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天使のホワイトデー
天使はポンコツだった
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♢7♢
残念なことに、天使がポンコツだったと判明した……。
俺は少しだけ、『──天使スゲェ!』と思っていただけに本当に残念だ。
どこがポンコツなのかと聞かれれば、全体的にだろう。全体的にポンコツな天使さん。
ポンコツではなく、ドジっ娘と言われると可愛らしい気がするかもしれないが、アレを俺は認めない。だからポンコツと表記する。
女の子に優しい俺ではあるが、ポンコツのポンコツさによってかなりのダメージを受けた。もう優しくだけはできない!
「ポンコツな天使さん。はいこれ。諸々の請求書だよ。びた一文まからないからそのつもりで」
「……」
「あぁ、すでにナナシくんはどこかに連絡していた。ジッと見つめているその紙を、天使ビームで焼き払ったとしても『ムダ!』だからな」
成敗され粛正された俺はその場に放置。それに満足したダブルお姫様たちは、平然と城の中に帰っていく。
そんなことがありました……。ついさっきのことです。
やられた後も俺には意識があったので、最初の時ほどのパワーは使われていなかったようだ。
しかし、これは配慮とか手加減とかではなく、やり過ぎるとまた怒られるからだと思われる。
姫たちにしばきまわされた俺は、騒ぎに気づいたアンチたちによって、助けられ羨ましがられた。
じゃあ、お前たちが身代わりになってくれよと、俺は本気で思いました。
その後、助け起こされた俺は大人の人を探しにいき、ちょうどまとめ終わったらしい請求書をニクスから奪い取って、お姫様の部屋へとやってきた。これがここまでの経緯だ。
どう思う? 少なくても最悪だよね?
「…………ううっ」
「泣いてもダメだ。俺はそんなものに誤魔化されない。天使さんはポンコツでも姫なんだろう? きっとパパが何とかしてくれるよ。帰ってからも叱られるんだな!」
「いやーーーーっ! こんなの知られたら天使長に殺される! 助けて、お願いだから助けて! 二度としない。さっきのことも謝るからーー! アタシを助けてーー!?」
お、おぅ……。す、スゴイね。
こう腕を自分の方にグイグイ引き寄せられるんだけど、その際にちょっと触れるプニプニの感触がスゴイ!
これは腕に全神経が集中してしまう。これに直に触れたとか、もっとしっかり味わっておきたかったーーっ!
「何でもする。なんでもしますからーーっ。天使長にだけは知らせないでーー!」
な、なんでも……。
何でもということは、そのプニプニを触るというのもありなんだろうか?
天使長が誰かは知らないが、そのプニプニのためなら多少のことは大目に見てあげなくもない。
「今、考えたようなことをしようものなら死刑にするわよ」
ジトーーッとした視線を俺に向けていたお姫様が、急にそんな物騒な、彼女なら本気でやりかねないことを言う(俺にだけね)。
「な、なんの話だい?」
「その天使は姫なのよ。一応。それに手を出されたら、国交問題。果ては戦争よ。そうならないように、犯人は死刑にするしかなくなるという話よ」
「──離れろぉ、ポンコツ天使! セクハラされたなんて言いがかりで、死刑になんてなってたまるか! その色香で騙せると思うなよ! ……危なかった」
そういうのもあるのかーーっ。
今は平和だとしても天使と悪魔だもんな。怖いわーー。
例えばだよ……。
『娘に手を出されて黙ってられん! 戦争だ!』
──となるだろう?
『犯人は死刑にしました。だから、許して?』
──ってなる。
『……それじゃあ、しょうがないな』
で、一件落着と。
まあ、犯人は死刑になってるけどね。
こんな妄想してる場合じゃないね。ごめんよ。
「──ルシア、助けて! 本当にヤバい。本当にマズイ。本当に大変なのよーー! パ、パパより。ママより。天使長が一番ヤバい。あの人はアタシを目の敵にするの。きっとあんなことや……こんなことを……──いやーーーーーーっ!?」
「いや……お姫様には無理だろう。だって、キミたち2人は同罪だよ? はしゃいだ結果が外の惨状だからね」
天使は俺から離れ、今度はお姫様に助けを求めるが、お姫様は困った顔をするだけだ。
お姫様も分かっているからこそ、今まで口を挟まなかったのだろう。天使が俺にひっついたから仕方なく口を出したのだろう。
「じゃあどうしたら……。もうルシアのところに住むしかない? 怖くて家に帰れない。でも、勉強をサボって、授業をサボってしていたら……きっと怒りのメーターは振り切れる。どどどどど、どうしよう!?」
そんなに恐ろしいの。天使長。姫がビビるって何?
こっちのお姫様にはそんなヤツいないよ。無敵だよ。今回、意外とニクスが怒ると怖いのは分かったけどさ。それくらいだよ。
というか、このポンコツ天使は何しに来たんだろう?
わざわざ暴れるために来たんだとしたら、この反応はおかしい。やりすぎた結果という線もなくはないが、それではポンコツすぎる。
「そういえば天使は何しにきたんだ?」
「……言われてみればそうね。どうして今日は最初からあんなに喧嘩腰だったの?」
天使はお姫様に抱きついていた体勢から、立ち上がり少し離れていき、少し沈黙したのち、今度はわなわなと震えだした。
そして自らの胸元に手を突っ込み、そこから何かボロボロのゴミのようなものを取り出して……──今、どっから出てきた!?
「えっ!? ちょ──、えっ?! 天使ちゃん。そんな場所からものを取り出しちゃうの。そこものが入るの。どうなってるの!?」
綺麗に二度見の後、胸元を凝視してしまうよね。これも仕方ないよね。気になるなっていうほうがムリだよね。
「あんた、本気で引っ叩くわよ……」
「いやね……ごめんなさい」
素直に謝ります。なんか天使が来てからか、今日のお姫様は変な感じだからさ。これまでにはない感じがする。
「──そうだった! これをルシアに返しにきたのよ! こんなゴミをわざわざ送りつけてきてーー、どういうつもり? 何これ? 嫌がらせにもほどがある。こんなゴミを送ってきてどういうつもりよ!」
天使は自分で取り出したゴミを、そっと床に置いて踏みつける。これでもかというくらいに踏みつける。
「──全部これのせいよ! これのせいでやりたくもない勉強をひたすらやったし! ここに来るのにも大変だったのに。この上、帰ったら天使長に殺されるとか、全部ルシアのせいよーーーー!」
元々がボロボロだったからか、ゴミは裂けて細かく、文字通りゴミのようになっていく。
何もそんなにせんでも……。あと床抜けたりしない? やめようよ、怪力なんだから。
「──っ」
えっ……。
「グチャグチャにして、めちゃくちゃにして、もうわぁーーーーーーーーってしてやったわよ! どう、ゴミの末路を見た感想は! もっと跡形もなくしてやるんだから!」
「──おい、天使!」
「──何よ! 人間のくせにアタシに指図しようって……いうの……」
足元のゴミを踏みつけることに集中していた天使は、そこでようやく顔をこちらに向けた。
そして目に入ったのだろう……ポロポロと涙を流すお姫様が。
「……ど、どうしたのよ? らしくないじゃない。『ふん、だからなんだって言うの。そのゴミを大事にしなさいよ』とか言わないの?」
そんなこと言わないだろう……。それにしても、天使じゃないが、らしくない。
天使が言うようなことは言わないだろうが、本当にどうしたんだ? 泣くようなところはなかったよな?
いや……あのゴミか? あれが原因か。
「────っ」
「──おい!」
優雅にお茶を飲んでいたお姫様は立ち上がり、走ってクローゼットへと消えていく。
その頬には涙が流れたままで、横を通り過ぎたからか、流れた天使に涙の粒がかかった。
「クローゼットに隠れた? あっ、隠れんぼね! 昔はよくやったわよね。じゃあ探すわよ!」
お姫様の予想だにしなかったのだろう様子を見て、テンパった天使はこんなこと言う。
かーーなり、テンパってる。
「どこに隠れたのかバレバレじゃねーか。そんな隠れんぼがあるか! お姫様のことはいい。それよりお前だ、ポンコツ天使。そのゴミは何だ? それが原因だぞ」
「……わかんない。これ、ゴミじゃないの? 可愛い包からゴミが出てきたのよ。それでルシアがゴミを送ってきたんだと思って……──どうしよう! あの子があんなに泣くなんて、どどどどうしよう!?」
こいつはどうしようばっかだな……。
しかし、元が何かも分からないんじゃ、どうしようもないぞ。俺もどうしようって言ってる……。
「おい、普段からゴミは送られてきてたのか?」
「全然。今まで1回もそんなことはなかったわ」
「じゃあゴミじゃないだろう。つーか、ゴミを送りつけてくるやつがいるのか? 恨まれてるのか? 憎まれてるのか? 違うよな。お前らは仲のいい幼馴染にしか見えないからな」
天使がどう思ってるかは分からないが、お姫様は、ルシアは少なくてもそう思っていたはずだ。
「……………………えっ?」
「『えっ?』じゃねーよ。ポンコツは気づいてないんだな。お姫様のアレは、照れ隠しにツンデレだ! ライバルではあるんだろう。だが、お姫様側に憎さは無い。天使が煽る前まで、あいつはニコニコしてたぞ? 俺はそんなの見たことなかった。お菓子を食ってる時より嬉しそうだった」
それに、このお姫様の部屋のいろいろも納得した。この部屋は、まるで誰かをもてなすかのように準備されていたんだ。
俺は1週間ずっと疑問だったし、ずっと不思議だった。でもお姫様に聞いても教えてくれないし、でも何かソワソワしてた。
お姫様は一愛に任せておけばいい。
あの泣き方は普通じゃなかった。直ぐに追いかけさせても駄目だろう。
俺はまず、このゴミが何だったのかを探らなくちゃいけないな……。
残念なことに、天使がポンコツだったと判明した……。
俺は少しだけ、『──天使スゲェ!』と思っていただけに本当に残念だ。
どこがポンコツなのかと聞かれれば、全体的にだろう。全体的にポンコツな天使さん。
ポンコツではなく、ドジっ娘と言われると可愛らしい気がするかもしれないが、アレを俺は認めない。だからポンコツと表記する。
女の子に優しい俺ではあるが、ポンコツのポンコツさによってかなりのダメージを受けた。もう優しくだけはできない!
「ポンコツな天使さん。はいこれ。諸々の請求書だよ。びた一文まからないからそのつもりで」
「……」
「あぁ、すでにナナシくんはどこかに連絡していた。ジッと見つめているその紙を、天使ビームで焼き払ったとしても『ムダ!』だからな」
成敗され粛正された俺はその場に放置。それに満足したダブルお姫様たちは、平然と城の中に帰っていく。
そんなことがありました……。ついさっきのことです。
やられた後も俺には意識があったので、最初の時ほどのパワーは使われていなかったようだ。
しかし、これは配慮とか手加減とかではなく、やり過ぎるとまた怒られるからだと思われる。
姫たちにしばきまわされた俺は、騒ぎに気づいたアンチたちによって、助けられ羨ましがられた。
じゃあ、お前たちが身代わりになってくれよと、俺は本気で思いました。
その後、助け起こされた俺は大人の人を探しにいき、ちょうどまとめ終わったらしい請求書をニクスから奪い取って、お姫様の部屋へとやってきた。これがここまでの経緯だ。
どう思う? 少なくても最悪だよね?
「…………ううっ」
「泣いてもダメだ。俺はそんなものに誤魔化されない。天使さんはポンコツでも姫なんだろう? きっとパパが何とかしてくれるよ。帰ってからも叱られるんだな!」
「いやーーーーっ! こんなの知られたら天使長に殺される! 助けて、お願いだから助けて! 二度としない。さっきのことも謝るからーー! アタシを助けてーー!?」
お、おぅ……。す、スゴイね。
こう腕を自分の方にグイグイ引き寄せられるんだけど、その際にちょっと触れるプニプニの感触がスゴイ!
これは腕に全神経が集中してしまう。これに直に触れたとか、もっとしっかり味わっておきたかったーーっ!
「何でもする。なんでもしますからーーっ。天使長にだけは知らせないでーー!」
な、なんでも……。
何でもということは、そのプニプニを触るというのもありなんだろうか?
天使長が誰かは知らないが、そのプニプニのためなら多少のことは大目に見てあげなくもない。
「今、考えたようなことをしようものなら死刑にするわよ」
ジトーーッとした視線を俺に向けていたお姫様が、急にそんな物騒な、彼女なら本気でやりかねないことを言う(俺にだけね)。
「な、なんの話だい?」
「その天使は姫なのよ。一応。それに手を出されたら、国交問題。果ては戦争よ。そうならないように、犯人は死刑にするしかなくなるという話よ」
「──離れろぉ、ポンコツ天使! セクハラされたなんて言いがかりで、死刑になんてなってたまるか! その色香で騙せると思うなよ! ……危なかった」
そういうのもあるのかーーっ。
今は平和だとしても天使と悪魔だもんな。怖いわーー。
例えばだよ……。
『娘に手を出されて黙ってられん! 戦争だ!』
──となるだろう?
『犯人は死刑にしました。だから、許して?』
──ってなる。
『……それじゃあ、しょうがないな』
で、一件落着と。
まあ、犯人は死刑になってるけどね。
こんな妄想してる場合じゃないね。ごめんよ。
「──ルシア、助けて! 本当にヤバい。本当にマズイ。本当に大変なのよーー! パ、パパより。ママより。天使長が一番ヤバい。あの人はアタシを目の敵にするの。きっとあんなことや……こんなことを……──いやーーーーーーっ!?」
「いや……お姫様には無理だろう。だって、キミたち2人は同罪だよ? はしゃいだ結果が外の惨状だからね」
天使は俺から離れ、今度はお姫様に助けを求めるが、お姫様は困った顔をするだけだ。
お姫様も分かっているからこそ、今まで口を挟まなかったのだろう。天使が俺にひっついたから仕方なく口を出したのだろう。
「じゃあどうしたら……。もうルシアのところに住むしかない? 怖くて家に帰れない。でも、勉強をサボって、授業をサボってしていたら……きっと怒りのメーターは振り切れる。どどどどど、どうしよう!?」
そんなに恐ろしいの。天使長。姫がビビるって何?
こっちのお姫様にはそんなヤツいないよ。無敵だよ。今回、意外とニクスが怒ると怖いのは分かったけどさ。それくらいだよ。
というか、このポンコツ天使は何しに来たんだろう?
わざわざ暴れるために来たんだとしたら、この反応はおかしい。やりすぎた結果という線もなくはないが、それではポンコツすぎる。
「そういえば天使は何しにきたんだ?」
「……言われてみればそうね。どうして今日は最初からあんなに喧嘩腰だったの?」
天使はお姫様に抱きついていた体勢から、立ち上がり少し離れていき、少し沈黙したのち、今度はわなわなと震えだした。
そして自らの胸元に手を突っ込み、そこから何かボロボロのゴミのようなものを取り出して……──今、どっから出てきた!?
「えっ!? ちょ──、えっ?! 天使ちゃん。そんな場所からものを取り出しちゃうの。そこものが入るの。どうなってるの!?」
綺麗に二度見の後、胸元を凝視してしまうよね。これも仕方ないよね。気になるなっていうほうがムリだよね。
「あんた、本気で引っ叩くわよ……」
「いやね……ごめんなさい」
素直に謝ります。なんか天使が来てからか、今日のお姫様は変な感じだからさ。これまでにはない感じがする。
「──そうだった! これをルシアに返しにきたのよ! こんなゴミをわざわざ送りつけてきてーー、どういうつもり? 何これ? 嫌がらせにもほどがある。こんなゴミを送ってきてどういうつもりよ!」
天使は自分で取り出したゴミを、そっと床に置いて踏みつける。これでもかというくらいに踏みつける。
「──全部これのせいよ! これのせいでやりたくもない勉強をひたすらやったし! ここに来るのにも大変だったのに。この上、帰ったら天使長に殺されるとか、全部ルシアのせいよーーーー!」
元々がボロボロだったからか、ゴミは裂けて細かく、文字通りゴミのようになっていく。
何もそんなにせんでも……。あと床抜けたりしない? やめようよ、怪力なんだから。
「──っ」
えっ……。
「グチャグチャにして、めちゃくちゃにして、もうわぁーーーーーーーーってしてやったわよ! どう、ゴミの末路を見た感想は! もっと跡形もなくしてやるんだから!」
「──おい、天使!」
「──何よ! 人間のくせにアタシに指図しようって……いうの……」
足元のゴミを踏みつけることに集中していた天使は、そこでようやく顔をこちらに向けた。
そして目に入ったのだろう……ポロポロと涙を流すお姫様が。
「……ど、どうしたのよ? らしくないじゃない。『ふん、だからなんだって言うの。そのゴミを大事にしなさいよ』とか言わないの?」
そんなこと言わないだろう……。それにしても、天使じゃないが、らしくない。
天使が言うようなことは言わないだろうが、本当にどうしたんだ? 泣くようなところはなかったよな?
いや……あのゴミか? あれが原因か。
「────っ」
「──おい!」
優雅にお茶を飲んでいたお姫様は立ち上がり、走ってクローゼットへと消えていく。
その頬には涙が流れたままで、横を通り過ぎたからか、流れた天使に涙の粒がかかった。
「クローゼットに隠れた? あっ、隠れんぼね! 昔はよくやったわよね。じゃあ探すわよ!」
お姫様の予想だにしなかったのだろう様子を見て、テンパった天使はこんなこと言う。
かーーなり、テンパってる。
「どこに隠れたのかバレバレじゃねーか。そんな隠れんぼがあるか! お姫様のことはいい。それよりお前だ、ポンコツ天使。そのゴミは何だ? それが原因だぞ」
「……わかんない。これ、ゴミじゃないの? 可愛い包からゴミが出てきたのよ。それでルシアがゴミを送ってきたんだと思って……──どうしよう! あの子があんなに泣くなんて、どどどどうしよう!?」
こいつはどうしようばっかだな……。
しかし、元が何かも分からないんじゃ、どうしようもないぞ。俺もどうしようって言ってる……。
「おい、普段からゴミは送られてきてたのか?」
「全然。今まで1回もそんなことはなかったわ」
「じゃあゴミじゃないだろう。つーか、ゴミを送りつけてくるやつがいるのか? 恨まれてるのか? 憎まれてるのか? 違うよな。お前らは仲のいい幼馴染にしか見えないからな」
天使がどう思ってるかは分からないが、お姫様は、ルシアは少なくてもそう思っていたはずだ。
「……………………えっ?」
「『えっ?』じゃねーよ。ポンコツは気づいてないんだな。お姫様のアレは、照れ隠しにツンデレだ! ライバルではあるんだろう。だが、お姫様側に憎さは無い。天使が煽る前まで、あいつはニコニコしてたぞ? 俺はそんなの見たことなかった。お菓子を食ってる時より嬉しそうだった」
それに、このお姫様の部屋のいろいろも納得した。この部屋は、まるで誰かをもてなすかのように準備されていたんだ。
俺は1週間ずっと疑問だったし、ずっと不思議だった。でもお姫様に聞いても教えてくれないし、でも何かソワソワしてた。
お姫様は一愛に任せておけばいい。
あの泣き方は普通じゃなかった。直ぐに追いかけさせても駄目だろう。
俺はまず、このゴミが何だったのかを探らなくちゃいけないな……。
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