神のしごきに耐え抜いて武神へと到りました

江守 桜

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20 勇者召喚

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 「お待ちどう!」

 店主が焼き上がったオークジェネラルの肉を俺達の元に持ってきた。鉄板の上にある肉は良い匂いを放っている。

 「いい匂いだ。匂いだけでお腹が減ってくるな」

 「そうですね。早く食べましょう!」

 オークジェネラルの肉のステーキは、柔らかさの余りのナイフの重みだけで切れた。そしてステーキの断面はうっすらとピンク色でちょうどいい焼き加減だ。

 パクッ

 「……………………うまい」

 もうこれ以上の言葉が俺には出てこない。それくらいうまい。肉は口に入れたとたん溶けてなくなり、旨味が口の中に広がった。

 「今まで食べたことないくらい美味しいですね」

 「ああ、俺もこんなに美味しいもの初めて食べたな」

 それから、俺達はオークジェネラルの肉を大切に大切に食べ進め完食した。

 「もう無くなったか………。もう少し食べたかったな」

 「私は結構お腹一杯になったんですけどね」

 「次またいい肉手に入れたらまたここに持ってくるか」

 「そうしましょう」

 すると、話を聞いていた店主がこっちにやって来た

 「こんなにいい肉ならいつでも持ち込んでくれ。手数料として一口貰うが美味く焼いてやるぞ」

 一口は貰うんだな。ちゃっかりしてる。

 「ああ、そうさせて貰う。じゃあ今回のお代はいくら払えばいい?」

 「お代は結構だ。一口分けて貰えただけで十分だからな」

 「そうか、じゃあ今日持ち込んだ肉を焼いてくれてありがとな」

 「ああ、また来てくれ」

 それから俺達はステーキ店"肉オア肉"をあとにした。

 「これからどうしますか?」

 「考えて無かったな。………そうだな、ダンジョンで手に入れた物をギルドに売りに行くか」

 ダンジョン内で手に入れた物はかなりの数があるがどれも対して使えない物ばかりだった。強いて言えばダンジョン結晶くらいか。

 俺達はギルドへと向かった。


~~~~~~~~~~~~~~~


 「こんにちはハクさん、ソフィアさん」

 「こんにちはエイラさん」

 ギルドに着いて受付にいたのはエイラさんだった。エイラさんは俺達がこの街にきてランクを上げる手続きをしてくれた人だ。ちなみにパラキートのギルドにいたアイラさんの双子の姉だったりする。

 「今日はどうなさいましたか?」

 「ヒスイを攻略したから、手に入れたアイテムを売ろうと思ってな」

 「………あの、聞き間違えでしょうか。ヒスイを攻略したと聞こえたんですが?」

 「いや、あってるぞ」

 なんで、驚いてるんだ?ヒスイは簡単なダンジョンのはずだから攻略してもおかしくないと思うんだけど。

 「ハクさんはこの街に来たの2日前ですよね?」

 「そうだな」

 「攻略するの早すぎません」

 「そうか?」

 攻略した早さが問題だったのか。確かに少し早すぎたか?

 《少しではありません。Aランク冒険者パーティーでも、初見のダンジョンならいくらモンスターが早く倒せても行き止まり等で時間がかかりますから、こんなに早く攻略できません。》

 そうか、本当のこと言っても信じて貰えないだろうし、適当いっとくか。

 「それがヒスイのダンジョンで一度も行き止まりに会わなかったんだよ。運がよかったんだな」

 言い訳としては、見苦しいかな?
 横でソフィアも呆れた顔してるし。

 「まぁ、そういうことにしときます」

 「じゃあアイテムの買い取りを頼む」

 俺は、ヒスイのダンジョンで手に入れたアイテムを全て出した。(オーク肉は除く)

 「すごい量ですね…。少し査定に時間がかかるのでしばらく待っていてください」

 「わかりました」

 待つこと十数分

 「お待ちしました、買い取り価格は銀貨5枚と銅貨8枚ですね。買い取り価格のほとんどはダンジョン結晶によるものですね。オーク肉があればかなり高値になるのですが……ありませんか?」

 「いえ、自分達で食べるので」

 うまいからなオーク肉。

 「そうですか、それじゃあこちらが銀貨5枚、銅貨8枚です」

 俺は、渡された硬貨を受け取った。

 「ところでお二人は勇者召喚の話を聞きましたか?」

 「「勇者召喚?」」





 
 


 
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