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天使のホワイトデー
そしてホワイトデーへ ③
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♢26♢
これは今朝のことだ。
俺が自室のクローゼットを開けて、お姫様の部屋へと入った時にはすでに、お姫様は部屋にいなかった。
面倒なので俺たちの部屋の何がどうなっているのかは割愛する。知りたい人。わからない人は、各自自分で確認してください。
『──おはよう! 今日は姫祭りだよ。っていないし……』
この時点でお姫様はすでに、調理場にてチョコレートケーキを作成中であった。余裕を持っての行動かとも思っていたのだが違ったのだ。
それが判明したのがさっきのこと。
ドラゴン装備を着込んだお姫様にぶつかった時のことだ。これも各自確認してください。
『これ、ダメになっちゃうから持ってて。いい、誰にも見せないし何も言わないでね』
『これ──』
『──言うなって言ってんでしょ!』
『ぐふっ……かしこまりました、姫。お預かりします』
『よろしくね』
俺が適任だったんだ。渡されたものが何かを見ただけで分かるし、扱いも同様だ。
何より今日の俺の服装は袖が振れる。その袖部分に収納しておけば誰にもバレなかった……はずだった。
「それでオチとは? わかっているとは思うが、何か誤魔化したりすれば、貴様はあのバトルの中だ。発言には注意したまえ。そして早く喋りたまえ」
そう、こんなふうに自白を強要されなければね。
ここで喋り、ものを見せた場合、お姫様からの言い付けをダブルで破ることになる。
そんなことをしたら、ここを生き残ったとしてもお姫様にシメられる。
「ほら、これで分かるだろう」
なので、ものだけをさらす。聡明な妹である一愛ちゃんは、ものだけで気付くはず。
これでバトルへの突入を避けられ、責任を問われた時の俺の罪も半分になる。まさにベストな回答だと思う。
「その包み……」
「一愛、それ以上はいけない! ネタバレもはなはだしいぞ!」
「おっ、おおぅ……。しかし、なるほどね。理解したよ。だけど──」
一愛のその『だけど』は最初に戻るだけだと思う。
「じゃあ、このバトルはなんなの?」
「──ツンデレだ! 両方とも素直じゃないから、こうなったんだ。どちらかが素直だったら、バトルなど発生しなかった」
結局、これだと思われる。
建前とか理屈とかいろいろあるふうに感じるが、『ツンデレだから!』これが一番分かりやすい。
しかもデレがないツンデレだ。もはやツンしかない。いくらかでもデレが存在すれば良かったのに……。
これから先にデレがあると信じましょう。
※
「……分かったわよ。アンタの気持ちは、よーくわかりました。上手く避けるなり受けるなりしなさいよ。アタシはまだ下手だから、下手したら死ぬわよ。し、死んだりしたら許さないからね!」
「──望むところよ!」
「本当にもう……。でも、そこまで本気だと言うなら、見せないわけにはいかない。ルシア、行くわよ!」
「──来い、ミカエラ!」
みんなバトルが気になるとは思うが、バトルは置いといて俺の話を聞け。
今現在バトルしてるけど、実はバトルものじゃないんだ。それに、俺はあんなバトルに何があろうとも参加したくないんだ。
口先と知力でやっていきたいんだよ。
──だからバトルは解説しない! 代わりに語る。うーん、そうだな……。
天使という生き物がいるとして、みんなはどんな姿を思い浮かべる?
頭に輪っかと背中に羽根。これが一般的なんじゃないかと思う。
まあ、それはイメージであって実際とは異なる。その実際というか、俺が知る天使についてまとめる。
まず羽根は直に生えているわけではなく、必要な時だけ出すことができるらしい。
しかし、ミカ以外の天使はずっと羽根を出している。まるで、『私は天使です』と主張しなくてはいけないように。
どれも同じに見える羽根をしている天使たち。だが、大天使と呼ばれるミカエルのおっさんだけは、なんか神々しい羽根をしている。
すごく違和感というか、顔に対して似合ってないだとか実は思っていたが本人にはナイショで頼む。
次に頭の輪っかというやつは存在しない。その代わりに髪の色が共通している。全員金髪。
どっかのヤンキーとは違い、直の金髪であり、本物の金色だ。
なんとこれは輝く! より強い天使の力を使うほどな……ふぉっふぉっふぉっ……。
俺が裁かれそうになった際も、ミカエルのおっさんは輝いていたらしい。
俺はそんなとこを見ている余裕はなかったし、お姫様によっておっさんは視界から消えたので、詳しく見れなかったという事情もある。
出し入れ自由な羽根と、地毛の金髪が天使。これが俺の知る天使のまとめだ。
あと天使ということに誇りを持っている。若干持ちすぎている。自分たちは、『偉いんだぜ!』と勘違いしているところがある。
これは明日にも悔い改めるだろうから、今日のところは大目に見る。というか、偉い天使のおっさんたちは明日まで起きないだろう。ベロンベロンだったしな。自己管理もできないとか草生える!
……俺のせい? ちょっとなにいってるのかわからない。
いかん、バトルが進行というか大して進んでない!
しかし、バトルは幕引きが近い。天使がやる気になったようだからだ。
金髪が輝きを放ち、空気が震える。
「そんな防具だけじゃ受けられないわよ!」
ミニチュア同士の闘いなのに、ここまで感じる異変。これはアカン。退避も考えなくてはいけないレベルだ。
「心配無用よ。火を吹くトカゲの特性をこの剣は内包している。切っ先は口なのよ、これ。一定以上の力で振れば口から火が出る仕組みになってる。今より真っ黒焦げにならないように、あんたこそ気を付けたら?」
そして、心配に対して煽るなよ! 天使ちゃんの性格を考えると簡単に乗るんだから。
今さらやめるのは無理だろうけど、せめて100パーセントでいいじゃない。120パーセントを求めないでよ。
「我は天からの使い。その意思を伝える者。また意に反する者を断ずる者なり。成すために与えよ。裁きを与える光の刃を──」
綺麗な声で何を紡いでんだよ。詠唱すんなよー。
一言ごとにグングン伸びていっているよ。俺の恐怖指数が! いや、本当にどこのバトルものなんだよーー。
「──天剣・一刀両断!」
「ほらトカゲ。口を開けなさい。おりゃぁぁぁぁぁぁ──」
この直後、『──いかん!』そう聞こえました。おそらくセバスか、ミカエルのおっさんだったと思う。
どうして、『思う』と表現が曖昧なのかというとね。姫たちミニチュア同士のバトルは、闘いの場所であったテーブルを破壊し、テーブルの周りの俺たちも巻き込んだからだね。
こう、目の前で爆発が起きた感じ。閃光と衝撃波的なものが、合わさってドォーーッと押し寄せる感じ。
きっと姫祭り会場は大破していると思う……。
これは今朝のことだ。
俺が自室のクローゼットを開けて、お姫様の部屋へと入った時にはすでに、お姫様は部屋にいなかった。
面倒なので俺たちの部屋の何がどうなっているのかは割愛する。知りたい人。わからない人は、各自自分で確認してください。
『──おはよう! 今日は姫祭りだよ。っていないし……』
この時点でお姫様はすでに、調理場にてチョコレートケーキを作成中であった。余裕を持っての行動かとも思っていたのだが違ったのだ。
それが判明したのがさっきのこと。
ドラゴン装備を着込んだお姫様にぶつかった時のことだ。これも各自確認してください。
『これ、ダメになっちゃうから持ってて。いい、誰にも見せないし何も言わないでね』
『これ──』
『──言うなって言ってんでしょ!』
『ぐふっ……かしこまりました、姫。お預かりします』
『よろしくね』
俺が適任だったんだ。渡されたものが何かを見ただけで分かるし、扱いも同様だ。
何より今日の俺の服装は袖が振れる。その袖部分に収納しておけば誰にもバレなかった……はずだった。
「それでオチとは? わかっているとは思うが、何か誤魔化したりすれば、貴様はあのバトルの中だ。発言には注意したまえ。そして早く喋りたまえ」
そう、こんなふうに自白を強要されなければね。
ここで喋り、ものを見せた場合、お姫様からの言い付けをダブルで破ることになる。
そんなことをしたら、ここを生き残ったとしてもお姫様にシメられる。
「ほら、これで分かるだろう」
なので、ものだけをさらす。聡明な妹である一愛ちゃんは、ものだけで気付くはず。
これでバトルへの突入を避けられ、責任を問われた時の俺の罪も半分になる。まさにベストな回答だと思う。
「その包み……」
「一愛、それ以上はいけない! ネタバレもはなはだしいぞ!」
「おっ、おおぅ……。しかし、なるほどね。理解したよ。だけど──」
一愛のその『だけど』は最初に戻るだけだと思う。
「じゃあ、このバトルはなんなの?」
「──ツンデレだ! 両方とも素直じゃないから、こうなったんだ。どちらかが素直だったら、バトルなど発生しなかった」
結局、これだと思われる。
建前とか理屈とかいろいろあるふうに感じるが、『ツンデレだから!』これが一番分かりやすい。
しかもデレがないツンデレだ。もはやツンしかない。いくらかでもデレが存在すれば良かったのに……。
これから先にデレがあると信じましょう。
※
「……分かったわよ。アンタの気持ちは、よーくわかりました。上手く避けるなり受けるなりしなさいよ。アタシはまだ下手だから、下手したら死ぬわよ。し、死んだりしたら許さないからね!」
「──望むところよ!」
「本当にもう……。でも、そこまで本気だと言うなら、見せないわけにはいかない。ルシア、行くわよ!」
「──来い、ミカエラ!」
みんなバトルが気になるとは思うが、バトルは置いといて俺の話を聞け。
今現在バトルしてるけど、実はバトルものじゃないんだ。それに、俺はあんなバトルに何があろうとも参加したくないんだ。
口先と知力でやっていきたいんだよ。
──だからバトルは解説しない! 代わりに語る。うーん、そうだな……。
天使という生き物がいるとして、みんなはどんな姿を思い浮かべる?
頭に輪っかと背中に羽根。これが一般的なんじゃないかと思う。
まあ、それはイメージであって実際とは異なる。その実際というか、俺が知る天使についてまとめる。
まず羽根は直に生えているわけではなく、必要な時だけ出すことができるらしい。
しかし、ミカ以外の天使はずっと羽根を出している。まるで、『私は天使です』と主張しなくてはいけないように。
どれも同じに見える羽根をしている天使たち。だが、大天使と呼ばれるミカエルのおっさんだけは、なんか神々しい羽根をしている。
すごく違和感というか、顔に対して似合ってないだとか実は思っていたが本人にはナイショで頼む。
次に頭の輪っかというやつは存在しない。その代わりに髪の色が共通している。全員金髪。
どっかのヤンキーとは違い、直の金髪であり、本物の金色だ。
なんとこれは輝く! より強い天使の力を使うほどな……ふぉっふぉっふぉっ……。
俺が裁かれそうになった際も、ミカエルのおっさんは輝いていたらしい。
俺はそんなとこを見ている余裕はなかったし、お姫様によっておっさんは視界から消えたので、詳しく見れなかったという事情もある。
出し入れ自由な羽根と、地毛の金髪が天使。これが俺の知る天使のまとめだ。
あと天使ということに誇りを持っている。若干持ちすぎている。自分たちは、『偉いんだぜ!』と勘違いしているところがある。
これは明日にも悔い改めるだろうから、今日のところは大目に見る。というか、偉い天使のおっさんたちは明日まで起きないだろう。ベロンベロンだったしな。自己管理もできないとか草生える!
……俺のせい? ちょっとなにいってるのかわからない。
いかん、バトルが進行というか大して進んでない!
しかし、バトルは幕引きが近い。天使がやる気になったようだからだ。
金髪が輝きを放ち、空気が震える。
「そんな防具だけじゃ受けられないわよ!」
ミニチュア同士の闘いなのに、ここまで感じる異変。これはアカン。退避も考えなくてはいけないレベルだ。
「心配無用よ。火を吹くトカゲの特性をこの剣は内包している。切っ先は口なのよ、これ。一定以上の力で振れば口から火が出る仕組みになってる。今より真っ黒焦げにならないように、あんたこそ気を付けたら?」
そして、心配に対して煽るなよ! 天使ちゃんの性格を考えると簡単に乗るんだから。
今さらやめるのは無理だろうけど、せめて100パーセントでいいじゃない。120パーセントを求めないでよ。
「我は天からの使い。その意思を伝える者。また意に反する者を断ずる者なり。成すために与えよ。裁きを与える光の刃を──」
綺麗な声で何を紡いでんだよ。詠唱すんなよー。
一言ごとにグングン伸びていっているよ。俺の恐怖指数が! いや、本当にどこのバトルものなんだよーー。
「──天剣・一刀両断!」
「ほらトカゲ。口を開けなさい。おりゃぁぁぁぁぁぁ──」
この直後、『──いかん!』そう聞こえました。おそらくセバスか、ミカエルのおっさんだったと思う。
どうして、『思う』と表現が曖昧なのかというとね。姫たちミニチュア同士のバトルは、闘いの場所であったテーブルを破壊し、テーブルの周りの俺たちも巻き込んだからだね。
こう、目の前で爆発が起きた感じ。閃光と衝撃波的なものが、合わさってドォーーッと押し寄せる感じ。
きっと姫祭り会場は大破していると思う……。
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