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出会い
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「ねぇ、一緒に遊ぼうよ。」
僕は目を覚ました。
「またこの夢か‥‥」
これで何度目だろう?小さい頃、母に連れられて祖母の家に一度だけ行ったことがある。その時に夏祭りで出会った少女。名前も顔も覚えていないが、その子と遊んだ思い出だけが残っている。
きっと、あの子は僕のこと覚えていないだろうな・・・
そう思いながら、片道10キロの学校へ行った。
「よっ唯斗、久しぶり!すまん、寝坊した!春休み満喫出来たか?今日から高校生だーー!楽しみだなっ!!」
振り返ってみると、幼馴染の桐島がいた。
「桐島遅いよ!初日から遅れちゃうよ。高校生活が楽しみって、全員中学ん時と一緒だろ!田舎なんだから新しい出会いとか期待すんなよ。」
「へーい。」
僕たちはいつものように桐島と待ち合わせをして登校した。
「工藤くん、桐島くん、おはよう。」
「二人とも遅いわよっ!!入学式終わったわよ!」
教室に入ると渡辺葉月と小林美華がいた。二人も桐島と同じ幼馴染である。僕たち四人は、いつも一緒だ。
「悪い悪い、唯斗が寝坊してさぁ~。」
「寝坊したのは桐島だろっ!そのせいで、僕も遅れたんじゃないか!!」
みんなで、たわいもない話をしている時、僕の目にひとりの女の子が映った。モデルのような体型で目がぱっちり、髪が長く、とてもキレイな容姿だ。
知らない子だな。誰だろ?
「渡辺、あの子って転入生だよね?」
僕は尋ねた。
「そうだよ。可愛い子だよね。」
「なんや、あの可愛い子!?俺、あんな子と付き合いたいわ~。」
桐島は相変わらずチャラい。
「桐島、キモイ!!」
小林の罵声も相変わらずだ。
放課後、三人と別れ、ひとりで帰っていると
「キミの家もこっちにあるの?」
声をかけられた。あのキレイな子だった。
「うん、そうだよ。」
僕は素っ気なく返した。
「お互い、家が遠くて大変だよね。同じクラスだよね。私の名前は高橋明日香。よろしくね。キミは?」
彼女は少し微笑んでいた。
「僕は工藤唯斗。よろしく。」
そこから二人は、少し話しながら歩いた。
「僕の家、ここだから。じゃあね、また明日。」
すると彼女は少し驚いた顔をしていた。
「そーなの!?私はその隣に引っ越してきたの。偶然ね。」
確かに春休みに空き家だった隣の家に引っ越してきたひとがいた。
「まさか、キミだとは思わなかった。」
「こらから、毎日キミと登下校できるかもね」
彼女は笑顔で言った。僕は、彼女の笑顔が何処か懐かしい感じがした。
僕は目を覚ました。
「またこの夢か‥‥」
これで何度目だろう?小さい頃、母に連れられて祖母の家に一度だけ行ったことがある。その時に夏祭りで出会った少女。名前も顔も覚えていないが、その子と遊んだ思い出だけが残っている。
きっと、あの子は僕のこと覚えていないだろうな・・・
そう思いながら、片道10キロの学校へ行った。
「よっ唯斗、久しぶり!すまん、寝坊した!春休み満喫出来たか?今日から高校生だーー!楽しみだなっ!!」
振り返ってみると、幼馴染の桐島がいた。
「桐島遅いよ!初日から遅れちゃうよ。高校生活が楽しみって、全員中学ん時と一緒だろ!田舎なんだから新しい出会いとか期待すんなよ。」
「へーい。」
僕たちはいつものように桐島と待ち合わせをして登校した。
「工藤くん、桐島くん、おはよう。」
「二人とも遅いわよっ!!入学式終わったわよ!」
教室に入ると渡辺葉月と小林美華がいた。二人も桐島と同じ幼馴染である。僕たち四人は、いつも一緒だ。
「悪い悪い、唯斗が寝坊してさぁ~。」
「寝坊したのは桐島だろっ!そのせいで、僕も遅れたんじゃないか!!」
みんなで、たわいもない話をしている時、僕の目にひとりの女の子が映った。モデルのような体型で目がぱっちり、髪が長く、とてもキレイな容姿だ。
知らない子だな。誰だろ?
「渡辺、あの子って転入生だよね?」
僕は尋ねた。
「そうだよ。可愛い子だよね。」
「なんや、あの可愛い子!?俺、あんな子と付き合いたいわ~。」
桐島は相変わらずチャラい。
「桐島、キモイ!!」
小林の罵声も相変わらずだ。
放課後、三人と別れ、ひとりで帰っていると
「キミの家もこっちにあるの?」
声をかけられた。あのキレイな子だった。
「うん、そうだよ。」
僕は素っ気なく返した。
「お互い、家が遠くて大変だよね。同じクラスだよね。私の名前は高橋明日香。よろしくね。キミは?」
彼女は少し微笑んでいた。
「僕は工藤唯斗。よろしく。」
そこから二人は、少し話しながら歩いた。
「僕の家、ここだから。じゃあね、また明日。」
すると彼女は少し驚いた顔をしていた。
「そーなの!?私はその隣に引っ越してきたの。偶然ね。」
確かに春休みに空き家だった隣の家に引っ越してきたひとがいた。
「まさか、キミだとは思わなかった。」
「こらから、毎日キミと登下校できるかもね」
彼女は笑顔で言った。僕は、彼女の笑顔が何処か懐かしい感じがした。
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