遺された日記【完】

静月 

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70 〜72ページ目

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こんにちは、突然でてきた作者ですm(_ _)m
小説の長さが全くぐちゃぐちゃなのでお詫びしに来ました。
ちなみに長くなってる理由は主が書く時に線を無視して文字を小さく書いてるからですので、気にしないでください❢
本当にそれだけですそれでは続きをお楽しみください🫠
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70ページ目∶
 2人から少し離れて、光の玉が出てきた所に向かおうとするとまたしても心霊現象が起こった
 光の玉ではなくて、同じ部屋から今度はベッドが速いスピードで私の方へ転がってきた
 私は轢かれると思ってできるだけ早く壁際に移動したけど、そんな私を嘲るようにベッドは私の目の前でピタリと止まった
 もう、あんまり大胆なことされると後ろで友人がまた動けなくなっちゃうから、やめてほしいんだけど
 そんなに私たちを驚かしてなにが楽しいのかしら
 まぁ、そんなのじゃ驚きはしないけど

「ぁ゙グッ…思ったよりも゛ッイタ…イカ……モ」

 私の目の前で泊まったベッドはいくら待ってもそれ以上は動く気配がない
 しっかり道を塞いでいるからベッドの上を越えるしか無いんだけど、意外と四つん這いになった時の足に掛かる痛みに慣れていなかったからとても痛い
 慣れないところに痛覚がいくと、やっぱり激痛が走っちゃうものね、
 なんとか声を出して意識を和らげているけど痛いのには変わりない、早く降りよう

「ふぅ、なんとか、抜け出せた。今度こそ、部屋に入る」

「おい魔法使い!部屋もそうだがオマ本当に大丈夫なのか!?」

「大丈夫!好きでしてるの!」

 歩く以外の全身運動をするたびに私は呻き声を零してしまう
 そんな私に幼馴染みは我慢出来ないといった感じで声を投げかけてくる
 だけど、自分がしんどいから他の人はしんどくていいなんて言い訳はしたくない
 もし自分が逃げてしまえば、自分が受けるはずだった苦痛を他の誰かが受けることになってしまう
 こんなの、私が苦痛を与えているようなものじゃない
 私はいや、そんなことしたくなんてない
 それからはもう心霊現象は起きなかったからスラスラと進むことができた
 そして部屋にたどり着いて、私は部屋を覗き込んだ

「なに…これ…?」

 堂々と入ってなにか凶悪な幽霊がいたらいけないと思って、手にしていた懐中電灯の光で部屋を照らすと、3つの黒い人影が伸びた
 ずっと昔から呪われてると立入禁止だった場所だ、私たち以外の人なんているはずがない
 私たちと同じように三連休で別の人たちが肝試しにきたのでしょうか
 そう思って声をかけようと部屋に踏み込んだ瞬間、私は驚愕のあまり固まってしまった
 3体のゾンビが、こちらを振り向いて立ち止まっていた
 私はすぐに後ろを向いて、できる限りの早足で部屋から離れた
 もちろんこの痛みでは走ることなんて出来るはずがない、早足と言っても、実質右足を引きずっての移動に過ぎない
 これじゃすぐ追いつかれるでしょうと思ったけど、何故か後ろにはゾンビの気配はなかった
 気になって少し戻ってみると、ゾンビたちは3人とも扉の前から進もうとせずずっと立ち止まっていた
 しかし手を伸ばしたり頭を揺らしたり、私を追いかける気を失ったわけではなさそうだった

「おい!大丈夫か!なにがあった!?」

「いや…多分、大丈夫…何なんだろう」

 私がもう一度部屋に戻ったことでなにかがあったことを悟ったのか幼馴染みが急いで駆け寄ってくる
 でも、肝心の友人が一人そこから動けずに廊下に止まっているベッドの奥で足を震わせて下を向いている
 私を心配するのもいいけど、友人も安心させないとね
 今にも泣きそうな顔でこちらを見ているし、私も足がこうでなければ同じようになっていたかもしれないからね、友人には哀れみしか感じない

◇◇ ◇◇

71ページ目∶
 なにはともあれ、私たちを襲うことは出来ないようなのでゾンビは無視して奥へ進んでいく
 私と幼馴染みが見ないようにしてとあっていく中、友人だけは閉じた扉の窓でうごめくゾンビの影を凝視しながら横切っていた
 その時だけは私よりも歩きにくそうな歩き方でそこまでかなと不思議に思う、ただ私の感情は少し壊れてしまっているから私が普通じゃないことは自覚している
 さっきから怯えてる友人ばかりに目が行ってしまうけど、実は私と同じくらいの表情で堂々と進めている幼馴染みが異常なだけなのかもね
 肝試しにここを選んだだけのことはあって、十分すぎるほど肝が座っている様子

 そこからは坊の声が聞こえた所へ延々とと向かっていった
 あれ以降は何も心霊現象も起きずに平和な道が進んでいる
 勿論景色は変わらず暗闇の病棟で雰囲気が和らいだわけじゃないけどね
 だけど、それのおかげもあってか少しずつ友人も心も耐性がついて落ち着いてきたようで、若干歩くスピードも上がっている

コツコツ

 私達の足音が廊下を響く、プルー終わりの水着のようにしつこくまとわりつく緊張感のせいか、唯の足音さえもトンネルよりも音の反響が大きい気もする
 そして、ついに私たちの足音が坊の耳に届いたのか、今探していた部屋の隣の部屋からなにか物音がした
 声がしたのもここら辺だったような気がするからきっと坊で間違いないでしょう

「坊?居るなら出てきて…?」

 私が物音に向かって話しかけると今度は物音ではなく荒い息に変わって返ってくる

「坊…どうしたの?私だよ?…魔法使いだよ…?」

 やっぱり何も返ってこない
 もしかして、坊とは別の人だったのかな
 たしかに声はとても鈍くて、にている声なら見分けがつかなくても仕方がないでしょうけど、あまり考えたくはない
 せっかくここまできたんだから、振り出しには戻りたくない

「私、見てくる」

「あっまて、今度は俺が行ってくる。幼馴染みはさっき行ってゾンビでてきちまっただろ?あん時もしアイツラが出てこられたら危なかったし、それに幼馴染みばっかに行かすのも不公平だろ?」

 いつもならこういう面倒事はすぐ人に押し付けるくせに、なぜだか今日だけは頼れることを言ってくれる
 やっぱり私の足を哀れんでいるのかな、本当に心配なんてしないで大丈夫なのに
 もしかして肝試しでテンション上がってる、ってことはないはずよね、坊がこんな状況でそんな事考えていたらすぐにでも絶交するわ
 なら、本当に私を労ってくれているのね、私はそう信じる
 でも、私が無理してるとは思われたくはないな

「そんなこと―」

「いいから、隣りにいるのが坊だったなら何もないんだし、それでいいじゃねえか」

 遠慮しようとしたけど、最後まで言う前に説得されてしまった
 幼馴染みの目は本気に見える、どうしてそこまで熱があるのかはわからないけど、そこまで言うなら私も行きたい理由はないし、従ってもいいかな
 それ以前に言い返す言葉が見つからないんだけどね

「確かにそう、分かった。気をつけて」

「おうよ」

 幼馴染みはそう返事をすると広い後ろ姿を向けて部屋に入っていった
 入った途端に少し暴れているような音がしたけど、本当に大丈夫なのだろうか
 一応すぐに収まったから無事ではあるの…かな?

「幼馴染みは、災難ね」

「なにかいった…?」

「気の所為じゃないかな?私は特に」

「そう」

 どうして幼馴染みが災難になるのでしょう
 やっぱり責任を押し付けてしまっているのでしょうか、後で謝っておこう

◇◇ ◇◇

72ページ目∶
「ば、化け物!!」

 これは坊が私を見た瞬間にはなった一言
 少ししてから幼馴染みが出てくると、後ろには坊がついていた
 やっと4人が揃ったと私が安心して胸をなでおろすと、坊がこんな事を言ってきたの
 右足が柱になってて、顔色も友人と比べると良いものとは言えない
 たしかに私は一目では何処かの蘇った死体、腐っていないゾンビぐらいな印象は受け取れるかもしれない
 だけど、毎日遊んだり話している友だちにだけは、こんな事を言われたくなかった
 そんなことを言った張本人は、私を2度見した後に一目散に更に奥へと走り去ってしまった
 幼馴染みと友人も、私に掛ける言葉が見つからず目をそらし続けている

「…どこに行く気だ?」

「分かってるでしょ、探しに行く」

「…やめろ」

 重すぎる空気に絶えられなかった私が坊の逃げた方向へ歩き出すと気付いた幼馴染みに左手を掴まれた

「なんで?」

「魔法使いは悪くない、責任は俺だ」

 口ではこう言っていても、その目は行かせたくないよりも行きたくないという気持ちが伝わってくる
 でも、実際に五の3人の中で一番悔しがってるのも、幼馴染みなのも、知っている
 全て、私がそうさせてるんだ

「そんな責任、私は気にしない、」

「そういうことじゃなくて…!」

「離して」

「っ…」

 拒否すると思ったけど意外とすぐに離してくれた
 少し進んだあと、追いかけてくるかと思って少し後ろを振り返ってみたけど
 2人は、私から目をそらすのをやめただけでもはや追いかけようとも引き留めようともしてこない
 2人には少し失望した
 坊を助けられるのは、もう私だけ

 坊を追いかけて探している途中、私は角を曲がったところで不意に足を止めてしまった
 坊を見失ったからではない、ここまで扉を開ける音は聞こえず一本道だからこの先に居るのは確か
 そうではなく、目の前に現れたのが階段だったから
 階段を登る音が聞こえた気がしたから、多分この上のどこかに居るはず
 病院の階段だから特段一段一段高いわけではない
 だけど、今の自分の足じゃ登ることはとても困難だと思う
 エスカレーターが隣りにあったけど、勿論動いるわけもないから結局階段と同じ、むしろ段が高くて難易度が高いまである。動いていないエスカレーターの意味もない
 私は自分の足を少しの間見つめた後、覚悟を決めて左足を階段の一段目を踏み込んだ
 少し重心が右足に掛かって強く骨が刺さるような痛みがあったけど、これは我慢できた
 だけど、問題は2歩目
 まず柱に膝関節はないから目の前に足を置けなくて、少し横に斜めに立てて体を持ち上げる

「ァアグ…っはぁ…はぁングダウァ」

 ベッドのときと同じように無意識のうちに声が出てしまう
 これがどれだけ痛いことがわかる?
 なにか物で例えると言うなら、寝転がっている所に50kgほどの重りをめり込むくらいの勢いで押され続けられてる感覚
 本当に今の私じゃなかったら絶対に失神していた
 それを、まだまだ繰り返していかなければいけない
 階段を登りきった頃に、私はもう一度立てるだろうか
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