144 / 222
溺愛編
愛撫
しおりを挟む
「はらむ? あかちゃん?」
「そうだよ。俺たちの子。きっとヴィオに似て愛らしい子だろうね」
どこか惚けた表情を僅かに歪めたヴィオを置いてけぼりにし、セラフィンは左手でヴィオの寝間着の前ボタンをするすると外し、そのまま下履きまで手をかけると一気に取り去ってしまう。滑らかな身体を堪能するように、胸から引き絞られた腰、柔らかな美しい筋肉の付いた腹のあたりまでを羽で触れるような優しさで軽く一撫ぜする。
「え……」
そこまでの行為が驚きの素早さで、ヴィオの赤く色づいた唇は咎めるような形で止まったままになった。今度はその官能的な唇に、形良く長いセラフィンの指を含ませられて口内や天鵞絨のような舌をくちゅくちゅと音を立てて愛撫される。訳が分からず従順にその指を夢中で舐め返したら、セラフィンが吐息だけで、しかし大層色っぽく嗤った。
「触れるよ、いいね?」
どこを? と問い返したかったけれど、形ばかりの確認は否という間も与えられずに流され、柔やわと尻撫ぜ揉まれた後に、おもむろに尻の間のあわいに湿らせた長い指を這わされた。
(男のオメガはここに精を受け入れるって……)
もちろん話には聞いていたが我がことに起こるとは想定して生きてきたわけではない。まだオメガとして生きて2週間のヴィオは軽く混乱し、思わず太ももに力を入れて逃げを打つように腰を浮かせてしまった。
そんながちがちに緊張感が増してきているところに、彼はヴィオの裸の胸元に耳や頬を預けるように押し当ててきた。
「あたたかいね」
セラフィンの冷たい頬、髪、熱い吐息。それらが与える刺激に淡い色の乳首が立ちあがってくるのが恥ずかしく、しかし巧みに足を絡められていて身じろぎもできず泣き出してしまいそうになる。
「ヴィオ……。緊張してるね? 心臓の音がトクトクすごく強い」
「せんせい……」
泣きべそをかくような声を出して、セラフィンの背に両腕を回して抱き返したヴィオは、そんな幼げな様子でセラフィンの同情を誘おうとした。再会してから常にヴィオを気遣って、彼が嫌がることなどなに一つしなかったセラフィンだ。今だって口に出さずともこうして哀れな声を立てればきっとこの行為をやめるかもしくは待ってくれる。そう思っていたのに……。
「小さいのに一生懸命ぷっくり立ちあがって、こんなところまでお前に似て健気だね」
「んうぅ」
綺麗な顔でそんな卑猥なことを口にしながら、舌先で潰すように乳首の先を舐められる。ヴィオがこらえてもこらえても漏らす喘ぎ声に煽られ、執拗に弾き舐めしゃぶる攻めを続けられた。その言いようのないぞくぞくする快感は確実にヴィオの若い茎へ快楽の梯子をかけ、その切っ先からだらだらと透明の雫が伝わってきた。セラフィンは目ざとく見つけると、先端の丸みをくるくると輪をかくようにしつこくこすり、敏感なそこをヴィオが悲鳴を上げて善がるのをいいことに、快感と苦しさの狭間の際まで追い詰めて撫ぜ続けると、ヴィオはあっけなく「いやだあ」と涙声を上げて達した。
ヴィオは嗜虐的なほどの責め苦にひっきりなしに、「はあはあ」と息をつき、呼吸のたびに一度弛緩した身を震わせる。大粒の熱い涙が宝石のように明かりを反射して光る金色の環から零れ、涙の雫があとからあとから頬を伝って寝台にシミを作っていった。セラフィンはその憐れなさまに柳眉をひそめることもなく儀礼的にヴィオの腹に散ったぬめりを指先に絡めて赤い舌を這わすと淫猥にうっそりと嗤う。その魔性の如き美貌にヴィオは日頃セラフィンに感じている憧憬や甘やかな思慕を忘れ、ただただこの自分を喰らおうとする男が恐ろしくてたまらなくなった。そして指先がついに未踏の蕾に押し当てられる。
「ヴィオ? そんな哀しそうな顔をして同情を引こうとしても駄目だよ。余計にそそる。やめてあげられない。」
「あ、ああ」
「発情期じゃないと、うまく濡れないだろうな。でも、ゆっくりゆっくり時間をかけて解して、蕩けさせてあげる。二人で気持ちよくなって、俺のフェロモンで誘発してあげるからヴィオが発情したら、今宵のうち、月が天頂に登るまでには番になれるね? ヴィオのぺったんこのお腹が膨らむほど沢山胎内に注いで、朝までずっと離さず愛してあげるから。俺の子を孕んで? ヴィオ」
いいしな緊張と恐怖で思うようには力を抜けないでいた蕾にぬめりに助けさせつぷっと指先を差し入れられた。
「きゃああ」
針で穿たれた蝶のような気分になり、喉の奥がひくりっと音を立ててどんどんと呼吸が苦しくなっていく。セラフィンはそんなヴィオの悲鳴をも飲み込もうとヴィオの唇を荒々しく奪おうと顔を傾け強引に寄せてきたが、ヴィオはついにセラフィンの肩を手で押し返すと、たまらず声を上げて泣き出してしまった。
「だ、駄目!! こ、怖いぃ!! だめぇ。赤ちゃんできちゃうぅ」
「そうだよ。俺たちの子。きっとヴィオに似て愛らしい子だろうね」
どこか惚けた表情を僅かに歪めたヴィオを置いてけぼりにし、セラフィンは左手でヴィオの寝間着の前ボタンをするすると外し、そのまま下履きまで手をかけると一気に取り去ってしまう。滑らかな身体を堪能するように、胸から引き絞られた腰、柔らかな美しい筋肉の付いた腹のあたりまでを羽で触れるような優しさで軽く一撫ぜする。
「え……」
そこまでの行為が驚きの素早さで、ヴィオの赤く色づいた唇は咎めるような形で止まったままになった。今度はその官能的な唇に、形良く長いセラフィンの指を含ませられて口内や天鵞絨のような舌をくちゅくちゅと音を立てて愛撫される。訳が分からず従順にその指を夢中で舐め返したら、セラフィンが吐息だけで、しかし大層色っぽく嗤った。
「触れるよ、いいね?」
どこを? と問い返したかったけれど、形ばかりの確認は否という間も与えられずに流され、柔やわと尻撫ぜ揉まれた後に、おもむろに尻の間のあわいに湿らせた長い指を這わされた。
(男のオメガはここに精を受け入れるって……)
もちろん話には聞いていたが我がことに起こるとは想定して生きてきたわけではない。まだオメガとして生きて2週間のヴィオは軽く混乱し、思わず太ももに力を入れて逃げを打つように腰を浮かせてしまった。
そんながちがちに緊張感が増してきているところに、彼はヴィオの裸の胸元に耳や頬を預けるように押し当ててきた。
「あたたかいね」
セラフィンの冷たい頬、髪、熱い吐息。それらが与える刺激に淡い色の乳首が立ちあがってくるのが恥ずかしく、しかし巧みに足を絡められていて身じろぎもできず泣き出してしまいそうになる。
「ヴィオ……。緊張してるね? 心臓の音がトクトクすごく強い」
「せんせい……」
泣きべそをかくような声を出して、セラフィンの背に両腕を回して抱き返したヴィオは、そんな幼げな様子でセラフィンの同情を誘おうとした。再会してから常にヴィオを気遣って、彼が嫌がることなどなに一つしなかったセラフィンだ。今だって口に出さずともこうして哀れな声を立てればきっとこの行為をやめるかもしくは待ってくれる。そう思っていたのに……。
「小さいのに一生懸命ぷっくり立ちあがって、こんなところまでお前に似て健気だね」
「んうぅ」
綺麗な顔でそんな卑猥なことを口にしながら、舌先で潰すように乳首の先を舐められる。ヴィオがこらえてもこらえても漏らす喘ぎ声に煽られ、執拗に弾き舐めしゃぶる攻めを続けられた。その言いようのないぞくぞくする快感は確実にヴィオの若い茎へ快楽の梯子をかけ、その切っ先からだらだらと透明の雫が伝わってきた。セラフィンは目ざとく見つけると、先端の丸みをくるくると輪をかくようにしつこくこすり、敏感なそこをヴィオが悲鳴を上げて善がるのをいいことに、快感と苦しさの狭間の際まで追い詰めて撫ぜ続けると、ヴィオはあっけなく「いやだあ」と涙声を上げて達した。
ヴィオは嗜虐的なほどの責め苦にひっきりなしに、「はあはあ」と息をつき、呼吸のたびに一度弛緩した身を震わせる。大粒の熱い涙が宝石のように明かりを反射して光る金色の環から零れ、涙の雫があとからあとから頬を伝って寝台にシミを作っていった。セラフィンはその憐れなさまに柳眉をひそめることもなく儀礼的にヴィオの腹に散ったぬめりを指先に絡めて赤い舌を這わすと淫猥にうっそりと嗤う。その魔性の如き美貌にヴィオは日頃セラフィンに感じている憧憬や甘やかな思慕を忘れ、ただただこの自分を喰らおうとする男が恐ろしくてたまらなくなった。そして指先がついに未踏の蕾に押し当てられる。
「ヴィオ? そんな哀しそうな顔をして同情を引こうとしても駄目だよ。余計にそそる。やめてあげられない。」
「あ、ああ」
「発情期じゃないと、うまく濡れないだろうな。でも、ゆっくりゆっくり時間をかけて解して、蕩けさせてあげる。二人で気持ちよくなって、俺のフェロモンで誘発してあげるからヴィオが発情したら、今宵のうち、月が天頂に登るまでには番になれるね? ヴィオのぺったんこのお腹が膨らむほど沢山胎内に注いで、朝までずっと離さず愛してあげるから。俺の子を孕んで? ヴィオ」
いいしな緊張と恐怖で思うようには力を抜けないでいた蕾にぬめりに助けさせつぷっと指先を差し入れられた。
「きゃああ」
針で穿たれた蝶のような気分になり、喉の奥がひくりっと音を立ててどんどんと呼吸が苦しくなっていく。セラフィンはそんなヴィオの悲鳴をも飲み込もうとヴィオの唇を荒々しく奪おうと顔を傾け強引に寄せてきたが、ヴィオはついにセラフィンの肩を手で押し返すと、たまらず声を上げて泣き出してしまった。
「だ、駄目!! こ、怖いぃ!! だめぇ。赤ちゃんできちゃうぅ」
1
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
二人のアルファは変異Ωを逃さない!
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
★お気に入り1200⇧(new❤️)ありがとうございます♡とても励みになります!
表紙絵、イラストレーターかな様にお願いしました♡イメージぴったりでびっくりです♡
途中変異の男らしいツンデレΩと溺愛アルファたちの因縁めいた恋の物語。
修験道で有名な白路山の麓に住む岳は市内の高校へ通っているβの新高校3年生。優等生でクールな岳の悩みは高校に入ってから周囲と比べて成長が止まった様に感じる事だった。最近は身体までだるく感じて山伏の修行もままならない。
βの自分に執着する友人のアルファの叶斗にも、妙な対応をされる様になって気が重い。本人も知らない秘密を抱えたβの岳と、東京の中高一貫校から転校してきたもう一人の謎めいたアルファの高井も岳と距離を詰めてくる。叶斗も高井も、なぜΩでもない岳から目が離せないのか、自分でも不思議でならない。
そんな岳がΩへの変異を開始して…。岳を取り巻く周囲の騒動は収まるどころか増すばかりで、それでも岳はいつもの様に、冷めた態度でマイペースで生きていく!そんな岳にすっかり振り回されていく2人のアルファの困惑と溺愛♡
【本編完結】あれで付き合ってないの? ~ 幼馴染以上恋人未満 ~
一ノ瀬麻紀
BL
産まれた時から一緒の二人は、距離感バグった幼馴染。
そんな『幼馴染以上恋人未満』の二人が、周りから「え? あれでまだ付き合ってないの?」と言われつつ、見守られているお話。
オメガバースですが、Rなし全年齢BLとなっています。
(ほんのりRの番外編は『麻紀の色々置き場』に載せてあります)
番外編やスピンオフも公開していますので、楽しんでいただけると嬉しいです。
11/15 より、「太陽の話」(スピンオフ2)を公開しました。完結済。
表紙と挿絵は、トリュフさん(@trufflechocolat)
ちゃんちゃら
三旨加泉
BL
軽い気持ちで普段仲の良い大地と関係を持ってしまった海斗。自分はβだと思っていたが、Ωだと発覚して…?
夫夫としてはゼロからのスタートとなった二人。すれ違いまくる中、二人が出した決断はー。
ビター色の強いオメガバースラブロマンス。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
Accarezzevole
秋村
BL
愛しすぎて、壊してしまいそうなほど——。
律界を舞台に織りなす、孤独な王と人間の少年の運命の物語。
孤児として生きてきた奏人(カナト)は、ある日突然、異世界〈律界〉に落ちる。
そこに君臨するのは、美貌と冷徹さを兼ね備えた律王ソロ。
圧倒的な力を持つ男に庇護されながらも、奏人は次第に彼の孤独と優しさを知っていく。
しかし、律界には奏人の命を狙う者たちが潜み、ソロをも巻き込む陰謀が動き始める。
世界を背負う王と、ただの人間——身分も種族も違う二人が選ぶのは、愛か滅びか。
異世界BL/主従関係/溺愛・執着/甘々とシリアスの緩急が織りなす長編ストーリー。
【完結】陰キャなΩは義弟αに嫌われるほど好きになる
grotta
BL
蓉平は父親が金持ちでひきこもりの一見平凡なアラサーオメガ。
幼い頃から特殊なフェロモン体質で、誰彼構わず惹き付けてしまうのが悩みだった。
そんな蓉平の父が突然再婚することになり、大学生の義弟ができた。
それがなんと蓉平が推しているSNSのインフルエンサーAoこと蒼司だった。
【俺様インフルエンサーα×引きこもり無自覚フェロモン垂れ流しΩ】
フェロモンアレルギーの蒼司は蓉平のフェロモンに誘惑されたくない。それであえて「変態」などと言って冷たく接してくるが、フェロモン体質で人に好かれるのに嫌気がさしていた蓉平は逆に「嫌われるのって気楽〜♡」と喜んでしまう。しかも喜べば喜ぶほどフェロモンがダダ漏れになり……?
・なぜか義弟と二人暮らしするはめに
・親の陰謀(?)
・50代男性と付き合おうとしたら怒られました
※オメガバースですが、コメディですので気楽にどうぞ。
※本編に入らなかったいちゃラブ(?)番外編は全4話。
※6/20 本作がエブリスタの「正反対の二人のBL」コンテストにて佳作に選んで頂けました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる