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2章:セントフィリアの冒険
6話.旅行
ガタガタと揺れる荷馬車に乗って
四王の一行は古城近隣の地帯を抜け、都市、セントラル・フィリアへと向かっていた。
馬車を引くのはロック鳥というセレーネの配下のAランクモンスターだ。
それともう一体、メタモルという種類のAランクモンスター。変化魔法、メタモルフォーゼを得意とするセレーネ配下がいた。
余談だが、メタモルは変化が得意というスキルからセレーネのお供としてとても重宝されていた。
「で、セレーネさん。これはいったいどういう事かな?」
ガッカリして正気を失ったような顔でオルゴラズベリーはセレーネに聞く。
オルちゃんからしたら、せっかく戦えると思ってたところにのんびり旅行なんて肩透かしもいいところなんやろうな。
と蜘蛛の王、真蜘羅は思った。
かく言う我ですらセレちゃんとは戦ってみたかったし、フェルミナちゃんを絡め手で雁字搦めにするのを楽しみにしていたというのが本音だ。
「なんのことかな、オルちゃん?」
「とぼけてもダメだよ。私がやりたいこと最初にやるって言ったよね。どこに向かっているのかな」
「うん。だからオルちゃんが言ってた美味しいもの巡りに最初に向かってるんだよ?何か間違えたかな?」
確かに、オルゴラズベリーが挙げたしたいことリストは3つ。
4人で久々に腕比べをすること。
魔王に会って礼を言うこと。
そして、美味いものを食べに行くことだ。
「ああ、そういうことか。いや確かに間違えてないけど、そうじゃない~。私は戦いたいんだ~。大暴れしたいんだ~」
オルゴラズベリーは駄々をこねるように文句を言っている。さっきからずっとこの調子や。
オルちゃんを納得させるのは骨が折れるで
「あ、ところでこれ今日行くおすすめのレストラン。
どれがいい?」
そこには、様々な高級レストランのお品書きがずらりと並んでいた。
グリフォンとキノコと薬草サラダ
マーマンのホイル焼き
ミノタウロスのスネ肉の赤ワイン煮込み
エメラルドタートルのスープ
etc
「……」
オルゴラズベリーは目を点にしている。
見たこともない情報に脳が追いついていないようだ。
「う、うまそー…」
言葉が見つからないとでもいうように、
棒読みでオルゴラズベリーは言った。
前言撤回やな。オルちゃんを黙らせるのは思った以上に簡単らしい。
「ねぇ。私たちがモンスター料理食べたらそれってもう共食いじゃない?」
フェルミナが顔をかめて言った。
「フェルミナ、細かいことはいいじゃないの。問題は味。ルナと行った時はメチャウマだったから、お楽しみに~」
セレーネが答える。
「セレちゃん、ルナちゃんと会ってたの?」
意外そうに真蜘羅が聞いた。
真蜘羅はこの13年間姫とは誰も会っていないと思っていた。
実際セレーネ以外は誰もあっていなかった。
「私たちは割と会ってるよ。この前は2ヶ月くらい前だったかな」
「いいなぁ、我も呼んでや~。ルナちゃんばっかりずるいわ」
「お忍びだからねぇ。ちょっと難しいかなぁ」
「確か占い師として時折り顔を出してるんだったわね」
フェルミナが聞く。
「ま、表向きはね。ルナはあれで何するか分からない性格だから、ちょっと心配だし」
「あなたたちは相変わらず仲が良いのね」
「我とももっと会ってくれん?もうええんやないかなぁ」
「もちろん、気軽においで、これからはいつでも会えるさ」
「ってそうじゃなくない!?」
見たことのないメニューに意識を持っていかれたオルゴラズベリーはやっと正気に戻ったようだ。
「オルちゃんおかえり~」
「まずは戦いたかった。疼いてたんだよぉ~」
「ごめん、ごめん、冗談だよ。確かに強さがすべてのオルちゃんには悪いけど、もう少し待ってよ。
殺し合いはいつか必ずするからさ。そうだな。3,4日後くらいかな。それに皆長旅で疲れてるだろうし、オルちゃんも万全で戦いたいでしょ。」
「オル、セレーネにも何か考えがあるのよ、きっと」
「いや、別に私にとっても、全てじゃないけど。み、皆といると楽しいし」
「オル…」
「もう、分かったよ。いこー。怪奇レストラン。美味いものも大好きだ」
「オル、羽出てるよ」
オルゴラズベリーの羽からはちょこんと小さい翼が
顔を覗かせるように出ていた。
人間の街に行くのにモンスターだとバレるのはまずいのだ。
オルちゃんはいまいち人化が得意でないらしい。
「おっ、見えてきたよ。あれが交易の街、
セントラル・フィリアだ」
目の前に海沿いの大きな都市が広がっていた。
四王の一行は古城近隣の地帯を抜け、都市、セントラル・フィリアへと向かっていた。
馬車を引くのはロック鳥というセレーネの配下のAランクモンスターだ。
それともう一体、メタモルという種類のAランクモンスター。変化魔法、メタモルフォーゼを得意とするセレーネ配下がいた。
余談だが、メタモルは変化が得意というスキルからセレーネのお供としてとても重宝されていた。
「で、セレーネさん。これはいったいどういう事かな?」
ガッカリして正気を失ったような顔でオルゴラズベリーはセレーネに聞く。
オルちゃんからしたら、せっかく戦えると思ってたところにのんびり旅行なんて肩透かしもいいところなんやろうな。
と蜘蛛の王、真蜘羅は思った。
かく言う我ですらセレちゃんとは戦ってみたかったし、フェルミナちゃんを絡め手で雁字搦めにするのを楽しみにしていたというのが本音だ。
「なんのことかな、オルちゃん?」
「とぼけてもダメだよ。私がやりたいこと最初にやるって言ったよね。どこに向かっているのかな」
「うん。だからオルちゃんが言ってた美味しいもの巡りに最初に向かってるんだよ?何か間違えたかな?」
確かに、オルゴラズベリーが挙げたしたいことリストは3つ。
4人で久々に腕比べをすること。
魔王に会って礼を言うこと。
そして、美味いものを食べに行くことだ。
「ああ、そういうことか。いや確かに間違えてないけど、そうじゃない~。私は戦いたいんだ~。大暴れしたいんだ~」
オルゴラズベリーは駄々をこねるように文句を言っている。さっきからずっとこの調子や。
オルちゃんを納得させるのは骨が折れるで
「あ、ところでこれ今日行くおすすめのレストラン。
どれがいい?」
そこには、様々な高級レストランのお品書きがずらりと並んでいた。
グリフォンとキノコと薬草サラダ
マーマンのホイル焼き
ミノタウロスのスネ肉の赤ワイン煮込み
エメラルドタートルのスープ
etc
「……」
オルゴラズベリーは目を点にしている。
見たこともない情報に脳が追いついていないようだ。
「う、うまそー…」
言葉が見つからないとでもいうように、
棒読みでオルゴラズベリーは言った。
前言撤回やな。オルちゃんを黙らせるのは思った以上に簡単らしい。
「ねぇ。私たちがモンスター料理食べたらそれってもう共食いじゃない?」
フェルミナが顔をかめて言った。
「フェルミナ、細かいことはいいじゃないの。問題は味。ルナと行った時はメチャウマだったから、お楽しみに~」
セレーネが答える。
「セレちゃん、ルナちゃんと会ってたの?」
意外そうに真蜘羅が聞いた。
真蜘羅はこの13年間姫とは誰も会っていないと思っていた。
実際セレーネ以外は誰もあっていなかった。
「私たちは割と会ってるよ。この前は2ヶ月くらい前だったかな」
「いいなぁ、我も呼んでや~。ルナちゃんばっかりずるいわ」
「お忍びだからねぇ。ちょっと難しいかなぁ」
「確か占い師として時折り顔を出してるんだったわね」
フェルミナが聞く。
「ま、表向きはね。ルナはあれで何するか分からない性格だから、ちょっと心配だし」
「あなたたちは相変わらず仲が良いのね」
「我とももっと会ってくれん?もうええんやないかなぁ」
「もちろん、気軽においで、これからはいつでも会えるさ」
「ってそうじゃなくない!?」
見たことのないメニューに意識を持っていかれたオルゴラズベリーはやっと正気に戻ったようだ。
「オルちゃんおかえり~」
「まずは戦いたかった。疼いてたんだよぉ~」
「ごめん、ごめん、冗談だよ。確かに強さがすべてのオルちゃんには悪いけど、もう少し待ってよ。
殺し合いはいつか必ずするからさ。そうだな。3,4日後くらいかな。それに皆長旅で疲れてるだろうし、オルちゃんも万全で戦いたいでしょ。」
「オル、セレーネにも何か考えがあるのよ、きっと」
「いや、別に私にとっても、全てじゃないけど。み、皆といると楽しいし」
「オル…」
「もう、分かったよ。いこー。怪奇レストラン。美味いものも大好きだ」
「オル、羽出てるよ」
オルゴラズベリーの羽からはちょこんと小さい翼が
顔を覗かせるように出ていた。
人間の街に行くのにモンスターだとバレるのはまずいのだ。
オルちゃんはいまいち人化が得意でないらしい。
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セントラル・フィリアだ」
目の前に海沿いの大きな都市が広がっていた。
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