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三章:この羽根は君を暖める為に(最終章)
50:青桐の褥で
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「今なら鳳一郎とセックス出来る気がする」
嵐が過ぎ去った後の空はそろそろ赤が混じり始める。
日曜の夕暮れとは切なくなりがち。
そんな空気で家に着いて早々、雛子が真っ直ぐ視線と言葉を鳳一郎に向けてきた。
こちらのモッズコートの裾を拳で掴んで逃さない、逃げられない。
ブラックコーヒーの双眸は赤い光を宿して鳳一郎を捕らえる。
「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で」とは、子供の頃よく連れて行かれた喫茶店のメニューに書かれていたコーヒーの詩。
作者のペリゴールの名は覚えていたが、続きはどうだったか思い出せない。
ただ、その詩は綺麗なくらい雛子に重なる。
天使を思わせる金髪に小悪魔的な暗褐色の目、そしてその肢体の熱を鳳一郎はよく知っていた。
「……キツかったら途中でも言えよ?」
いつもなら柔らかく拒絶するのに、今日はそう答えてしまった。
鳳一郎だって踏み込みたい気持ちはあったのだ。
雛子が頷いたところでたちまち心音は青臭い少年に戻ってしまう。
そこは恐らくお互い様、きっと抱き合ったら身体中に響きそうな強さ。
玄関で始めてしまいたいくらいの気持ちを抑えながら辿り着いた離れ家の寝室。
窓の障子を閉めようと横を向くと、ガラスの向こうに傍らの青桐が見える。
盛りには鳳一郎の顔よりも大きな青々とした葉の影を落とす木だが、真冬の今は種子を飛び散らせた跡の小さな星形が枝に残るばかり。
枯れ色の庭は寒さに耐えて春を待つ。
日毎に暖かさを増す陽射しを浴びながら、ただ静かに。
「風呂は?」
「やだ、私もう待てない」
風呂を沸かしてからの方が良いのではと思ったのだが、雛子に急かされて布団の上へ腰を下ろした。
冬の空気で静まり返っていた寝室はやはりアウターを脱ぐのを躊躇う寒さ。
抱き寄せた相手の体温が拠り所。
「あー……俺、ちょっと焦っちまったよ……」
こんな時くらい少し吐き出しても良いか。
物事の受け止め方も反応もゆったりしている鳳一郎から珍しく弱音が零れ落ちる。
「引取人が来るのは聞いてたけどよ、ここであんな少女漫画みたいなイケメン出てくるとは思わねぇだろ」
「平成の、が頭に付くけど……」
付け足す雛子の目は実に冷めている。
確かに高学歴、高身長、高学歴の容姿端麗な権力者といったヒーローは平成の少女漫画か。
鳳一郎は知る由もないことだが鷹人は性格も強引で傲慢、一度懐に入った雛子に対しては執着心が強く溺愛する質。
しかし雛子の方こそ華奢で儚げで庇護欲をそそるようなありがちのヒロインではない。
生きてきた道こそ困難は多くも災厄に耐えて、時折強かに小悪魔の面を晒す。
対等に並び立ちたいからこそ執着も溺愛も気持ち悪い。
「鳳一郎から見ても格好良いみたいだけど、鷹人様は……なんかこう、私にとってはガラスの靴みたいな人だったかな。どれだけ素敵でも、ずっと履いてたら足が痛くなるの分かってた。この先何年も長く歩いてはいられないよ……」
恋愛とは刺激的で楽しいもの。
しかし日常と共にあればこそ、長く続ける為の安定を忘れてはならない。
毎晩舞踏会のある生活なんて息が詰まって人を選ぶ。
それなら雛子にとっての鳳一郎は。
「鳳一郎は大きいテディベアみたいだね……暖かくて包んでくれて、安心する」
「あー……そのクマ、チンポ生えてるけど大丈夫か?」
厚い胸に顔を寄せて雛子が口にするのは愛の言葉。
鳳一郎としては勿論嬉しい反面、気掛かりも。
それこそが同世代の恋人を作らなかったというか、作れなかった理由でもあるのだ。
第一印象で警戒されることもかなり多いが、一度踏み込んで付き合ってみると社交的で穏やかなので男女共に友達は多い。
しかし、ここまで大きいと異性というよりも着ぐるみマスコットか何かのような感覚らしい。
頼られることはあっても、決して恋愛対象という目では見られずどこかで別の生き物扱い。
なので、夜の相手を探すなら最初からそういう界隈に出向いた方が手っ取り早かった訳だ。
男相手が良いということだけでなくて。
雛子の安心と信用を得られているのは幼い頃から鳳一郎が重ねてきた言動の結果。
優しくしたい、泣いてほしくない。
ただし同意を得るまで待つことは出来るが、欲なら人一倍あるのだ。
「繋がりたい」と誘われてしまったからには理性が飛んでしまいそうな予感で背中に冷や汗が伝う。
さて、先程の問い掛けの答えは。
「触ってほしいって言ったの私からなんだから、今更もう怖気付かないで」
鳳一郎の首に腕を巻き付けて、視線で突き刺してくる。
いい加減に諦めて覚悟を決めろと。
「なぁ、キスして良いか?」
鳳一郎からも伸ばした手、その柔らかな頬を包む。
冬の外気に晒されていたのでまだ冷たい。
出来ることなら温めてやりたかった、何もかも。
許可を得てから眠りに沈むように落ちる瞼。
ここには猛獣じみた鋭い目も、底無しの暗い目も無い。
何も見えない薄闇の中では重ねる唇の熱と甘い恍惚だけが全て。
キスが深まる度に淫らな響きの水音。
血が煮え立つ感覚で理性と神経が焼き切れそうだ。
大事にしたいから、壊す訳にいかないのに。
夜遊びしていた頃の鳳一郎は刹那的な刺激に酔い痴れてきた。
同意の上とはいえ大人の男とベッドで散々悪いことをしてきたが、あれはお互いに精液を吐き捨てただけ。
後悔こそしないにしろ、今更になって罪悪感。
こうして好きな女と抱き合うようになってから何度も繰り返している。
鳳一郎がその過去を語らないように、雛子もどこにどうやって傷を受けたか口を閉ざす。
あのアルバムも閉じたまま処分してしまえば良い。
恐らくお互い受け止めることは出来ても、それは絶対に必要でもなかった。
目の前に居る相手が愛しいことは変わらないのだから。
嵐が過ぎ去った後の空はそろそろ赤が混じり始める。
日曜の夕暮れとは切なくなりがち。
そんな空気で家に着いて早々、雛子が真っ直ぐ視線と言葉を鳳一郎に向けてきた。
こちらのモッズコートの裾を拳で掴んで逃さない、逃げられない。
ブラックコーヒーの双眸は赤い光を宿して鳳一郎を捕らえる。
「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で」とは、子供の頃よく連れて行かれた喫茶店のメニューに書かれていたコーヒーの詩。
作者のペリゴールの名は覚えていたが、続きはどうだったか思い出せない。
ただ、その詩は綺麗なくらい雛子に重なる。
天使を思わせる金髪に小悪魔的な暗褐色の目、そしてその肢体の熱を鳳一郎はよく知っていた。
「……キツかったら途中でも言えよ?」
いつもなら柔らかく拒絶するのに、今日はそう答えてしまった。
鳳一郎だって踏み込みたい気持ちはあったのだ。
雛子が頷いたところでたちまち心音は青臭い少年に戻ってしまう。
そこは恐らくお互い様、きっと抱き合ったら身体中に響きそうな強さ。
玄関で始めてしまいたいくらいの気持ちを抑えながら辿り着いた離れ家の寝室。
窓の障子を閉めようと横を向くと、ガラスの向こうに傍らの青桐が見える。
盛りには鳳一郎の顔よりも大きな青々とした葉の影を落とす木だが、真冬の今は種子を飛び散らせた跡の小さな星形が枝に残るばかり。
枯れ色の庭は寒さに耐えて春を待つ。
日毎に暖かさを増す陽射しを浴びながら、ただ静かに。
「風呂は?」
「やだ、私もう待てない」
風呂を沸かしてからの方が良いのではと思ったのだが、雛子に急かされて布団の上へ腰を下ろした。
冬の空気で静まり返っていた寝室はやはりアウターを脱ぐのを躊躇う寒さ。
抱き寄せた相手の体温が拠り所。
「あー……俺、ちょっと焦っちまったよ……」
こんな時くらい少し吐き出しても良いか。
物事の受け止め方も反応もゆったりしている鳳一郎から珍しく弱音が零れ落ちる。
「引取人が来るのは聞いてたけどよ、ここであんな少女漫画みたいなイケメン出てくるとは思わねぇだろ」
「平成の、が頭に付くけど……」
付け足す雛子の目は実に冷めている。
確かに高学歴、高身長、高学歴の容姿端麗な権力者といったヒーローは平成の少女漫画か。
鳳一郎は知る由もないことだが鷹人は性格も強引で傲慢、一度懐に入った雛子に対しては執着心が強く溺愛する質。
しかし雛子の方こそ華奢で儚げで庇護欲をそそるようなありがちのヒロインではない。
生きてきた道こそ困難は多くも災厄に耐えて、時折強かに小悪魔の面を晒す。
対等に並び立ちたいからこそ執着も溺愛も気持ち悪い。
「鳳一郎から見ても格好良いみたいだけど、鷹人様は……なんかこう、私にとってはガラスの靴みたいな人だったかな。どれだけ素敵でも、ずっと履いてたら足が痛くなるの分かってた。この先何年も長く歩いてはいられないよ……」
恋愛とは刺激的で楽しいもの。
しかし日常と共にあればこそ、長く続ける為の安定を忘れてはならない。
毎晩舞踏会のある生活なんて息が詰まって人を選ぶ。
それなら雛子にとっての鳳一郎は。
「鳳一郎は大きいテディベアみたいだね……暖かくて包んでくれて、安心する」
「あー……そのクマ、チンポ生えてるけど大丈夫か?」
厚い胸に顔を寄せて雛子が口にするのは愛の言葉。
鳳一郎としては勿論嬉しい反面、気掛かりも。
それこそが同世代の恋人を作らなかったというか、作れなかった理由でもあるのだ。
第一印象で警戒されることもかなり多いが、一度踏み込んで付き合ってみると社交的で穏やかなので男女共に友達は多い。
しかし、ここまで大きいと異性というよりも着ぐるみマスコットか何かのような感覚らしい。
頼られることはあっても、決して恋愛対象という目では見られずどこかで別の生き物扱い。
なので、夜の相手を探すなら最初からそういう界隈に出向いた方が手っ取り早かった訳だ。
男相手が良いということだけでなくて。
雛子の安心と信用を得られているのは幼い頃から鳳一郎が重ねてきた言動の結果。
優しくしたい、泣いてほしくない。
ただし同意を得るまで待つことは出来るが、欲なら人一倍あるのだ。
「繋がりたい」と誘われてしまったからには理性が飛んでしまいそうな予感で背中に冷や汗が伝う。
さて、先程の問い掛けの答えは。
「触ってほしいって言ったの私からなんだから、今更もう怖気付かないで」
鳳一郎の首に腕を巻き付けて、視線で突き刺してくる。
いい加減に諦めて覚悟を決めろと。
「なぁ、キスして良いか?」
鳳一郎からも伸ばした手、その柔らかな頬を包む。
冬の外気に晒されていたのでまだ冷たい。
出来ることなら温めてやりたかった、何もかも。
許可を得てから眠りに沈むように落ちる瞼。
ここには猛獣じみた鋭い目も、底無しの暗い目も無い。
何も見えない薄闇の中では重ねる唇の熱と甘い恍惚だけが全て。
キスが深まる度に淫らな響きの水音。
血が煮え立つ感覚で理性と神経が焼き切れそうだ。
大事にしたいから、壊す訳にいかないのに。
夜遊びしていた頃の鳳一郎は刹那的な刺激に酔い痴れてきた。
同意の上とはいえ大人の男とベッドで散々悪いことをしてきたが、あれはお互いに精液を吐き捨てただけ。
後悔こそしないにしろ、今更になって罪悪感。
こうして好きな女と抱き合うようになってから何度も繰り返している。
鳳一郎がその過去を語らないように、雛子もどこにどうやって傷を受けたか口を閉ざす。
あのアルバムも閉じたまま処分してしまえば良い。
恐らくお互い受け止めることは出来ても、それは絶対に必要でもなかった。
目の前に居る相手が愛しいことは変わらないのだから。
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