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第六章 領地経営
防衛方針
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「ここに来ると目的を忘れるわね。ここに来た目的はいくつかあるわ」
エカテリーナは目的を説明し始めた。
一つ目は王家に対する防衛についてだ。宰相のマルクスは勝利を信じ切っているが、敗戦を知ったときに、リッチモンド家を人質にする可能性がある。どう動けばいいか指示が欲しいという。
「グレース、あなた、使用人たちに当主を名乗ったでしょう。リッチモンド家を見捨てず、最後までよろしくね」
この山でシルバと暮らしているとリッチモンド家とかはっきり言ってどうでも良くなるが、お父様が大切にしていた家なので、危機を見過ごすことはできない。
ただ、エカテリーナは私のことが嫌いではなかったのか?
「叔母様、一つお伺いしてよろしいでしょうか?」
「何?」
「私のことを嫌っているのではないのでしょうか?」
エカテリーナは意外という表情をした。
「妙なことを言うわね。別に嫌ってなんかいないわよ」
今度は私の方が意外に思った。
「え? でも……」
「ああ、お前の顔は好きではないわ。母親そっくりだからね。私がお前の母親を大嫌いだったことは分かっていたでしょう?」
それは誰もが分かっていた。お母様だけが超天然で、全く気づいていなかったのが面白かった。
「でも、お前は雰囲気が兄そっくりなのよ。笑っちゃうぐらいね。話のテンポとか、間の取り方とか、仕草とか、考え方とかね。だから、どちらかと言えば、好意の方が強いわよ。火事の直後は兄を亡くしたショックで、取り乱してしまって悪かったわ。お前も辛いときだったのにね」
そうだったのか。確かに追放されるときも、エカテリーナは私とローズを使用人の暴力から守ってくれたっけ。
「叔母様、謝罪を受け入れます。でも、お陰様で、気の進まない婚約も解消できて、シルバと出会い、のんびりと楽しく過ごすことが出来てますので、結果良ければ全てよしです」
「そう言ってくれると助かるわ。ところで、娘たちはまだ牢に入れているけど、二週間経てば出してしまっていいのかしら?」
まだ出していなかったのか。さっきのエカテリーナの謝罪はどうやら本物のようだ。娘たちにもきっちりと落とし前を付けさせる気だ。
「ええ、臭いままの状態で、エドワード王子に引き合わせて、貸し借りなしです」
エカテリーナが微笑んだ。
「分かったわ」
エカテリーナとの会話の途中で、シルバが念話で割り込んできた。
『いざとなったら、すぐに王都に行けるぜ。アニーかテイルが自分たちの妖精に助けを求めれば、俺まで伝わるぞ』
(ありがとう、シルバ)
「叔母様、地下牢に妖精陣を作っておいて頂けますか。アニーかテイルが妖精に助けを求めたら、すぐに私とシルバが転移します。ですので、思う存分、叔母様の好きなようにして下さい」
「それは心強いけど、その、子猫は強いのよね?」
エカテリーナの視線が私の肩の上に移る。
「ええ、先日の五千の兵は三分で全滅しました。全員骨まで灰にして、山の中で眠っています」
エカテリーナとローズが絶句している。
「そ、そう。それでは好きなようにするわ。頼りにしているわよ。では、二つ目よ」
二つ目は領地経営についてだった。
エカテリーナは目的を説明し始めた。
一つ目は王家に対する防衛についてだ。宰相のマルクスは勝利を信じ切っているが、敗戦を知ったときに、リッチモンド家を人質にする可能性がある。どう動けばいいか指示が欲しいという。
「グレース、あなた、使用人たちに当主を名乗ったでしょう。リッチモンド家を見捨てず、最後までよろしくね」
この山でシルバと暮らしているとリッチモンド家とかはっきり言ってどうでも良くなるが、お父様が大切にしていた家なので、危機を見過ごすことはできない。
ただ、エカテリーナは私のことが嫌いではなかったのか?
「叔母様、一つお伺いしてよろしいでしょうか?」
「何?」
「私のことを嫌っているのではないのでしょうか?」
エカテリーナは意外という表情をした。
「妙なことを言うわね。別に嫌ってなんかいないわよ」
今度は私の方が意外に思った。
「え? でも……」
「ああ、お前の顔は好きではないわ。母親そっくりだからね。私がお前の母親を大嫌いだったことは分かっていたでしょう?」
それは誰もが分かっていた。お母様だけが超天然で、全く気づいていなかったのが面白かった。
「でも、お前は雰囲気が兄そっくりなのよ。笑っちゃうぐらいね。話のテンポとか、間の取り方とか、仕草とか、考え方とかね。だから、どちらかと言えば、好意の方が強いわよ。火事の直後は兄を亡くしたショックで、取り乱してしまって悪かったわ。お前も辛いときだったのにね」
そうだったのか。確かに追放されるときも、エカテリーナは私とローズを使用人の暴力から守ってくれたっけ。
「叔母様、謝罪を受け入れます。でも、お陰様で、気の進まない婚約も解消できて、シルバと出会い、のんびりと楽しく過ごすことが出来てますので、結果良ければ全てよしです」
「そう言ってくれると助かるわ。ところで、娘たちはまだ牢に入れているけど、二週間経てば出してしまっていいのかしら?」
まだ出していなかったのか。さっきのエカテリーナの謝罪はどうやら本物のようだ。娘たちにもきっちりと落とし前を付けさせる気だ。
「ええ、臭いままの状態で、エドワード王子に引き合わせて、貸し借りなしです」
エカテリーナが微笑んだ。
「分かったわ」
エカテリーナとの会話の途中で、シルバが念話で割り込んできた。
『いざとなったら、すぐに王都に行けるぜ。アニーかテイルが自分たちの妖精に助けを求めれば、俺まで伝わるぞ』
(ありがとう、シルバ)
「叔母様、地下牢に妖精陣を作っておいて頂けますか。アニーかテイルが妖精に助けを求めたら、すぐに私とシルバが転移します。ですので、思う存分、叔母様の好きなようにして下さい」
「それは心強いけど、その、子猫は強いのよね?」
エカテリーナの視線が私の肩の上に移る。
「ええ、先日の五千の兵は三分で全滅しました。全員骨まで灰にして、山の中で眠っています」
エカテリーナとローズが絶句している。
「そ、そう。それでは好きなようにするわ。頼りにしているわよ。では、二つ目よ」
二つ目は領地経営についてだった。
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