48 / 101
天使のホワイトデー
そしてホワイトデーへ ②
しおりを挟む
ドラゴンがいてそれを倒す。
そしてその素材が手元にある。
そしたら普通、ドラゴン装備を作るよな。
逆に作らない理由がないよな。この気持ち分かるよな?
『いくわよ』
『──アタシ、やるって言ってない!』
ドラゴンの食べられない部位すら、無駄にしないという精神からくるエコな考え。環境にも優し……くはないか。とにかく。ドラゴン装備は作るよな。
それに装備自体に悪いところはない。
悪いのは使うヤツ、作ったヤツ、作らせたヤツだ。
この中で俺の思う一番悪い人は、最後の人かなー。つまり俺かなー。
『てりぁぁぁぁあ──』
『くっ──、集束・天使の光!』
ああー、バトルが始まってしまった。
ドラゴン装備を着込んだお姫様対、前回から特に変化のない天使ちゃんとのバトルが……。
『何その装備!? そんなのどっから持ってきたのよ!』
『プロデューサーの部屋からよ。作らせたはいいが使えない。それで調度品にするのは勿体ないでしょう!』
『レ、レートのバカーーーー!!』
お姫様が剣を構えて天使との距離を詰める。
飛んでくる沢山の天使ビームは、盾と鎧が防いでくれる。兜もあるから防御力は高い。
ドラゴン装備は超重くて俺は装備出来ないんだけど、物理な姫には関係ないらしい。
『ミカ、本気でやりなさい。いつまでそうしているつもり!』
『ルシアもバカ! なんで、今闘わなきゃなんないのよ!』
『結局、あたしたちにはこれなのよ。分かったら本気を出せ! ミカエラ!』
まず鎧と盾。これはドラゴンの素材から作られたため、耐熱性に優れており火とかを防げる。
日常の中に火を吹く生き物がいるのかというといないけど、ここは異世界。俺の行動範囲は主に安全な城だけだけど、ここは異世界。
何かあるかもしれないし、カッコいいじゃんドラゴン装備。
「……またか。また、貴様か……」
「すいません」
「あれか、余計なことをしないと気がすまないのか。いらないことをしないと死んだりするのか? ──どうなんだ!」
お姫様が使用しているドラゴン装備が、俺の主導で作られたことが妹にバレた。
そんなわけで現在、俺は正座させられお叱りを受けている。あと、前回縛られたのは解かれてはいない。
「すいませんでした。わたしが作らせました。調子に乗っていました」
ここは全力での謝罪しかない。
すげーー、近くで行われている、あの本気バトルに巻き込まれようものなら死ぬ。ラッキースケベでも死ぬ。
「今からでも遅くないから2人に割り込んで死ね」
「本当に死ぬんで勘弁してください。お願いします」
前回、お姫様は天使ビームに苦戦していた。あの時は、お姫様は生身だったし仕方ない。ミカの天使ビームは反則だし仕方ない。
お姫様は生身でビーム防いでいた気もするけど……──まあ、いいよね! 気にしないでいこう!
『天使の光ではダメか……』
『ダメよ、真面目にやれ! さもないと叩き斬る!』
しかし、今回はドラゴンの鎧と盾がある。これが天使ビームを防いでいる。
ビームを防げれば楽にミカに近寄れ、ドラゴン素材の剣の届く距離になる。
「あれはどこのバトルものなんだ? これは誰のせいだ? 言ってみなさい」
一愛ちゃんはめっちゃ機嫌が悪い。
顔はずっと笑っているが、目は一瞬たりとも笑っていない。これはガチでヤバい。
「加工屋のせいです。あんなもん作ったヤツが悪いと思います」
これは認めたらバトルに突入させられる。そしたら死ぬ。だから絶対に認めない。
加工したヤツに罪をなすりつけてでも、この場を乗りきるしかない。
「……もう一つ前の段階があるよね?」
「おっしゃる意味が分かりません。あと、今回は城も壊れないんで、バトルしようといいんじゃないかとも思います」
「はぁ……」
一愛に呆れられたところで、今起きていることを説明する。まず、今回の姫たちのバトルでは城は壊れない。修復中の城門に庭もだ。
何故かと言うと、彼女たちの現在の状況が関係している。
「イケメンの人。本当に2人は大丈夫なの?」
「ええ、セバス殿直々の術ですので問題ありません。喧嘩も日常茶飯事なのでそちらも大丈夫です。見守りましょう。姫には何か考えがあるようでしたから」
姫たちは現在、1.5センチのミニチュアとなって闘っているからだ。これはセバスの仕業。
バトっているテーブルには防御柵が設置されている。これは二クスの仕業。
まとめると悪魔たちの悪魔スキルにより、大変不可思議な現象がいくつも起きている。以上だ。
悪魔の悪魔スキル。これにより、お姫様たちには暴れてもいい場所が用意されたとだけ理解してくれればいい。
「おじいちゃん。確認するけど、ちっちゃくなっているのは10分だけなんだよね?」
「そうだ。それ以上は術がもたん。それまでには決着がつくだろうがな」
ああ、時間制限も付いている。10分しか小人にはなっていられないらしい。
その間に決着をつけるところまでいくようだ。だから、お姫様は最初から全力なのだ。
「おじさんたちは心配しないの?」
「……」
「我はせん。アレは強い。ルシアには悪いがミカエラが負けることはあり得ん。それがルシアを怒らせているのだろうが、それもこれまでであろう」
王様は何も言わないがその顔には心配が見て取れる。ミカエルのおっさんは聞いた通りだ。
以上の6人が、テーブルを囲んでお姫様たちのバトルを見守っている。
他はに後片付けを進めてもらっている。
「ルシアちゃん……」
「仕方なきこと。ルシアは未だ己が力を使えんのだから。万全に使えるミカエラに勝てる道理はない」
そう……らしい。お姫様が悪魔らしくないのはそのせいだ。
逆にミカは羽根にビームと天使らしい力を使う。あのビームが天使らしいのかは知らないがな。
「ルシアのことだ。前回から気付いていたはずだ」
でも、ミカは対等な条件で闘った。羽根も使わず。
まあ、ビームはバンバン使ってたけどね! つまり、前回も本当ならミカが勝っていたということだろう。
「ミカエラはミカエラで、ルシアに気を使ってらしくないことをしていた」
ミカは手を抜いていた。これはライバルからしたら屈辱でしかない。ブチ切れられても仕方ない。
あと1回変身できるのを隠していたわけだからね。
「ところで誰かこの縄を解いてよ。俺はいつまでこのままなのよ。もうバトルは始まってしまったんだから、俺の出番はないよ?」
「役立たず……」
「えー、俺はどうしたらよかったのよ」
「身をはって止めたらよかったんだよ!」
「──いや、死ぬし。それにな、これは結果の見えた闘いなんだろう? それを分かっていてルシアはやってんだろ。らしくなく装備まで着込んでだ。一愛、あいつは勝ちたいからやってんじゃないんだ。見たいんだよ、ミカの本気ってやつを」
おそらく決めていたんだろう。
ミカエルのおっさんの見立てが確かなら、前回のバトルから。何も言わなかったけど、機会をうかがっていたんだろう。
しかし、いざこざは予想外だった。ミカの怪我もか。でも、そのどちらともが解決した。
あとはイーブンな状態に戻してからのバトル。これが、お姫様の筋書きなんだろう。
「──何を分からんことを! これはバトルものじゃないんだ。そんなバトル理論が通じるか!」
「バトル理論じゃないよ。これは幼馴染の理論だ」
知らぬ間についた差を理解したいんだろう。
俺も幼馴染大明神様のお菓子作りの腕前には度肝を抜かれたから分かる。
俺も『知らないうちにこんなことになってたのか!』と思ったからな。それを本人に言いはしないけどね!
「やはり身体をはって2人を止めてもらうか……」
「まだ続きがあんだから聞けよ! 今、いい感じだったじゃない。早計だよ。早まりすぎだって!」
「れーとをバトルに投入するから手伝って。 ──早く!」
「おい、何を一愛に唆されてんのよ。やめて! 特にセバス! 呪文を唱えんな!」
いかん、セバスが謎の呪文を唱え始めた。すぐに悪魔スキルが発動する!
小さくなったらどうにもならなくなる。
最後まで黙っていようと思っていたんだが、背に腹はかえられぬ……すまないお姫様。
「待て一愛! このバトルにはちゃんとオチがあんだよ」
「……オチ?」
そしてその素材が手元にある。
そしたら普通、ドラゴン装備を作るよな。
逆に作らない理由がないよな。この気持ち分かるよな?
『いくわよ』
『──アタシ、やるって言ってない!』
ドラゴンの食べられない部位すら、無駄にしないという精神からくるエコな考え。環境にも優し……くはないか。とにかく。ドラゴン装備は作るよな。
それに装備自体に悪いところはない。
悪いのは使うヤツ、作ったヤツ、作らせたヤツだ。
この中で俺の思う一番悪い人は、最後の人かなー。つまり俺かなー。
『てりぁぁぁぁあ──』
『くっ──、集束・天使の光!』
ああー、バトルが始まってしまった。
ドラゴン装備を着込んだお姫様対、前回から特に変化のない天使ちゃんとのバトルが……。
『何その装備!? そんなのどっから持ってきたのよ!』
『プロデューサーの部屋からよ。作らせたはいいが使えない。それで調度品にするのは勿体ないでしょう!』
『レ、レートのバカーーーー!!』
お姫様が剣を構えて天使との距離を詰める。
飛んでくる沢山の天使ビームは、盾と鎧が防いでくれる。兜もあるから防御力は高い。
ドラゴン装備は超重くて俺は装備出来ないんだけど、物理な姫には関係ないらしい。
『ミカ、本気でやりなさい。いつまでそうしているつもり!』
『ルシアもバカ! なんで、今闘わなきゃなんないのよ!』
『結局、あたしたちにはこれなのよ。分かったら本気を出せ! ミカエラ!』
まず鎧と盾。これはドラゴンの素材から作られたため、耐熱性に優れており火とかを防げる。
日常の中に火を吹く生き物がいるのかというといないけど、ここは異世界。俺の行動範囲は主に安全な城だけだけど、ここは異世界。
何かあるかもしれないし、カッコいいじゃんドラゴン装備。
「……またか。また、貴様か……」
「すいません」
「あれか、余計なことをしないと気がすまないのか。いらないことをしないと死んだりするのか? ──どうなんだ!」
お姫様が使用しているドラゴン装備が、俺の主導で作られたことが妹にバレた。
そんなわけで現在、俺は正座させられお叱りを受けている。あと、前回縛られたのは解かれてはいない。
「すいませんでした。わたしが作らせました。調子に乗っていました」
ここは全力での謝罪しかない。
すげーー、近くで行われている、あの本気バトルに巻き込まれようものなら死ぬ。ラッキースケベでも死ぬ。
「今からでも遅くないから2人に割り込んで死ね」
「本当に死ぬんで勘弁してください。お願いします」
前回、お姫様は天使ビームに苦戦していた。あの時は、お姫様は生身だったし仕方ない。ミカの天使ビームは反則だし仕方ない。
お姫様は生身でビーム防いでいた気もするけど……──まあ、いいよね! 気にしないでいこう!
『天使の光ではダメか……』
『ダメよ、真面目にやれ! さもないと叩き斬る!』
しかし、今回はドラゴンの鎧と盾がある。これが天使ビームを防いでいる。
ビームを防げれば楽にミカに近寄れ、ドラゴン素材の剣の届く距離になる。
「あれはどこのバトルものなんだ? これは誰のせいだ? 言ってみなさい」
一愛ちゃんはめっちゃ機嫌が悪い。
顔はずっと笑っているが、目は一瞬たりとも笑っていない。これはガチでヤバい。
「加工屋のせいです。あんなもん作ったヤツが悪いと思います」
これは認めたらバトルに突入させられる。そしたら死ぬ。だから絶対に認めない。
加工したヤツに罪をなすりつけてでも、この場を乗りきるしかない。
「……もう一つ前の段階があるよね?」
「おっしゃる意味が分かりません。あと、今回は城も壊れないんで、バトルしようといいんじゃないかとも思います」
「はぁ……」
一愛に呆れられたところで、今起きていることを説明する。まず、今回の姫たちのバトルでは城は壊れない。修復中の城門に庭もだ。
何故かと言うと、彼女たちの現在の状況が関係している。
「イケメンの人。本当に2人は大丈夫なの?」
「ええ、セバス殿直々の術ですので問題ありません。喧嘩も日常茶飯事なのでそちらも大丈夫です。見守りましょう。姫には何か考えがあるようでしたから」
姫たちは現在、1.5センチのミニチュアとなって闘っているからだ。これはセバスの仕業。
バトっているテーブルには防御柵が設置されている。これは二クスの仕業。
まとめると悪魔たちの悪魔スキルにより、大変不可思議な現象がいくつも起きている。以上だ。
悪魔の悪魔スキル。これにより、お姫様たちには暴れてもいい場所が用意されたとだけ理解してくれればいい。
「おじいちゃん。確認するけど、ちっちゃくなっているのは10分だけなんだよね?」
「そうだ。それ以上は術がもたん。それまでには決着がつくだろうがな」
ああ、時間制限も付いている。10分しか小人にはなっていられないらしい。
その間に決着をつけるところまでいくようだ。だから、お姫様は最初から全力なのだ。
「おじさんたちは心配しないの?」
「……」
「我はせん。アレは強い。ルシアには悪いがミカエラが負けることはあり得ん。それがルシアを怒らせているのだろうが、それもこれまでであろう」
王様は何も言わないがその顔には心配が見て取れる。ミカエルのおっさんは聞いた通りだ。
以上の6人が、テーブルを囲んでお姫様たちのバトルを見守っている。
他はに後片付けを進めてもらっている。
「ルシアちゃん……」
「仕方なきこと。ルシアは未だ己が力を使えんのだから。万全に使えるミカエラに勝てる道理はない」
そう……らしい。お姫様が悪魔らしくないのはそのせいだ。
逆にミカは羽根にビームと天使らしい力を使う。あのビームが天使らしいのかは知らないがな。
「ルシアのことだ。前回から気付いていたはずだ」
でも、ミカは対等な条件で闘った。羽根も使わず。
まあ、ビームはバンバン使ってたけどね! つまり、前回も本当ならミカが勝っていたということだろう。
「ミカエラはミカエラで、ルシアに気を使ってらしくないことをしていた」
ミカは手を抜いていた。これはライバルからしたら屈辱でしかない。ブチ切れられても仕方ない。
あと1回変身できるのを隠していたわけだからね。
「ところで誰かこの縄を解いてよ。俺はいつまでこのままなのよ。もうバトルは始まってしまったんだから、俺の出番はないよ?」
「役立たず……」
「えー、俺はどうしたらよかったのよ」
「身をはって止めたらよかったんだよ!」
「──いや、死ぬし。それにな、これは結果の見えた闘いなんだろう? それを分かっていてルシアはやってんだろ。らしくなく装備まで着込んでだ。一愛、あいつは勝ちたいからやってんじゃないんだ。見たいんだよ、ミカの本気ってやつを」
おそらく決めていたんだろう。
ミカエルのおっさんの見立てが確かなら、前回のバトルから。何も言わなかったけど、機会をうかがっていたんだろう。
しかし、いざこざは予想外だった。ミカの怪我もか。でも、そのどちらともが解決した。
あとはイーブンな状態に戻してからのバトル。これが、お姫様の筋書きなんだろう。
「──何を分からんことを! これはバトルものじゃないんだ。そんなバトル理論が通じるか!」
「バトル理論じゃないよ。これは幼馴染の理論だ」
知らぬ間についた差を理解したいんだろう。
俺も幼馴染大明神様のお菓子作りの腕前には度肝を抜かれたから分かる。
俺も『知らないうちにこんなことになってたのか!』と思ったからな。それを本人に言いはしないけどね!
「やはり身体をはって2人を止めてもらうか……」
「まだ続きがあんだから聞けよ! 今、いい感じだったじゃない。早計だよ。早まりすぎだって!」
「れーとをバトルに投入するから手伝って。 ──早く!」
「おい、何を一愛に唆されてんのよ。やめて! 特にセバス! 呪文を唱えんな!」
いかん、セバスが謎の呪文を唱え始めた。すぐに悪魔スキルが発動する!
小さくなったらどうにもならなくなる。
最後まで黙っていようと思っていたんだが、背に腹はかえられぬ……すまないお姫様。
「待て一愛! このバトルにはちゃんとオチがあんだよ」
「……オチ?」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜
とかげになりたい僕
ファンタジー
不慮の事故で死んだ俺は、女神の力によって転生することになった。
「どんな感じで転生しますか?」
「モテモテな人生を送りたい! あとイケメンになりたい!」
そうして俺が転生したのは――
え、ここBLゲームの世界やん!?
タチがタチじゃなくてネコはネコじゃない!? オネェ担任にヤンキー保健医、双子の兄弟と巨人後輩。俺は男にモテたくない!
女神から「クリアすればもう一度転生出来ますよ」という暴言にも近い助言を信じ、俺は誰とも結ばれないバッドエンドをクリアしてみせる! 俺の操は誰にも奪わせはしない!
このお話は小説家になろうでも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる