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第三章 新入生交流会
《side 兎道 湊都》 告白からの逃走
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side 兎道 湊都
《貴方は人狼です》
そうスマホに書かれていたのを見たときなんで俺なんだと膝をついて嘆きたくなった。
だけどそんなことをしたら一緒にいる芙幸に俺が人狼だとバレてしまうため奥歯をグッと噛み締め耐える。
「どうしたの湊都君?変顔??」
しかし顔はどうしようもできなかったらしい。
自分はαだと嘘をついたとき燈弥にバレなかったのに、なんで顔に出るんだ?あの時と同じでいつも通りの顔だろうに。
ここでなんでもないと芙幸に言うか?
それとも俺は人狼なんだと正直に言う?
でも正直に言ったら芙幸に狩られる可能性が.....。
そう思うとなかなか言い出せず芙幸になんともないと言うしか無かった。しかし、俺の顔色が酷いのか度々芙幸は声をかけてくれる。
「ほんとに大丈夫?」
何度目かの言葉に....心配そうに顔を近づけてくる芙幸にハッとする。こいつはこんなに俺を心配してくれる。それなのに俺はさっきから誤魔化すことばかりで芙幸を騙し続けているじゃないかと。
急に自分が情けなくなった。
芙幸を信じてやれない自分が。
芙幸が俺を狩ると決めつける自分が。
燈弥と清継が言っていたことに改めて納得した。一緒に行動するのは馬鹿だっていうことに。ひとりで疑心暗鬼に陥っている自分を見れば明らかだった。
でも、俺は芙幸を信じる。
そして人狼狩り開始から30分経った頃だろうか?
ようやく俺は決心し、芙幸に伝えた。
「芙幸悪い!!じ、実は俺っ人狼なんだ!!」
すると芙幸はさっきまでの笑顔を無表情に変え、ガラス玉みたいな目で俺を見つめた。
初めて見る芙幸のその表情に身体が固まる。
「....そっか。湊都君は人狼か~」
無表情のまま俺に伸ばされる手にギュッと目をつぶった。
俺は芙幸を騙してたんだ。殴られても仕方ない!
しかし殴られた衝撃はなく、ポンと肩に重みを感じ目を開ける。そこには呆れたように笑う芙幸がいた。
「もぉーなんて顔してんのさ!なに?僕が殴るとでも思ったの?」
「いや、え、だって俺.....人狼だし。そのこと黙ってたし」
「なになに?僕は湊都君が人狼だったら狩るような人間に見えるの?湊都君が僕に人狼だってこと黙ってたから殴るようなクズに見えるの?」
「ち、ちが!」
「僕ショック~~!!湊都君とはいい関係を築けてたと思ったのに!」
しゃがみ込みシクシクと泣く芙幸にオロオロする。
ヤベェ泣かしちまった!?
「俺が悪かったって!!」
「うん。湊都君が悪い」
「ヴぇ!?」
俺が謝るとケロリとした顔で立ち上がりニコリと笑う芙幸。え、嘘泣きかよ!?
「んふふふ~!ごめんごめん。湊都君の反応がいいからからかっちゃった。別に湊都君が人狼だってこと黙ってても怒らないよ。僕も人狼って黙ってたし」
「なんだ怒ってな.....人狼!?芙幸も人狼なのか!?」
「.....うん」
「なら話は早いな!芙幸、俺の背中ポケットの紙見てくれ」
「え?」
なんで驚いた顔してんだ?芙幸は自チームがどこか知りたくねぇの?
「いやいや、僕も人狼だよ?そんな簡単に背中向けちゃダメじゃん!」
「何言ってんだ?ここまでくるまでに芙幸は一度も俺を襲おうとしなかったじゃねぇか。つまり俺を狩るつもりねぇんだろ?俺、芙幸に自分が人狼かどうか話すのに悩んで隙だらけだったろうし....。なのに何もせずずっと心配してくれてた。俺が芙幸に背中を向けるのはそれだけで十分な理由になるだろ」
「うわぁ~.......ホントに君ってやつは」
「どうしたんだ?」
「なんでもない!ほら湊都向こう向いてて!」
「おう!」
俺はどこのチームなんだろうな?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「結局意味わからん単語だったな」
「それね~。僕と湊都が同じ単語だったのはいいことなんだろうけど......これからどうしよう」
俺達は途方に暮れていた。自分がどのチームに所属しているのか一応わかった。
だけど、そのせいで誰を狩っていいのかわからなくなった。
「これどうやってノルマ達成させんだ?」
「もう無差別に狩るしかなくない~?」
「それはダメだ!無差別に狩ったせいで俺達が戦犯になったらどうすんだ。ほかも俺達と同じような状況なら芙幸が言ったように無差別に狩るやつが絶対に出てくる。だから勝つにはせめて俺達だけでも自チームのヤツらに手を出しちゃダメだ」
「......湊都って意外と考えてるんだ~。もっと考え無しに動くタイプだと思ってた....」
「失礼なやつだな!?」
俺がそう言うと芙幸に気まづそうに目をそらされた。俺ってそんな馬鹿っぽく見えてんのか?
「ま、まぁ確かに勝つなら湊都の言う通りだね!でも方法がなぁ....」
「なぁ、思ったけど。人狼じゃない奴らもチーム違うんじゃね?」
「僕も考えたけど、それだとルールがおかしくなるんだよね。だって副会長は人狼のみ自チームを知る手段があるって言ったんだよ?だから人狼じゃない人達は黒・白・赤の3チームなのは間違いない」
「でもそれだとこの人狼狩りには合計で4チームあることになるぞ?」
「それにしては僕達のチーム名はどこか系統が違.....っ、避けて湊都!!!」
「は?っぅお!?!?」
いきなり大声で避けてと言った芙幸は俺に飛びつくようにぶつかってきた。ぶつかられた勢いのまま地面に倒れ、急になんだと顔を顰めた瞬間.....豪風と共に何かが俺たちの上を通り過ぎた。
は?あれって人......??
人が飛んできたのか!?
「っ、マジか!なんで参加してんの!?だとしても遭遇するとか運なさすぎィィ!!逃げるよ湊都!!」
「はぁ!?いでっ」
素早く立ち上がった芙幸に引きずられるように腕を引っ張られ何とか立ち上がるが、芙幸がそのまま走り出したため転けそうになる。
いきなりの展開に頭が追いつかない!
「なんだよ急に!?」
「今は逃げることだけを考えて湊都!」
「なんで!?」
「~っ戦闘狂のお出ましだからだよ!!!!」
《貴方は人狼です》
そうスマホに書かれていたのを見たときなんで俺なんだと膝をついて嘆きたくなった。
だけどそんなことをしたら一緒にいる芙幸に俺が人狼だとバレてしまうため奥歯をグッと噛み締め耐える。
「どうしたの湊都君?変顔??」
しかし顔はどうしようもできなかったらしい。
自分はαだと嘘をついたとき燈弥にバレなかったのに、なんで顔に出るんだ?あの時と同じでいつも通りの顔だろうに。
ここでなんでもないと芙幸に言うか?
それとも俺は人狼なんだと正直に言う?
でも正直に言ったら芙幸に狩られる可能性が.....。
そう思うとなかなか言い出せず芙幸になんともないと言うしか無かった。しかし、俺の顔色が酷いのか度々芙幸は声をかけてくれる。
「ほんとに大丈夫?」
何度目かの言葉に....心配そうに顔を近づけてくる芙幸にハッとする。こいつはこんなに俺を心配してくれる。それなのに俺はさっきから誤魔化すことばかりで芙幸を騙し続けているじゃないかと。
急に自分が情けなくなった。
芙幸を信じてやれない自分が。
芙幸が俺を狩ると決めつける自分が。
燈弥と清継が言っていたことに改めて納得した。一緒に行動するのは馬鹿だっていうことに。ひとりで疑心暗鬼に陥っている自分を見れば明らかだった。
でも、俺は芙幸を信じる。
そして人狼狩り開始から30分経った頃だろうか?
ようやく俺は決心し、芙幸に伝えた。
「芙幸悪い!!じ、実は俺っ人狼なんだ!!」
すると芙幸はさっきまでの笑顔を無表情に変え、ガラス玉みたいな目で俺を見つめた。
初めて見る芙幸のその表情に身体が固まる。
「....そっか。湊都君は人狼か~」
無表情のまま俺に伸ばされる手にギュッと目をつぶった。
俺は芙幸を騙してたんだ。殴られても仕方ない!
しかし殴られた衝撃はなく、ポンと肩に重みを感じ目を開ける。そこには呆れたように笑う芙幸がいた。
「もぉーなんて顔してんのさ!なに?僕が殴るとでも思ったの?」
「いや、え、だって俺.....人狼だし。そのこと黙ってたし」
「なになに?僕は湊都君が人狼だったら狩るような人間に見えるの?湊都君が僕に人狼だってこと黙ってたから殴るようなクズに見えるの?」
「ち、ちが!」
「僕ショック~~!!湊都君とはいい関係を築けてたと思ったのに!」
しゃがみ込みシクシクと泣く芙幸にオロオロする。
ヤベェ泣かしちまった!?
「俺が悪かったって!!」
「うん。湊都君が悪い」
「ヴぇ!?」
俺が謝るとケロリとした顔で立ち上がりニコリと笑う芙幸。え、嘘泣きかよ!?
「んふふふ~!ごめんごめん。湊都君の反応がいいからからかっちゃった。別に湊都君が人狼だってこと黙ってても怒らないよ。僕も人狼って黙ってたし」
「なんだ怒ってな.....人狼!?芙幸も人狼なのか!?」
「.....うん」
「なら話は早いな!芙幸、俺の背中ポケットの紙見てくれ」
「え?」
なんで驚いた顔してんだ?芙幸は自チームがどこか知りたくねぇの?
「いやいや、僕も人狼だよ?そんな簡単に背中向けちゃダメじゃん!」
「何言ってんだ?ここまでくるまでに芙幸は一度も俺を襲おうとしなかったじゃねぇか。つまり俺を狩るつもりねぇんだろ?俺、芙幸に自分が人狼かどうか話すのに悩んで隙だらけだったろうし....。なのに何もせずずっと心配してくれてた。俺が芙幸に背中を向けるのはそれだけで十分な理由になるだろ」
「うわぁ~.......ホントに君ってやつは」
「どうしたんだ?」
「なんでもない!ほら湊都向こう向いてて!」
「おう!」
俺はどこのチームなんだろうな?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「結局意味わからん単語だったな」
「それね~。僕と湊都が同じ単語だったのはいいことなんだろうけど......これからどうしよう」
俺達は途方に暮れていた。自分がどのチームに所属しているのか一応わかった。
だけど、そのせいで誰を狩っていいのかわからなくなった。
「これどうやってノルマ達成させんだ?」
「もう無差別に狩るしかなくない~?」
「それはダメだ!無差別に狩ったせいで俺達が戦犯になったらどうすんだ。ほかも俺達と同じような状況なら芙幸が言ったように無差別に狩るやつが絶対に出てくる。だから勝つにはせめて俺達だけでも自チームのヤツらに手を出しちゃダメだ」
「......湊都って意外と考えてるんだ~。もっと考え無しに動くタイプだと思ってた....」
「失礼なやつだな!?」
俺がそう言うと芙幸に気まづそうに目をそらされた。俺ってそんな馬鹿っぽく見えてんのか?
「ま、まぁ確かに勝つなら湊都の言う通りだね!でも方法がなぁ....」
「なぁ、思ったけど。人狼じゃない奴らもチーム違うんじゃね?」
「僕も考えたけど、それだとルールがおかしくなるんだよね。だって副会長は人狼のみ自チームを知る手段があるって言ったんだよ?だから人狼じゃない人達は黒・白・赤の3チームなのは間違いない」
「でもそれだとこの人狼狩りには合計で4チームあることになるぞ?」
「それにしては僕達のチーム名はどこか系統が違.....っ、避けて湊都!!!」
「は?っぅお!?!?」
いきなり大声で避けてと言った芙幸は俺に飛びつくようにぶつかってきた。ぶつかられた勢いのまま地面に倒れ、急になんだと顔を顰めた瞬間.....豪風と共に何かが俺たちの上を通り過ぎた。
は?あれって人......??
人が飛んできたのか!?
「っ、マジか!なんで参加してんの!?だとしても遭遇するとか運なさすぎィィ!!逃げるよ湊都!!」
「はぁ!?いでっ」
素早く立ち上がった芙幸に引きずられるように腕を引っ張られ何とか立ち上がるが、芙幸がそのまま走り出したため転けそうになる。
いきなりの展開に頭が追いつかない!
「なんだよ急に!?」
「今は逃げることだけを考えて湊都!」
「なんで!?」
「~っ戦闘狂のお出ましだからだよ!!!!」
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