初体験が5歳という伝説の「女使い」冒険者の物語 〜 スキル「優しい心」は心の傷ついた女性を虜にしてしまう極悪のモテスキルだった

もぐすけ

文字の大きさ
72 / 143
第五章 王室

裸エプロンから学んだこと

しおりを挟む
「よっ、少年! 今日はその人ね。イケメンの彼女」

(オスカルさんの前世は何なんでしょうか?)

「え? それ、プライバシーなんだけどなあ」

(昨日は教えてくれたじゃないですか)

「始末書書いたわよ。そんな他人よりも自分の前世を知りたくないの?」

(いや、別に)

「ん? あなた、また変なスキル取ってないでしょうね」

(何でですか?)

「自己へのこだわりが弱いわよ? ちょっとスキル見せて」

種族 人 Lv5
スキル 優しい心 Lv9999、感謝の気持ち Lv9999、女神ラクタの加護 Lv9999、怒りの鉄拳 Lv9999、悦ばせる心 Lv9999、女神インストの加護 Lv9999、姉妹神インストラクタの加護 Lv9999、誠心誠意の気持ち Lv9999、奉仕の心 Lv9999、縛りたい気持ち Lv9999、悟りの心 Lv9999

「あなた、その年で悟り開いちゃったの?」

(ええ、何というか、確かに自己へのこだわりはあまりないです。どちらかというと、他人の幸せが気になります)

「リン君、あなた凄いよ。こんな年で悟り開いたのはって、あっ、そうか、38って考えると、別に早くはないか。でも、ほぼ神の心境ね、あなたは。あれ? この縛りたい気持ちってのは何のスキル?」

(それですか。難しい結び方があって、一生懸命考えてたら付きました)

「よく分からないわね」

(はい、神様には分からないと思います)

「ダンデはまだ居るわね。いつ行くの?」

(今日です)

「何か元気ないわね」

(昨日オスカルさんとしていて、オスカルさん凄く悦んでくれて、僕としても満足なんですが、これ、ずっと続くんですかね?)

「私に聞く? セクハラで訴えるわよ。もう、仕方ないわね。少しアドバイスしてあげるわよ。前世のあなたは、ゴルフの上達のために、高価な最新のクラブを購入せず、わざと安くて重いクラブを使って、体幹とフォームを造り上げたわよね」

(え? 何でそんなこと知ってるんですか?)

「昨日、「タケシの日記」を読んだのよ。正確には読まされたんだけどね」

(な、なんですか、それ!?)

「なに興奮してるのよ、悟ったくせに。女神図書館にあなたの人生を記録した日記があるのよ。ナイスショットって言った後輩に向かって、「俺は道具の力に頼らず自分を鍛えた」って、偉そうに、かつ、神妙に語っているシーンを昨日、声を出して読んだのよ。ほんと勘弁して欲しいわよ」

(お、俺、そんなこと言ってないっす)

「何しらばっくれてんのよ。田所くんだっけ? 彼、このフレーズとエピソードを4セットも聞かされたって、嘆いてたわよ。まあ、それはいいわよ。リン君、最近、スキルに頼りすぎてない? スキルに頼って、何しても悦んでくれるから面白くないのよ。お姉さんの言いたいこと分かるよね?」

(ちょっと待って下さい。いいこと言ってくれているのは分かるんですが、日記の存在が気になって、それどころじゃないっすよ。その日記何なんですか。それに何で田所がラクタさんと話してるんですか?)

「あ、やばい。もう5分になっちゃうじゃない。リン君、また明日ねえ」

(ちょっと、ラクタさん!!)

何という恥ずかしいものが図書館にあるんだよ。悟りの効き目がまるでないほど恥ずかしいんだが。

図書館破壊するためだけに神界行くしかないのかな。明日、ラクタさんにもう少し日記のことを聞かないとな。

さて、今日はダンジョンで悪魔討伐だ。

***

ダンデは弱かった。

この前と同じ作戦で爆乳3姉妹を送ったところ、2人目で既に欲情マックスになってしまい、リンリンが奇襲で欲情を吸い取ったら、滅んでしまった。

3分で報酬2億円だが、本当に貰えるのかな。

調査隊が調べるとちゃんと分かるらしいので、俺たちは報告するだけだ。

今日のリンリン番はユカリさんなので、オスカルさんとラリル姉妹が組合に報告に行ってくれるという。

お言葉に甘えてユカリさんと先に宿に帰って来た。まずは風呂に入ろうってことになり、ユカリさんと大浴場に行ったら結構混んでいたので、事故ったらまずいということで、貸切風呂を予約して部屋に戻ってきた。

「ちょっと時間ありますね。ユカリさん」

「ええ、そうね、どうしたの?」

「リンリン番のユニフォームのことはミカゲさんやオスカルさんから聞いてますか?」

「え? 特に聞いてないけど・・・」

「エプロンすることになったんですよ」

「あら、そうなのね。いいわよ」

「これです。これ1枚だけを裸の上に着てください」

「え? イヤよ。そんなふしだらなこと」

「ミカゲさんもオスカルさんも着てくれました」

ユカリさんはエプロンを握りしめたまま考えている。

「わ、分かったわ。リンリンさん、ちょっと後ろ向いててくれる?」

俺は素直に後ろを向いた。衣服を脱いでいる音が聞こえる。

「いいわよ」

後ろを振り向くとそこには恥じらいながら、エプロン1枚だけのユカリさんがいた。

グッジョブです。ユカリさん。

「あまり見ないでね」

グッワードです。ユカリさん。

「な、何?」

「そうですね。ちょっと、そこの本棚の一番上の本を取ってくれますか?」

あれ? ユカリさん、泣いちゃった。

「ご、ごめんなさい。ほら、早く服を着て、服を着て下さい」

ダメだ。わんわん泣き出してしまった。ちょっとやり過ぎてしまった。

「本当にごめんなさい。もうユカリさんの嫌がることは、二度としないから許して下さい」

< 「陳謝の心」を取得した >

「本当?」

「本当です。お詫びに精一杯優しくしますから」

「うん、許してあげる。じゃあ、お風呂行こうか」

「はい、行きましょう」

貸切風呂で仲直りの合体をしたが、その後のグループ電話でフローラさんにも報告され、裸エプロンは封印されることになってしまった。

スキルの優しさではなく、自分が持っている本当の優しさを忘れてはダメだね、ラクタさん。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...