だから、私はきみを呪う

ほし めぐま

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長期に渡る対価支払いの始まり

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月に14万ずつの5回払いの振り込みが確定したが、この業界に分割払いなんてものは無い。

正しい対価取引をしないと
世界に狙われてしまうからだ。

力あるものが生きる上での試練を庇ってしまえば、その試練を庇った方が悪いお前が試練を受けろと、世界が力をふるって庇った者を怪我をしたり、病にかかったりする。

金に目がくらんでしまえば、強欲龍パフニールが憑いかれて人格ごと金の亡者にされる。

簡単に言ってしまえばどちらかが過剰に取っても強欲龍パフニールが憑くからいけないし、取らな過ぎれば世界から庇ったとみなられる。

この段階で榊乃葉氏は7回。
私のイリアステス分の試練を受ける事になる。

対価を絶やさずに払わざるおえない。
私の守護獣が榊乃葉氏の元にいるのだから。
私以上に榊乃葉氏せんせいは辛い目にあうかもしれないのだから。なんて事を当時は考えていた。

「レイラちゃん。支払日に間に合うか?
   対価が間に合わなかったら、
   コイツら売るぞ。」

甫以外の守護獣が居ない。
舞すら舞えない千鳥足。
迫る支払日。

度重なる失敗。神職や同期からの指摘。
精神的に起きれなくなり、遅刻。
榊乃葉氏せんせいの元にいる龍も怒っているから、狐賀氏の時が笑える程、人の言葉が聞き取れない。

なにやってもだめ。

とうとう、
ミーティングでみんなのいる前で指摘されたり、仕事に触れれば、「さわるな。」と神職さん達から言われた。

「奏さんっていつもそうなの?生まれつき?」

私の舞だけ下手だからと言う理由で
舞の歌を棒読みで歌う神職も居た。

守護獣を大切にしなかったら、ましては売るなんて、そんな事をしようもんなら、榊乃葉氏せんせいは絶対私を叱りに職場に来る。

職場の電話に榊乃葉氏せんせいから電話がかかって来たらどうしよう。

〖対価の足りない分はレイラちゃんの
   御先祖様達からもらうから。〗

そう耳打ちされたような気がして、その後に

目の前で座敷童子になった流れたお兄ちゃんが

涙を流しながら、

─僕を忘れないで…

と言って消えていった。


なんで、なんで、なんでなんでなんでなんで!!


精神に異常をきたすのに時間はかからなかった。

あ、ああ。
少しでも精神を楽にして、対価を払わなきゃ。

「おかあさん。私、
   この人に対価を払ってるの。」

一般人である家族に理解されるはずもないのに。


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