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お題箱消化③ ★
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お題『正座のし過ぎで動けなくなり、言葉も発せないまま2人でただただ痺れが無くなるまでもがきながら耐える角名くんと北さん』
時は放課後、場所は体育館に接する男子排球部部室。角名と北は向かい合い正座をしたまま対談していた。
今回は角名に向けてのお叱りお説教ではなく、毎日喧嘩を繰り広げているチームメイトの宮双子についてだった。
以前に北は同様の話を、角名と同じ2年のチームメイトである銀島にもしたようだ。(どうせなら怖いから2人で一緒に話を聞きたかった、なんて正論パンチで返されるので言えるはずも無く。)
「___ちゅうわけで、すまんけどまた双子が言い合いになる前に止めてくれへんか。俺呼んでくれてもかまへんから。 …もうこんな時間やな。部活終わりに居残りさせてしもてすまんな、角名。」
「いえ…善処します。俺に止められるか分かりませんけど。」
一言二言、話の結びとも取れる言葉を交わし帰宅しようと2人は各々のエナメルバッグを手に取り腰を上げる。
______が、2人は足に嫌な感覚を覚えた。神経の痛むような響くような、はたまた電撃を喰らったかの様な、なんとも言えないこの感覚。
「~~~ッ!」
声にならない痛みに一度上げた腰を下ろしてしまう角名は、目の前の先輩は大丈夫なのだろうと思いつつ、痛む足を軽く揉みほぐしながらゆっくりと上を向く。
「アカンな…ちと長く話しすぎてしもたわ。ふふ、俺も足、痺れてしもたわ。」
目の前には角名同様、足の痺れを解しながら言葉をこぼし苦笑する、いつもは見られない姿の北が居たのだった。
なんともレアな光景にシャッターを切りたかった角名だが、これ以上は正座時間を増やすまいと思いぐっと堪えた。
5分程で足の痺れは解け、ようやっと帰れるまでになった。何せ部活終了後、双子のことについて小一時間、正座で、話をしたのだ。あの完璧人間と言われた北でも堪えたようだ。
「ほんまにこんな時間まですまんな。腹減ってるやろし、足しになるもん買ってやりたいけど時間も時間や。危ないから真っ直ぐ帰ろか。」
ほんの一瞬だが、角名は動きが固まってしまった。今日は本当に珍しい北さんばかり見ているからだ。足は痺れるし、奢ろうとしてくれるし…(真っ直ぐ帰ろうと言ったあたりはいつも通りだが)
「はい」と一言角名が返事をし、2人で並んで帰る足取りはもう軽かった。
時は放課後、場所は体育館に接する男子排球部部室。角名と北は向かい合い正座をしたまま対談していた。
今回は角名に向けてのお叱りお説教ではなく、毎日喧嘩を繰り広げているチームメイトの宮双子についてだった。
以前に北は同様の話を、角名と同じ2年のチームメイトである銀島にもしたようだ。(どうせなら怖いから2人で一緒に話を聞きたかった、なんて正論パンチで返されるので言えるはずも無く。)
「___ちゅうわけで、すまんけどまた双子が言い合いになる前に止めてくれへんか。俺呼んでくれてもかまへんから。 …もうこんな時間やな。部活終わりに居残りさせてしもてすまんな、角名。」
「いえ…善処します。俺に止められるか分かりませんけど。」
一言二言、話の結びとも取れる言葉を交わし帰宅しようと2人は各々のエナメルバッグを手に取り腰を上げる。
______が、2人は足に嫌な感覚を覚えた。神経の痛むような響くような、はたまた電撃を喰らったかの様な、なんとも言えないこの感覚。
「~~~ッ!」
声にならない痛みに一度上げた腰を下ろしてしまう角名は、目の前の先輩は大丈夫なのだろうと思いつつ、痛む足を軽く揉みほぐしながらゆっくりと上を向く。
「アカンな…ちと長く話しすぎてしもたわ。ふふ、俺も足、痺れてしもたわ。」
目の前には角名同様、足の痺れを解しながら言葉をこぼし苦笑する、いつもは見られない姿の北が居たのだった。
なんともレアな光景にシャッターを切りたかった角名だが、これ以上は正座時間を増やすまいと思いぐっと堪えた。
5分程で足の痺れは解け、ようやっと帰れるまでになった。何せ部活終了後、双子のことについて小一時間、正座で、話をしたのだ。あの完璧人間と言われた北でも堪えたようだ。
「ほんまにこんな時間まですまんな。腹減ってるやろし、足しになるもん買ってやりたいけど時間も時間や。危ないから真っ直ぐ帰ろか。」
ほんの一瞬だが、角名は動きが固まってしまった。今日は本当に珍しい北さんばかり見ているからだ。足は痺れるし、奢ろうとしてくれるし…(真っ直ぐ帰ろうと言ったあたりはいつも通りだが)
「はい」と一言角名が返事をし、2人で並んで帰る足取りはもう軽かった。
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