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第十八章 手掛かりを探して
第二百六十二話 最悪の考察
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一通りの調査を終えたカラスがフラウリアの頭上に戻って来た。
「いやはや失礼しました。私はセズと申します、カラスの見た目ですがれっきとした魔族ですので」
セズと名乗る魔族へ、イズミとベリアも挨拶をする。
早速セズは調査の結果について話を始めた。
「まだ魔道具を使っての調査では無いので細かな点について断定までは出来ないと、先に言っておきます」
セズは右手…右羽根…を魔物へと向ける。
「あの魔物がキメラである事は間違いありません。ただし、この辺りにある魔力溜まりの魔力量だけでは説明に無理が生じます。そこまでの量と濃度には達していないのです」
フラウリアの頭上から飛び立ち、洞穴の前で降りた。
「洞穴の中にあった魔法陣は、魔物を呼び出す魔法陣に酷似していますが、独自の改良がされています。詳しい解析は現時点は出来ませんが、合成魔法等で使われていた印が仕込まれてましたので、恐らく魔力溜まりを活用しつつ人工的に魔物を召喚と合成をしようとしたと考えられます」
「魔物を召喚して合成までって」
セズの話を聞いたフラウリアが呟いた言葉を聞き、イズミが質問を投げかける。
「人工的にって事は、誰かが此処で仕込んだ訳だ。洞穴にあった死体がその『誰か』である可能性は?」
「十分にあります」
「召喚やら合成魔法を使える奴が、そんなヘマをするのか?」
「ふむん。これは私の推察なのですが」
イズミの疑問に対して、セズが推察として言葉を紡いだ。
「洞穴にある死体は魔力を濃くする為の生贄です。術者は魔法陣を作成、発動させて立ち去るはずだった」
「だった?」
イズミが聞き返すと、隣にいたベリアが声をあげた。
「あの魔物、人の言葉を喋ったぞ。確かに喋ったんだ、『ユルサヌ』って」
その発言を聞いたフラウリアがベリアへと顔を向ける。
「これはあくまで推察ですから、気に病む必要はありません」
セズはそう言って魔物の頭へと近付く。
「術者は生贄を使い強制的に魔力溜まりの濃度を上げ、魔法陣を発動させた。そして生贄に使った人間を餌に魔物を召喚し、合成まで行った。しかし手違いがあった」
2つある魔物の頭、ゴブリンとは思えない方の頭をセズが右羽根を向ける。
「合成の際に術者が巻き込まれたと考えられます。この頭は間違い無く人間のソレです」
「…気分が悪くなって来た」
言葉にしなかった予感をセズが言い切ったので、イズミは胃がムカムカして来ていた。
「最初の合成は上手くいったのかもしれませんが、召喚する魔物を選ぶ事は出来ません。想像の話になりますが、頭の良い魔物が召喚され、悪知恵で術者を魔法陣の中に入るように仕向け、合成の材料になったとも考えられるのです」
「これ以上の話は止めておきましょうか」
フラウリアが話を切り上げ、魔物と洞穴の後処理についての段取りを始めてくれた。
フラウリアとセズは平気そうだったが、イズミとベリアは完全にグロッキー状態になっていた。
「イズミ、今ならどれだけ酒を飲んでも酔えない自信がある」
「なら飲むなよ、酒が勿体無い」
イズミはなんとか気分と感情を切り替えて、町へ戻る準備に取り掛かるが気分は重いままだった。
「お2人共、この件は冒険者ギルドに報告をお願いします」
フラウリアがセズと一緒に回収した物が入った袋を手に、2人にお願いをしてきた。
「何者かが意図的に魔物を召喚しているとしたら、その土地の魔力は必ず淀みます。それはスタンピードの切っ掛けにもなりうるのです」
スタンピードと聞いたベリアの耳がピクッと動いた。
冒険者ギルドで聞いた話にもスタンピードがあったからだ。
「この場所だけでしたら、ごく小規模で収まると思います。しかし、この国では例年よりも魔物の出没件数も多く、別の地域での調査でもスタンピード発生の前兆を確認しています」
「関連性があると?」
「無いとは言い切れませんね。洞穴に落ちていた本は日記のようでして、書かれていた文字は帝国で使われている言語で…正確に言いましょう、帝国でしか使われていない言語です」
「また帝国か」
イズミはため息と共に大きく肩を落とした。
「いやはや失礼しました。私はセズと申します、カラスの見た目ですがれっきとした魔族ですので」
セズと名乗る魔族へ、イズミとベリアも挨拶をする。
早速セズは調査の結果について話を始めた。
「まだ魔道具を使っての調査では無いので細かな点について断定までは出来ないと、先に言っておきます」
セズは右手…右羽根…を魔物へと向ける。
「あの魔物がキメラである事は間違いありません。ただし、この辺りにある魔力溜まりの魔力量だけでは説明に無理が生じます。そこまでの量と濃度には達していないのです」
フラウリアの頭上から飛び立ち、洞穴の前で降りた。
「洞穴の中にあった魔法陣は、魔物を呼び出す魔法陣に酷似していますが、独自の改良がされています。詳しい解析は現時点は出来ませんが、合成魔法等で使われていた印が仕込まれてましたので、恐らく魔力溜まりを活用しつつ人工的に魔物を召喚と合成をしようとしたと考えられます」
「魔物を召喚して合成までって」
セズの話を聞いたフラウリアが呟いた言葉を聞き、イズミが質問を投げかける。
「人工的にって事は、誰かが此処で仕込んだ訳だ。洞穴にあった死体がその『誰か』である可能性は?」
「十分にあります」
「召喚やら合成魔法を使える奴が、そんなヘマをするのか?」
「ふむん。これは私の推察なのですが」
イズミの疑問に対して、セズが推察として言葉を紡いだ。
「洞穴にある死体は魔力を濃くする為の生贄です。術者は魔法陣を作成、発動させて立ち去るはずだった」
「だった?」
イズミが聞き返すと、隣にいたベリアが声をあげた。
「あの魔物、人の言葉を喋ったぞ。確かに喋ったんだ、『ユルサヌ』って」
その発言を聞いたフラウリアがベリアへと顔を向ける。
「これはあくまで推察ですから、気に病む必要はありません」
セズはそう言って魔物の頭へと近付く。
「術者は生贄を使い強制的に魔力溜まりの濃度を上げ、魔法陣を発動させた。そして生贄に使った人間を餌に魔物を召喚し、合成まで行った。しかし手違いがあった」
2つある魔物の頭、ゴブリンとは思えない方の頭をセズが右羽根を向ける。
「合成の際に術者が巻き込まれたと考えられます。この頭は間違い無く人間のソレです」
「…気分が悪くなって来た」
言葉にしなかった予感をセズが言い切ったので、イズミは胃がムカムカして来ていた。
「最初の合成は上手くいったのかもしれませんが、召喚する魔物を選ぶ事は出来ません。想像の話になりますが、頭の良い魔物が召喚され、悪知恵で術者を魔法陣の中に入るように仕向け、合成の材料になったとも考えられるのです」
「これ以上の話は止めておきましょうか」
フラウリアが話を切り上げ、魔物と洞穴の後処理についての段取りを始めてくれた。
フラウリアとセズは平気そうだったが、イズミとベリアは完全にグロッキー状態になっていた。
「イズミ、今ならどれだけ酒を飲んでも酔えない自信がある」
「なら飲むなよ、酒が勿体無い」
イズミはなんとか気分と感情を切り替えて、町へ戻る準備に取り掛かるが気分は重いままだった。
「お2人共、この件は冒険者ギルドに報告をお願いします」
フラウリアがセズと一緒に回収した物が入った袋を手に、2人にお願いをしてきた。
「何者かが意図的に魔物を召喚しているとしたら、その土地の魔力は必ず淀みます。それはスタンピードの切っ掛けにもなりうるのです」
スタンピードと聞いたベリアの耳がピクッと動いた。
冒険者ギルドで聞いた話にもスタンピードがあったからだ。
「この場所だけでしたら、ごく小規模で収まると思います。しかし、この国では例年よりも魔物の出没件数も多く、別の地域での調査でもスタンピード発生の前兆を確認しています」
「関連性があると?」
「無いとは言い切れませんね。洞穴に落ちていた本は日記のようでして、書かれていた文字は帝国で使われている言語で…正確に言いましょう、帝国でしか使われていない言語です」
「また帝国か」
イズミはため息と共に大きく肩を落とした。
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