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はじまり
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キーンコーンカーンコーン
「終わった…」
5教科のテストが終わった。
「みんなよく頑張った!結果は明日にでも出すから今日はこのままHR無しで帰っていいぞ!」
奥田先生は、答案用紙をトントンと整えて足早に職員室へ走って行った。
_____疲れた
テストを終えてどっと疲れが来ていた結菜はしばらくぼーっと空を眺めていた。
気がつくとクラスの半数はもう帰宅していた。
「……ねぇ、ちょっとお願いがあるんだけど」
帰ろうと支度をしていた結菜に美玖が話しかけた。
顔を上げると、遥と花梨も結菜を囲むように立っていた。
「無視?」
不機嫌そうに口を開いたのは遥だった。
「…ごめん、なさい、」
高圧的な態度に結菜は縮こまった。
「あのさ、今から奥田先生に言って席変わってもらおうと思うんだ、だからついてきてよ」
「え、、、なんで、ですか、?」
「いや、あんたみたいなインキャが颯君の隣なんて、かわいそうじゃん」
「………今からですか?」
結菜は早く帰って寝たかった。
「当たり前じゃん、行くよ」
半ば強引に職員室に行くと、奥田先生はおらず、
他の先生から化学準備室にいると言われた。
化学準備室は、校舎の端っこにあるらしい。
「窓際かつ、颯くんの隣なんて神席すぎるよね!」
「いいなぁー美玖も窓際が良かったなぁ」
「美玖は奥田先生狙いでしょ~」
きゃっきゃと楽しそうに話す
3人の後ろを結菜は黙ってついていく
しばらく歩くと、
先の方の部屋でちょうど戸締りをしている人影が見えた。
「ねぇ、あれ先生じゃない??」
その声にその人物は気がついたようで、こちらに近づいてきた。
「お!どうした??」
その人物は奥田先生だったらしく、先生の方から私たちに気がついたようで手を振る影が見える。
「奥田先生~ちょっとお願いがあってぇ、」
美玖は猫撫で声出かけより、奥田先生の腕を掴んだ。
「…ちょ…っ、どうした」
「実は私目が悪くて黒板がよく見えないんです。それで、新川さんが変わってくれるって言ってくれて、席交換したいんですよ」
「……、そういうことか……」
「ダメですか?」
「うーん。実は他の先生も含め、ある程度顔と名前が一致するまでは席替えはできないんだ、初めはまだ本格的な授業はしないだろうし、来週にはできるようにするから、少し我慢できるか?」
「……………」
あからさまに嫌そうな顔をした遥はちらっと美玖の顔を見た。
奥田先生に好意を抱いている美玖の前であまり先生に迷惑かけるような行為はできないからだろう。
しかも、
希望は席替えではなく、颯の隣の席だ。
2人の様子を見て、花梨が口を開いた
「そうなんですね。。。残念です、来週楽しみにしてますね!」
「あぁ、ごめんな。。。ってか新川、どうした?顔色悪いぞ」
結菜はいきなり名前を呼ばれてつい、ビクッと肩が反応してしまった。
「大丈夫か?」
反応がないことに心配したのか、気がつくと奥田先生は目の前にいた。
「…大丈夫です。」
「そうか、もう遅いから4人とも気をつけて帰れよー」
「はーい!じゃあ奥田先生また明日~」
「早く帰ろ!」
結菜はぐいっと美玖に腕を掴まれ少しよろけた。
_____絶対わざとだ。
荷物を取りに教室に戻ると結菜等以外誰もいなかった。
「ねぇ、インキャだからって奥田先生にも心配されてよかったね!」
_____めんどくさい…
結菜は心の中でため息をついた。
「いいじゃん!ほっとこ!奥田先生も颯くんも、あんなやつに気があるわけないじゃん笑」
「確かに~笑」
花梨の言葉に同情したのか、納得したのか、3人はやっと教室を出て行った。
_____そうだよ、奥田先生だってクラスでいじめとか問題が起きるとめんどくさい。だから気を遣ってるだけ。
_____私に話しかけるのに意味なんてない。
「……帰ろう。」
結菜は鞄を掴んで教室を出た。
「終わった…」
5教科のテストが終わった。
「みんなよく頑張った!結果は明日にでも出すから今日はこのままHR無しで帰っていいぞ!」
奥田先生は、答案用紙をトントンと整えて足早に職員室へ走って行った。
_____疲れた
テストを終えてどっと疲れが来ていた結菜はしばらくぼーっと空を眺めていた。
気がつくとクラスの半数はもう帰宅していた。
「……ねぇ、ちょっとお願いがあるんだけど」
帰ろうと支度をしていた結菜に美玖が話しかけた。
顔を上げると、遥と花梨も結菜を囲むように立っていた。
「無視?」
不機嫌そうに口を開いたのは遥だった。
「…ごめん、なさい、」
高圧的な態度に結菜は縮こまった。
「あのさ、今から奥田先生に言って席変わってもらおうと思うんだ、だからついてきてよ」
「え、、、なんで、ですか、?」
「いや、あんたみたいなインキャが颯君の隣なんて、かわいそうじゃん」
「………今からですか?」
結菜は早く帰って寝たかった。
「当たり前じゃん、行くよ」
半ば強引に職員室に行くと、奥田先生はおらず、
他の先生から化学準備室にいると言われた。
化学準備室は、校舎の端っこにあるらしい。
「窓際かつ、颯くんの隣なんて神席すぎるよね!」
「いいなぁー美玖も窓際が良かったなぁ」
「美玖は奥田先生狙いでしょ~」
きゃっきゃと楽しそうに話す
3人の後ろを結菜は黙ってついていく
しばらく歩くと、
先の方の部屋でちょうど戸締りをしている人影が見えた。
「ねぇ、あれ先生じゃない??」
その声にその人物は気がついたようで、こちらに近づいてきた。
「お!どうした??」
その人物は奥田先生だったらしく、先生の方から私たちに気がついたようで手を振る影が見える。
「奥田先生~ちょっとお願いがあってぇ、」
美玖は猫撫で声出かけより、奥田先生の腕を掴んだ。
「…ちょ…っ、どうした」
「実は私目が悪くて黒板がよく見えないんです。それで、新川さんが変わってくれるって言ってくれて、席交換したいんですよ」
「……、そういうことか……」
「ダメですか?」
「うーん。実は他の先生も含め、ある程度顔と名前が一致するまでは席替えはできないんだ、初めはまだ本格的な授業はしないだろうし、来週にはできるようにするから、少し我慢できるか?」
「……………」
あからさまに嫌そうな顔をした遥はちらっと美玖の顔を見た。
奥田先生に好意を抱いている美玖の前であまり先生に迷惑かけるような行為はできないからだろう。
しかも、
希望は席替えではなく、颯の隣の席だ。
2人の様子を見て、花梨が口を開いた
「そうなんですね。。。残念です、来週楽しみにしてますね!」
「あぁ、ごめんな。。。ってか新川、どうした?顔色悪いぞ」
結菜はいきなり名前を呼ばれてつい、ビクッと肩が反応してしまった。
「大丈夫か?」
反応がないことに心配したのか、気がつくと奥田先生は目の前にいた。
「…大丈夫です。」
「そうか、もう遅いから4人とも気をつけて帰れよー」
「はーい!じゃあ奥田先生また明日~」
「早く帰ろ!」
結菜はぐいっと美玖に腕を掴まれ少しよろけた。
_____絶対わざとだ。
荷物を取りに教室に戻ると結菜等以外誰もいなかった。
「ねぇ、インキャだからって奥田先生にも心配されてよかったね!」
_____めんどくさい…
結菜は心の中でため息をついた。
「いいじゃん!ほっとこ!奥田先生も颯くんも、あんなやつに気があるわけないじゃん笑」
「確かに~笑」
花梨の言葉に同情したのか、納得したのか、3人はやっと教室を出て行った。
_____そうだよ、奥田先生だってクラスでいじめとか問題が起きるとめんどくさい。だから気を遣ってるだけ。
_____私に話しかけるのに意味なんてない。
「……帰ろう。」
結菜は鞄を掴んで教室を出た。
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