アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

414 ナダル・スカイ

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 国際武闘祭(大会)もいよいよ最終日の決勝でーす。
 未成年者の頂点に立つのは両雄のどちらになるのか?

 エルフの里出身精霊魔法使いのナダル・スカイ選手なのか。

 イケメンのナダル選手は今大会ではモーリス選手と並ぶ2大イケメンでしたよねーー。

 きゃーーきゃーー
 きゃーステキーー
 ナダルさまーーー
 きゃーーきゃーー


 そしてナダル選手の相手はなんと決勝ラウンドから登場したヴィンランド冒険者ギルド特別推薦、謎の狐仮面ことハンス選手でーす。

 うおおぉぉぉぉぉ
 おおおぉぉぉぉぉ
 狐仮面んんんんん
 グオォォォォォォ


 「ねぇアレク知ってる?さっきのを黄色い声援って言うんだよ。で今のが野郎のダミ声なんだよ」


 酷い!酷すぎるよシルフィ……。


 狐仮面選手は学園生らしいのですが、学園には同名の選手がいますがその選手とはまったく別人だそうでーす。この狐仮面選手の素性は未だまったくわかりません。

 ですが尚武の地ヴィヨルドの武勇、冒険者ギルドの武勇はロジャー顧問、タイランドギルド長から綿々と未成年者にも受け継がれていくのでしょうか。興味深いですねー。


 わーわーわーわー
 ざわざわザワザワ
 ワーワーワーワー
 ざわざわザワザワ


 国立競技場みたいな領都ヴィンランド格闘場全体がすごい熱気に包まれている。

 いよいよ決勝戦の始まりでーす。
 両選手いいですね。
 それでは始め!



 「よろしくお願いします」

 「‥‥」









 「おいナダル。俺が勝ったらあとで握手させるからな。あとライル選手のとこにも一緒に詫びにいくからな」

 「フッ。できもせんことを言うヒューマンのチビが!」

 「そのヒューマンのチビにこのあと手も足も出ずにけちょんけちょんにやられるんだよお前は」

 「フッ」

 「いいな。とにかくお前は負けたら俺の言うとおりにしろよ」

 「フッ」

 「「じゃあ闘るか」」













 これは決勝戦に遡る前日の夜。

 「シルフィ明日の弓矢の矢尻さ、こんな鏑矢みたいに面積を持たせたいんだよね。いいかな?」

 「てことはアレク。あのイケメン君が放った矢を全部これで迎撃しろってことだね?」

 「できる?」

 「あたぼーよー。べらんめえ!」

 あっ!でた!謎の江戸っ子シルフィ!

 「じゃあ頼むねー」

 「ガッテン承知の助!」

 「‥‥」



 「でねシルフィ最後に射る矢がこれ‥‥」

 「プッ。最高ね!」

 「「あはははは‥」」


 そんなわけで俺が肩に担ぐ矢は先細りじゃなくて平面になった矢尻なんだ。

 もちろん矢を放つ狙いはナダルを射ることじゃない。ナダルが放つ矢とそれを加護してくる精霊の力全てを俺とシルフィが迎撃粉砕するって寸法。

 先の尖った矢尻を平面に当ててことごとく潰していくんだ。

 そう、こんなことされたら嫌だろうなってことをやるんだ。そしたら実力差は歴然とわかるはずだからね。

 そして最後に射るもう1つの矢がさらに傑作なんだよねー。矢尻が吸盤になってるやつなんだ。
 どうするかって?これは楽しみなんだよなぁ。












 「早くかかってこいよ。遠慮せずにな。高貴なエルフの坊っちゃん」

 「なんだと?!下等なヒューマンめ。戯言だがさすがに聞き捨てならん。お望みどおりとりあえず死んどけ!」

 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」


 それは最初からなんの加減もしていない威力の強い風魔法の波状攻撃だった。

 「何発発現してんだよ!」

 ふつうの人間がこんな攻撃を喰らったら、いきなり斬り刻むどころか四肢に胴体までが生き別れのバラバラスプラッターになっちゃうよ。


 「でも‥‥この程度かよ!」

 「ちゃんちゃら可笑しいぜ、べらんめえ!」


 今の俺とシルフィならこの程度はまったく問題なし。

 以前はまったく見えなかった風の刃も今の俺にはそこそこ見える。風の揺らぎ、空気の屈折でそれなりに見えてるんだ。

 だから向かってくるエアカッターを同じ力のエアカッターで迎撃して相殺するのも大して難しいことじゃない。まして本気になった江戸っ子シルフィ先生が迎撃してるんだからね!

 不可視のエアカッターに同じ力量のエアカッターが正面衝突する。

 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!

 「な、な、何をしたんだヒューマン!」

 「なにって高貴なお坊ちゃんのへたれエアカッターに同じ力量のエアカッターで削っただけだけどな」

 「こ、こ、こんなことが許されるものか!高貴なエルフの俺がヒューマンのガキの魔法に負けるなんて!」

 「シーツお前、力を抜いてたな!本気でやれ!」

 「ナダル私‥‥手を抜いてないよ?」

 「いや絶対手を抜いてる。でなきゃ俺がヒューマンなんかに負けるわけがない!」

 「もう1度いくぞ!」

 「ええ!」

 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」
 「エアカッター!」

 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!
 ダアアァァァンッッ!

 「見てろナダル。こんなのもできるんだぜ」

 「もうちょい強めのエアカッター!」

 ダアアアァァァァァンッッッッッ!

 ダアアアァァァァァンッッッッッ!


 「な。お前のへたれエアカッターなんか2、3個いっぺんに相殺できてるぞ」

 「くそっ!なんなんだ?!」

 「さらに大きめだとお前のエアカッターなんか5、6個でも楽勝に消せれるわ!」

 「エアカッター!」

 「エアカッター!」

 ダアアアァァァァァンッッッッッ!

 ダアアアァァァァァンッッッッッ!

 ダアアアァァァァァンッッッッッ!

 ダアアアァァァァァンッッッッッ!



 最初はナダルと同じ力のエアカッターを発現して真正面からぶつけて相殺してやったんだ。

 で途中からはナダルのエアカッター2、3個より強くて大きなエアカッターでまとめて相殺してやった。

 そしてさらにナダルのエアカッター5、6個分を俺の大きなエアカッター1個で全部粉砕してやった。



 「「ハァハァハァハァ‥」」

 「ハァハァハァ‥な、なにがどうなってる?」

 「わかんないよ‥」

 「くっ。シーツ火魔法でいくぞ!」

 「ええ!」

 「ファイアボール!」
 「ファイアボール!」
 「ファイアボール!」
 「ファイアボール!」
 「ファイアボール!」
 「ファイアボール!」

 「へっ?お前らのファイアボールってこれなのかよ?
 シルフィ、エルフと精霊ってこんなに弱いのか?」

 「フフフフ。マリーとシンディたちとは違うのよ。中には弱い子もいるのよ」

 「「わははは(フフフフ)」」

 「シルフィ」

 「ええアレク」

 もう阿吽の呼吸って言うのかな。俺が魔力を込めて発現した青白い高温の火の玉をシルフィがどんどんと風(酸素)を送り込んでさらに大きく成長させていく。

 「「な、な、なんだそのファイアボールは?」」

 結果、三尺玉サイズとなったファイアボールがナダルが発現したバレーボールサイズにぶつかったんだ。


 ドオオォォォーーーン!

 轟音とともに忽ち消えてなくなるナダルのファイアボール。

 「はいこいつもダメー。残念賞!
 次は何かな?
 ナダルお坊ちゃんとシーツお嬢ちゃんの高貴なお2人さんの攻撃は?」

 「くっ‥矢でいくぞ」

 「ええ!」

 シュッ!
 シュッ!
 シュッ!
 シュッ!
 シュッ!
 シュッ!
 シュッ!
 シュッ!
 シュッ!


 おぉ~!さすがはエルフだ。矢を射る姿は様になってるじゃん!
 だけど‥‥これも‥‥。

 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!
 カーーーーンッッ!

 すべて途中で迎撃してやった。ほぼすべてシルフィの力だけど。


 「矢尻が潰れて使い物にならなくなったなナダル」

 「シーツ風の精霊の加護がそんなんじゃぜんぜんダメね」

 「うそ‥‥」

 「くっ‥ナパームだ!」

 「火遊びはダメだって父ちゃんや母ちゃんに教わらなかったか?」


 バババババアアァァァァァーーーーーンッッ!

 火の海ナパームにはウォーターバレットのほうが悔しいだろうなと思って大量の水弾で火を覆ったよ。もちろん格闘場全体にとんでもないくらいの白い煙が上がったけど。


 「「ハァハァハァハァ‥」」

 「ナダルお前この程度かよ?つまんねぇ野郎だな」

 「シーツもね!」

 「「ハァハァハァハァ‥」」


  「じゃあこっちからいくぞ?」

 ズズズーーッッ!

 ズズズーーッッ!

 ズズズーーッッ!

土魔法で作った石の大玉を3個ナダルたちに向けて転がしたんだ。


 「土魔法だと?なめるな!シーツ!」

 「え、ええナダル!」

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 大玉転がしが向かっていくよ。

 「エアカッター!」

 「エアカッター!、エアカッター!」

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 「くっ‥堅いっ!」

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 「止まんないよーナダル!」

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 俺のほうこそなめてもらっちゃ困る。ずーっと発現し続けてる土魔法は風魔法と同等に自信のある魔法なんだから。

 だからこのぴかぴか光る石玉は下手なエアカッターくらいじゃ傷1つつかないくらい堅い石玉なんだよ!

 「エアガード!」

 「エアガード!」

 「エアガード!」

 必死になって迫り来る大玉を止めようと風の防御壁を発現してるけど……。

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 3方から迫り来る大玉転がし。

 「くっ!止まらないっ!」

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 シルフィの加護を受けた石玉がどんどん迫ってくるよ?

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 「うっっ!」

 「きゃあぁぁぁ!ぶつかるーーっ!」

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 ゴロゴロゴロゴロ‥

 ピタッ
 ピタッ
 ピタッ

 咄嗟に身構えたナダルとシーツに大玉3つが動くことさえも封じるように2人を囲ったんだ。

 そこに。

 シュッ!

 シュッ!


 夏祭りの屋台の射的や幼児用の弓矢に使うような矢尻。そうゴムの吸盤になったものが2人を直撃したんだ。

 ピタッッッ!

 ピタッッッ!

 ナダルのおでこにピタッと引っ付いた弓矢。

 「ププッ。ナダルどうだ?引っ付き具合は?ちなみにそれ今じゃ数少ない貴重な生ゴムなんだぞ」

 「どうよシーツ。シッシッシ」

 精霊のシーツには吸盤が羽根ごと石玉に引っ付いた。

 「なんなのよこれーー?ギャーー取れないよーー!」

 「くそっ」












 「でどうなんだ2人とも?負けを認めるか?」

 「「‥‥」」

 額にゴム吸盤付弓矢を付けたイケメンナダルと石玉に吸盤が引っ付いて動きがとれない風の精霊シーツ。
 ああもちろん風の精霊は人には見えないよ。

 「ナダル負けを認めるか?」

 「誰がヒューマンなんかに!絶対認めるものか!」

 「ナダルの言うとおりよ!」

 「めんどくせぇ奴らだなぁ。だってお前らより俺たちのほうが強いじゃん」

 「違う、たまたまだ。
 ああ精霊だ。そうだ精霊の差だ。俺の精霊シーツが弱すぎるんだ!そうに決まっている!」

 「あんたね‥‥たしかにあんた憑いてるシーツって子は弱すぎるわ。でもそれは長命なエルフと一緒で2人で成長していけば全然問題じゃないのよ!
 今はシーツよりあんたの弱さのほうが原因よ!」

 「くっ」

 そんなことを言いながら、えいやえいやと石玉に引っ付いたゴム吸盤を取ろうしているシルフィ。

 「狐仮面取ってよ」

 「わかったよシルフィ」

 俺はシーツを吸盤から取ってやる。ホッとしたシーツはナダルの横に行こうかどうしようか迷っている。

 「シーツあんたは£#☆2a&‥」

 「えっ!!」

 シーツになにかを伝えるシルフィ。ハッとしたシーツは反省したように、すっとナダルの肩に座ったんだ。なんだろう?


 「ナダル。狐仮面はたしかにヒューマンよ。今の世の中じゃ珍しいんだけどね。
 でもね昔はエルフにもヒューマンにも精霊はふつうに憑いてたわ。
 だからエルフがヒューマンより強いってことはないのよ。昔は強いヒューマンもいくらでもいたんだよ。今はいないだけで。

 いいナダル?
 私たち精霊に関係なく、その上で狐仮面がエルフのアンタより強いってことを見せたげるわ」

 「狐仮面石玉1つこの格闘場の1番遠くに置いて『あれ』発現して見せてあげてよ」
 
 「『あれ』だね?」

 「そう『あれ』。でもやり過ぎて壊れた石が観客席に飛ばないようにしなさいよ」

 「うんわかった」



 ゴロゴロゴロゴロ‥

 囲みを外れた石玉が1つ、武闘場の反対側200メル先へ向かって転がった。


 「いくよ。ライトニング(雷鳴)!」

 青白い閃光がけたたましい音とともに狐仮面の指先から石玉に向けて一直線に走る。

 バババババアアァァァァァーーーーーンッッ!


















 パリイイイィィィンッッッ

 石玉が真ん中からガラスが割れるような音を立てて割れ落ちた。

 「「ま、ま、まさか雷魔法‥‥」」

 「ええ雷魔法よ。シーツは初めて見るでしょ」

 「は、はいお姉さま」

 えーーーっ?!お姉さま?!
 シルフィいったい何したんだよ?













 「‥‥わかった。俺の負けを認める」


 うわわわあああぁぁぁぁぁーーー
 わあああぁぁぁぁぁぁぉぁーーー
 ウオオオォォーーッ


 「(トマス、約束だからな。握手しろ)」

 「(くそっ)」

 「(それからこのあと付き合えよ)」

 「(ああ‥‥わかったよ)」

 





 「決まりましたーー!国際武闘祭優勝は圧倒的な強さを見せたヴィヨルド冒険者ギルド所属狐仮面のハンス選手でーーす」

 
 うわわわあああぁぁぁぁぁーーー
 わあああぁぁぁぁぁぁぉぁーーー
 ウオオオォォーーッ




 「では未成年者による武闘祭の総評‥‥」

 

 「(トマス。お前明日もいるのか?)」

 「(ああ。ロジャー様への祝いの品を女王様から預かってるからな)」

 「(よし。じゃあ夜のパーティーのとき、8強で1つのテーブルを囲むからな。そん時にな。ライルも含めて8強みんなはもう仲間なんだからな。ふつうに楽しく話すんだぞ)」

 「(チッ。わかったよ)」

 「(いいか俺たちももう仲間だからな)」

 「(仲間‥‥フン)」

 「(それからなトマス。明日の宴席で出す米のメニューは絶対食えよ。米は俺が栽培した自信作だからな)」

 「(こめ?狐仮面お前農業をやるのか?)」

 「(ああ内緒だけど俺隣のヴィンサンダー領のデニーホッパー村出身なんだ。だから農業は得意だぞ)」

 「(そうか!狐仮面俺も花を育てるのは大好きなんだ)」

 「(なんだトマス。お前も土いじるのかよ!俺たち本当に仲間じゃないか!)」

 「(仲間か‥‥)」

 「(おおよ!闘うのも農業もやる。どうみても俺たちダチだろ!)」

 「(フッ。不思議な奴だなお前は)」

 「(米も含めて飯いっぱい食ってってくれよ)」

 「(なぜ飯の話を狐仮面がする?)」

 「(なぜって。ロジャーのおっさんの披露宴とパーティーの飯は俺が作ったからな)」

 「(はあ?マジか?)」

 「(うんマジ)」

 「(シーツも食べてきなさいよ。狐仮面が作ったものはなんでもめちゃくちゃ美味しいんだから)」

 「(はい。お姉様と一緒なら喜んで!)」
 
 「(じゃあ何が美味しいか明日教えてあげる)」

 「(やった!さすがお姉様!)」

 いつのまにかシルフィが舎弟(舎妹?)を作った瞬間だった。



 (‥‥フッ。闘いに勝った人族が料理まで作るか)







 狐仮面、トマスを筆頭に武闘祭8傑が壇上に立ちならぶ。

 「それでは表彰式を行いまーす。司会は予選会と同じ、私ステファニーが務めますねーー。わんわん」

 わんわん  わんわん  ステファニーちゃわんわん  わんわん‥

 ステファニー親衛隊の合いの手に混じり、壇上でいることも忘れて夢中になる狐仮面。


 「(あの馬鹿‥‥)」

 「(モーリス‥最強の狐仮面はその‥?)」

 「(ああトマス。気にしないでくれ。と言うか、あれはまったくの別人だと思ってくれ‥)」

 「「「(たしかに‥‥)」」」




 「国際武闘祭。強者の400人から勝ち上がった8傑から紹介しますねー‥‥」


 ヴィヨルド領代表モーリス・ヴィヨルド選手

 きゃーーーーーっっ
 わあーーーーーっっ
 モーリスさまぁぁぁ
 うおおおぉぉぉっっ


 獣人国代表ライル選手

 きゃーーーーーっっ
 わあーーーーーっっ
 ライルさまぁぁぁ
 うおおおぉぉぉっっ


 ロイズ帝国代表マルコ・ディスパイス選手


 きゃーーーーーっっ
 わあーーーーーっっ
 マルコさまぁぁぁ
 うおおおぉぉぉっっ


 アメリア法国代表ジューダス選手

 きゃーーーーーっっ
 わあーーーーーっっ
 ジューダスさまぁぁぁ
 うおおおぉぉぉっっ


 海洋諸国連合代表トマス・アイランド選手


 ぱちぱちぱちぱち
 ムカつくが強かったぞーー
 パチパチパチパチ

 「(トマス、強い者には拍手を送る。それがわがヴィヨルドのいいところだ)」

 「(ああ‥‥)」


 自治領ガーデニア(魔法使いの里)代表リゼ・ガーデン選手


 ワーワーワーワー
 かわいいーーーー
 ワーワーワーワー 


 準優勝エルフの里代表ナダル・スカイ選手でーす

 きゃーーーーーっっ
 かっこいいーーーっ
 ナダルさまぁぁぁぁ
 うおおおぉぉぉっっ


 そして栄えある国際武闘祭優勝したのは、ヴィンランド冒険者ギルド特別推薦狐仮面選手でーーーす

 うおおおぉぉぉぉぉ 
 パチパチパチパチ‥
 狐仮面ー狐仮面ー!
 ぱちぱちぱちぱち‥

 


 ―――――――――――――――


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