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第六章 領地経営
財政の立て直し策
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引き続き、エカテリーナから説明があった。
「王子と話したわ。リッチモンド家が狙われているのは、王家の財政が困窮しているのが原因だそうよ。そのためにマルクスたち家臣団が教会と結託して兄さまを暗殺したのよ」
実際にはもっと複雑な事情があるとは思うが、簡単に言ってしまえば、金がなくなったので、金持ちの家に強盗に入ったということか。
ただ、お母様は現陛下とは仲が良かったはずだ。
「お母様まで殺したのは何故ですか?」
「実は陛下はリッチモンド家への手出しには反対だったらしいの。それで、マルクスたちが兄さまがお前の母親を裏切って、他所に女を作っているとでっちあげたそうなの。それで陛下は激怒して、兄さまの暗殺を許可したらしいのよ」
マルクスたち家臣団は、この件があって、お母様が後々の計画の妨げになると危惧して、お母様も一緒に暗殺し、お父様がお母様を巻き添えにして焼死したと陛下に報告したそうだ。もちろん陛下は報告を鵜呑みにはしなかったが、家臣団を罰することも出来なかったらしい。
「陛下は母親似のお前も溺愛していることは知っているわよね。リチャードは陛下の命で地下牢にお前を入れて保護したのよ。地下牢はいつも陛下の親衛隊が見張っていたわ。私は証拠隠滅防止だと思っていたけど、実際はお前をマルクスたちから守っていたそうよ」
「え? リチャードは味方だったんですか?」
「いいえ、敵よ。お前を追放したのはリチャードとエドワード王子の策よ。マルクスたちはお前の命も狙っていたけど、リチャードは陛下に対する切り札としてお前を生かした方がいいと判断したのよ。エドワード王子はお前の命が狙われていると知って、リチャードに協力したそうよ」
そういうカラクリがあったとは全くわからなかった。
「王子がテイルと婚約したのはどういう理由だったのでしょうか?」
「リチャードがマルクスたちを説得して、お前を山で生かすことに合意したのよ。それで、リッチモンド家を乗っ取るために、マルクスたちが側妃を人質にして、リチャード王子をテイルと婚約させたのよ」
「陛下はひょっとして婚約破棄したことをご存知ないのでしょうか?」
「ええ、ご存知ないわ」
「まさか婚約破棄は成立していないのでしょうか」
私は王がまた婚約をねじ込んでこないかと心配になってきた。
「それはないわ。王子自ら宣言し、あなたが受け入れているから」
「テイルは幸せなのでしょうか」
ふと利用されているだけのテイルが不憫に思えてきた。
「あの子が選んだ人生だから、あの子次第よ。ただ、少なくとも、エドワード王子は責任を取る、と言ってくれているわ」
また何か一波乱あるかもしれないが、婚約の復活だけは絶対に阻止しよう。
「ところで、リチャードが死んでしまって、領地経営はどうなっているのでしょうか?」
「そうそう、そっちが本題なのよ。まったく税収がなくなってしまったの」
「え? ゼロですか?」
「ええ、ゼロよ。リチャードは、リッチモンド家の税務を王室の税務官に兼任させていたのよ。それで領地の農民から預かった税金をいったん国庫に入れ、国庫から必要な経費をリッチモンド家に流用していたの」
王家の税収とリッチモンド家の税収を一緒に管理していたのか。リチャードが死んでしまって、リッチモンド家の税金は国庫に入れられるルートは出来上がっているが、引き出せなくなってしまったということか。
「少しずつ前の家臣を引き戻そうとしているのだけど、自営団や傭兵の給金を我々は出せなくなってしまっていて、武力での妨害を受けたりして、なかなか進められないのよ」
ずっと話を聞いていたシルバが念話を送ってきた。
『税務官を妖精と契約している未婚女性にするといいぜ』
(え? どういうこと?)
私はシルバの提案をエカテリーナに話した。
税務官を妖精と契約している未婚女性にして、補佐に以前の家臣を付けるという案だ。
税務官自身の身と補佐ぐらいは妖精が守ってくれるし、シルバが妖精に命令すれば、不正をしたり、裏切ったりすることも、妖精がさせなくしてくれるらしい。妖精への命令は山にいてもできるそうだ。計算能力やノウハウは旧家臣から補佐してもらえばよい。
現地の妖精が対処出来ないような問題が発生した場合には、シルバが妖精陣を使って駆けつけるという。
(でも、そんなに瞬間移動はできないんじゃ?)
『俺は何回でも可能だが、グレースの残りが99回だ』
(なるほど。緊急時に使う分には問題なさそうね)
エカテリーナとローズは我々の案に大きく頷いた。
「早速領内の妖精契約している未婚の女性を集めることにするわ」
エカテリーナは満足して、ローズと一緒に足速に帰って行った。ローズとは今回ほとんど話さなかったが、今はエカテリーナの秘書をしていると言っていた。
二人はすぐに料理長を送って来るそうだ。今までの話を受けて、未婚の妖精契約をしている女性を新たに料理長にすると言っていた。
シルバとの二人の生活を邪魔して欲しくはないのだが、たまには変化があるのもいいかな。
そうそう、マルクス一派は早く殺して転生させてあげましょう。
「王子と話したわ。リッチモンド家が狙われているのは、王家の財政が困窮しているのが原因だそうよ。そのためにマルクスたち家臣団が教会と結託して兄さまを暗殺したのよ」
実際にはもっと複雑な事情があるとは思うが、簡単に言ってしまえば、金がなくなったので、金持ちの家に強盗に入ったということか。
ただ、お母様は現陛下とは仲が良かったはずだ。
「お母様まで殺したのは何故ですか?」
「実は陛下はリッチモンド家への手出しには反対だったらしいの。それで、マルクスたちが兄さまがお前の母親を裏切って、他所に女を作っているとでっちあげたそうなの。それで陛下は激怒して、兄さまの暗殺を許可したらしいのよ」
マルクスたち家臣団は、この件があって、お母様が後々の計画の妨げになると危惧して、お母様も一緒に暗殺し、お父様がお母様を巻き添えにして焼死したと陛下に報告したそうだ。もちろん陛下は報告を鵜呑みにはしなかったが、家臣団を罰することも出来なかったらしい。
「陛下は母親似のお前も溺愛していることは知っているわよね。リチャードは陛下の命で地下牢にお前を入れて保護したのよ。地下牢はいつも陛下の親衛隊が見張っていたわ。私は証拠隠滅防止だと思っていたけど、実際はお前をマルクスたちから守っていたそうよ」
「え? リチャードは味方だったんですか?」
「いいえ、敵よ。お前を追放したのはリチャードとエドワード王子の策よ。マルクスたちはお前の命も狙っていたけど、リチャードは陛下に対する切り札としてお前を生かした方がいいと判断したのよ。エドワード王子はお前の命が狙われていると知って、リチャードに協力したそうよ」
そういうカラクリがあったとは全くわからなかった。
「王子がテイルと婚約したのはどういう理由だったのでしょうか?」
「リチャードがマルクスたちを説得して、お前を山で生かすことに合意したのよ。それで、リッチモンド家を乗っ取るために、マルクスたちが側妃を人質にして、リチャード王子をテイルと婚約させたのよ」
「陛下はひょっとして婚約破棄したことをご存知ないのでしょうか?」
「ええ、ご存知ないわ」
「まさか婚約破棄は成立していないのでしょうか」
私は王がまた婚約をねじ込んでこないかと心配になってきた。
「それはないわ。王子自ら宣言し、あなたが受け入れているから」
「テイルは幸せなのでしょうか」
ふと利用されているだけのテイルが不憫に思えてきた。
「あの子が選んだ人生だから、あの子次第よ。ただ、少なくとも、エドワード王子は責任を取る、と言ってくれているわ」
また何か一波乱あるかもしれないが、婚約の復活だけは絶対に阻止しよう。
「ところで、リチャードが死んでしまって、領地経営はどうなっているのでしょうか?」
「そうそう、そっちが本題なのよ。まったく税収がなくなってしまったの」
「え? ゼロですか?」
「ええ、ゼロよ。リチャードは、リッチモンド家の税務を王室の税務官に兼任させていたのよ。それで領地の農民から預かった税金をいったん国庫に入れ、国庫から必要な経費をリッチモンド家に流用していたの」
王家の税収とリッチモンド家の税収を一緒に管理していたのか。リチャードが死んでしまって、リッチモンド家の税金は国庫に入れられるルートは出来上がっているが、引き出せなくなってしまったということか。
「少しずつ前の家臣を引き戻そうとしているのだけど、自営団や傭兵の給金を我々は出せなくなってしまっていて、武力での妨害を受けたりして、なかなか進められないのよ」
ずっと話を聞いていたシルバが念話を送ってきた。
『税務官を妖精と契約している未婚女性にするといいぜ』
(え? どういうこと?)
私はシルバの提案をエカテリーナに話した。
税務官を妖精と契約している未婚女性にして、補佐に以前の家臣を付けるという案だ。
税務官自身の身と補佐ぐらいは妖精が守ってくれるし、シルバが妖精に命令すれば、不正をしたり、裏切ったりすることも、妖精がさせなくしてくれるらしい。妖精への命令は山にいてもできるそうだ。計算能力やノウハウは旧家臣から補佐してもらえばよい。
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(でも、そんなに瞬間移動はできないんじゃ?)
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二人はすぐに料理長を送って来るそうだ。今までの話を受けて、未婚の妖精契約をしている女性を新たに料理長にすると言っていた。
シルバとの二人の生活を邪魔して欲しくはないのだが、たまには変化があるのもいいかな。
そうそう、マルクス一派は早く殺して転生させてあげましょう。
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