スケルトンに転生した。冒険者に倒され続ける毎日だったが、冒険者を倒すとレベルアップするんだな

もぐすけ

文字の大きさ
19 / 55
ダンジョン篇

将来の夢の確認

しおりを挟む
(帰ったぞ。リズ、ちょっと召喚魔法を試してくれるか)

 俺は隠れ家に帰るなり、すぐにリズに念波を送った。

「あ、おじさん、着替え中なんですけど」

(お前たちはいったいいつまでやってるんだ。あれからもう半日以上経っているぞ)

「三人のバランスも考えてコーディネートしないといけないので、なかなか決まらないのですよ。あ、サモンですね。少し待ってください」

 リズは巫女の衣装、アリサは魔法使いの衣装、サーシャが聖女の衣装を何種類も持っているが、三人の組み合わせと個々人の好みがうまくマッチしないという。

 正直、どうでもいい。

「おじさん、召喚出来る霊体が増えてます」

(憑依できるもので、臭くないのあるか?)

「『堕天使』ってのがあります。召喚しますね」

 黒髪黒目で、少し気だるい感じのする超イケメンが現れた。男のくせに妖艶で、髪をかき上げている。

(チッ、何だか無性に腹の立つ奴だ)

 堕天使がなんか言い出す前に、俺はすぐに憑依した。

「どうだ、臭くないか?」

「おじさん、めちゃくちゃ格好いいですっ!」
「おじさん、ずっとそれでいてっ!」
「おじさま、素敵ですわ」

 何か嬉しくないな。

「おじさん、ほんと、格好いい……」

 アリサが特にこの男を気に入っているようで、目がハートになっている。これでは変な男に引っかかる可能性大だ。アリサから目を離しちゃダメ、と俺は心の中でメモった。

「真面目な話をするぞ。お前たちのレベルはもうすぐ340だ。俺とほとんど変わらないレベルまで来ている」

 三人が顔を見合わせて驚いている。

「世の中、上には上がいるが、お前たちはかなり上の方だろう? リズ」

「はい、300半ばでしたら、レベルだけでいえば、S級の中でも上位クラスだと思います」

「で、この後も1000まで上げるつもりだが、ちょっと確認しておきたい。お前たちは、将来何になりたいんだ?」

 アリサが最初に答えた。

「そんなこと考えたことなかったよ。奴隷になるか、誰かの嫁になって、子供を産ませられて、死ぬまでこき使われる、そういう運命から、逃げたかっただけなんだ」

「わ、私は、聖女になれたらいいなって、思っておりましたわ。そのために、お嬢様言葉も一生懸命覚えましてよ」

 聖女ってお嬢様言葉なのか? 何か方向性を勘違いしていないか? この前の聖女はバカっぽい言葉遣いだったような。どうでもいいか。

「リズ、お前はどうなんだ?」

「私も逃げ出すことしか考えていなかったです。でも、こうして逃げ出すことが出来て、今、思うのは、孤児院の他の子たちはどうしてるのかなって。自分だけ逃げちゃって、ずるいのかなって思ってます」

「そうか、分かった。アリサ以外は、冒険者になった後に、やりたいことがあるんだな。アリサ、今、答えを出す必要はないが、考えておいて欲しい。こうなったのも何かの縁だ。おじさんは、お前たちを全力でサポートするからな」

「ありがとう、おじさん」

 俺はアリサに微笑んだあと、サーシャの方を向いた。

「サーシャ、聖女にはどうすればなれるんだ?」

「教会の聖女検定に受かれば、聖女になれますわ」

「それって、どういう試験だ?」

「筆記、実技、面接に分かれておりますの。筆記、面接は大丈夫ですわ。実技はリッチーでのレベリングがちょうど良い訓練になりますわ」

「お、じゃあ、今のままで大丈夫だな。リズはロキたちを助けに行きたいのか?」

「ロキたちだけではなく、孤児全員を救いたいです。私の勝手な考えですけど、おじさんなら出来ると思います。私はそのおじさんのお手伝いがしたいです」

「全員か、それはすごいな。でも、俺は無敵ではない。正直に言うが、あのミントの聖女が怖くて仕方ないんだ。勝てる気がしない」

「聖女様は確かに悪魔やアンデッドには無敵ですが、浄化の魔法は人間には効きません。聖女様からは私が守ります。それに、サーシャが聖女になったら、聖女は私たちの味方ですよ」

「分かった。全力でサポートすると言ったばかりだからな。実は俺自身が何をやりたいのか、一番よく分かっていなかったんだ。でも、今は違う。お前たちの夢を手伝ってやりたい。何でもやってやるぞ」

「ありがとうございます、おじさん。まずは、着替えを終えたいです」

「あ、すまん。着替え中だったか。俺はもう一度昆虫採集してくる。お前たちは着替えたら、サーシャのためにも、リッチーで訓練したらどうだ」

「はい、着替えて、ご飯を食べてから、そうします」

 俺はスケルトンの本体に戻って、再び地下七階へと進んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

処理中です...