21 / 57
二章:冷たい鳥籠(雛子過去編)
21:バスルーム*
しおりを挟む
ここから見る中庭は雛子の部屋と景色が全く違う。
真っ暗なガラスの向こう、月が夜を告げる頃。
ただし薄っすらと舞う湯気がレースのカーテン代わりに光を柔らかくしていた。
湯船が並々と沸き立つバスルームは湯加減も上々。
「夜までは何もしない」の約束通りに日は暮れる。
待ち兼ねて夕食の後ですぐベッドかとも思ったが、まず入浴ということで鷹人の部屋のバスルームに連れて来られた。
昨日と同じく先に済ませろという意味でなく、今日は一緒に。
使用人らしく彼の背中を流すにしても足首まで丈のある黒いワンピースでは濡れてしまうので、結局は全部脱ぐことになるか。
個室に付いた風呂とはいえ一般家庭とそう変わらない広さ。
鷹人の部屋自体がホテルのスイートルームに似た造りなので、ここだけで親子三人くらい悠々と寝泊まり出来るだろう。
ベッドとリビングで二部屋分、風呂とトイレ完備。
全面が大理石のバスルームはグレーのマーブル模様。
艶や光沢により高級感がある空間。
ただ石の質感は滑らかながら冷ややか、何となく雛子は落ち着かずにいた。
広いのであまり湯気が籠もらず少しばかり肌寒い。
「いつまで隠してるつもりだ?」
鷹人に手拭いタオルを奪われて、反射的に雛子が縮こまる。
昨夜ベッドでも見せた時はもっと薄暗かった。
こんなに明るい場所で一糸纏わず肌を晒すなんて流石に恥ずかしい。
殻代わりに纏ったメイド服を脱いでしまった所為か。
精神的にも何となく今は少し弱気になる。
とはいえ腕や手で覆っても肉付き豊かな身体は隠し切れない。
むしろ寄せる形になってしまった重い乳房は谷間が深くなり、このまま羞恥で固まって動けず。
ただでさえ昨夜の痕が無数に残っているのだ。
痛むくらいの強さで吸われたり噛まれたりしたので、まだ消えずにいた。
これは父親への当て付けなのか、所有の証なのか。
「どうした、背中流してくれるんじゃなかったか」
バスルームなので鷹人の方も勿論裸なのだが、事も無げに言ってくれる。
それに単なる意地悪でタオルを取った訳でない。
身体を洗う時に必要、当然の話。
「ご希望でしたらタオル使いますけど、泡踊りとかしなくて良いんですか?」
「……は?」
虚勢のつもりで雛子が質問一つを投げてみる。
AVの真似事でもしたいのかという疑惑はまだ晴れてないのだ。
鷹人が何をどこまで求めているのか分からないので、つい色々と考えてしまう。
成人向けでなくても性描写を含む創作物とは幾らでもあるもので、乳房を泡立てて男の身体を洗う性技の存在は頭にあった。
ただ、ここにはエアマットも無い。
流石に硬い床の上で寝転がるのは勘弁したいところ。
しばし面食らっていた鷹人だったが、どういうことか結び付いたらしく額を抑えながら眉間に皺。
雛子の方も妙なことを言った自覚くらいあれど、この数年ずっと男の欲望を受け止めてきたのだ。
覚悟を決める為に際どい妄想ばかりが先走るのは仕方あるまい。
「お前、うちの親父と風呂に入ったことは……」
「無いです……けど、知識としては分かるので」
「そんなことしなくて良い、商売女じゃあるまいし」
「私を娼婦と呼んだのは鷹人様の方ですけど……」
これは事実、昨日は手荒いことも酷いこともされた。
雛子からしてみればもう瘡蓋が硬くなってしまって痛みなんてもう忘れたが。
「……それは悪かった」
なので、ここで鷹人に謝罪されるとは思わなかった。
今度は雛子が困惑する番か。
顔に出さず驚きつつ、やはり複雑な心境。
いっそ当主と同じく悍ましく非道なだけの男でいれば良いものを、不意にそういう面を見せられると調子が狂う。
そういえば、この人は風俗に行ったりするのだろうか。
本当に鷹人のことなんて雛子は何も知らないのだ。
恋人や婚約者が居るのかすら。
見知らぬご令嬢から泥棒猫などと怒鳴り込れる可能性もあるので、一応は確認を取っておこうか。
「……そんな奴居たら、お前と関係持ったりしてない」
曰く、鷹人が学生の頃にはもう見合い自体あったそうだ。
こういうところが嫌で家を出た訳なのだが。
結局は親同士が勝手に縁談を纏めて政略結婚で落ち着きそうだった。
しかしそんな中、数回しか顔を合わせたことのない相手のご令嬢が「真実の愛に目覚めた」とかで恋人と逃げてしまったと。
確かに最上家の面目に関わりちょっとした騒ぎになっても、鷹人としては正直なところ安堵したのでどうでも良い他人事。
あちらの家から多額の慰謝料を貰って淡々と終わり。
空いた席を巡って年頃の娘が居る家は色めき立ったものの、地固めの方が先だからと全て断って今に至る。
それはそれは、どこぞの悪役令嬢物を彷彿とさせる話だこと。
薔薇のボディソープを垂らしたタオルで鷹人の背中を擦りながら雛子は黙って聞いていた。
浅黒い男の肌に真っ白な泡が流れ落ちるのはどことなく艶っぽい。
「自分は家を継ぐ為だけに生まれた」と弱々しく零していた当主のことを思い出す。
鷹人に次の相手を強制せずにいたのは自分と同じ道を歩ませる負い目などがあった所為かもしれない。
結果、こうして実の息子に愛玩具を寝取られているのだから皮肉なことだが。
そんな時に鷹人が振り返るものだから思わず狼狽えてしまった。
一歩後退った雛子を笑って、タオルを自分の胸に当てながら揶揄してくる。
「それで、前は洗ってくれないのか?」
言われた通り世話役としての義務で従っても、洗うだけで済む筈なかった。
途中、泡だらけの手を鷹人に取られてタオルが落ちる。
引き締まった平たい胸と腹を経て導かれたのは知れたこと、その下。
石鹸効果で滑らかな男の長い指と女の細い指。
絡んで、扱いて、既に反応していた雄の部位は硬くなる。
こうなることなら分かっていた。
約束の時間は過ぎており、もう情欲のスイッチに指先は触れていたのだ。
ゆっくり撫で回した末、とうとう押される。
明確な意思を以って。
「……なるほど、これは気持ち良いな」
泡立った身体で不意に抱き竦められると、ぬるぬるした肌触り。
どこに触れても柔らかい雛子は密度の濃い泡で更に蕩けそうだった。
滑るからこそ鷹人の方も腕の力が強くなる。
吐息が乱れたら、噎せ返りそうに華やかな薔薇の香り。
頭の中にまで甘い霧が立ち込めてきた。
この辺りで戯れは終わり。
熱と香りだけ残して、降り注いだシャワーで流した。
もっともっと深く酔う為に。
真っ暗なガラスの向こう、月が夜を告げる頃。
ただし薄っすらと舞う湯気がレースのカーテン代わりに光を柔らかくしていた。
湯船が並々と沸き立つバスルームは湯加減も上々。
「夜までは何もしない」の約束通りに日は暮れる。
待ち兼ねて夕食の後ですぐベッドかとも思ったが、まず入浴ということで鷹人の部屋のバスルームに連れて来られた。
昨日と同じく先に済ませろという意味でなく、今日は一緒に。
使用人らしく彼の背中を流すにしても足首まで丈のある黒いワンピースでは濡れてしまうので、結局は全部脱ぐことになるか。
個室に付いた風呂とはいえ一般家庭とそう変わらない広さ。
鷹人の部屋自体がホテルのスイートルームに似た造りなので、ここだけで親子三人くらい悠々と寝泊まり出来るだろう。
ベッドとリビングで二部屋分、風呂とトイレ完備。
全面が大理石のバスルームはグレーのマーブル模様。
艶や光沢により高級感がある空間。
ただ石の質感は滑らかながら冷ややか、何となく雛子は落ち着かずにいた。
広いのであまり湯気が籠もらず少しばかり肌寒い。
「いつまで隠してるつもりだ?」
鷹人に手拭いタオルを奪われて、反射的に雛子が縮こまる。
昨夜ベッドでも見せた時はもっと薄暗かった。
こんなに明るい場所で一糸纏わず肌を晒すなんて流石に恥ずかしい。
殻代わりに纏ったメイド服を脱いでしまった所為か。
精神的にも何となく今は少し弱気になる。
とはいえ腕や手で覆っても肉付き豊かな身体は隠し切れない。
むしろ寄せる形になってしまった重い乳房は谷間が深くなり、このまま羞恥で固まって動けず。
ただでさえ昨夜の痕が無数に残っているのだ。
痛むくらいの強さで吸われたり噛まれたりしたので、まだ消えずにいた。
これは父親への当て付けなのか、所有の証なのか。
「どうした、背中流してくれるんじゃなかったか」
バスルームなので鷹人の方も勿論裸なのだが、事も無げに言ってくれる。
それに単なる意地悪でタオルを取った訳でない。
身体を洗う時に必要、当然の話。
「ご希望でしたらタオル使いますけど、泡踊りとかしなくて良いんですか?」
「……は?」
虚勢のつもりで雛子が質問一つを投げてみる。
AVの真似事でもしたいのかという疑惑はまだ晴れてないのだ。
鷹人が何をどこまで求めているのか分からないので、つい色々と考えてしまう。
成人向けでなくても性描写を含む創作物とは幾らでもあるもので、乳房を泡立てて男の身体を洗う性技の存在は頭にあった。
ただ、ここにはエアマットも無い。
流石に硬い床の上で寝転がるのは勘弁したいところ。
しばし面食らっていた鷹人だったが、どういうことか結び付いたらしく額を抑えながら眉間に皺。
雛子の方も妙なことを言った自覚くらいあれど、この数年ずっと男の欲望を受け止めてきたのだ。
覚悟を決める為に際どい妄想ばかりが先走るのは仕方あるまい。
「お前、うちの親父と風呂に入ったことは……」
「無いです……けど、知識としては分かるので」
「そんなことしなくて良い、商売女じゃあるまいし」
「私を娼婦と呼んだのは鷹人様の方ですけど……」
これは事実、昨日は手荒いことも酷いこともされた。
雛子からしてみればもう瘡蓋が硬くなってしまって痛みなんてもう忘れたが。
「……それは悪かった」
なので、ここで鷹人に謝罪されるとは思わなかった。
今度は雛子が困惑する番か。
顔に出さず驚きつつ、やはり複雑な心境。
いっそ当主と同じく悍ましく非道なだけの男でいれば良いものを、不意にそういう面を見せられると調子が狂う。
そういえば、この人は風俗に行ったりするのだろうか。
本当に鷹人のことなんて雛子は何も知らないのだ。
恋人や婚約者が居るのかすら。
見知らぬご令嬢から泥棒猫などと怒鳴り込れる可能性もあるので、一応は確認を取っておこうか。
「……そんな奴居たら、お前と関係持ったりしてない」
曰く、鷹人が学生の頃にはもう見合い自体あったそうだ。
こういうところが嫌で家を出た訳なのだが。
結局は親同士が勝手に縁談を纏めて政略結婚で落ち着きそうだった。
しかしそんな中、数回しか顔を合わせたことのない相手のご令嬢が「真実の愛に目覚めた」とかで恋人と逃げてしまったと。
確かに最上家の面目に関わりちょっとした騒ぎになっても、鷹人としては正直なところ安堵したのでどうでも良い他人事。
あちらの家から多額の慰謝料を貰って淡々と終わり。
空いた席を巡って年頃の娘が居る家は色めき立ったものの、地固めの方が先だからと全て断って今に至る。
それはそれは、どこぞの悪役令嬢物を彷彿とさせる話だこと。
薔薇のボディソープを垂らしたタオルで鷹人の背中を擦りながら雛子は黙って聞いていた。
浅黒い男の肌に真っ白な泡が流れ落ちるのはどことなく艶っぽい。
「自分は家を継ぐ為だけに生まれた」と弱々しく零していた当主のことを思い出す。
鷹人に次の相手を強制せずにいたのは自分と同じ道を歩ませる負い目などがあった所為かもしれない。
結果、こうして実の息子に愛玩具を寝取られているのだから皮肉なことだが。
そんな時に鷹人が振り返るものだから思わず狼狽えてしまった。
一歩後退った雛子を笑って、タオルを自分の胸に当てながら揶揄してくる。
「それで、前は洗ってくれないのか?」
言われた通り世話役としての義務で従っても、洗うだけで済む筈なかった。
途中、泡だらけの手を鷹人に取られてタオルが落ちる。
引き締まった平たい胸と腹を経て導かれたのは知れたこと、その下。
石鹸効果で滑らかな男の長い指と女の細い指。
絡んで、扱いて、既に反応していた雄の部位は硬くなる。
こうなることなら分かっていた。
約束の時間は過ぎており、もう情欲のスイッチに指先は触れていたのだ。
ゆっくり撫で回した末、とうとう押される。
明確な意思を以って。
「……なるほど、これは気持ち良いな」
泡立った身体で不意に抱き竦められると、ぬるぬるした肌触り。
どこに触れても柔らかい雛子は密度の濃い泡で更に蕩けそうだった。
滑るからこそ鷹人の方も腕の力が強くなる。
吐息が乱れたら、噎せ返りそうに華やかな薔薇の香り。
頭の中にまで甘い霧が立ち込めてきた。
この辺りで戯れは終わり。
熱と香りだけ残して、降り注いだシャワーで流した。
もっともっと深く酔う為に。
0
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる