ようこそ、一条家へ season2

如月はづき

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6.衝撃のお茶会③

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 大雅くんの一言でその場にいた全員の動きが止まる。自己紹介ーー今更??

「久しぶりの再会ですっかり忘れていたが、こちらも顔ぶれが少し変わっている。お互いを知っておいた方がいいだろう」

 ちょっと待って、私がさっき光くんに一乃瀬家の説明はしておいたぞ。なーにを言い出したんだ、あとは立花さん辺りが光くんと挨拶でも行けばいいじゃないか!早くしないとマドレーヌが無くなってしまう!
 チラッとおかわりの方向を見つめると、あと3個になっていた。

「それもそうだね。他の家のことはどうでもいいけど、一条家のことは知っておかないと」

 ティーカップを置いて立ち上がったのは、大和くんだった。茶色の髪が窓の光に反射してキラキラ光る、とんでもなく優雅なその佇まいはまるで絵本の王子様のようだった。



 立花ーーと大雅くんが声をかけると、立花さんは私と光くんの間にやってきて、立ち上がるように声をかけた。

「ご紹介致します。執事見習いの望月光と、先日帰還致しましたメイド見習いの白川柚子です。どうぞお見知りおきを」

 光くんが深く頭を下げたので、私も負けじとばあや仕込みのお辞儀をする。顔をあげると、一乃瀬家の面々が並んで立っていた。

「一乃瀬家当主、一乃瀬大和。本日はお招きに預かり光栄です。望月は初めまして、柚子はおかえり」

 それだけ言うとまたソファーに座ってお茶を飲み始めた。一乃瀬家では、この後の紹介が大体うるさいことになるけれど、今日は理玖くんが仕切るようだ。

「俺は青沼理玖、執事やってまーす。で、こっちがウィリアム・ブラウン」

「ウィルって呼んでね!!」

 相変わらずの明るさ、パッと見で大陸の外生まれだとわかる容姿には磨きがかかっていた。

「赤木耕助。庭師な」

「望月はジャガイモとか好き??」

 こうちゃんは少し歳が離れている。庭師と言うより、畑仕事が好きな子だと言う印象は幼い頃と変わらない。

「執事長の灰谷泉」

「俺は執事長になった覚えはないよ。快星だったよね?俺は補佐だったよね?」

 あまり通らない低い声、口数はウィルやこうちゃんに負けず劣らずなのに誰にも話を聞いてもらえない苦労人だ。

「こっちも執事長の黒川快星」

「俺も執事長になった覚えはねぇよ」

 口と目つきは悪いけど根が優しい快星くん
 ーー特にお姉ちゃんにはその優しさが滲み出る。


 光くんは、ウィルとこうちゃんに質問責めをされ始め、また場に賑わいが戻った。マドレーヌのおかわりをとワゴンに近づくと、大和くんが1つ手に取った。あと、2つーー。

「そういえばさぁ……」

 私がマドレーヌを1つ口に頬張った時、不意に大和くんが喋り出した。

「結衣か柚子……どっちかくれない?」

 あまりに唐突な発言に場は静まり返ったし、私は噛まずにマドレーヌを飲み込んでしまった。どっちか?くれない?

「大和……それについては」

 大雅くんがやっと口を開いた所で、また大和くんが喋り出す。

「うちの警備と人員を考えると結衣が無難かなぁ。仕事量的にも、うちにいて一条家の面倒も見る方が楽だよね」

 最後の1つのマドレーヌは、大和くんの手に収められた。それを頬張りつつ、矢継ぎ早に質問が飛んでいる。

「結衣いつ帰ってくる?早めじゃないと、うちもいろいろ困るんだけど」

 前言撤回!何が王子様みたいな顔立ちと佇まいだ!人の話を聞かないのは、昔からだったけど、ここまでとは。私とお姉ちゃんを引き離すとは。この、このーークソおぼっつ!!

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