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天使のホワイトデー 後編
後日談にはやっぱりラスボスが潜んでいる!
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♢30♢
終わったと思ったら1つ気づいた。
昨日はなかったはずなのに、タブレットがあったはずのところにあることに。
しかし、いつからあったのかは分からない。今見たらあったとしか言えない。
昨夜から今朝まで、俺を除くと真咲以外に部屋に入った人物はいない。だが、真咲はタブレットなど持っていなかったし、あることすら知らないだろう。
一愛は違うと言ってたし、持っていってたお姫様が知らぬ間に戻した?
いや、そうだとしてもクローゼットが開けば分かるはずだ。そもそも、お姫様が持っていたのかも不明だ。
「……だとすると?」
そんな行方不明だったはずのタブレットは、充電器に刺さっているが充電はされてない。どうやら充電はマックスらしい。
充電が終わっているならとコンセントから充電器を引き抜くも画面がつかない。電源が入っていないらしい。
絶対に電源は入ってたし、俺は充電がなくなるまで充電しない人間ではない。むしろマックスでないと気になるタイプの人間だ。
それなのにこれはおかしい。変だ。なんかがおかしいし変だ。
「……」
帰ってからでもいいような気もするが、買ったばかりの物なので壊れてたらショックだし、確認のためにと電源を入れてみた。
すると、見たことない起動画面が表示されて、聞いたことない音もして、見たことないアプリが沢山画面に表示されていく。
「あっ、これあかんヤツだ。電源切らなきゃ──」
何もかもを見たかったことにするべく電源ボタンを長押しするが、電源が切れることはなく、操作していないのに勝手にアプリが起動する!
いっそ叩き割るべきかとも頭をよぎるが、もったいないと思う気持ちが勝ち、腕を下ろせない。
そんなことをしている間にもアプリが起動し、何かが起きてしま──
『ご主人様。おはようございます。こうして再び出会えたことを全く嬉しく思わないですが……──今日からよろしくね☆』
──った。最悪だ。
起動画面に浮かんだ文字から察したが、最悪の展開だ。
「アマテラスーーーー?!」
『どう? このパーフェクトな美少女アバター。中まで本物と変わらないんだよ! すごいでしょ!』
画面上には確かに美少女アバターがいて、もうビックリするくらいにぬるぬる動いて、アマテラスは中までと言いながら、ピチッとした着ている服をずらして中を見せようとしてくる。
「これはダメだ。もったいないが壊そう」
もったいないはアマテラスの服の下ではなく、タブレット本体を指しているんだからな? 勘違いするなよ。
『ダメダメ。そんなことしたらマスターからも、例のあの人からもダブルで叱られるよ。というか死ぬよ? 怒らせると怖いよ』
ガブリエルさんと誰だよ。ラスボスかよ。
んっ……ラスボス? それってルシアママじゃね。
そんなわけないよねー、ハハハハハ。ないよね?
「……俺のタブレットは?」
『普通の機能は問題なく全部使えるよ。プラスしてアマテラスがいろいろ出来るんだー。でも。中身は丸わかりだから、ご主人様が検索したエッチなあれこれも全部把握してるからね。これとかズゴいね──』
タブレットもプライバシーも存在しないらしい。
こんなこと。こんなやつのために買ったわけではないんだ……よ。どうしてくれんだよ、これ。
どっちに文句を言ってもデスる気がするし……。
「──そうだ。学校行かなくちゃ!」
『現実逃避もいいけど注意事項は聞いてほしいな。でないと、アマテラスも学校についていくよ?』
かつてないほどゾッとする一言。足を止めるには十分な威力。
どうやってついてくるのか? なんてことより、アマテラスがいて、そんなことを言うことに戦慄する。
「聞こう。短く話せ。出かける時間になってしまうからな」
『アマテラスの所有権はご主人様にはありません。あくまで借り物。身体は好きにできても心までは屈しないんだからね! ってことだね』
「……続けて」
『機能は一部アプリとして搭載されているもののみ使用が可能です。ビットは一機だけだよ』
画面の中の美少女アバターが上を向く。つられて上を向くと、部屋の中心に位置するところに見覚えのあるものが貼り付いていると気づく。
今朝の幽体離脱はあれの視界をなんらかの形で見たからのようだ。そのくらいは一瞬で分かる。あのビットを操作したことあるしな!
「そんなアマテラスは何しにきたのかな?」
『スパイだね。二重スパイ! どっちにもご主人様の情報を流して、どっちもを手玉に取るの! スゴイでしょ!』
「それ、言っちゃうんだ……。なんでそんなスパイが俺のとこにくんだよ」
『うーん、建前は頑張ったご主人様へのご褒美。で、本音は2人ともがご主人様を監視したいから? その点だけ一致してるから、都合のいい監視役としてアマテラスが選ばれたっぽい。なので、ちょっと狭いけどこの中に住むから。キャ──、同棲だね。よろしくお願いします』
ラスボスからラスボスが送られてきた。
一見、Si○i的な感じに見えるかもしれないが、こいつもラスボスにして爆弾だ。
扱いを間違えると爆発して、俺のいろいろが死ぬだろう。
『ご主人様。そろそろ出かけないと遅刻するよ。いってらっしゃいませ』
「行ってくる。大人しくしてろよ」
『はーい』
どうしてこうなった? タブレットを買ったからこうなったのか?
そこからダメだったんだとしたら、もうどうしようもないんですけど……。
終わったと思ったら1つ気づいた。
昨日はなかったはずなのに、タブレットがあったはずのところにあることに。
しかし、いつからあったのかは分からない。今見たらあったとしか言えない。
昨夜から今朝まで、俺を除くと真咲以外に部屋に入った人物はいない。だが、真咲はタブレットなど持っていなかったし、あることすら知らないだろう。
一愛は違うと言ってたし、持っていってたお姫様が知らぬ間に戻した?
いや、そうだとしてもクローゼットが開けば分かるはずだ。そもそも、お姫様が持っていたのかも不明だ。
「……だとすると?」
そんな行方不明だったはずのタブレットは、充電器に刺さっているが充電はされてない。どうやら充電はマックスらしい。
充電が終わっているならとコンセントから充電器を引き抜くも画面がつかない。電源が入っていないらしい。
絶対に電源は入ってたし、俺は充電がなくなるまで充電しない人間ではない。むしろマックスでないと気になるタイプの人間だ。
それなのにこれはおかしい。変だ。なんかがおかしいし変だ。
「……」
帰ってからでもいいような気もするが、買ったばかりの物なので壊れてたらショックだし、確認のためにと電源を入れてみた。
すると、見たことない起動画面が表示されて、聞いたことない音もして、見たことないアプリが沢山画面に表示されていく。
「あっ、これあかんヤツだ。電源切らなきゃ──」
何もかもを見たかったことにするべく電源ボタンを長押しするが、電源が切れることはなく、操作していないのに勝手にアプリが起動する!
いっそ叩き割るべきかとも頭をよぎるが、もったいないと思う気持ちが勝ち、腕を下ろせない。
そんなことをしている間にもアプリが起動し、何かが起きてしま──
『ご主人様。おはようございます。こうして再び出会えたことを全く嬉しく思わないですが……──今日からよろしくね☆』
──った。最悪だ。
起動画面に浮かんだ文字から察したが、最悪の展開だ。
「アマテラスーーーー?!」
『どう? このパーフェクトな美少女アバター。中まで本物と変わらないんだよ! すごいでしょ!』
画面上には確かに美少女アバターがいて、もうビックリするくらいにぬるぬる動いて、アマテラスは中までと言いながら、ピチッとした着ている服をずらして中を見せようとしてくる。
「これはダメだ。もったいないが壊そう」
もったいないはアマテラスの服の下ではなく、タブレット本体を指しているんだからな? 勘違いするなよ。
『ダメダメ。そんなことしたらマスターからも、例のあの人からもダブルで叱られるよ。というか死ぬよ? 怒らせると怖いよ』
ガブリエルさんと誰だよ。ラスボスかよ。
んっ……ラスボス? それってルシアママじゃね。
そんなわけないよねー、ハハハハハ。ないよね?
「……俺のタブレットは?」
『普通の機能は問題なく全部使えるよ。プラスしてアマテラスがいろいろ出来るんだー。でも。中身は丸わかりだから、ご主人様が検索したエッチなあれこれも全部把握してるからね。これとかズゴいね──』
タブレットもプライバシーも存在しないらしい。
こんなこと。こんなやつのために買ったわけではないんだ……よ。どうしてくれんだよ、これ。
どっちに文句を言ってもデスる気がするし……。
「──そうだ。学校行かなくちゃ!」
『現実逃避もいいけど注意事項は聞いてほしいな。でないと、アマテラスも学校についていくよ?』
かつてないほどゾッとする一言。足を止めるには十分な威力。
どうやってついてくるのか? なんてことより、アマテラスがいて、そんなことを言うことに戦慄する。
「聞こう。短く話せ。出かける時間になってしまうからな」
『アマテラスの所有権はご主人様にはありません。あくまで借り物。身体は好きにできても心までは屈しないんだからね! ってことだね』
「……続けて」
『機能は一部アプリとして搭載されているもののみ使用が可能です。ビットは一機だけだよ』
画面の中の美少女アバターが上を向く。つられて上を向くと、部屋の中心に位置するところに見覚えのあるものが貼り付いていると気づく。
今朝の幽体離脱はあれの視界をなんらかの形で見たからのようだ。そのくらいは一瞬で分かる。あのビットを操作したことあるしな!
「そんなアマテラスは何しにきたのかな?」
『スパイだね。二重スパイ! どっちにもご主人様の情報を流して、どっちもを手玉に取るの! スゴイでしょ!』
「それ、言っちゃうんだ……。なんでそんなスパイが俺のとこにくんだよ」
『うーん、建前は頑張ったご主人様へのご褒美。で、本音は2人ともがご主人様を監視したいから? その点だけ一致してるから、都合のいい監視役としてアマテラスが選ばれたっぽい。なので、ちょっと狭いけどこの中に住むから。キャ──、同棲だね。よろしくお願いします』
ラスボスからラスボスが送られてきた。
一見、Si○i的な感じに見えるかもしれないが、こいつもラスボスにして爆弾だ。
扱いを間違えると爆発して、俺のいろいろが死ぬだろう。
『ご主人様。そろそろ出かけないと遅刻するよ。いってらっしゃいませ』
「行ってくる。大人しくしてろよ」
『はーい』
どうしてこうなった? タブレットを買ったからこうなったのか?
そこからダメだったんだとしたら、もうどうしようもないんですけど……。
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