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第十八話
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ヴァインの棺に、絵を入れてあげたいと思った。
こちらに来て三ヶ月、馬車の中で描いたスケッチと、自画像、そしてヴァインを描いた絵しかない事に気づいた。
「わたくし、全然絵を描いていなかったのですね」
絵を描かないと、生きていけないと思っていた。
そんな事はなかったのだと、ヴァインに教えられた。
「エルノワ、君のスケッチブックだ。確認してくれるかい?」
声をかけてきたのはフロスティ家のお父様。
ヴァインの事を伝える為にフロスティ家へ手紙を送った際に、子どもの頃のスケッチブックを持ってきて欲しいと頼んだ。
エルノワの絵は膨大な量があるけれど、隠れて描いていた時のスケッチなら、小さめのスケッチブックであったはず。
そしてそれは、それ程の数ではない。
ヴァインとはじめてあった時の、鳥のスケッチがきっとその中にある。
「ありがとう、お父様」
「……エルノワ、少し痩せたか」
「……ふふ」
スケッチブックの中には、今よりずっと拙い鳥の絵がいくつもあった。
ねぇヴァイン、どの絵が最初に会った時の絵かおわかりになる?
つい、もう誰もいないベッドへ話しかけそうになって、胸が苦しくなった。
「……困ったわ。わたくしではどの絵がヴァインの言っていた絵なのかわからないわ」
もっと早くに聞いておけば良かった。
お父様に頼めば、こうしてすぐに送って下さっただろうに。
「わたくしは本当にダメね」
スケッチブックから鳥の絵を一枚づつ外していく。
この中にきっと、ヴァインとわたくしを会わせてくれた鳥がいるはずだ。
「今度は、ヴァインを神のみもとへ送ってさしあげてね」
数十枚におよぶ鳥の絵は、ヴァインと共に棺へと収められた。
「ヴァインは、エルノワさんの絵と一緒に羽ばたいていくのね」
「たくさんの鳥達に囲まれて、まるで天使のようだね。大切な奥さんと出会わせてくれた鳥と一緒なら、この子もさみしくないだろう」
こちらに来て三ヶ月、馬車の中で描いたスケッチと、自画像、そしてヴァインを描いた絵しかない事に気づいた。
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絵を描かないと、生きていけないと思っていた。
そんな事はなかったのだと、ヴァインに教えられた。
「エルノワ、君のスケッチブックだ。確認してくれるかい?」
声をかけてきたのはフロスティ家のお父様。
ヴァインの事を伝える為にフロスティ家へ手紙を送った際に、子どもの頃のスケッチブックを持ってきて欲しいと頼んだ。
エルノワの絵は膨大な量があるけれど、隠れて描いていた時のスケッチなら、小さめのスケッチブックであったはず。
そしてそれは、それ程の数ではない。
ヴァインとはじめてあった時の、鳥のスケッチがきっとその中にある。
「ありがとう、お父様」
「……エルノワ、少し痩せたか」
「……ふふ」
スケッチブックの中には、今よりずっと拙い鳥の絵がいくつもあった。
ねぇヴァイン、どの絵が最初に会った時の絵かおわかりになる?
つい、もう誰もいないベッドへ話しかけそうになって、胸が苦しくなった。
「……困ったわ。わたくしではどの絵がヴァインの言っていた絵なのかわからないわ」
もっと早くに聞いておけば良かった。
お父様に頼めば、こうしてすぐに送って下さっただろうに。
「わたくしは本当にダメね」
スケッチブックから鳥の絵を一枚づつ外していく。
この中にきっと、ヴァインとわたくしを会わせてくれた鳥がいるはずだ。
「今度は、ヴァインを神のみもとへ送ってさしあげてね」
数十枚におよぶ鳥の絵は、ヴァインと共に棺へと収められた。
「ヴァインは、エルノワさんの絵と一緒に羽ばたいていくのね」
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