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ミント篇
女の嫉妬
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またどこかのアホがアイツらにちょっかいを出して、命を落としたか。
(法律とか警察とかないのかな)
犯罪者の命はどうでもいい。死んで当たり前と思う。だが、アイツらの教育上、あまりこういうことはないようにして欲しい。
そんなことを考えながら、崖下を見ていたら、ランプの灯りに照らされた四人の影が見えた。リズが俺の方に手を振っている。
(リズ、今から飛び降りるぞ。危ないから、ぶつからないようにしろよ)
思念を送ると、リズが両腕で大きな丸を作った。
ランプが消えたのを合図に、俺は崖から飛び降りた。骨格が先に落ちていき、霊体が引っ張られるように追随する。
骨格の方は地面に激突し、粉々に散ったが、霊体はふわりと着地した。
俺はすぐに堕天使に憑依した。
「大丈夫だな。誰にも見られていないな」
リズが頷いた。
「仮に見られていても、スケルトンの飛び降り自殺です」
「まあ、そうだな」
アリサがランプに再びライトの魔法を灯した。辺りが明るくなった。
「おじさん、また人を殺しちゃったんだけど」
アリサがバツの悪そうな顔をしている。
「売られた喧嘩だろう? 買ってやればいいさ。相手が殺す気で来たら、殺してもいいぞ」
「うん、大人しくしないと殺すって言われたの」
「じゃあ、お前たちは悪くないよ」
本当にこんな教育でいいかどうか分からんが、コイツらを変な目で見た奴は、俺的には死刑確定だ。
話しているうちに骨格が復活したので、俺はバックパックに骨を詰め込んだ。骨の標本を担いで歩き回るわけにはいかないからだ。
俺はぐるりと周りを見渡した。崖下はかなり広い山道になっていて、今、俺たちはそこにいるが、崖の反対側は木々に覆われていた。
(日本の山とそう変わらないな)
「街はこっちか?」
「はい、そうです」
山から街の方向を見ると、建物から漏れるわずかな灯りが意外と多く点在しており、ぼんやりと街の外観を確認できた。
「よし、じゃあ、予定通り、まずはリズの孤児院を占拠しよう」
俺たちは、アリサ、リズ、サーシャ、俺の順で一列になって山を降りた。
途中で人間の遺体があったが、いずれ魔物が持っていくだろうとのことだった。
街に入ると、街灯がなかった。灯りがなくても俺の目には暗視スコープのように街の様子が見えるはずだが、リズたちには真っ暗だと思う。
アリサのランプで照らされる街並みは、映画で見た昔のヨーロッパの都市のようだった。道路も石畳だし、建造物は石で出来ている。
アリサとリズが先頭で、俺とサーシャが後ろから歩いた。サーシャが手を繋いできたが、日本の娘ともよく手を繋いで歩いたので、違和感なくそのまま手を繋いで歩いていた。
「おじさん、あそこを左に回ったところに私の孤児院があります」
リズがそう言って、俺の方に振り返って、そのまま固まっている。
「どうした?」
リズの目は俺とサーシャが繋いでいる手に釘付けだ。
「おじさん、何でサーシャと手を繋いでいるんですかっ」
「え? 何だって!?」
アリサが血相を変えて振り向いた。
「どうした? 危ないから手を繋ぐのは普通だろう?」
「サーシャ、あなた、油断も隙もないわねっ」
珍しくアリサがサーシャに詰め寄っている。
「あら、おじさまは拒否されませんでしたわ」
サーシャが開き直った悪役令嬢のように見えた。
「ちょっと待て、手を繋いだだけだろう」
俺はリズに助けを求めた。何が悪いのかさっぱり分からない。
「手を繋ぐのは、夫婦か親子にしか許されない行為ですっ」
何なんだ、この険悪なムードは。むっ、俺は知っているぞ、この雰囲気を。これは女子社員たちの嫉妬と同じだ。
「お前たちは俺にとっては娘のようなものじゃないか。こんなことで喧嘩するな。俺がリズとアリサの間に入るから、二人と手を繋ごう。な、それでいいな?」
リズとアリサは考えている。
「それなら、私はいいです」
「私も納得する」
「サーシャ、ほら、交代だ」
「分かりましたわ。アリサ、リズ、私はおじさまを独り占めする気はなくってよ」
サーシャがようやく俺の手を離し、俺はリズとアリサの間に入った。アリサが俺と手を繋ぐどころか、腕を組んできた。それを見てリズも真似をしてきた。
何なんだこのお子ちゃまたちは。父性欠乏症に違いない。
そのまんまの状態で、リズは孤児院の扉をノックした。
(法律とか警察とかないのかな)
犯罪者の命はどうでもいい。死んで当たり前と思う。だが、アイツらの教育上、あまりこういうことはないようにして欲しい。
そんなことを考えながら、崖下を見ていたら、ランプの灯りに照らされた四人の影が見えた。リズが俺の方に手を振っている。
(リズ、今から飛び降りるぞ。危ないから、ぶつからないようにしろよ)
思念を送ると、リズが両腕で大きな丸を作った。
ランプが消えたのを合図に、俺は崖から飛び降りた。骨格が先に落ちていき、霊体が引っ張られるように追随する。
骨格の方は地面に激突し、粉々に散ったが、霊体はふわりと着地した。
俺はすぐに堕天使に憑依した。
「大丈夫だな。誰にも見られていないな」
リズが頷いた。
「仮に見られていても、スケルトンの飛び降り自殺です」
「まあ、そうだな」
アリサがランプに再びライトの魔法を灯した。辺りが明るくなった。
「おじさん、また人を殺しちゃったんだけど」
アリサがバツの悪そうな顔をしている。
「売られた喧嘩だろう? 買ってやればいいさ。相手が殺す気で来たら、殺してもいいぞ」
「うん、大人しくしないと殺すって言われたの」
「じゃあ、お前たちは悪くないよ」
本当にこんな教育でいいかどうか分からんが、コイツらを変な目で見た奴は、俺的には死刑確定だ。
話しているうちに骨格が復活したので、俺はバックパックに骨を詰め込んだ。骨の標本を担いで歩き回るわけにはいかないからだ。
俺はぐるりと周りを見渡した。崖下はかなり広い山道になっていて、今、俺たちはそこにいるが、崖の反対側は木々に覆われていた。
(日本の山とそう変わらないな)
「街はこっちか?」
「はい、そうです」
山から街の方向を見ると、建物から漏れるわずかな灯りが意外と多く点在しており、ぼんやりと街の外観を確認できた。
「よし、じゃあ、予定通り、まずはリズの孤児院を占拠しよう」
俺たちは、アリサ、リズ、サーシャ、俺の順で一列になって山を降りた。
途中で人間の遺体があったが、いずれ魔物が持っていくだろうとのことだった。
街に入ると、街灯がなかった。灯りがなくても俺の目には暗視スコープのように街の様子が見えるはずだが、リズたちには真っ暗だと思う。
アリサのランプで照らされる街並みは、映画で見た昔のヨーロッパの都市のようだった。道路も石畳だし、建造物は石で出来ている。
アリサとリズが先頭で、俺とサーシャが後ろから歩いた。サーシャが手を繋いできたが、日本の娘ともよく手を繋いで歩いたので、違和感なくそのまま手を繋いで歩いていた。
「おじさん、あそこを左に回ったところに私の孤児院があります」
リズがそう言って、俺の方に振り返って、そのまま固まっている。
「どうした?」
リズの目は俺とサーシャが繋いでいる手に釘付けだ。
「おじさん、何でサーシャと手を繋いでいるんですかっ」
「え? 何だって!?」
アリサが血相を変えて振り向いた。
「どうした? 危ないから手を繋ぐのは普通だろう?」
「サーシャ、あなた、油断も隙もないわねっ」
珍しくアリサがサーシャに詰め寄っている。
「あら、おじさまは拒否されませんでしたわ」
サーシャが開き直った悪役令嬢のように見えた。
「ちょっと待て、手を繋いだだけだろう」
俺はリズに助けを求めた。何が悪いのかさっぱり分からない。
「手を繋ぐのは、夫婦か親子にしか許されない行為ですっ」
何なんだ、この険悪なムードは。むっ、俺は知っているぞ、この雰囲気を。これは女子社員たちの嫉妬と同じだ。
「お前たちは俺にとっては娘のようなものじゃないか。こんなことで喧嘩するな。俺がリズとアリサの間に入るから、二人と手を繋ごう。な、それでいいな?」
リズとアリサは考えている。
「それなら、私はいいです」
「私も納得する」
「サーシャ、ほら、交代だ」
「分かりましたわ。アリサ、リズ、私はおじさまを独り占めする気はなくってよ」
サーシャがようやく俺の手を離し、俺はリズとアリサの間に入った。アリサが俺と手を繋ぐどころか、腕を組んできた。それを見てリズも真似をしてきた。
何なんだこのお子ちゃまたちは。父性欠乏症に違いない。
そのまんまの状態で、リズは孤児院の扉をノックした。
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