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第二章 地上の動き
新聖女の選定
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教会は新たな聖女選定を急いでいた。
イグアスでゴーストドラゴンが発見されたという報告が新たに入ってきたが、その前に魔王復活の兆しがあるとの情報を暗部が入手していたからだ。
通常は100年以上は復活しない魔王だが、今回は半年で復活の兆しが出ており、あと半年以内に復活するという分析結果が出ていた。
すでにこの情報は国王と勇者には伝達済で、勇者ニックはすでに新パーティの編成を開始している。以前の勇者パーティの戦士レンドル、聖女マリア、魔法使いライルはすでに死亡しており、勇者からも聖女の選定を依頼されていた。
聖女の選定は、近年は魔法学園の優秀者リストから選出する方法が用いられている。
前任者のマリアも魔法学園在学中に聖女に選定された。
魔力量、魔法技術、一般教養、人格など選定基準は多岐に渡るが、容姿端麗であること、処女であることは、公にはされていないが、重要な項目であった。
最終的に3人の候補がリストに上がり、今日が最終選考だが、今回は特別に勇者にも選定に入ってもらうことになっていた。
「ニック様、お忙しいところ、ありがとうございます」
選定責任者のグラウス枢機卿は、勇者を笑顔で迎えた。
「うん。大事なメンバになるからね。しっかりと見極めさせてもらうよ」
ニックはずいぶんぞんざいな態度をとると聞いていたが、その通りだった。
選定には国王、教皇も参加する。ニックは2人に会釈した。
(さすがにあの2人には礼を尽くすか)
ニックの評判を「下を見下し、上にへつらう」と枢機卿は聞いていたが、まさにその通りのニックの行動に失笑した。
選定は王都のシールラリー大聖教会で執り行われている。
教会の奥の壇上中央にグラウス枢機卿が立ち、その後ろの席に国王、教皇、10人の枢機卿が座っており、ニックがその席に加わった。
「では、3名の聖女候補者、前に出なさい」
ホール中央には聖なる真円と呼ばれる文様が描かれており、そのなかに3人が並んだ。
3人とも聖女の最終候補になるだけあって、非常に美しい。
資料によると、3人は学園の同学年で、仲がいいらしい。
1人ずつ自己紹介を始めた。といっても、名前を名乗るのみである。
「スターシア・ダイムと申します」
「ナタリー・シスと申します」
「ルミエール・リンクと申します」
実はすでに聖女は内定しており、ルミエールが選定される予定であった。
残りの2人は式典のために呼ばれたに過ぎない。本人たちもその旨了承している。
式典は進み、予定通り、ルミエールが聖女に選定され、教皇から聖女のロッドを贈られた。このロッドを持つものは神官系究極魔法ホーリーライトを発動することができるようになるのだ。
無事、式典は終了すると思いきや、勇者ニックが最後にとんでもないことを言い出した。
「残りの2人も優秀でしょうから、勇者パーティに参加をお願いしたいです」
「いや、それは……」
とグラウス枢機卿が反論しようとしたが、ニックに遮られた。
「前職のマリアが戦闘中に死亡したのは、ライルの愚かな判断ミスが原因でしたが、もっと魔力があれば、ライルの失敗をカバーすることが可能でした。聖女候補2名を加えることで前回の失敗を繰り返すことはなくなるでしょう」
まことしやかなことを理由に挙げているが、ニックの女癖の悪さはよく耳にする。グラウス枢機卿としては反対したいところだが、
「よいではないか。教皇、何か問題はございますか?」
と王がしゃしゃり出てきた。王はどんなに評判が悪くても、ニックの肩を持つことがなぜか多い。
教皇も国王に言われては反論は難しい。ニックの理屈もそれなりに筋が通っているのだ。
「問題ございません。一刻も早く魔王を退治して、今度こそ人々に安寧をもたらすようお願いいたします」
グラウス枢機卿は3人の聖女たちの方を見たが、3人とも冷めた目でニックを見ていた。真ん中のルミエールが枢機卿の視線に気づき、大丈夫です、といった強い視線を送ってきた。
(そうだな、あの3人が報告書通りだったとしたら、ニックは苦労するだろうな)
彼女たちは素行の悪い男子生徒を何人も退学に追い込んでいるのだ。彼女たちなら、逆にニックを追い詰めるだろうとグラウス枢機卿は確信し、聖女選定の儀式を終了した。
イグアスでゴーストドラゴンが発見されたという報告が新たに入ってきたが、その前に魔王復活の兆しがあるとの情報を暗部が入手していたからだ。
通常は100年以上は復活しない魔王だが、今回は半年で復活の兆しが出ており、あと半年以内に復活するという分析結果が出ていた。
すでにこの情報は国王と勇者には伝達済で、勇者ニックはすでに新パーティの編成を開始している。以前の勇者パーティの戦士レンドル、聖女マリア、魔法使いライルはすでに死亡しており、勇者からも聖女の選定を依頼されていた。
聖女の選定は、近年は魔法学園の優秀者リストから選出する方法が用いられている。
前任者のマリアも魔法学園在学中に聖女に選定された。
魔力量、魔法技術、一般教養、人格など選定基準は多岐に渡るが、容姿端麗であること、処女であることは、公にはされていないが、重要な項目であった。
最終的に3人の候補がリストに上がり、今日が最終選考だが、今回は特別に勇者にも選定に入ってもらうことになっていた。
「ニック様、お忙しいところ、ありがとうございます」
選定責任者のグラウス枢機卿は、勇者を笑顔で迎えた。
「うん。大事なメンバになるからね。しっかりと見極めさせてもらうよ」
ニックはずいぶんぞんざいな態度をとると聞いていたが、その通りだった。
選定には国王、教皇も参加する。ニックは2人に会釈した。
(さすがにあの2人には礼を尽くすか)
ニックの評判を「下を見下し、上にへつらう」と枢機卿は聞いていたが、まさにその通りのニックの行動に失笑した。
選定は王都のシールラリー大聖教会で執り行われている。
教会の奥の壇上中央にグラウス枢機卿が立ち、その後ろの席に国王、教皇、10人の枢機卿が座っており、ニックがその席に加わった。
「では、3名の聖女候補者、前に出なさい」
ホール中央には聖なる真円と呼ばれる文様が描かれており、そのなかに3人が並んだ。
3人とも聖女の最終候補になるだけあって、非常に美しい。
資料によると、3人は学園の同学年で、仲がいいらしい。
1人ずつ自己紹介を始めた。といっても、名前を名乗るのみである。
「スターシア・ダイムと申します」
「ナタリー・シスと申します」
「ルミエール・リンクと申します」
実はすでに聖女は内定しており、ルミエールが選定される予定であった。
残りの2人は式典のために呼ばれたに過ぎない。本人たちもその旨了承している。
式典は進み、予定通り、ルミエールが聖女に選定され、教皇から聖女のロッドを贈られた。このロッドを持つものは神官系究極魔法ホーリーライトを発動することができるようになるのだ。
無事、式典は終了すると思いきや、勇者ニックが最後にとんでもないことを言い出した。
「残りの2人も優秀でしょうから、勇者パーティに参加をお願いしたいです」
「いや、それは……」
とグラウス枢機卿が反論しようとしたが、ニックに遮られた。
「前職のマリアが戦闘中に死亡したのは、ライルの愚かな判断ミスが原因でしたが、もっと魔力があれば、ライルの失敗をカバーすることが可能でした。聖女候補2名を加えることで前回の失敗を繰り返すことはなくなるでしょう」
まことしやかなことを理由に挙げているが、ニックの女癖の悪さはよく耳にする。グラウス枢機卿としては反対したいところだが、
「よいではないか。教皇、何か問題はございますか?」
と王がしゃしゃり出てきた。王はどんなに評判が悪くても、ニックの肩を持つことがなぜか多い。
教皇も国王に言われては反論は難しい。ニックの理屈もそれなりに筋が通っているのだ。
「問題ございません。一刻も早く魔王を退治して、今度こそ人々に安寧をもたらすようお願いいたします」
グラウス枢機卿は3人の聖女たちの方を見たが、3人とも冷めた目でニックを見ていた。真ん中のルミエールが枢機卿の視線に気づき、大丈夫です、といった強い視線を送ってきた。
(そうだな、あの3人が報告書通りだったとしたら、ニックは苦労するだろうな)
彼女たちは素行の悪い男子生徒を何人も退学に追い込んでいるのだ。彼女たちなら、逆にニックを追い詰めるだろうとグラウス枢機卿は確信し、聖女選定の儀式を終了した。
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