正規ルートに反対!〜確定攻略対象者に近付きません‼︎〜

蒼葉

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 こういうのって、って言うのよね。
 目の前にいる王太子が、とてもいい笑顔で通行をさまたげていた。

「ご機嫌様、王太子様」

「ご機嫌、マリアーナ嬢」

 名乗ってもいないのに、何故か名前をご存知で‼︎

「も、申し訳ございません・・・通していただけると・・・ありがたいのですが・・・」

 底辺の底辺までへりくだってやる‼︎
 腰から90度に折り曲げる勢いで頭を下げる。

「あぁ、ごめんね。気が付かなくて」

「いえっ‼︎滅相もないっ‼︎大変申し訳ございません‼︎」

 軍隊か。
 と心で自らを突っ込む。

「御前、失礼いたし・・・」

「ちょっと待った」

 ガシリと腕を掴まれた。
 ひぃぃ。何故⁉︎入学式で余所見してたから、お説教ですかっ⁉︎

「君、学園入るまでは領地に居たそうだね」

「え?あ、はい」

 どう言う事?何故そんな事を聞く?

「だよねぇ。お茶会で会った事ないし。珍しい髪色だから、知らない筈なかったんだよね」

 髪色・・・マズイ。目立つか。染める方法なんてこの世界ないし、魔法で変えるなんてのも無理。
 どうしよう。

「マルス伯爵の親類だとか?」

「・・・はい」

「そう。実家は王都から随分と遠いらしいね。じゃあ、今は彼の屋敷に居るのかな?」

 謎が謎。何で聞くのよ~。

「あの・・・何故、その様な質問を?」

「ん?聞かないとわからないだろう?」

 それの意図がわかりません。

「殿下。軽く引かれてますよ」

 王太子殿下の側近①のマーカス様、ナイスツッコミです。

「そう?あ、通るんだったね。ごめんね」

 少し体をずらしてくれる。
 気さくで、傲慢ごうまんな態度を全く見せないのが、彼が皆に好まれる所だろう。
 こちらも反対側にずれ、素早く頭を下げて通り過ぎようと歩き出し、すれ違いざまに『またね』と囁かれた。

 こ、怖すぎる‼︎
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