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第四章 温泉宿
別行動
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朝食の場でフローラさんから提案があった。
マリの教育のことを考え、マリを俺とは別々に行動させるという案だ。
完全に分かれてしまうのではなく、一緒に行動するが、俺とは会わせない、ということだ。
マリと一緒に行動できなくなると収納が困ってしまうこともあり、一瞬ざわっとなったが、俺とは会わない方がいいと思っている人がほとんどだったらしく、提案は通りそうだった。
「何で俺とは会わない方がいいと思ってるんですか?」
俺は右にいたミカゲさんに聞いてみた。
「間違ってマリさんに官能の手で触ったりする事故の危険性を皆は心配してました」
「え? マリにはそういう気分にはならないですよ」
「知ってます。ですから、事故の危険性です」
なるほど。確かに今俺の身近にいて、悪魔でないのはマリだけだ。何らかのハプニングでそういうことが起こらないとも限らない。
でも、一緒に行動していて、マリにだけ会わないという器用なことができるのだろうか。
「マリは戦闘には参加しないという理解でいいかしら?」
オスカルが確認した。
「ええ、16歳まではマリは私が守るわ。だから、私も戦闘には参加しないわ」
フローラさんが答えた。
そっか、ずいぶんと思い切ったことをするんだな。マリのためか。
「夜はどうしますの?」
カトリーヌさんの質問だ。マリがいるのではっきりとは言わないが、夜伽はどうするのかと聞いているのだろう。
「それは今まで通りです」
フローラさんが力を込めて言っている。おおっ、てみんなが引いている。
「そのときはマリの子守をどなたかにお願いしたいです。皆でマリを育ててほしいです」
フローラさんが頭を下げる。
「そんなのお安い御用よ」
「マリちゃんにはいてもらわないと収納で困っちゃうしね~」
「収納がなくてもマリちゃんいないと寂しいよ」
などみんながマリを一緒に育てる宣言をしてくれた。
マリは泣きそうな顔をして、みんなに感謝していた。
「で、リンリン君、16歳までマリをあなたの目に入れないようにするから、8年後に会ったとき、ちゃんと1人の女性として見てね」
「はい」
多分大丈夫だと思う。8年後はマリは全くの別人だろうし、俺自身も成長期になって、体に変化が出ているはずだ。本当の娘ではないんだし、きっとうまくいくと思う。
「さて、マリの件はこれで終わりです。続いて、次の目的地について、発表します。リンリン君、マップの魔法をお願いね」
「はい」
ラクタさんに教えてもらったマップの魔法をみんなにかける。初めて体験する人たちから感嘆の言葉が出ている。
「今、私たちはリマにいるわ。ここよ。次は海岸沿いに東に進んで国境を越え、隣の国のベラに入ります。その後は海岸線沿いをずっと北に進んで、この辺りから西に進んで、ここぐらいで南に進むと、リンリンの故国ダルムンドね。約4万キロの旅よ。余裕を見て1年で1万キロを目標にしているわ。お金はもう1回ぐらい大きな依頼を受けるつもりよ。2年ぐらいはこのまま旅行気分で大丈夫そうよ」
みんなから歓声があがる。
「組合から報酬が出るまで、しばらくリマに滞在します。私とマリとユカリは近くの別の旅館に移るわね。私は2つの旅館を行ったり来たりするつもりよ。リンリン君を部屋で1人にしないように、当番の人が一緒にいるようにしてね。じゃあ、エリーゼ、組合情報をお願い」
「はい。悪魔ダビデの討伐確認隊は今日ダンジョンに潜るそうです。早ければ今日の夜、認定されます。認定後、3日以内に報酬は振り込まれますが、王家案件ですので、首都に挨拶に来いと言われる可能性が高いそうです」
ここからは俺が話した方がいいだろう。
「首都は西に1500キロだし、行ってもしがらみが増えるか、厄介ごとに巻き込まれるだけですので、僕は国外逃亡します。皆さんも僕について来てください」
「ついて行きますわ」
「ずっとついて行きます」
みんなさついて来てくれるそうだ。
「じゃあ、私たちはこれで」
とフローラさん、マリ、ユカリさんが退出する。マリが俺の方を見てニコリと笑って手を振った。そうか、これから8年会えなくなるのか。きっと女性として好きになってみせるよ、マリ。俺も手を振ってマリを見送った。
3人が退出した後、オスカルが司会を引き継いだ。
「それでは、今日は自由行動です。夜は貸切風呂も予約してあります。今日の夜伽はミカゲだね。リンリンをよろしくね」
「はい、リン様、お部屋に戻りましょう」
そっか。ミカゲさんとは実質初めてなんだよな。前はインストさんだったから。しかも、ヘンテコなことばかりさせられて大変だった。
今日はミカゲさんとデートして、お風呂入って、そしてフィニッシュですか。俺はフィニッシュ出来ないけど。何だか不倫旅行みたいでドキドキしてきたよ。相手は妻なのに。
マリの教育のことを考え、マリを俺とは別々に行動させるという案だ。
完全に分かれてしまうのではなく、一緒に行動するが、俺とは会わせない、ということだ。
マリと一緒に行動できなくなると収納が困ってしまうこともあり、一瞬ざわっとなったが、俺とは会わない方がいいと思っている人がほとんどだったらしく、提案は通りそうだった。
「何で俺とは会わない方がいいと思ってるんですか?」
俺は右にいたミカゲさんに聞いてみた。
「間違ってマリさんに官能の手で触ったりする事故の危険性を皆は心配してました」
「え? マリにはそういう気分にはならないですよ」
「知ってます。ですから、事故の危険性です」
なるほど。確かに今俺の身近にいて、悪魔でないのはマリだけだ。何らかのハプニングでそういうことが起こらないとも限らない。
でも、一緒に行動していて、マリにだけ会わないという器用なことができるのだろうか。
「マリは戦闘には参加しないという理解でいいかしら?」
オスカルが確認した。
「ええ、16歳まではマリは私が守るわ。だから、私も戦闘には参加しないわ」
フローラさんが答えた。
そっか、ずいぶんと思い切ったことをするんだな。マリのためか。
「夜はどうしますの?」
カトリーヌさんの質問だ。マリがいるのではっきりとは言わないが、夜伽はどうするのかと聞いているのだろう。
「それは今まで通りです」
フローラさんが力を込めて言っている。おおっ、てみんなが引いている。
「そのときはマリの子守をどなたかにお願いしたいです。皆でマリを育ててほしいです」
フローラさんが頭を下げる。
「そんなのお安い御用よ」
「マリちゃんにはいてもらわないと収納で困っちゃうしね~」
「収納がなくてもマリちゃんいないと寂しいよ」
などみんながマリを一緒に育てる宣言をしてくれた。
マリは泣きそうな顔をして、みんなに感謝していた。
「で、リンリン君、16歳までマリをあなたの目に入れないようにするから、8年後に会ったとき、ちゃんと1人の女性として見てね」
「はい」
多分大丈夫だと思う。8年後はマリは全くの別人だろうし、俺自身も成長期になって、体に変化が出ているはずだ。本当の娘ではないんだし、きっとうまくいくと思う。
「さて、マリの件はこれで終わりです。続いて、次の目的地について、発表します。リンリン君、マップの魔法をお願いね」
「はい」
ラクタさんに教えてもらったマップの魔法をみんなにかける。初めて体験する人たちから感嘆の言葉が出ている。
「今、私たちはリマにいるわ。ここよ。次は海岸沿いに東に進んで国境を越え、隣の国のベラに入ります。その後は海岸線沿いをずっと北に進んで、この辺りから西に進んで、ここぐらいで南に進むと、リンリンの故国ダルムンドね。約4万キロの旅よ。余裕を見て1年で1万キロを目標にしているわ。お金はもう1回ぐらい大きな依頼を受けるつもりよ。2年ぐらいはこのまま旅行気分で大丈夫そうよ」
みんなから歓声があがる。
「組合から報酬が出るまで、しばらくリマに滞在します。私とマリとユカリは近くの別の旅館に移るわね。私は2つの旅館を行ったり来たりするつもりよ。リンリン君を部屋で1人にしないように、当番の人が一緒にいるようにしてね。じゃあ、エリーゼ、組合情報をお願い」
「はい。悪魔ダビデの討伐確認隊は今日ダンジョンに潜るそうです。早ければ今日の夜、認定されます。認定後、3日以内に報酬は振り込まれますが、王家案件ですので、首都に挨拶に来いと言われる可能性が高いそうです」
ここからは俺が話した方がいいだろう。
「首都は西に1500キロだし、行ってもしがらみが増えるか、厄介ごとに巻き込まれるだけですので、僕は国外逃亡します。皆さんも僕について来てください」
「ついて行きますわ」
「ずっとついて行きます」
みんなさついて来てくれるそうだ。
「じゃあ、私たちはこれで」
とフローラさん、マリ、ユカリさんが退出する。マリが俺の方を見てニコリと笑って手を振った。そうか、これから8年会えなくなるのか。きっと女性として好きになってみせるよ、マリ。俺も手を振ってマリを見送った。
3人が退出した後、オスカルが司会を引き継いだ。
「それでは、今日は自由行動です。夜は貸切風呂も予約してあります。今日の夜伽はミカゲだね。リンリンをよろしくね」
「はい、リン様、お部屋に戻りましょう」
そっか。ミカゲさんとは実質初めてなんだよな。前はインストさんだったから。しかも、ヘンテコなことばかりさせられて大変だった。
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