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~7~ 務め
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アグリシアは夢の中で学園に通い続け、友人になったアメリアと共に楽しい学園生活を過ごしていた。
今までは出来なかった友人との会話。それだけでも楽しいのに、一緒にランチを食べ、時には放課後町に繰り出し買い物をしたりする。
そんな普通の令嬢としての日常が楽しくて仕方がなかった。
いつも馬車の中から見ていただけのかわいい小物のお店や、新しいお洒落なカフェ。
他の令嬢達の会話がふとした瞬間に耳に入り、いつか自分もそんなお店に行ってみたいと思っていたのだ。それが夢の中でなら誰にも邪魔されず、好きに行くことができる。
まさに夢のようだった。
(友達と過ごす放課後って、こんなに楽しいものだったのね。癖になりそうだわ)
アメリアとともに、移動教室に向かっている途中の出来事だった。
普段なら顔を合わすことのない三学年の女子生徒が向こうから歩いてくる。
今までのアグリシアなら素通りされるはずなのに、アメリアという友人ができてからというもの明るくなった彼女を妬み疎ましく思う者が現れ始め、以前のようにアグリシアにちょっかいを出し始めたのだ。
以前から同様の事はあった。エドワードに想いを寄せる者たちからの嫌がらせは、大なり小なりあったがそれを気にしないアグリシアに興味を無くし、エドワードもそう言った令嬢を相手にしなかったので、いつの間にか沈静化していたのだ。
しかし、この夢の中でのアグリシアは明るさを取り戻し、アメリアと共に楽しい時間を過ごすことで目立つようになったのだろう、またしてもそういった令嬢の目に止まるようになってしまった。
アグリシアは夢の中でさえ、今までの辛い日々の記憶を消し去ることができずに、楽しいことや幸せな事と引き換えに、そういった事を思い出してしまうのだった。
「まあ、アグリー(醜い)様ではありませんか? 最近はやけに楽しそうにお過ごしですけれど、何か変化でもおありですの?」
以前、アグリシアに嫌がらせをしてきた侯爵家の令嬢である。
なんで、アメリアのいる前で?と、苦い思いをしていると
「まあ、隣にいらっしゃるのはもしかしてご友人かしら? アグリー様でもお友達がいらっしゃるのですね? これは驚きましたわ。ねえ皆様、そうお思いになりませんこと?」
彼女の言葉に周りの取り巻き令嬢も、声を揃えて同調し始める。
本来なら適当に誤魔化してその場を離れればいいが、今はアメリアがいる。彼女を巻き込むわけにはいかない。しかし無視するわけにもいかず、
「彼女は同じクラスメイトで、今移動教室へ向かう途中でたまたまご一緒しただけです。
友人などと、私にはもったいないことです」
アメリアの不服そうな顔が見えたが、小さく首を振った。彼女を巻き込みたくはない。
「あら、そうでしたの? 私もおかしいと思っておりましたの。まさかアグリー様にご友人だなんて不相応にもほどがあるとね?
それに、どうでしょう?あなたのような方に婚約者がいることも身分不相応だとお思いになりませんの? ましてやエドワード様だなんて。たかが子爵家の分際であの方と婚約をするなんて、どんな手を使ったのか。身分が低い者は見境がないと言いますし、あなたもどうせそうなのでしょう?」
「そ、そんな! この婚約はハーレン家から声がかかったものです。私たちは見境がないなどと、そんなことは決してありません」
思わず反論するような言葉を口にしてしまった。いつもなら我慢をするし、できるのに。やはりアメリアの力はアグリシアを大きく変えていた。
間違ったことに対して反論する勇気を持つことができた。自分が我慢するだけで済む話ではない。家の名にも家族にも迷惑をかけてしまう可能性がある。
今更そんなことに気が付いた。いつもエドワードが小言を言っていたのはこういう事だったのだ。次期伯爵夫人となるからには、自分さえ我慢すればいいわけではない。
夫であるエドワードも、ハーレンと言う家も守らねばならないのだ。
(夢の中で気が付いても仕方ないのに。もう使うこともないかもしれないのに……)
ぼんやりと考えこんでいたら、アメリアがアグリシアの袖を引っ張り、「婚約者様よ」と、教えてくれた。
振り向くとそこにはエドワードの姿があった。まっすぐにアグリシアを見つめ、早足で近づいてくる。
(また何か言われるのかしら?でも、アメリア様がいるから私は大丈夫。ちゃんとここに立っていられるわ)
アグリシアはこちらに向かって歩いてくるエドワードではなく、アメリアに向かって微笑んでみせた。それを見てアメリアもにこりと微笑み、「ほら!」と後ろに目を向けた。
「アグリシア、こんな廊下で何かあったのか?」
「いえ、とくには……」
エドワードの問いにあいまいに答えていたら
「まあ、エドワード様ではありませんか。同じ学園内でもクラスが違うとお目にかかることも少なくて残念ですわ。でも、お元気そうで何よりです」
「君は、隣のクラスの?」
「ええ、エリザベス・アイシードですわ。たった今、エドワード様のお話をしていたところですのよ」
「僕の?」
「ええ、エドワード様のように素敵なお方の婚約者が、なぜアグリー様のような方なのかってことを話しておりましたの。
家同志の事とはいえ、お可哀そうに。エドワード様も本当は残念に思っておいでなのでしょう?」
エリザベスと名乗るその令嬢は、エドワードのそばで彼に視線を送りつけている。
(ああ、彼女はエドワード様の事がお好きなのね。私よりもよほどお似合いだわ)
アグリシアは並び立つ二人を、ぼんやりと見つめていた。
「アグリシア、本当なのか?」
「え? あ、はい」
エドワードは少し考えた後、アグリシアの肩を自分の胸に引き寄せハッキリとした口調で答えた。
「彼女の事をアグリーなどと呼ぶのはやめてもらおう。彼女をそう呼んでいたこともあったが、あなたが心の中で思っているような理由では決してない。
それに、彼女に婚約の申し出をしたのは我がハーレン家からだ。私が願い彼女を婚約者として迎えいれたんだ。誰かにとやかく言われる筋合いはない。
彼女が迷惑を被ることはあっても、私が迷惑に思うことなどない。
金輪際、我が婚約者アグリシアに関わることはやめてもらおう」
アグリシアの肩を抱くエドワードの手は熱を帯び、強く力が込められているようだった。婚約者となって数年。今までこんな風に肩を抱き寄せられたことなど一度もない。
アグリシアは恥ずかしさと嬉しさで、エドワードの胸で小さくなるしかなかった。
エリザベスは「っな!!」と、悔しそうに唇をかみしめ真っ赤に怒った顔でその場を去って行った。
侯爵家の令嬢にあのようなことをと、心配になり
「エドワード様、よろしいのですか、あのような事を? あの方は侯爵家の方です。ハーレン家に何かあったらどうなさるのですか?」
「大丈夫さ。家の事よりも今は君の方が大事だ。いつもこんな風に言われていたのだろう? 助けてやれずにすまなかった。でも、これからは僕が君を守るから、心配はいらない。アグリシアは僕のそばで笑ってくれればそれでいい。僕に君を守ることを許してほしい」
(ああ、こんな言葉を夢の中で言わせてしまうなんて、私は本当にエドワード様が好きなのね)
アグリシアは心の底から込み上げる喜びをかみしめていた。
現実の世界で言われたことなど一度もない。これは自分の願望だ。
婚約者として認めてもらい、庇い守ってもらいたいという欲求が見せた幻。
望んで夢に見て、でも無理な事と知っているから思い出さないように胸に閉まっておいた憧れ。
叶わないから、せめて夢の世界で実現させてしまった浅はかな絵空事。
大好きな人に言うはずのない言葉を無理やりに言わせてしまったという焦燥感が、アグリシアの胸を埋め尽くした。
今までは出来なかった友人との会話。それだけでも楽しいのに、一緒にランチを食べ、時には放課後町に繰り出し買い物をしたりする。
そんな普通の令嬢としての日常が楽しくて仕方がなかった。
いつも馬車の中から見ていただけのかわいい小物のお店や、新しいお洒落なカフェ。
他の令嬢達の会話がふとした瞬間に耳に入り、いつか自分もそんなお店に行ってみたいと思っていたのだ。それが夢の中でなら誰にも邪魔されず、好きに行くことができる。
まさに夢のようだった。
(友達と過ごす放課後って、こんなに楽しいものだったのね。癖になりそうだわ)
アメリアとともに、移動教室に向かっている途中の出来事だった。
普段なら顔を合わすことのない三学年の女子生徒が向こうから歩いてくる。
今までのアグリシアなら素通りされるはずなのに、アメリアという友人ができてからというもの明るくなった彼女を妬み疎ましく思う者が現れ始め、以前のようにアグリシアにちょっかいを出し始めたのだ。
以前から同様の事はあった。エドワードに想いを寄せる者たちからの嫌がらせは、大なり小なりあったがそれを気にしないアグリシアに興味を無くし、エドワードもそう言った令嬢を相手にしなかったので、いつの間にか沈静化していたのだ。
しかし、この夢の中でのアグリシアは明るさを取り戻し、アメリアと共に楽しい時間を過ごすことで目立つようになったのだろう、またしてもそういった令嬢の目に止まるようになってしまった。
アグリシアは夢の中でさえ、今までの辛い日々の記憶を消し去ることができずに、楽しいことや幸せな事と引き換えに、そういった事を思い出してしまうのだった。
「まあ、アグリー(醜い)様ではありませんか? 最近はやけに楽しそうにお過ごしですけれど、何か変化でもおありですの?」
以前、アグリシアに嫌がらせをしてきた侯爵家の令嬢である。
なんで、アメリアのいる前で?と、苦い思いをしていると
「まあ、隣にいらっしゃるのはもしかしてご友人かしら? アグリー様でもお友達がいらっしゃるのですね? これは驚きましたわ。ねえ皆様、そうお思いになりませんこと?」
彼女の言葉に周りの取り巻き令嬢も、声を揃えて同調し始める。
本来なら適当に誤魔化してその場を離れればいいが、今はアメリアがいる。彼女を巻き込むわけにはいかない。しかし無視するわけにもいかず、
「彼女は同じクラスメイトで、今移動教室へ向かう途中でたまたまご一緒しただけです。
友人などと、私にはもったいないことです」
アメリアの不服そうな顔が見えたが、小さく首を振った。彼女を巻き込みたくはない。
「あら、そうでしたの? 私もおかしいと思っておりましたの。まさかアグリー様にご友人だなんて不相応にもほどがあるとね?
それに、どうでしょう?あなたのような方に婚約者がいることも身分不相応だとお思いになりませんの? ましてやエドワード様だなんて。たかが子爵家の分際であの方と婚約をするなんて、どんな手を使ったのか。身分が低い者は見境がないと言いますし、あなたもどうせそうなのでしょう?」
「そ、そんな! この婚約はハーレン家から声がかかったものです。私たちは見境がないなどと、そんなことは決してありません」
思わず反論するような言葉を口にしてしまった。いつもなら我慢をするし、できるのに。やはりアメリアの力はアグリシアを大きく変えていた。
間違ったことに対して反論する勇気を持つことができた。自分が我慢するだけで済む話ではない。家の名にも家族にも迷惑をかけてしまう可能性がある。
今更そんなことに気が付いた。いつもエドワードが小言を言っていたのはこういう事だったのだ。次期伯爵夫人となるからには、自分さえ我慢すればいいわけではない。
夫であるエドワードも、ハーレンと言う家も守らねばならないのだ。
(夢の中で気が付いても仕方ないのに。もう使うこともないかもしれないのに……)
ぼんやりと考えこんでいたら、アメリアがアグリシアの袖を引っ張り、「婚約者様よ」と、教えてくれた。
振り向くとそこにはエドワードの姿があった。まっすぐにアグリシアを見つめ、早足で近づいてくる。
(また何か言われるのかしら?でも、アメリア様がいるから私は大丈夫。ちゃんとここに立っていられるわ)
アグリシアはこちらに向かって歩いてくるエドワードではなく、アメリアに向かって微笑んでみせた。それを見てアメリアもにこりと微笑み、「ほら!」と後ろに目を向けた。
「アグリシア、こんな廊下で何かあったのか?」
「いえ、とくには……」
エドワードの問いにあいまいに答えていたら
「まあ、エドワード様ではありませんか。同じ学園内でもクラスが違うとお目にかかることも少なくて残念ですわ。でも、お元気そうで何よりです」
「君は、隣のクラスの?」
「ええ、エリザベス・アイシードですわ。たった今、エドワード様のお話をしていたところですのよ」
「僕の?」
「ええ、エドワード様のように素敵なお方の婚約者が、なぜアグリー様のような方なのかってことを話しておりましたの。
家同志の事とはいえ、お可哀そうに。エドワード様も本当は残念に思っておいでなのでしょう?」
エリザベスと名乗るその令嬢は、エドワードのそばで彼に視線を送りつけている。
(ああ、彼女はエドワード様の事がお好きなのね。私よりもよほどお似合いだわ)
アグリシアは並び立つ二人を、ぼんやりと見つめていた。
「アグリシア、本当なのか?」
「え? あ、はい」
エドワードは少し考えた後、アグリシアの肩を自分の胸に引き寄せハッキリとした口調で答えた。
「彼女の事をアグリーなどと呼ぶのはやめてもらおう。彼女をそう呼んでいたこともあったが、あなたが心の中で思っているような理由では決してない。
それに、彼女に婚約の申し出をしたのは我がハーレン家からだ。私が願い彼女を婚約者として迎えいれたんだ。誰かにとやかく言われる筋合いはない。
彼女が迷惑を被ることはあっても、私が迷惑に思うことなどない。
金輪際、我が婚約者アグリシアに関わることはやめてもらおう」
アグリシアの肩を抱くエドワードの手は熱を帯び、強く力が込められているようだった。婚約者となって数年。今までこんな風に肩を抱き寄せられたことなど一度もない。
アグリシアは恥ずかしさと嬉しさで、エドワードの胸で小さくなるしかなかった。
エリザベスは「っな!!」と、悔しそうに唇をかみしめ真っ赤に怒った顔でその場を去って行った。
侯爵家の令嬢にあのようなことをと、心配になり
「エドワード様、よろしいのですか、あのような事を? あの方は侯爵家の方です。ハーレン家に何かあったらどうなさるのですか?」
「大丈夫さ。家の事よりも今は君の方が大事だ。いつもこんな風に言われていたのだろう? 助けてやれずにすまなかった。でも、これからは僕が君を守るから、心配はいらない。アグリシアは僕のそばで笑ってくれればそれでいい。僕に君を守ることを許してほしい」
(ああ、こんな言葉を夢の中で言わせてしまうなんて、私は本当にエドワード様が好きなのね)
アグリシアは心の底から込み上げる喜びをかみしめていた。
現実の世界で言われたことなど一度もない。これは自分の願望だ。
婚約者として認めてもらい、庇い守ってもらいたいという欲求が見せた幻。
望んで夢に見て、でも無理な事と知っているから思い出さないように胸に閉まっておいた憧れ。
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