連れ去られた先で頼まれたから異世界をプロデュースすることにしました。あっ、別に異世界転生とかしないです。普通に家に帰ります。 ② 

KZ

文字の大きさ
13 / 101
天使のホワイトデー

謝る方法を考える……俺が

しおりを挟む
「ううっ……えぐっ……」

 こまった……。
 大変、困ったことになってしまった。

「……っ、うわぁぁぁぁあん──」

「泣くな、自分でやったことだろ! そして、その鼻水と涙を俺で拭くな!」

 もうさっきまでの、勢いで生きていた天使はいない。
 今いる天使は、自分のやらかしを後悔するざまぁない天使だ。ざまぁない。なさすぎる。

「だってーー、顔も見たくないって言われたーー。もう完全に嫌われた! もうおしまいよーー」

 天使のせいで泣いていなくなってしまったお姫様は、俺の幼馴染のルイちゃん宅にいると判明した。
 今いる俺の部屋から、徒歩1分くらいの距離にいるわけだ。
 それを知り、すぐにでも押しかけようとする天使を俺が諌め、一愛いちかがルイに電話をかけて、お姫様の様子を聞いたんだ。

『しばらく無理だな。顔も見たくないってよ……』

 ──と言われた。まあ、あんなことがあれば当然の反応ではあるが、それを聞いた天使は泣き出した。
 謝るどころの話ではなかった。顔も見たくないと言われてしまっては、もう無理だ。

「残念だが、どうしようもないから解散。おつかれしたーー!」

「なんでよぉ、助けてよ。アタシを助けてよぉーー」

 ざまぁない天使はすがりついてくるが、どうにもならないもんはどうにもならない。
 あと鼻水ついてるし、くっつかないでもらいたい。

「今日は無理だ。顔も見たくないと言われてはな。時間を置いて謝りに行くしかないだろう? というわけで解散。おつかれした!」

「そんなの嫌よぉ。こんな気分のまま過ごすなんてムリよぉ」

 そうは言ってもな。会ってすらもらえなくては、何ともしようがない。これで無理矢理に会ったところでこじれるだけだろうし。
 今日はもう諦めて寝るしかないと思うんだけどな……。

「れーと」

 電話だけではあれなので、お隣に直接様子を伺いに行っていた一愛が戻ってきたようだ。木刀も返してきなさいと持たせました。
 事あるごとにアレで殴られそうだからさ……。家にあるってだけでビクビクしてしまうさらさ……。

「ルシアちゃんが絶交だって。顔も見たくない。もう帰れってーー」

 俺を見ながらだが、天使にかなりダメージが入ることを言う妹。容赦ないな。
 まあ、誰が聞いても100%悪いのは天使だから仕方ないんだけど。けど、追い討ちか。今のはわざとかな?

「うわぁぁぁぁぁぁぁん──」

 しかし……これさ。傍目から見ると、俺が天使を泣かせているように見えないだろうか?
 そして死刑にはなりたくないので、あんまり引っつかないでほしいんだけどな。

「一愛、少し言葉を選べ。そしてミカ。お前は鼻水を拭け。 ──俺を使わないでティッシュを使え!」

 ティッシュの箱を天使へと渡し、使い方がわからなそうだから3枚ほど取ってやる。いくらポンコツでも、目の前で一度やって見せれば自分でできるだろう。できるよね?

「どうするの?」

「どうにもならないだろ。面会すら拒否られてはな。日を改めるしかない。ルイには悪いが、今日はお姫様を泊めてくれと頼むしかあるまい」

「ミカちゃんは?」

「こいつは向こうに1週間滞在する予定らしい。『絶交』『帰れ』と言われてはいるけどね。お姫様とは部屋は階も別だし、こいつが気をつければ2人の接触は避けられる。んで、お姫様の様子を見て。機会を見て謝りに行かせるしかない」

 天使がいる間に、仲直りさせて帰さなくてはな。
 国交とか、天使と悪魔とか関係なく、幼馴染が仲違いしてるという状況は、やはり少し前の自分に重なってしまう……。
 長いことそれを放っておいた俺だからこそ、早くなんとかしてやりたいと思うのだろう。

「れーとは意外と面倒見がいいよね」

「『意外と』という部分がよけいだけどな?」

「そういうわけだから、ミカちゃん元気出せや。れーとが手伝ってくれるらしいし。先日までお姉ちゃんと絶交状態だったクズではあるが、だからこそ今のミカちゃんの力になれると思う」

「言葉を選べ。選ぼう? 少しは俺に配慮しよう?」

 クズだったのも否定しない。できない!
 今の天使くらい……以上ではないよね? 同じくらいには俺もひどかったからな。
 時間のかかった分だけ俺の方が悪いか……。

「……ぐずっ……レートはどうしたの?」

「それ、一愛も知りたい! どうお姉ちゃんに謝ったの?」

 てっきりルイに聞いているとばかり思ってたのだが、妹はそれについては知らないらしい。
 もう済んだことだし、かっこ悪いが謝るといえばこれだと俺は思う。今の天使のためになるなら教えよう。

「──土下座だ!」

「「……んっ?」」

 天使は土下座が何か分からないのだろう。異世界に土下座文化はないからな。
 一愛は予想外の内容だったのだろう。分かりやすく首をかしげている。

「DO・GE・ZA。だ!」

 天使は首をかしげて理解してないふうなまま、妹は態度を一転し俺をゴミを見るような目で見ている。一気に冷ややかな雰囲気になっている。

「ちょっとひくわ。もっと違うやり方があったと思う……」

「ねぇ、『DO・GE・ZA』って何?」

「ミカちゃんは知らない方がいい。れーととは違う謝り方をしようね? 一愛も手伝ってあげるから」

 一愛も仲直りを手伝ってくれるらしい。
 みんな……何も言うな。言わないでくれ。


 ※


「お姫様のことはルイには了解を得たし、セバスにも伝えてきた。家出ではなく単なるお泊まりとし、天使がやらかしたという点も伏せておいた」

「よくやった。れーとにしては良い判断だ。ミカちゃんは泊まるとこあるんだよね。帰る?」

「こんな気分で1人で寝るのはイヤ。アタシも泊めて……」

「えっ、それは俺の部屋にという意味か!? 困るなーー」

「そんなわけねーだろ。鼻の下伸ばしてると、また木刀借りてくるからな」

「……はい。調子に乗ってました」

「ミカちゃん。れーとに何かされそうになったら言うんだよ? 社会的に抹殺してやるから」

「わかった」

「…………」

 というやり取りがあり、天使が我が家にお泊まりすることになった。絶対に家から出ないという条件を守ると約束させてね。
 勝手されて、更にややこしくされてはたまらない。

 その天使ことミカは、一愛いちかに引き取ってもらった。それが、いろんな意味で一番安全だと思ったから。
 家に天使がいるというのは、かなりの異常事態だと思ったので両親にも了解を得た。

 と言っても、異世界とかに特に興味がないらしい両親からは特に何もなく、夕飯の席にお姫様のお友達だと紹介したら納得された。
 お泊まりの件も言ったが、まあいつも通りだった。

 そんなこんながあり、もうさっさと寝ろよと女子2人には伝え、そうすることにしたのか一緒に風呂へと向かったようだ。
 ……女の子って一緒にお風呂入るの抵抗ないのかな?

「いかん。不埒なことを考えている場合ではない。しかし、どうしようかなー。土下座が使えないとなると、何も思いつかないな……」

 お詫びの品を持って謝りに行くとかかなぁ? そうなるとお菓子か? お姫様は甘いもの好きだし。
 しかし、チョコレートではないな。天使にチョコレートを教えるとか。
 バレンタインの焼き回し感がハンパないからな。

 お詫び。お菓子。ホワイトデー。
 ホワイトデーもまだ遠いな。
 3月にもなってない。
 もっと違うやり方……。一愛が言ったそれかな?

 すぐさま行動したいが、明日も平日だし学校へ行かなくてはいけない。放課後はバイトもある。
 明日できることは学校行く前にルイに連絡して、お姫様の様子を聞いて、学校でどうするのか考えるくらいか。
 何か課題もあった気がするけど、それも学校に行ってから考えよう。

「レート、着替えがない! 悪いけど、ちょっと取りに行ってきて!」

「──うわぁ!? なんて格好でうろついてんだ!」

 ベッドに寄りかかって、天井を見上げながら考え事をしていたら、バスタオルを巻いただけの天使が目の前にいた。
 集中していたのか接近に気づかなかった。

「ミカちゃん、何をやってんじゃーーーー! いろいろサイズが合わないのは申し訳ないけど、何をやってんじゃーーーー! れーとは目をつぶってろ!」

 バタバタと音がして、天使の後から同じ格好で妹も現れる。一愛はミカを引っ張って連れて行こうとするが、天使の方が力が強いので大変なことになっている。
 なななな、こいつらは何をやっているのか……。

「──わ、悪い。早くそのエロ天使を持っていってくれ! 早く、連れて行ってくれ!」

「服よ、服! アタシの荷物から持ってきてよーー」

「はぁ? あの山のような荷物からとか無理だ。自分で行け!」

 あんなのを漁っていたら日が暮れる。いや、時間帯的にもう暮れてるから日が昇るか?
 あの荷物の山に挑むのも嫌だし、女の子の荷物を漁るのも嫌だ。変態じゃん。

「バカ、裸でウロウロできるわけないじゃない!」

「今してるよ? ウロウロしてる」

「れーと、ミカちゃんが暴れるからいけ! バスタオルがとれそう。早くいって持ってこい!」

「えぇー、日が昇るよ? 本当に行くの?」

 俺に水滴が飛んできて付着する。
 このことから天使がジタバタしている様子が見なくても分かってしまう。見なくてもだ! 俺は何も見ていない!
 くっ、だがこのままでは大惨事になり、最悪死刑になるかもしれない。やむ終えない。

「執事に聞けば分かるか?」

「──こっちみんな!」

 あっ、つい見てしまった……。
 その瞬間、テレビのリモコンが飛んできた。当たりはしなかったが、リモコン投げるとか危ないよ。

 ……リモコン? ──そうか!

 直接の解決策にはならないかもしれないけど、分かることもあるかもしれない! その手がありました!

「いいぞ、一愛。ナイスだ!」

「……変態」

「──違う! そういう意味じゃない!」

「そういう意味って何? 変態……」

 もう何を言っても変態としか言われなそう……。
 執事に状況を話して、天使の服を持ってこよう。そしてもう1人の執事に頼んで時間渡航しよう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜

とかげになりたい僕
ファンタジー
 不慮の事故で死んだ俺は、女神の力によって転生することになった。 「どんな感じで転生しますか?」 「モテモテな人生を送りたい! あとイケメンになりたい!」  そうして俺が転生したのは――  え、ここBLゲームの世界やん!?  タチがタチじゃなくてネコはネコじゃない!? オネェ担任にヤンキー保健医、双子の兄弟と巨人後輩。俺は男にモテたくない!  女神から「クリアすればもう一度転生出来ますよ」という暴言にも近い助言を信じ、俺は誰とも結ばれないバッドエンドをクリアしてみせる! 俺の操は誰にも奪わせはしない!  このお話は小説家になろうでも掲載しています。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

処理中です...