こう」と
そして今は自分の部屋でこの日記を書いている
どうして自分の部屋にいるかって?
それは簡単な話さ、脱出できたんだよ
僕も不思議だけど、魔法陣のところへ連れて行ってもらえて、そこに乗ったら家にいたんだ
親切に家の前にダンジョンまでの魔法陣が置かれている
これでいつでも戻って助けに行けるだろう
親にもよく帰ってきたねってたくさん笑顔で褒めてくれた、でも僕は行かなくちゃ、皆を助けるために
お母さんにご飯に呼ばれた。ご飯を食べたらもう一度ダンジョンに行こうと思う
ここはすごい、洞窟の中なのに昼と夜の切り替えがあるのだ
夜になると模擬太陽の明かりが途切れ今度は白い光を放つ苔が星のように散り散りに光る
ずっと空のない生活をしていたからなのだろうか、昼夜の切り替わりを目の当たりにした時の宙の美しさと、地下とは思えない広大な情景に圧倒され心を打たれた
この時、俺の中にある勇気と元気が生まれた
俺の言葉では上手くは言い表せられない
どこか曖昧で、されどくっきりとしたこの感情は昔持っていたような懐かしさがあった
忘れていたこの感情を取り戻すことが出来たのがこのダンジョンに入って初めて来てよかったと思える瞬間だった
この時俺は決心した
【必ず四人全員で地上に戻る】と
これは、連れてきた責任から生まれたものでない、もっと別の所から来るものだ
さっきからしっかりとした形のない感情を表す言葉が出てこない
俺はこういうのが苦手なのだろう、されど僧侶がいない今この感情をなかったことにしたくはない
次の夜が明けたらオレたちは僧侶をおいて出発する
未だ痕跡すら見つけられていない魔法使いだが、俺は必ず生きていると信じる
◇◇ ◇◇
19ページ目∶
あの家で休んで僕たちの精神状態は大幅に回復した
ずっと薄暗闇の閉所で仲間捜索と死への不安で全く休めていなかったから、もしあそこを見つけられてい
なかったら僕達の精神もどうなっていたか分からない
前よりも頭が回るし、ほんとに感謝だ
僕がかの部屋に来るまでに通ったあの長い道の中で壁を見ていると、彼女がいろいろ教えてくれた
彼女がいうにはあれはトンネルといって洞窟とかを切り開いて崩れないように硬い壁で固定するものらしい
鉱山でよく見る柱を側面に張ったような感じかな?
そしてそのトンネルはお母さんとお父さんが2人で作った壁でコンクリートというんだって
壁には比較的清掃がしやすいものが使われていて、天井の方には音を吸収する材質のものが使われているそう
それでもあれだけいだけあって、すぐに音が響いてとても面白いと思う
こんな建築技法や技術は地上では聞いたことがない昔
からこう会うカラクリや構造とかを知るのはとても興味があったんだ
無事ここを出られたら親に話して冒険家をする隙間でそういう界隈に手を出しても良いかもしれない
他にもみたことのない建築技法で作られた家に住んでいたり、みたことのない料理のレシピをたくさん知っていたり
昔ダンジョンに住んでいた人達は地上よりも発展していたのかもね、僕もそこに生まれてみたかったな
あっ今更だけどどうして僕がこの日記を書いているかは、戦士が少し一人でダンジョンに入って僧侶が体験したことを知りたいとか言って日記忘れてでていっちゃったんだよね
1日経っても帰ってこないから1ページだけ書かせてもらってる、遊んでる暇はないのはわかってるけど、僕もなにかしていないとおかしくなりそうなんだよ
皆には明るく振る舞ってても僕も焦ってるのかもね
◇◇ ◇◇
20ページ目∶
訳あって今回も僕が日記を書くよ
無事帰ってきた戦士たちはここを出たときと比べると少しやつれているように見えた
戦士が言うには、「今回は変える場所があるという希望と、彼女は毎日してることだという精神的な支えがあったから良いものの、これは僧侶が壊れてしまっても仕方がなかった」らしい
想像するだけで身震いしたよ、そんなこと絶対にしない
と思ってたのに、
戦士が帰ってきてから半日が経って、ついに新しい道に出発することになった
ここを見つけたときの回る部屋にいったあと、僕たちは彼女に教えてもらった手順通りに石板を操作した
言われたとおりに操作したらトンネルに来たときのように地面が回り始めて、来た道とはまた別の道へ繋がった
その道はトンネルのように特殊な道じゃなくて普通の洞窟の見た目だったから、やっぱりあそこが特別だったんだね
あそこへ着くまでの道との違いといえば、彼女が撒いたであろう青い光苔ぐらいで変わった様子はなかった
だからこそ油断しちゃってたんだろうね
洞窟をすこし進むとイノシシ型の魔物に出会った
戦士が隙を作るために盾を構えイノシシの突進を喰らうと、戦士が吹っ飛んだ
今まで魔物はこれで抑えられていたから慢心しちゃってたのかも
ダンジョンの魔物に地上の魔物とは違うのに
そして吹っ飛んだ戦士は、偶然壁に埋め込まれていた転移罠に衝撃を与えてしまって、そのまま居なくなっちゃった
隠れていたからだろうね、勿論解除なんてされていなかった
イノシシ魔物は突進しかしてこなかったから、なんとか倒せたけど
戦士とまではぐれてちゃった、これからどうすれば良いだろう
◇◇ ◇◇
21ページ目∶(心なしかこのページの文字は震えていてところどころに子供の落書きのような絵が書かれていた)
イノシシで戦士とはぐれと事を僕はとても後悔したよ
戦士の火力と誘導がなければ僕は何も戦えないことを悔やんだ
前まで簡単に倒していた魔物が全く倒せなくて簡単に負傷を繰り返してしまう、回復ポーションは使い切ってしまった、材料は戦士が持っていたから新しく作ることもできない
片足を魔物に食われ、残った片足も震えが止まらず立ち上がることでやっとだった
でも、僕はもう大丈夫だ。助けが来たんだ
死にかけた僕の後ろから別の魔物が来て魔物を殺してくれた
なぜかその魔物は言葉を話してくれたよ、「もう大丈夫だ、私が守ってあげるから安全なところへ行こう」と
そして今は自分の部屋でこの日記を書いている
どうして自分の部屋にいるかって?
それは簡単な話さ、脱出できたんだよ
僕も不思議だけど、魔法陣のところへ連れて行ってもらえて、そこに乗ったら家にいたんだ
親切に家の前にダンジョンまでの魔法陣が置かれている
これでいつでも戻って助けに行けるだろう
親にもよく帰ってきたねってたくさん笑顔で褒めてくれた、でも僕は行かなくちゃ、皆を助けるために
お母さんにご飯に呼ばれた。ご飯を食べたらもう一度ダンジョンに行こうと思う
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