追放された公爵令嬢はモフモフ精霊と契約し、山でスローライフを満喫しようとするが、追放の真相を知り復讐を開始する

もぐすけ

文字の大きさ
23 / 43
第六章 領地経営

財政の立て直し策

しおりを挟む
引き続き、エカテリーナから説明があった。

「王子と話したわ。リッチモンド家が狙われているのは、王家の財政が困窮しているのが原因だそうよ。そのためにマルクスたち家臣団が教会と結託して兄さまを暗殺したのよ」

実際にはもっと複雑な事情があるとは思うが、簡単に言ってしまえば、金がなくなったので、金持ちの家に強盗に入ったということか。

ただ、お母様は現陛下とは仲が良かったはずだ。

「お母様まで殺したのは何故ですか?」

「実は陛下はリッチモンド家への手出しには反対だったらしいの。それで、マルクスたちが兄さまがお前の母親を裏切って、他所に女を作っているとでっちあげたそうなの。それで陛下は激怒して、兄さまの暗殺を許可したらしいのよ」

マルクスたち家臣団は、この件があって、お母様が後々の計画の妨げになると危惧して、お母様も一緒に暗殺し、お父様がお母様を巻き添えにして焼死したと陛下に報告したそうだ。もちろん陛下は報告を鵜呑みにはしなかったが、家臣団を罰することも出来なかったらしい。

「陛下は母親似のお前も溺愛していることは知っているわよね。リチャードは陛下の命で地下牢にお前を入れて保護したのよ。地下牢はいつも陛下の親衛隊が見張っていたわ。私は証拠隠滅防止だと思っていたけど、実際はお前をマルクスたちから守っていたそうよ」

「え? リチャードは味方だったんですか?」

「いいえ、敵よ。お前を追放したのはリチャードとエドワード王子の策よ。マルクスたちはお前の命も狙っていたけど、リチャードは陛下に対する切り札としてお前を生かした方がいいと判断したのよ。エドワード王子はお前の命が狙われていると知って、リチャードに協力したそうよ」

そういうカラクリがあったとは全くわからなかった。

「王子がテイルと婚約したのはどういう理由だったのでしょうか?」

「リチャードがマルクスたちを説得して、お前を山で生かすことに合意したのよ。それで、リッチモンド家を乗っ取るために、マルクスたちが側妃を人質にして、リチャード王子をテイルと婚約させたのよ」

「陛下はひょっとして婚約破棄したことをご存知ないのでしょうか?」

「ええ、ご存知ないわ」

「まさか婚約破棄は成立していないのでしょうか」

私は王がまた婚約をねじ込んでこないかと心配になってきた。

「それはないわ。王子自ら宣言し、あなたが受け入れているから」

「テイルは幸せなのでしょうか」

ふと利用されているだけのテイルが不憫に思えてきた。

「あの子が選んだ人生だから、あの子次第よ。ただ、少なくとも、エドワード王子は責任を取る、と言ってくれているわ」

また何か一波乱あるかもしれないが、婚約の復活だけは絶対に阻止しよう。

「ところで、リチャードが死んでしまって、領地経営はどうなっているのでしょうか?」

「そうそう、そっちが本題なのよ。まったく税収がなくなってしまったの」

「え? ゼロですか?」

「ええ、ゼロよ。リチャードは、リッチモンド家の税務を王室の税務官に兼任させていたのよ。それで領地の農民から預かった税金をいったん国庫に入れ、国庫から必要な経費をリッチモンド家に流用していたの」

王家の税収とリッチモンド家の税収を一緒に管理していたのか。リチャードが死んでしまって、リッチモンド家の税金は国庫に入れられるルートは出来上がっているが、引き出せなくなってしまったということか。

「少しずつ前の家臣を引き戻そうとしているのだけど、自営団や傭兵の給金を我々は出せなくなってしまっていて、武力での妨害を受けたりして、なかなか進められないのよ」

ずっと話を聞いていたシルバが念話を送ってきた。

『税務官を妖精と契約している未婚女性にするといいぜ』

(え? どういうこと?)

私はシルバの提案をエカテリーナに話した。

税務官を妖精と契約している未婚女性にして、補佐に以前の家臣を付けるという案だ。

税務官自身の身と補佐ぐらいは妖精が守ってくれるし、シルバが妖精に命令すれば、不正をしたり、裏切ったりすることも、妖精がさせなくしてくれるらしい。妖精への命令は山にいてもできるそうだ。計算能力やノウハウは旧家臣から補佐してもらえばよい。

現地の妖精が対処出来ないような問題が発生した場合には、シルバが妖精陣を使って駆けつけるという。

(でも、そんなに瞬間移動はできないんじゃ?)

『俺は何回でも可能だが、グレースの残りが99回だ』

(なるほど。緊急時に使う分には問題なさそうね)

エカテリーナとローズは我々の案に大きく頷いた。

「早速領内の妖精契約している未婚の女性を集めることにするわ」

エカテリーナは満足して、ローズと一緒に足速に帰って行った。ローズとは今回ほとんど話さなかったが、今はエカテリーナの秘書をしていると言っていた。

二人はすぐに料理長を送って来るそうだ。今までの話を受けて、未婚の妖精契約をしている女性を新たに料理長にすると言っていた。

シルバとの二人の生活を邪魔して欲しくはないのだが、たまには変化があるのもいいかな。

そうそう、マルクス一派は早く殺して転生させてあげましょう。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~

狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない! 隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。 わたし、もう王妃やめる! 政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。 離婚できないなら人間をやめるわ! 王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。 これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ! フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。 よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。 「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」 やめてえ!そんなところ撫でないで~! 夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――

白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする

夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、 ……つもりだった。 夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。 「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」 そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。 「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」 女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。 ※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。 ヘンリック(王太子)が主役となります。 また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

処理中です...