5 / 6
⑤
しおりを挟む
馬車はチャーチル侯爵家の玄関に着くと、先に早馬で知らせていた為、執事と使用人達が待機して出迎えていた。
ラングル国の食糧庫と言わしめるだけあって、財政の潤っているチャーチル侯爵家は、王都の邸と比べものにならないほどの大豪邸だ。
グラードがカリンを抱き上げて馬車から降りる。
『お帰りなさいませ。大旦那様。カリンお嬢様。』
一斉に声を上げる。
グラードは、皆に頷くと、執事の隣に控えていた妖艶な美女へ大股で歩き出した。
グラードの愛する妻、エリーゼだ。
「お帰りなさいませ。旦那様。」
声もセクシーだ。
「ただいま。エリーゼ。会いたかったよ。」
カリンを抱きかかえたまま、エリーゼの頬へキスを落とす。
カリンはやっぱり無表情だ。
愛する妻に触れたグラードは、今すぐ、エリーゼを押し倒したい気持ちに駆られたが、じっ。と見つめるカリンの視線に気づき、根性でグラードJrが起き上がるのを耐えた。
「カリンちゃん。いらっしゃい。大きくなったわね。」
エリーゼが腕を伸ばして、グラードからカリンを抱き上げる。
カリンが生まれたばかりの頃に、王都へ会いに行ったのだ。
それ以降、デビッド達が領地へ帰ってくることもなかったので、カリンに会うのは5年ぶりだ。
「カリンちゃん。長旅で疲れたでしょう。ゆっくり休んでちょうだい。」
エリーゼに抱かれたまま、カリンは用意された部屋へと連れて行ってもらった。
急に決まったカリンの領地での生活にもかかわらず、カリンの部屋は可愛い内装に仕上がっていた。
家具も幼児用の可愛らしいものが揃えられている。
クローゼットを開くと、華やかな色のドレスがぎっしりと並んでいる。
カリンをソファへ座らせると、メイドがお菓子とミルクティーをテーブルに用意した。
甘い匂いが部屋の中に漂う。
カリンのお腹がクゥー。っと可愛らしく鳴いた。
ふふふ。っとエリーゼが声を立て、カリンにお菓子を食べるようにすすめる。
「可愛い孫と今日から過ごせるのね。嬉しいわ。」
エリーゼの産んだ子供は、カリンの父デビッドとデビッドの弟のカインの二人だけだ。
今回、カリンの領地での生活が決まって、大喜びである。
「カリンちゃん。今夜はお祖母様と寝ましょうね。」
グラードが聞いたら、ショックを受けていたであろう。
その頃、グラードは、今夜の為に念入りにお風呂で体を磨いていた。
「今夜はエリーゼを寝かせないぞ~。」
ラングル国の食糧庫と言わしめるだけあって、財政の潤っているチャーチル侯爵家は、王都の邸と比べものにならないほどの大豪邸だ。
グラードがカリンを抱き上げて馬車から降りる。
『お帰りなさいませ。大旦那様。カリンお嬢様。』
一斉に声を上げる。
グラードは、皆に頷くと、執事の隣に控えていた妖艶な美女へ大股で歩き出した。
グラードの愛する妻、エリーゼだ。
「お帰りなさいませ。旦那様。」
声もセクシーだ。
「ただいま。エリーゼ。会いたかったよ。」
カリンを抱きかかえたまま、エリーゼの頬へキスを落とす。
カリンはやっぱり無表情だ。
愛する妻に触れたグラードは、今すぐ、エリーゼを押し倒したい気持ちに駆られたが、じっ。と見つめるカリンの視線に気づき、根性でグラードJrが起き上がるのを耐えた。
「カリンちゃん。いらっしゃい。大きくなったわね。」
エリーゼが腕を伸ばして、グラードからカリンを抱き上げる。
カリンが生まれたばかりの頃に、王都へ会いに行ったのだ。
それ以降、デビッド達が領地へ帰ってくることもなかったので、カリンに会うのは5年ぶりだ。
「カリンちゃん。長旅で疲れたでしょう。ゆっくり休んでちょうだい。」
エリーゼに抱かれたまま、カリンは用意された部屋へと連れて行ってもらった。
急に決まったカリンの領地での生活にもかかわらず、カリンの部屋は可愛い内装に仕上がっていた。
家具も幼児用の可愛らしいものが揃えられている。
クローゼットを開くと、華やかな色のドレスがぎっしりと並んでいる。
カリンをソファへ座らせると、メイドがお菓子とミルクティーをテーブルに用意した。
甘い匂いが部屋の中に漂う。
カリンのお腹がクゥー。っと可愛らしく鳴いた。
ふふふ。っとエリーゼが声を立て、カリンにお菓子を食べるようにすすめる。
「可愛い孫と今日から過ごせるのね。嬉しいわ。」
エリーゼの産んだ子供は、カリンの父デビッドとデビッドの弟のカインの二人だけだ。
今回、カリンの領地での生活が決まって、大喜びである。
「カリンちゃん。今夜はお祖母様と寝ましょうね。」
グラードが聞いたら、ショックを受けていたであろう。
その頃、グラードは、今夜の為に念入りにお風呂で体を磨いていた。
「今夜はエリーゼを寝かせないぞ~。」
0
あなたにおすすめの小説
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる