連れ去られた先で頼まれたから異世界をプロデュースすることにしました。あっ、別に異世界転生とかしないです。普通に家に帰ります。 ② 

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天使のホワイトデー 後編

天使ちゃんとお出かけ ②

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♢7♢

 ここで、ホワイトデーの試食を全制覇した天使ちゃんが選んだベスト3を発表するよ。
 ドゥルルルルルル──、第3位!

『サクサク感が良かった。香りも良いし、甘みもほどよく、4種類入ってるのも嬉しいわ。食べ比べられるしね』

 と、評価されたのはクッキーの詰め合わせ!
 クッキーだけでなく、サブレとかフロランタン? とかも一緒になっているものが選ばれました。

 定番であるクッキーが3位とは意外でしたが、時代はチョコレートらしいので健闘した方でしょう。
 では、続きまして第2位!

『カラフルなのが素敵。見た目はこれが一番ね。あと見た目だけじゃなく、色ごとにちゃんと味が違うのよ。これは宝石箱よ。食べられる宝石箱』

 実は箱が食べられるらしい天使ちゃん!
 えっ……そういう意味じゃない? これは失礼しました!
 気を取り直して、第2位はマカロン。
 これも数種類が一緒になっているものが多い印象でした。

 ただ俺としては、宝石箱というよりビックリ箱だと思う。カラフル過ぎるのよ、マカロンは。
 前に思ったのと違う味だった時があってね……。それ以来ね。個人的にはちょっと遠慮したいんだよね。

 まあ、俺のマカロンへの不信感は置いといて、女子は好きだねー。
 確かに女子ウケしそうな感もあるし、初めての人が言うくらいだからね。というわけでマカロンが2位。
 栄えある第1位に選ばれたのは! ドゥルルルルルル──

 1位の発表の前に、ここでお知らせを挟みます。これは、天使ちゃんの独断と偏見で選ばれたものであり、実際の人気とは異なる場合がございます。
 まずないとは思いますが、もし参考にしようとか思ってるならよく自分で調べましょう。実際見にいきましょう。プロデューサーは一切責任を負いません。以上です。

「……チョコじゃん。結局、それ? ランキングはなんだったのよ。予想を全く裏切らない結果だった」

 ミカの選んだ第1位はチョコレート。
 しかも、ついこないだしこたま食べたアレだ。

「ランキングって何よ……。結局というのも分からないけど、これが一番美味しかった! 自分用とお土産に買っていきます」

「しかもチョコレートケーキじゃん。キミ、先日ホールでいってたじゃない。まだ食べるの? 胸焼けしない?」

「お土産はルシアと一愛いちかとルイと。パパとママと。一応、ナナシと天使長。あと自分用ね!」

 天使ちゃんは俺を無視してお土産と称して、カゴへとお菓子を詰めていく。
 右手にお土産用。左手に自分用のカゴを持っている。
 明らかに左側のカゴが大量に、もうパンパンになっているのは気のせいではない。

「さあ、レジに行きましょう」

「待て、俺も買う」

「レートも自分用? しょうがないわねー」

「ここで自分用を買うわけないだろ。お返し分だよ」

 俺はミカのランキングを参考に、だいたい同じくらいの価格で被らないように3つ購入した。
 これを3人にランダムに渡そうと思う。この事に特に意味はない。遊び心だ。

 ホワイトデーの売り場にて3人分はお返しを確保した。これで、今日の予定の半分は達成した。
 残るはルシアとルイの、手作りをもらってしまった組へのお返しだ。一応考えはあるのだが、いろいろリサーチはしておいて損はない。


 ※


「半分持ってー、両手がふさがってしまった」

 会計を済ませ、売り場から一歩出たところで無策な天使ちゃんは、分かりきっていたことを言い始めた。

「──だろうね! 最初から買い込んだらそうなるのは分かりきってたよね」
 
「分かってたなら教えてよ! 最後に買えば良かったじゃないの」

「そうだね。もちろん知ってたよ。面白そうだから放っておいたんだよ」

「なんでそんなことするのよー」

 なんでって面白そうだからだよ?
 愚かにも両手がふさがってしまうほど買うような真似をするからだよ。
 しかし、まだ始まったばかりだし、動くにも邪魔だしミカは必要だ。ここで入り口で予め確認しておいた、デパートの地図が役に立つ。

「まあ、荷物が出るのは分かっていた。なので、一度コインロッカーのある下まで戻るよ。半分は持ってやるから貸しなさい」

「はい」

「どうして重い方をよこす? 遠慮して量の少ない方を頼もうよ」

「お願いします。私、あまり重い物は……」

 やったらやり返されるようだ。だが、どんなにあざとくても。どんなにぶりっこだったとしても……これには勝てない! チクショウ!

「貸したまえ。いっそ両方貸したまえ!」

「では、遠慮なく。ありがとうございます。私は零斗れいとさんの分を持ちますね」

「うん、ありがとう」

 立場と荷物の量が何故だか逆転した。
 不可解だ……。でも不思議と悪い気はしない。騙されてる感じもするけど、可愛いには勝てなかったよ。

「ボタンは私が押しますね」

「うん、俺は両手がふさがっているからね。頼む」

 こうして入り口付近のコインロッカーまで行き、荷物を預け、仕切り直しとなりました。
 まあまあ重かったです。しかし、カッコつけたかったので頑張りました!

『では、これより本格的にデパート内を回る』

『思ったよりデパートは楽しかったから付き合うわ。どこに行くの? 広いわよ、ココ』

『1階にいるし下からだろう。行ったり来たりするのも面倒だし。まずは1階からだ』

 そこからはお返しの候補としてピックアップしておいたものを見に行った。
 日用品から始まり、服関連、アクセサリー関連、その他と、ぐるりとデパート内を見て回りました。

 その途中、おもちゃ売り場に差し掛かり子供のようにテンションが上がった天使ちゃんに、これでもかというくらい付き合わされた。
 終いには『全部買おう!』とか言い出すから、諦めさせるのが大変でした。

『これは必要なのよ! 買うのーー』

『持って帰れないからやめなさい。キミはもう両手がいっぱいでしょうが! この上、おもちゃなんて買えません』

『ヤダヤダ、欲しいのーー』

『みんな見てますよ。あっちでジュース買ってあげますから行きますよ。困った子……』

 最後に説明しておくと俺が今日、こうしてミカを連れてきたのは何も振り回される為でも、デー……とかでもない。
 ホワイトデーにお返しする必要がある女子ではなく、お返ししないけど親しい女子だからだ。お返しを選ぶのに女子側の意見を聞きたかったからだ。

 ズルい気もするが、割と俺は真剣に考えているので許されると思う。
 それに、買ったもので済まそうというのだから、このくらいの手間と時間も必要なのだ。
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