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第二十四章 暴走を止めろ
第四百二話 定期便
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考え込んで数秒すると、深呼吸をすると共にフラウリアは目を開いた。
「決めました…シュークリームでお願いしますわ。あの中身がとても美味しくて」
どうやらフラウリアはカスタードクリームがお気に召したようだ。
自分の基準であれば、手土産にもぴったりなカステラの方が良いと思いもしたが、それは口に出さなかった。
「かしこまりました。フラウリア様、試作品の腕時計をこちらに」
マスタングは過去にイズミがフラウリアに渡した腕時計の試作品3号を預かると、自分でトランクを閉めて静かになった。
「…マスタング?」
「お待たせしました。調整完了しました」
「調整とは?」
「フラウリア様と一緒に旅をすると言う訳でもありませんので、シュークリームの定期便が出来るように魔法を追加で付与しました」
開いたトランクから腕時計を取り出し、キョトンとしているフラウリアに返す。
「フラウリア様、腕時計に双方向出し入れ可能なアイテムボックス機能を付与しました。試しに3日に一度のペースでシュークリームをボックスに入れますので、食べたい時にご利用下さい」
「出し入れの方法は…」
「シュークリームを1つ入れましたので、腕時計のガラスに指を軽く押し付けて下さい」
フラウリアは右手の人差し指で腕時計のガラスに触れると、周囲からは見えない何かが表示されたのか視線があちこちに動いている。
「アイテムボックスが開くと所有者にしか見えない一覧が表示されますので、ガラスに触れた指で取り出したいアイテムを選択すれば取り出しが可能です」
イズミには何も無いように見える空間に触れると、フラウリアの膝の上にシュークリームが皿と共に出現した。
「収納する際は取り出す時と同様に腕時計のガラスに触れた後で、収納したいアイテムに触れた状態で腕時計に近付ければ収納が完了します」
出現したシュークリームで収納も試して見ると、フッと姿を消してしまった。
コレは余程注視していなければ、気付くのは困難だろう。
「私がアイテムボックスにシュークリームを収納しますと、フラウリア様が腕時計を着けた際に文字盤が数秒程光りますので、食べたい際にはご確認下さい…食べていなくても定期便なので追加で収納されますし、アイテムボックス内の荷物は時間経過等はありませんので何時でも美味しく頂けます」
「い、至れり尽くせりね」
「上限数は100個と考えて頂ければ問題ないかと。本定期便は私がアーティファクトとしての能力が完全停止するまで継続され、条件が重なりシュークリームが量産可能になった場合やフラウリア様が定期便を不要と判断された場合は申告して下さった時点で終了となります」
「分かったわ…食べる時は周囲の目に気を付けないと」
マスタングから諸々の説明を聞き終えたフラウリアは、ハンカチで口元を拭くとイズミに軽く挨拶を交わしてから屋敷へと戻って行った。
「マスタング、アイテムボックス機能を追加出来るんだな」
「かなり小型なので実戦向きではありませんが」
「小型ねぇ」
「ボックスで例えるならば、およそ40リットル程度です。およそですが」
「実用的な容量だと思うが」
マスタングのトランクを閉じたイズミは、その機能を自分も使えないのか聞いたが、即答で目論見は絶たれた。
「現状では魔法を使えないとアクセスが出来ない為、マスターではご利用出来ません」
「アップデートは難しいのか」
「鋭意調査中ですが、まだ実用化には時間が必要です」
「ほとんどの機能が魔法を使えるのが前提条件になっているもんな」
小さなため息をついたイズミは、馬車置き場の扉を閉めると屋敷へと歩き出した。
従者に案内された部屋に入ると、イズミはジャケットを脱いで装備類を全て外す。
安全な場所なので椅子に深々と座ると、靴を脱いで両足を自由にする。
よく見ると靴も大部ボロボロになってきており、靴下もかなりヘタってきている。
「そろそろ買い替え時かもな…」
そう呟きつつイズミはベッドへ向かい身体を横にする。
高級で上質なベッドが疲れの溜まった身体に寄り添うように沈み込み、その心地良さに身を任せていると自然に意識が遠くなり、そのまま眠りについた。
「決めました…シュークリームでお願いしますわ。あの中身がとても美味しくて」
どうやらフラウリアはカスタードクリームがお気に召したようだ。
自分の基準であれば、手土産にもぴったりなカステラの方が良いと思いもしたが、それは口に出さなかった。
「かしこまりました。フラウリア様、試作品の腕時計をこちらに」
マスタングは過去にイズミがフラウリアに渡した腕時計の試作品3号を預かると、自分でトランクを閉めて静かになった。
「…マスタング?」
「お待たせしました。調整完了しました」
「調整とは?」
「フラウリア様と一緒に旅をすると言う訳でもありませんので、シュークリームの定期便が出来るように魔法を追加で付与しました」
開いたトランクから腕時計を取り出し、キョトンとしているフラウリアに返す。
「フラウリア様、腕時計に双方向出し入れ可能なアイテムボックス機能を付与しました。試しに3日に一度のペースでシュークリームをボックスに入れますので、食べたい時にご利用下さい」
「出し入れの方法は…」
「シュークリームを1つ入れましたので、腕時計のガラスに指を軽く押し付けて下さい」
フラウリアは右手の人差し指で腕時計のガラスに触れると、周囲からは見えない何かが表示されたのか視線があちこちに動いている。
「アイテムボックスが開くと所有者にしか見えない一覧が表示されますので、ガラスに触れた指で取り出したいアイテムを選択すれば取り出しが可能です」
イズミには何も無いように見える空間に触れると、フラウリアの膝の上にシュークリームが皿と共に出現した。
「収納する際は取り出す時と同様に腕時計のガラスに触れた後で、収納したいアイテムに触れた状態で腕時計に近付ければ収納が完了します」
出現したシュークリームで収納も試して見ると、フッと姿を消してしまった。
コレは余程注視していなければ、気付くのは困難だろう。
「私がアイテムボックスにシュークリームを収納しますと、フラウリア様が腕時計を着けた際に文字盤が数秒程光りますので、食べたい際にはご確認下さい…食べていなくても定期便なので追加で収納されますし、アイテムボックス内の荷物は時間経過等はありませんので何時でも美味しく頂けます」
「い、至れり尽くせりね」
「上限数は100個と考えて頂ければ問題ないかと。本定期便は私がアーティファクトとしての能力が完全停止するまで継続され、条件が重なりシュークリームが量産可能になった場合やフラウリア様が定期便を不要と判断された場合は申告して下さった時点で終了となります」
「分かったわ…食べる時は周囲の目に気を付けないと」
マスタングから諸々の説明を聞き終えたフラウリアは、ハンカチで口元を拭くとイズミに軽く挨拶を交わしてから屋敷へと戻って行った。
「マスタング、アイテムボックス機能を追加出来るんだな」
「かなり小型なので実戦向きではありませんが」
「小型ねぇ」
「ボックスで例えるならば、およそ40リットル程度です。およそですが」
「実用的な容量だと思うが」
マスタングのトランクを閉じたイズミは、その機能を自分も使えないのか聞いたが、即答で目論見は絶たれた。
「現状では魔法を使えないとアクセスが出来ない為、マスターではご利用出来ません」
「アップデートは難しいのか」
「鋭意調査中ですが、まだ実用化には時間が必要です」
「ほとんどの機能が魔法を使えるのが前提条件になっているもんな」
小さなため息をついたイズミは、馬車置き場の扉を閉めると屋敷へと歩き出した。
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よく見ると靴も大部ボロボロになってきており、靴下もかなりヘタってきている。
「そろそろ買い替え時かもな…」
そう呟きつつイズミはベッドへ向かい身体を横にする。
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