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三章:この羽根は君を暖める為に(最終章)
40:パフェブレイク
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「吐き出したら、やっと感情が正常に動いてきたかも……何で私がビクビクオドオドしなきゃいけないの」
その澄んだ声は低い響きで唇から零れ落ちる。
泣いてない、泣いている場合でないと。
憂鬱も熱い湯と泡にすっかり溶けたようで、雛子の打ち明け話はこんなところか。
風呂から上がってお互いベッドに並びながら手だけ繋ぎ合い、甘やかな匂いに包まれてバスローブ一枚の素肌。
状況だけなら押し倒す秒読みといったところではあるがそういう空気ではない、流石に。
そういうことか、事情は大体理解した。
ゲームセンターに現れた雛子の様子がおかしかったのも迫ってきたのも、勝手に触れられた唇や秘部を鳳一郎で上書きしたかった訳である。
聞き手に徹していた鳳一郎は黙ったまま僅かに目を細めた。
それを聞いてどう思ったかなんて、そんなの。
きっと普通ならば雛子に同情して胸を痛めたり義憤で燃えるところなのだろう。
しかし自他の境界が確立している鳳一郎は相手の感情に引っ張られない。
これは精神的な安定にも繋がるが、ある意味では冷たく人間味に欠けているようでもある。
頭でなら理解出来ても絆されることは無い。
雛子でなくても誰であっても、どんな場合であれど。
それを露わにすれば他者から気味悪がられるということも鳳一郎は知っている。
だからこそ、こうして恋仲になっているのは明かされた境遇を哀れんでいるからでなかった。
そんな鳳一郎だからこそ同情や依存と愛の違いが明確に判る。
ここに居るただ一人の雛子に惹かれているという事実。
「それで雛子、明日はどうする気だ?」
「行く……まぁ、策ならあるから」
聞いてしまったからには真っ先に浮かぶ疑問に対し、雛子は意味ありげな返答。
ヨタカに従うのは「来い」という要求のみ。
そこから先はこちらも考えがあると。
「鳳一郎、助けてほしい訳じゃないけど手を貸して」
「そうだな、一人で来いとは言われてねぇし」
そして雛子が話してくれたのも、鳳一郎なら受け止めてくれるという信頼。
何を明かされようと怯まず傷付かず。
大きいのは何も身体だけでなく、包容力は強み。
さて、作戦会議はまた後で。
アイスが溶けてしまう前に楽しもうか。
ここのラブホテルにはルームサービスで喫茶店並みな種類と品質のパフェがあった。
気持ちを落ち着けるには甘い物が一番。
ずんぐりと丸いグラスのロストルムと違って、逆三角でお馴染みのパフェグラス。
このタイプは層が綺麗に見える。
「鳳一郎、苺のとこだけでもちょっと食べる?」
「ん、じゃあプリンもやるよ」
雛子の注文はパステルなピンクとブルーのアイスがとても愛らしい苺とチョコミントのパフェ。
上に金平糖が散りばめられていて、ラブホテルに不似合いな程メルヘンチックだった。
一匙分けてもらうと、鳳一郎の舌にミルキーな苺アイスの甘さが蕩ける。
どこまでも滑らかな中で金平糖がアクセントになっていて見た目だけでなく食感も楽しい。
チョコミントは苦手なので避けたが、本来なら清涼感が後味を引き締めるのだろう。
鳳一郎の方はバスルームでの余韻から覚めやらず、思わずプリンアラモードパフェを選んだ。
揶揄で水を差すのは不躾なので雛子には黙っていたが。
ゼラチンで固めたのでなく焼きプリンなので卵の味が優しくもしっかりしており、ホイップクリームがたっぷりだと更に満足感がある。
加えて冷たいバニラアイス、苺とバナナ。
いかにも甘ったるそうな組み合わせも、カラメルの深い苦みでバランスが良い。
「後で電話かけるから、ちょっと席外すね」
「おう、俺も電話するとこあるから済ませとくわ」
風呂では甘ったるい泡の中で一度果てたので湯上がりは酩酊感が心地良い。
暖房の効いてきた部屋での冷たいパフェは格別、極楽気分に浸りながら無心で食べ進める。
これは英気を養う為の時間。
明日のことを忘れた訳ではない、鳳一郎も雛子も。
「……私だって、もう容赦なんかしてやらない」
雛子の決意も固く、舌先の金平糖を転がして噛み砕いた。
甘い星の粒は硬い音を立てて粉々。
暗褐色の双眸はこういう時、冷徹な凄みを宿す。
「……それで、鳳一郎こそ一回だけで足りるの?」
こういう訳でそれぞれ離れてスマホに向かって話し込んでいたのだが、通話を切ってからも休憩時間は少し残っている。
まだバスローブのまま雛子が鳳一郎の膝に乗ってきた。
性行為をしない時も寄ってきて椅子にされたりするので、猫の真似事。
とはいえ今は状況があまりにも毒である。
タオル地越しに柔らかな重みが伸し掛かってきて、目眩がするくらい甘い感覚。
鳳一郎も同じボディソープを使ったので香りには麻痺していたが、緩く開いた雛子の唇からも苺に似た舌が覗く。
とびきり甘いのは知っている。
パフェを食べたばかりだというのに、飢えたように唾液が溢れてきた。
「あー……その、食っても良いのか?」
再び小悪魔になったら、鳳一郎は白旗を上げるしか出来ず。
スプーンの先を差し出すように、頷いた雛子の方から唇を重ねてきた。
そうは言っても、鳳一郎は荒々しく貪るようなことなどしない。
こちらからも差し入れた舌で丁寧に雛子の口腔を撫でて、唾液を残らず啜る。
あんまり甘くて頭の芯が痺れてしまう。
酸欠になって息継ぎ一つ、至近距離で見つめ合った。
雛子の目はブラックコーヒー、或いは先程のカラメルソース。
熱を持ちつつも、水面は静けさを保って程良い苦味。
パフェとは日常のちょっとした贅沢。
普段はロストルムで味わう物だったが、こうして居心地の良い部屋で食に色事にと耽っていると堕落してしまいそうだった。
時間は刻々と迫っているので今日は余裕が無いにしても、ここで眠ったら更に深く落ちるだろう。
「せっかくだから、いつもと違うことしてみたい」
「ん、挿れる以外なら付き合うけど……」
鳳一郎が同意すると雛子は視線を動かして示した。
部屋の片隅、小さな冷蔵庫に似た自販機。
ただしここはラブホテル、売られているのは飲み物や食べ物などでない。
並ぶ商品は全体的に派手なピンクのアダルトグッズ。
「鳳一郎、使ったことある?」
「まぁ……そうだな……」
攻める側なのか受ける側なのかは曖昧な返答。
ゲイバーで受け身の男からなら引く手数多だが、実のところ鳳一郎は後ろの経験も一人二人ならある。
自慰に使うディルドを本宅の自室に隠しているのは秘密。
男の身体に未練があるのかと訊かれたら正直なところ完全否定は出来ず、さりとて道具で事足りるのだ。
それはさておき。
「……で、雛子どれが良い?」
その澄んだ声は低い響きで唇から零れ落ちる。
泣いてない、泣いている場合でないと。
憂鬱も熱い湯と泡にすっかり溶けたようで、雛子の打ち明け話はこんなところか。
風呂から上がってお互いベッドに並びながら手だけ繋ぎ合い、甘やかな匂いに包まれてバスローブ一枚の素肌。
状況だけなら押し倒す秒読みといったところではあるがそういう空気ではない、流石に。
そういうことか、事情は大体理解した。
ゲームセンターに現れた雛子の様子がおかしかったのも迫ってきたのも、勝手に触れられた唇や秘部を鳳一郎で上書きしたかった訳である。
聞き手に徹していた鳳一郎は黙ったまま僅かに目を細めた。
それを聞いてどう思ったかなんて、そんなの。
きっと普通ならば雛子に同情して胸を痛めたり義憤で燃えるところなのだろう。
しかし自他の境界が確立している鳳一郎は相手の感情に引っ張られない。
これは精神的な安定にも繋がるが、ある意味では冷たく人間味に欠けているようでもある。
頭でなら理解出来ても絆されることは無い。
雛子でなくても誰であっても、どんな場合であれど。
それを露わにすれば他者から気味悪がられるということも鳳一郎は知っている。
だからこそ、こうして恋仲になっているのは明かされた境遇を哀れんでいるからでなかった。
そんな鳳一郎だからこそ同情や依存と愛の違いが明確に判る。
ここに居るただ一人の雛子に惹かれているという事実。
「それで雛子、明日はどうする気だ?」
「行く……まぁ、策ならあるから」
聞いてしまったからには真っ先に浮かぶ疑問に対し、雛子は意味ありげな返答。
ヨタカに従うのは「来い」という要求のみ。
そこから先はこちらも考えがあると。
「鳳一郎、助けてほしい訳じゃないけど手を貸して」
「そうだな、一人で来いとは言われてねぇし」
そして雛子が話してくれたのも、鳳一郎なら受け止めてくれるという信頼。
何を明かされようと怯まず傷付かず。
大きいのは何も身体だけでなく、包容力は強み。
さて、作戦会議はまた後で。
アイスが溶けてしまう前に楽しもうか。
ここのラブホテルにはルームサービスで喫茶店並みな種類と品質のパフェがあった。
気持ちを落ち着けるには甘い物が一番。
ずんぐりと丸いグラスのロストルムと違って、逆三角でお馴染みのパフェグラス。
このタイプは層が綺麗に見える。
「鳳一郎、苺のとこだけでもちょっと食べる?」
「ん、じゃあプリンもやるよ」
雛子の注文はパステルなピンクとブルーのアイスがとても愛らしい苺とチョコミントのパフェ。
上に金平糖が散りばめられていて、ラブホテルに不似合いな程メルヘンチックだった。
一匙分けてもらうと、鳳一郎の舌にミルキーな苺アイスの甘さが蕩ける。
どこまでも滑らかな中で金平糖がアクセントになっていて見た目だけでなく食感も楽しい。
チョコミントは苦手なので避けたが、本来なら清涼感が後味を引き締めるのだろう。
鳳一郎の方はバスルームでの余韻から覚めやらず、思わずプリンアラモードパフェを選んだ。
揶揄で水を差すのは不躾なので雛子には黙っていたが。
ゼラチンで固めたのでなく焼きプリンなので卵の味が優しくもしっかりしており、ホイップクリームがたっぷりだと更に満足感がある。
加えて冷たいバニラアイス、苺とバナナ。
いかにも甘ったるそうな組み合わせも、カラメルの深い苦みでバランスが良い。
「後で電話かけるから、ちょっと席外すね」
「おう、俺も電話するとこあるから済ませとくわ」
風呂では甘ったるい泡の中で一度果てたので湯上がりは酩酊感が心地良い。
暖房の効いてきた部屋での冷たいパフェは格別、極楽気分に浸りながら無心で食べ進める。
これは英気を養う為の時間。
明日のことを忘れた訳ではない、鳳一郎も雛子も。
「……私だって、もう容赦なんかしてやらない」
雛子の決意も固く、舌先の金平糖を転がして噛み砕いた。
甘い星の粒は硬い音を立てて粉々。
暗褐色の双眸はこういう時、冷徹な凄みを宿す。
「……それで、鳳一郎こそ一回だけで足りるの?」
こういう訳でそれぞれ離れてスマホに向かって話し込んでいたのだが、通話を切ってからも休憩時間は少し残っている。
まだバスローブのまま雛子が鳳一郎の膝に乗ってきた。
性行為をしない時も寄ってきて椅子にされたりするので、猫の真似事。
とはいえ今は状況があまりにも毒である。
タオル地越しに柔らかな重みが伸し掛かってきて、目眩がするくらい甘い感覚。
鳳一郎も同じボディソープを使ったので香りには麻痺していたが、緩く開いた雛子の唇からも苺に似た舌が覗く。
とびきり甘いのは知っている。
パフェを食べたばかりだというのに、飢えたように唾液が溢れてきた。
「あー……その、食っても良いのか?」
再び小悪魔になったら、鳳一郎は白旗を上げるしか出来ず。
スプーンの先を差し出すように、頷いた雛子の方から唇を重ねてきた。
そうは言っても、鳳一郎は荒々しく貪るようなことなどしない。
こちらからも差し入れた舌で丁寧に雛子の口腔を撫でて、唾液を残らず啜る。
あんまり甘くて頭の芯が痺れてしまう。
酸欠になって息継ぎ一つ、至近距離で見つめ合った。
雛子の目はブラックコーヒー、或いは先程のカラメルソース。
熱を持ちつつも、水面は静けさを保って程良い苦味。
パフェとは日常のちょっとした贅沢。
普段はロストルムで味わう物だったが、こうして居心地の良い部屋で食に色事にと耽っていると堕落してしまいそうだった。
時間は刻々と迫っているので今日は余裕が無いにしても、ここで眠ったら更に深く落ちるだろう。
「せっかくだから、いつもと違うことしてみたい」
「ん、挿れる以外なら付き合うけど……」
鳳一郎が同意すると雛子は視線を動かして示した。
部屋の片隅、小さな冷蔵庫に似た自販機。
ただしここはラブホテル、売られているのは飲み物や食べ物などでない。
並ぶ商品は全体的に派手なピンクのアダルトグッズ。
「鳳一郎、使ったことある?」
「まぁ……そうだな……」
攻める側なのか受ける側なのかは曖昧な返答。
ゲイバーで受け身の男からなら引く手数多だが、実のところ鳳一郎は後ろの経験も一人二人ならある。
自慰に使うディルドを本宅の自室に隠しているのは秘密。
男の身体に未練があるのかと訊かれたら正直なところ完全否定は出来ず、さりとて道具で事足りるのだ。
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