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【 第7話: 彼女の寝室 】
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翌朝、僕が目を覚ますと、台所で彼女が朝食を作ってくれているよう。
布団から起き上がると、それに気付いた彼女がやさしい笑顔で「おはよう」と言ってくれる。
これは夢なのか……?
いや、彼女は現実に存在している。
夢なんかじゃない……。
彼女との楽しい朝食。
朝からこんなにテンションが上がることなんて、21年間生きてきて一度もなかったと思う。
彼女の無邪気な笑顔は、まるで天使のようだ。
――この日僕らは、家電量販店で新しい大きめの冷蔵庫を買いに来ていた。
彼女が窮屈なのが可哀想だから、今よりももっと大きな冷蔵庫がいい。
それに、食材も入れておきたいから、場所が分かれているタイプがいいだろう。
店員さんがいないことを確認して、冷蔵庫の中に少し彼女の体を入れてみる。
「これなんかいいんじゃない?」
「あっ、ほんとだ。すごく大きいね」
「少し体入れてみる?」
「うん……」
「あっ、これなら広くていいんじゃない?」
「うふふっ、そうね。広くて快適♪」
彼女はとても楽しそうだった。
そんな彼女の顔を見るのが、僕はとても嬉しく感じる。
少し冷蔵庫の目的としては違うが、彼女の喜ぶ顔がもっと見たいんだ。
業者の人に頼み、買った大きな冷蔵庫をアパートの中へ設置してもらった。
こんなオンボロアパートには、相応しくないほど大きな冷蔵庫。
この真新しい冷蔵庫が、今日から彼女の寝室になる。
「新しくて綺麗~♪」
彼女は、そう言いながらその場でクルリと一回転して喜びを表現した。
その時の彼女の嬉しそうな顔を今でも忘れない。
この後、僕らに待ち受けている絶望なんて、この時の僕らには想像もつかなったんだ……。
布団から起き上がると、それに気付いた彼女がやさしい笑顔で「おはよう」と言ってくれる。
これは夢なのか……?
いや、彼女は現実に存在している。
夢なんかじゃない……。
彼女との楽しい朝食。
朝からこんなにテンションが上がることなんて、21年間生きてきて一度もなかったと思う。
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――この日僕らは、家電量販店で新しい大きめの冷蔵庫を買いに来ていた。
彼女が窮屈なのが可哀想だから、今よりももっと大きな冷蔵庫がいい。
それに、食材も入れておきたいから、場所が分かれているタイプがいいだろう。
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「これなんかいいんじゃない?」
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「少し体入れてみる?」
「うん……」
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少し冷蔵庫の目的としては違うが、彼女の喜ぶ顔がもっと見たいんだ。
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