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番外編
甘い指先*
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その昔、鳳一郎と雛子の通う風切東第三高校は不良校として名を轟かせていたらしい。
部外者が集まる学園祭なんてトラブル必須。
他校の不良が押し掛けて喧嘩が起きたりなど、さながらヤンキー漫画の世界だったという。
ただ、繰り返すが飽くまでも昔の話である。
時代の流れと共に鎮圧していき多少の荒れが残っていたのも鳳一郎の姉らが通っていた頃までで、今の風切第三高校といえば良くも悪くも自由。
雛子が転校してくるのは二学期から。
普通なら金髪は悪目立ちしてしまうものだが、派手な髪色はクラスにも数人居るお陰で溶け込むのは早かった。
鳳一郎とはクラスが違うので心配は杞憂に終わり、どうやら日々穏やかに過ごせているそうだ。
そうしてまた秋は巡り、二学期の一大イベントが近付いてきた。
学校中が浮かれて大騒ぎになる学園祭。
「鳳一郎、パフェの試食作ったから味見手伝って」
それぞれのクラスで出し物を決めてから最初の週末のことだった。
昼飯がこなれてそろそろ小腹が空いてくる午後、雛子から魅力的なお誘い。
こうして呼ばれて行った離れ家の台所にはお菓子の山。
今年、雛子のクラスの出し物はパフェ屋。
とは言っても、背の高いグラスにアイスクリームやフルーツを積み上げた立派な物ではないが。
小さめの透明なプラカップに、市販品のお菓子や缶詰フルーツにジャムやホイップクリームを組み合わせれば完成。
冷蔵庫はあっても冷凍庫が無いのでパフェの主役であろうアイスクリームの代わりにヨーグルト、プリン、ゼリーを使えば意外と問題無し。
プリンやゼリーは液体を混ぜるだけで大量に出来るお得なミックス粉なんかもある。
学園祭で出すメニューだけに、素人でも簡単に作れて食べ歩き出来る物ということで改良の結果だった。
幾つか班に分かれることになり、キッチン担当の雛子はとりあえずメニューの考案。
試作品の画像をメッセージアプリのグループで送る前に、味も見ておこうと鳳一郎も呼んだ訳だ。
作るのは苦でないにしても、この量は一人で食べ切れない。
そういう訳で濃いめの緑茶を淹れて小ぶりなプラスプーンを構え、いざおやつを兼ねた実食。
苺やチョコやバナナなどの定番に、杏仁豆腐と桃缶を合わせた中華風などバリエーションも。
「どれも美味いけど俺はコレが一番良いな、季節感あるし」
鳳一郎が選んだのはカボチャプリン、ココアクッキーを重ねて、秋らしくパンプキンパフェ。
カラメルソースの苦味が効いていて甘過ぎず、カボチャで濃厚な甘さのプリンは満足感。
ホイップクリームを絞ってクマのビスケットとカラースプレーで飾ると大変可愛らしくなった。
手軽な物とはいえ、今まで家でもパフェが作れるとは思っていなかったので何だか特別感があった。
「ところで鳳一郎、メイド服着るって本当?」
「あー……今、服あるぞ」
甘い時間に塩がひとつまみ。
一方、鳳一郎のクラスはメイド喫茶である。
悪乗りにより決まった訳なのだが衣装を揃えるだけで予算を喰ってしまいそうで、提供するメニューの方は正直なところあまり期待出来ない。
お遊びだけに雰囲気だけを味わう場であれば十分。
しかし、巨漢の鳳一郎までメイドとは遊び過ぎではなかろうか。
男子からは一方的に恐れられたりもするが、「女子高生は怖い物知らず」とはよく言ったもので女子からはやたら気軽に絡まれがち。
鳳一郎自身も意外と穏やかな気質ということもあり、ここまで大きいと彼女らにとっては着ぐるみマスコットのような認識らしい。
悪乗りついでに何故か「見たい!」と押し切られ、どういう入手経路だか本当に彼の着られるサイズのメイド服を調達してきた。
「あんなん用意されちまったからには、もう着るしかねぇだろ……」
冗談と思っていたものだから特に拒絶しなかったところ退路を塞がれてしまい、鳳一郎は苦笑するばかり。
かといって、絶対に嫌とも言わずにおいた。
祭り事とは妙な輩も集まりがち。
少し露出の多い衣装でもあるので女子がセクハラされる心配もあり、ガードマンも兼ねて鳳一郎が目立つ格好で同じ場に立てば牽制になるか。
伊達にゲームセンターのバイトで見回りをしている訳でないのだ。
「私も持ってるよ、メイド服。前の家に引き取られた時、一応は使用人っていう名目だったから……鳳一郎、見たい?」
それを聞いて鳳一郎は反射的に頷きそうになったが、一瞬踏み止まる。
雛子の可愛い格好なら勿論見たいところ。
しかし「前の家」というのはどうも聞き捨てならず。
そこは雛子が心身に傷を負った場所なのだ。
自分から言い出したりしたのは鳳一郎を試しているのか、何でもない振りをしたいのか。
「私も着るから、鳳一郎も着て見せっこしようよ」
「何だソレ」
返事に困って黙っていたら、これまた妙な提案。
雛子も浮かれているのだか。
おかしなことになってしまったが敢えて流されることにして、今度こそ鳳一郎は曖昧ながら頷いた。
合図で襖を開けると、双方とも着替えを済ませて変身完了。
雛子は実用だったというだけあり、本格的なクラシックメイドスタイルだった。
慎ましやかながらも汚れたりしても良いように丈夫そうな黒いワンピースに、フリルの白いエプロン。
お揃いのメイドキャップで金髪を纏め上げた様は可愛いというより、むしろ凛として制服の格好良さを感じる。
「何かこう、今になって恥ずかしくなってきた……」
「鳳一郎、可愛いよ?」
雛子からの褒め言葉も今は素直に受け取れず、お世辞として受け流しておいた。
一方、鳳一郎に宛てがわれたのは真っ赤なミニ丈のメイド服。
パーティグッズなので所詮は大量生産のコスプレ用。
デザイン自体は可愛らしくても、どうにも生地や縫製など安っぽさが隠せず。
中途半端だから却って良くないのやら。
比べるのも変な話だが、別の意味で居た堪れなくなる。
そもそも巨漢の鳳一郎が女装している時点でお笑いにしかならないとはいえ。
「でもスカートの下にトランクスはどうかと思う」
赤いスカートの裾を摘んで、雛子が苦言一つ。
近年はフィットする形の下着が人気らしいが、締め付け感が苦手な鳳一郎はトランクスしか持ってない。
しかし赤が軽く捲れたところで、スカートに膨らみを出す為の白いペチコートでガードされている筈。
下着が見えると言うことは雛子の手はかなり無遠慮。
女子達がこういうセクハラされることを危惧している訳なのだが、自分が受けるとは思わなかった。
「今日はこの格好でしてみたいかな……鳳一郎、汚れちゃうからスカート持ち上げて?」
ふと小悪魔になった雛子が不埒極まりない申し出。
正直、面喰らうあまり一瞬の目眩すら。
男のメイド服なんて見て何が楽しいんだか。
「なぁ、メイドプレイって片方がご主人様役やるモンじゃねぇのか?」
「ん、お互いメイド服着てた方が楽しいと思うけど」
フリーズが残って働かない頭でつい阿呆なことを口走ってしまった。
そんな鳳一郎を置き去りに、今度こそ雛子の手がスカートに潜り込んできた。
こうして捲り上げた赤い裾を鳳一郎の両手に握らせて、自分からトランクスの下腹部を露出させる大胆な格好。
布越しのまま雛子に撫で上げられると怯えるように腰が引けてしまう。
何なのだろう、この妙な羞恥は。
ゆったりしている下着は脱がせるのも容易い。
その頃には半勃ちとなっていた鳳一郎の雄と、雛子に吹き掛かけられた含み笑いの微風。
切っ先に落としされたキスはじっくりと味わう合図だった。
馬鹿みたいで背徳的な遊びの始まり。
夜遊びしていた頃は同性というだけで既にアブノーマルな訳で今更なのだが、相手に付き合ってベッドで悪趣味かつ変態的な行為をすることもあった。
もともと度胸があるだけに、この程度で怯んでしまったのは不覚。
それにしても雛子から始めたというのに、最中に時折どこか遠くを見つめる切なげな表情は何なのか。
実用だったというだけに北国の屋敷では着慣れていた物なのだろう。
その頃の雛子に何があったのか鳳一郎は何も知らず。
小悪魔の振りをして、この服や身体に残った記憶を上書きしたいだけかもしれない。
「……鳳一郎も舐めて」
不意に呆けていた口へ差し込まれる、華奢な指先。
先程までパフェを作っていただけに染み付いていたシロップが口腔の熱で溶け出し、仄かな甘さが鳳一郎の舌から頭まで回る。
何も考えず、ただ耽って溺れて愉しめたら良かったのに。
見えなくなろうと確かに存在しているのだ。
鳳一郎が奉仕の舌を絡ませれば、残り香にしては酷く鮮やかな後味でいつまでも消えない。
部外者が集まる学園祭なんてトラブル必須。
他校の不良が押し掛けて喧嘩が起きたりなど、さながらヤンキー漫画の世界だったという。
ただ、繰り返すが飽くまでも昔の話である。
時代の流れと共に鎮圧していき多少の荒れが残っていたのも鳳一郎の姉らが通っていた頃までで、今の風切第三高校といえば良くも悪くも自由。
雛子が転校してくるのは二学期から。
普通なら金髪は悪目立ちしてしまうものだが、派手な髪色はクラスにも数人居るお陰で溶け込むのは早かった。
鳳一郎とはクラスが違うので心配は杞憂に終わり、どうやら日々穏やかに過ごせているそうだ。
そうしてまた秋は巡り、二学期の一大イベントが近付いてきた。
学校中が浮かれて大騒ぎになる学園祭。
「鳳一郎、パフェの試食作ったから味見手伝って」
それぞれのクラスで出し物を決めてから最初の週末のことだった。
昼飯がこなれてそろそろ小腹が空いてくる午後、雛子から魅力的なお誘い。
こうして呼ばれて行った離れ家の台所にはお菓子の山。
今年、雛子のクラスの出し物はパフェ屋。
とは言っても、背の高いグラスにアイスクリームやフルーツを積み上げた立派な物ではないが。
小さめの透明なプラカップに、市販品のお菓子や缶詰フルーツにジャムやホイップクリームを組み合わせれば完成。
冷蔵庫はあっても冷凍庫が無いのでパフェの主役であろうアイスクリームの代わりにヨーグルト、プリン、ゼリーを使えば意外と問題無し。
プリンやゼリーは液体を混ぜるだけで大量に出来るお得なミックス粉なんかもある。
学園祭で出すメニューだけに、素人でも簡単に作れて食べ歩き出来る物ということで改良の結果だった。
幾つか班に分かれることになり、キッチン担当の雛子はとりあえずメニューの考案。
試作品の画像をメッセージアプリのグループで送る前に、味も見ておこうと鳳一郎も呼んだ訳だ。
作るのは苦でないにしても、この量は一人で食べ切れない。
そういう訳で濃いめの緑茶を淹れて小ぶりなプラスプーンを構え、いざおやつを兼ねた実食。
苺やチョコやバナナなどの定番に、杏仁豆腐と桃缶を合わせた中華風などバリエーションも。
「どれも美味いけど俺はコレが一番良いな、季節感あるし」
鳳一郎が選んだのはカボチャプリン、ココアクッキーを重ねて、秋らしくパンプキンパフェ。
カラメルソースの苦味が効いていて甘過ぎず、カボチャで濃厚な甘さのプリンは満足感。
ホイップクリームを絞ってクマのビスケットとカラースプレーで飾ると大変可愛らしくなった。
手軽な物とはいえ、今まで家でもパフェが作れるとは思っていなかったので何だか特別感があった。
「ところで鳳一郎、メイド服着るって本当?」
「あー……今、服あるぞ」
甘い時間に塩がひとつまみ。
一方、鳳一郎のクラスはメイド喫茶である。
悪乗りにより決まった訳なのだが衣装を揃えるだけで予算を喰ってしまいそうで、提供するメニューの方は正直なところあまり期待出来ない。
お遊びだけに雰囲気だけを味わう場であれば十分。
しかし、巨漢の鳳一郎までメイドとは遊び過ぎではなかろうか。
男子からは一方的に恐れられたりもするが、「女子高生は怖い物知らず」とはよく言ったもので女子からはやたら気軽に絡まれがち。
鳳一郎自身も意外と穏やかな気質ということもあり、ここまで大きいと彼女らにとっては着ぐるみマスコットのような認識らしい。
悪乗りついでに何故か「見たい!」と押し切られ、どういう入手経路だか本当に彼の着られるサイズのメイド服を調達してきた。
「あんなん用意されちまったからには、もう着るしかねぇだろ……」
冗談と思っていたものだから特に拒絶しなかったところ退路を塞がれてしまい、鳳一郎は苦笑するばかり。
かといって、絶対に嫌とも言わずにおいた。
祭り事とは妙な輩も集まりがち。
少し露出の多い衣装でもあるので女子がセクハラされる心配もあり、ガードマンも兼ねて鳳一郎が目立つ格好で同じ場に立てば牽制になるか。
伊達にゲームセンターのバイトで見回りをしている訳でないのだ。
「私も持ってるよ、メイド服。前の家に引き取られた時、一応は使用人っていう名目だったから……鳳一郎、見たい?」
それを聞いて鳳一郎は反射的に頷きそうになったが、一瞬踏み止まる。
雛子の可愛い格好なら勿論見たいところ。
しかし「前の家」というのはどうも聞き捨てならず。
そこは雛子が心身に傷を負った場所なのだ。
自分から言い出したりしたのは鳳一郎を試しているのか、何でもない振りをしたいのか。
「私も着るから、鳳一郎も着て見せっこしようよ」
「何だソレ」
返事に困って黙っていたら、これまた妙な提案。
雛子も浮かれているのだか。
おかしなことになってしまったが敢えて流されることにして、今度こそ鳳一郎は曖昧ながら頷いた。
合図で襖を開けると、双方とも着替えを済ませて変身完了。
雛子は実用だったというだけあり、本格的なクラシックメイドスタイルだった。
慎ましやかながらも汚れたりしても良いように丈夫そうな黒いワンピースに、フリルの白いエプロン。
お揃いのメイドキャップで金髪を纏め上げた様は可愛いというより、むしろ凛として制服の格好良さを感じる。
「何かこう、今になって恥ずかしくなってきた……」
「鳳一郎、可愛いよ?」
雛子からの褒め言葉も今は素直に受け取れず、お世辞として受け流しておいた。
一方、鳳一郎に宛てがわれたのは真っ赤なミニ丈のメイド服。
パーティグッズなので所詮は大量生産のコスプレ用。
デザイン自体は可愛らしくても、どうにも生地や縫製など安っぽさが隠せず。
中途半端だから却って良くないのやら。
比べるのも変な話だが、別の意味で居た堪れなくなる。
そもそも巨漢の鳳一郎が女装している時点でお笑いにしかならないとはいえ。
「でもスカートの下にトランクスはどうかと思う」
赤いスカートの裾を摘んで、雛子が苦言一つ。
近年はフィットする形の下着が人気らしいが、締め付け感が苦手な鳳一郎はトランクスしか持ってない。
しかし赤が軽く捲れたところで、スカートに膨らみを出す為の白いペチコートでガードされている筈。
下着が見えると言うことは雛子の手はかなり無遠慮。
女子達がこういうセクハラされることを危惧している訳なのだが、自分が受けるとは思わなかった。
「今日はこの格好でしてみたいかな……鳳一郎、汚れちゃうからスカート持ち上げて?」
ふと小悪魔になった雛子が不埒極まりない申し出。
正直、面喰らうあまり一瞬の目眩すら。
男のメイド服なんて見て何が楽しいんだか。
「なぁ、メイドプレイって片方がご主人様役やるモンじゃねぇのか?」
「ん、お互いメイド服着てた方が楽しいと思うけど」
フリーズが残って働かない頭でつい阿呆なことを口走ってしまった。
そんな鳳一郎を置き去りに、今度こそ雛子の手がスカートに潜り込んできた。
こうして捲り上げた赤い裾を鳳一郎の両手に握らせて、自分からトランクスの下腹部を露出させる大胆な格好。
布越しのまま雛子に撫で上げられると怯えるように腰が引けてしまう。
何なのだろう、この妙な羞恥は。
ゆったりしている下着は脱がせるのも容易い。
その頃には半勃ちとなっていた鳳一郎の雄と、雛子に吹き掛かけられた含み笑いの微風。
切っ先に落としされたキスはじっくりと味わう合図だった。
馬鹿みたいで背徳的な遊びの始まり。
夜遊びしていた頃は同性というだけで既にアブノーマルな訳で今更なのだが、相手に付き合ってベッドで悪趣味かつ変態的な行為をすることもあった。
もともと度胸があるだけに、この程度で怯んでしまったのは不覚。
それにしても雛子から始めたというのに、最中に時折どこか遠くを見つめる切なげな表情は何なのか。
実用だったというだけに北国の屋敷では着慣れていた物なのだろう。
その頃の雛子に何があったのか鳳一郎は何も知らず。
小悪魔の振りをして、この服や身体に残った記憶を上書きしたいだけかもしれない。
「……鳳一郎も舐めて」
不意に呆けていた口へ差し込まれる、華奢な指先。
先程までパフェを作っていただけに染み付いていたシロップが口腔の熱で溶け出し、仄かな甘さが鳳一郎の舌から頭まで回る。
何も考えず、ただ耽って溺れて愉しめたら良かったのに。
見えなくなろうと確かに存在しているのだ。
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