ニヤ国のサイキック・ヴァンパイア ~カプッとしちゃうぞ♪~

星野 未来

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■第7章: 雪上決戦!

【 第3話: 聖なる夜② 】

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「タロー、あの……」

 天蓋カーテン越しに、ミャーは何やらモジモジしている……。
 俺は、覚悟を決めて歩き出し、天蓋カーテンを開けると、ミャーの座っているベッドの中央まで行った。

 ミャーの両肩を力強く持つと、ミャーの顔をジッと見つめる。

 ミャーはちょっと驚いた顔をしている。
 ほっぺは、淡いピンク色に綺麗に色付いている。
 ポカンと開いた口からは、かわいい八重歯が覗き、ブルーの瞳は、どことなく潤んで見える。

 もうこれ以上我慢できない……。吸い込まれそうだ……。

「あのね……、タロー……。渡したいものがあるにゃ……」
「えっ……?」

「これ……、タローにクリスマスプレゼント……」

 彼女が渡してくれたのは、銀色の『』だった。

「あ、ありがとう、ミャー……。大事にするよ」
「ヤーシブが攻めて来た時に、これをミャーだと思ってお守り代わりに手に付けて行って欲しいにゃ」

「わ、分かった。ありがとう……。お、俺……、ミャーへのクリスマスプレゼント、何も用意出来なかった……。ごめん……」

「ううん、いいにゃ。こうして、一緒に居てくれるだけで、ミャーは幸せだにゃ♥」

 俺は、そんなことを言ってくれるミャーが愛おしくて、たまらずミャーを力ずくで抱き寄せた。

「きゃっ……」

 ミャーは、そう小さく言うと、胸の前にあった手を、俺の背中にゆっくりと回し、ガウンをぎゅっと握りしめた。
 俺はミャーをそのままやさしく押し倒し、大きな枕の上にミャーの頭を乗せると、軽くミャーの頭を2回撫でた。

 水色のうさちゃんのガウンが少しはだけて、ミャーのふくよかな胸元がチラリと見える。
 ミャーの尻尾は、ガウンを押し上げるように、白いピチピチの太ももをあらわにさせた。

 今日こそは決めてやる……。
 ミャーのその小さく開いたかわいいピンクのプルプルした唇に近づく。
 距離にしてあと10cm……、5cm……、2cm……、1cm……。

 0cm……。ミャーのその柔らかな唇に触れた途端、俺の脳内のシナプスが一斉にスパークを始めた。

 遂に俺はやったんだ……。
 初めて自らの意思で、ミャーの唇を奪い取ったのだ。

 ミャーの唇から離すと、ミャーの綺麗なブルーの瞳の中に、俺の姿が映っていた。

「タロー、クリスマスプレゼントのキス……、ありがとにゃ……♥」

「(ぞわわわわわーーーーっ! か、かわいい……。かわい過ぎる……♪)」

「今日は、ミャーを好きにしていいにゃ……♥ タローの赤ちゃんが欲しいにゃ……♥」

 そんな彼女の言葉に、俺はもう限界だった……。

『ブブーーーーーーッ!!』

 そう、ミャーの色香に俺は負けたんだ……。
 大量の鼻血を出して……。

『バタンッ……!!』

「タ、タローッ!! 大丈夫にゃ!?」

 薄れ行く意識の中で、またしてもミャーのあの子猫ちゃんのようなザラザラした柔らかい舌で、俺の鼻血をペロペロと舐められていたのは言うまでもない……。

 城の教会では、きよしこの夜の歌声が、微かに聞こえてきていた。

『きよし~ この夜~ 星は~ 光り~♪
 救いの~ 御子は~ 御母の~ 胸に~♪
 眠り~ 給う~ 夢やすく~♪』

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