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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百四十五話 お茶会と祝福
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「美味ぁ~!酒の強さと程良い甘さが絶妙だ」
ベリアは一口で半分程飲むと、水で口直しをしてお菓子に手を伸ばす。
ベリアはベリアで我が道を行く者の1人なのである。
「甘さの秘密は、シロップですね」
「はい。ヒュミトールの酒屋で入手した物を使いました」
「これも美味ですが、私は甘くない方が好みですわ」
「比率は」
「5:5で、他には何も入れない。それが本当なのでしょう?」
「…誰から聞いたんです?」
「さて誰でしょう」
イズミが過去に愛読していた書籍の登場人物と同じ様な台詞を言われ、女神の目をジッと見つめる。
「本当のを、作って頂けますか?この部屋に居る全員分」
「全員分ですか…」
「私の魔法で冷たさは維持させますので」
ショートカクテルの懸念点、時間をかけず冷たいうちに味わう事が出来ないと美味しさが落ちたように感じてしまう、その点を解消すると言うのであれば乾杯にも使えるだろう。
「ベースは一緒でも?」
「確かめましょう…このドワーフ酒を作った職人は、良い腕をしていますね。こちらで」
「分かりました。ライムジュースは私の手持ちになりますが、よろしいですか?」
「出来ればこの地の物を使って頂きたいですね…少々お待ちを」
女神は新鮮なライムを何個か実体化すると、それをイズミに手渡した。
「このライムをお使い下さい」
「分かりました」
ショルダーバッグからまな板と包丁、そして陶磁器の絞り器を取り出してカクテル作りに取りかかる。
シェイカーは一度に大体2人分作れるので、6人と一匹分を作るとなるとそこそこに忙しくなる。
全員分を作り終えると、女神が直接カクテルグラスを1人ひとりに渡して回る。
渡す寸前にグラスが淡く輝いたのをイズミは見逃さなかった。
何かをしたのは確かだが、この場で聞くのも野暮だと思い声には出さなかったが。
「彼に作って頂きましたが、私からのささやかな祝福だと思ってくだされば」
「「「有難き幸せ」」」
御子達はグラスを受け取る際に膝をつき、祝福を授かる姿勢を取った。
ベリアもそれを真似するようにしてグラスを受け取った。
「これで大分お主への干渉も減るだろう」
「…俺には、別の意味で忙しくなる予感がするのだが」
「今この場で、あのカクテルなるものは女神が直接認定した正式なレシピとなった。そう言う意味では忙しくなるかもしれん。無論、あの御子達もな」
「祝福の場に立ち会ったからか?」
「それもある。横顔を模したメダルに女神が直接触れていただろう、あの3人は女神様の特別になった証にもなるのだ…今後はなるべく横顔のメダルは実体化するなよ」
「うわ、忙しくなりそうな話だ…今後は実体化しないと誓うよ」
「何かの合図としてメダルを活用するのは、連絡手段として有効だぞ?」
ベリアと野良猫にもグラスが行き渡った所で、イズミは自分用のグラスをそっと自分で取った。
「さて皆様、グラスは持ちましたね?このカクテルは酒精が少々強いですので、飲む際にはご注意を…では、乾杯」
「「「乾杯!」」」
ギムレットを飲んだ皆の感想は様々あったが、これで一段落ついたと言えよう。
自由なお茶会になってお菓子に舌鼓を打っていると、マカロンを器用に取った野良猫がベリアに声をかけた。
「ベリアよ、先程女神よりグラスと祝福の酒を受け取ったな」
「はい」
「おめでとう、これでSランク冒険者へのランクアップは確定だな」
食べようとしていたショートケーキを口へ運ぶ手が止まる。
「へ?」
「女神様から直接祝福を受けた実力ある冒険者を、ギルドが野放しにしておく訳が無かろう。ギルドを脱退しても今度は教会が見逃さない、楽しい人生を送れそうだな」
「げ、現実感が無さ過ぎる…ケーキが美味しいから現実みたいだ」
突然の事実の連続に、ベリアが若干現実逃避をし始めているが、そこはもう諦めてもらうしかないのである。
もしもこの世界が自身のステータスを確認出来る所であれば、『女神の祝福を(直接)授かった者』なる称号でも追加されてそうだ。
「失礼、シュナイダーだ。先程強力な魔力を感じ取ったのだが、何かの練習中か?」
お茶会も終わりに近付いた頃、部屋の扉をノックされシュナイダーが扉越しに話しかけてきた。
「どう説明をしましょうか…」
テレジア達はケーキを頬張る女神様を見てから相談を始めたので、イズミが代わりに返事をした。
「現在特別なゲストを招いてお茶会をしている最中でして、招待状をお持ちでない方は申し訳ございませんが入室出来ません」
「な!?ゲストだと」
扉を開けようとする音がするが、開く気配は一切無い。
「さて女神様、彼とお会いになりますか?」
「…止めておきましょう。彼は女神への信仰ではなく、教会への信仰をしているようですので」
扉の方を見た女神は少し寂しそうな表情を浮かべたが、ショートケーキに乗っているイチゴを食べると頬を緩めた。
ベリアは一口で半分程飲むと、水で口直しをしてお菓子に手を伸ばす。
ベリアはベリアで我が道を行く者の1人なのである。
「甘さの秘密は、シロップですね」
「はい。ヒュミトールの酒屋で入手した物を使いました」
「これも美味ですが、私は甘くない方が好みですわ」
「比率は」
「5:5で、他には何も入れない。それが本当なのでしょう?」
「…誰から聞いたんです?」
「さて誰でしょう」
イズミが過去に愛読していた書籍の登場人物と同じ様な台詞を言われ、女神の目をジッと見つめる。
「本当のを、作って頂けますか?この部屋に居る全員分」
「全員分ですか…」
「私の魔法で冷たさは維持させますので」
ショートカクテルの懸念点、時間をかけず冷たいうちに味わう事が出来ないと美味しさが落ちたように感じてしまう、その点を解消すると言うのであれば乾杯にも使えるだろう。
「ベースは一緒でも?」
「確かめましょう…このドワーフ酒を作った職人は、良い腕をしていますね。こちらで」
「分かりました。ライムジュースは私の手持ちになりますが、よろしいですか?」
「出来ればこの地の物を使って頂きたいですね…少々お待ちを」
女神は新鮮なライムを何個か実体化すると、それをイズミに手渡した。
「このライムをお使い下さい」
「分かりました」
ショルダーバッグからまな板と包丁、そして陶磁器の絞り器を取り出してカクテル作りに取りかかる。
シェイカーは一度に大体2人分作れるので、6人と一匹分を作るとなるとそこそこに忙しくなる。
全員分を作り終えると、女神が直接カクテルグラスを1人ひとりに渡して回る。
渡す寸前にグラスが淡く輝いたのをイズミは見逃さなかった。
何かをしたのは確かだが、この場で聞くのも野暮だと思い声には出さなかったが。
「彼に作って頂きましたが、私からのささやかな祝福だと思ってくだされば」
「「「有難き幸せ」」」
御子達はグラスを受け取る際に膝をつき、祝福を授かる姿勢を取った。
ベリアもそれを真似するようにしてグラスを受け取った。
「これで大分お主への干渉も減るだろう」
「…俺には、別の意味で忙しくなる予感がするのだが」
「今この場で、あのカクテルなるものは女神が直接認定した正式なレシピとなった。そう言う意味では忙しくなるかもしれん。無論、あの御子達もな」
「祝福の場に立ち会ったからか?」
「それもある。横顔を模したメダルに女神が直接触れていただろう、あの3人は女神様の特別になった証にもなるのだ…今後はなるべく横顔のメダルは実体化するなよ」
「うわ、忙しくなりそうな話だ…今後は実体化しないと誓うよ」
「何かの合図としてメダルを活用するのは、連絡手段として有効だぞ?」
ベリアと野良猫にもグラスが行き渡った所で、イズミは自分用のグラスをそっと自分で取った。
「さて皆様、グラスは持ちましたね?このカクテルは酒精が少々強いですので、飲む際にはご注意を…では、乾杯」
「「「乾杯!」」」
ギムレットを飲んだ皆の感想は様々あったが、これで一段落ついたと言えよう。
自由なお茶会になってお菓子に舌鼓を打っていると、マカロンを器用に取った野良猫がベリアに声をかけた。
「ベリアよ、先程女神よりグラスと祝福の酒を受け取ったな」
「はい」
「おめでとう、これでSランク冒険者へのランクアップは確定だな」
食べようとしていたショートケーキを口へ運ぶ手が止まる。
「へ?」
「女神様から直接祝福を受けた実力ある冒険者を、ギルドが野放しにしておく訳が無かろう。ギルドを脱退しても今度は教会が見逃さない、楽しい人生を送れそうだな」
「げ、現実感が無さ過ぎる…ケーキが美味しいから現実みたいだ」
突然の事実の連続に、ベリアが若干現実逃避をし始めているが、そこはもう諦めてもらうしかないのである。
もしもこの世界が自身のステータスを確認出来る所であれば、『女神の祝福を(直接)授かった者』なる称号でも追加されてそうだ。
「失礼、シュナイダーだ。先程強力な魔力を感じ取ったのだが、何かの練習中か?」
お茶会も終わりに近付いた頃、部屋の扉をノックされシュナイダーが扉越しに話しかけてきた。
「どう説明をしましょうか…」
テレジア達はケーキを頬張る女神様を見てから相談を始めたので、イズミが代わりに返事をした。
「現在特別なゲストを招いてお茶会をしている最中でして、招待状をお持ちでない方は申し訳ございませんが入室出来ません」
「な!?ゲストだと」
扉を開けようとする音がするが、開く気配は一切無い。
「さて女神様、彼とお会いになりますか?」
「…止めておきましょう。彼は女神への信仰ではなく、教会への信仰をしているようですので」
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