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貴族のミゲルと奴隷のヒサコ
首輪をつけた少女達
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メイドが紅茶のおかわりを勧めてきた所でコンコンと扉が叩かれ品のいい男が入ってきた。
「この度はようこそおいで下さいました。支配人のディランと申します。今回は異国の者をお探しとのことですので我が商会の幅広い品揃えを心ゆくまでご覧頂けたらと思います」
このディランという男の店は異国の者のみを扱う店として各国で有名だ。大抵の国、人種、果ては妖精なんかも扱っていると噂されている。
だからこそ今回はその噂を頼りに珍しい奴隷を見つくろうとここまでやって来たのだ。
「ああ。よろしく頼むぞ。俺の希望としては従順で活発。年の頃は成人までにいくらか猶予があるもの。見目麗しいに越したことはないが元が良いなら多少の怪我があってもいい。ああ、ただ自傷癖のあるようなものは駄目だ。それからスキルの有無は問わない。まあ条件としてはこんなところか」
別段難しい条件を出したつもりはない。そもそも様々な国に轟く噂がありここまで大きな商店をかまえているのだから品揃えもいいだろうという希望も込めての条件だ。
「承りました。アンドウ、条件に合う者を連れてきなさい」
ディランは懐から魔道具を取り出しそれに向かってにこやかに命令をした。
その魔道具は声を遠くに飛ばす物で商人でも大貴族につてのある者でないとなかなか手に入れられるものではない。それだけでディランの程度というものがうかがえた。
それから10分ほど紅茶のおかわりを飲みディランと話をしながら待っていると扉をコンコンと叩き男が部屋に首輪をつけた少女達を連れて入ってきた。
年の頃は二桁に届きそうにないような者から少女から女に変わりそうな者までの4人だった。どれもなかなか器量がいい。
「右からアンジュ。サティ。ヒサコ。ミリーでどれも最近仕入れたばかりの処女になります」
少女達を連れてきた男、アンドウはそう言うとディランに一緒に持ってきた書類を渡す。おそらくそれには奴隷達の情報が書いてあるのだろう。男がそれに目を通している間に俺は4人の少女達に目を向けた。
褐色の肌のアンジュは体の発育もこの中では良く色気が漂い、サティは子犬の耳や震えて足の間に挟まれている尻尾が好ましく、ヒサコは腕に大きな傷の跡があるがめずらしい黒髪で瞳も黒く時折緑に光るのが興味をそそられた。そして耳の長いエルフ族のミリーは幼いながらも4人の中で一番美しい。
どの娘にしてもいいなと思った所でディランが少女達の説明をし始めた。
いわくアンジュは身体能力に長けた14歳、サティは没落貴族で教養がある12歳、ヒサコはヒールが使える巫女で13歳、ミリーはエルフ族らしく弓が得意でヒト族の年齢に換算すると14歳とのことだった。
「あー…その、ヒサコはもう少し年が下なのではないか?誰よりも小さいし13とはとても思えん」
「ああ。ヒサコでございますね?ヒサコはここ、帝都から遠く海を越えた東の小国の生まれでその地方の者は誰もがあのように幼い容姿をしているとのことです。40を過ぎても10代のように見える者もいるそうですのでヒサコが特別幼いということはないと思われます」
確かにそんな人種がいると聞いたことがある。
冒険者で時折この帝都まで足を延ばすものもいるらしいが特徴的な黒髪が防具で隠れていればただの年若い冒険者としか思われずなかなかその国のものだとは見抜けない。後々あれがそうだったのではないかと噂されるくらいで現物を見たという話すらそう簡単に聞かないのだそうだ。
これはなかなか出ない掘り出し物なのではないか?顔の好みで言えばミリーだがエルフなら時期を見ずとも市場に並ぶことがあるがヒサコのようなものはなかなか出る物ではない。多少高かろうがこれは買うしかあるまい。
「なるほど。ではヒサコをいただきましょう」
俺は立ちあがり自分の胸より更に低い身長のヒサコの頭を撫でながら言った。
「この度はようこそおいで下さいました。支配人のディランと申します。今回は異国の者をお探しとのことですので我が商会の幅広い品揃えを心ゆくまでご覧頂けたらと思います」
このディランという男の店は異国の者のみを扱う店として各国で有名だ。大抵の国、人種、果ては妖精なんかも扱っていると噂されている。
だからこそ今回はその噂を頼りに珍しい奴隷を見つくろうとここまでやって来たのだ。
「ああ。よろしく頼むぞ。俺の希望としては従順で活発。年の頃は成人までにいくらか猶予があるもの。見目麗しいに越したことはないが元が良いなら多少の怪我があってもいい。ああ、ただ自傷癖のあるようなものは駄目だ。それからスキルの有無は問わない。まあ条件としてはこんなところか」
別段難しい条件を出したつもりはない。そもそも様々な国に轟く噂がありここまで大きな商店をかまえているのだから品揃えもいいだろうという希望も込めての条件だ。
「承りました。アンドウ、条件に合う者を連れてきなさい」
ディランは懐から魔道具を取り出しそれに向かってにこやかに命令をした。
その魔道具は声を遠くに飛ばす物で商人でも大貴族につてのある者でないとなかなか手に入れられるものではない。それだけでディランの程度というものがうかがえた。
それから10分ほど紅茶のおかわりを飲みディランと話をしながら待っていると扉をコンコンと叩き男が部屋に首輪をつけた少女達を連れて入ってきた。
年の頃は二桁に届きそうにないような者から少女から女に変わりそうな者までの4人だった。どれもなかなか器量がいい。
「右からアンジュ。サティ。ヒサコ。ミリーでどれも最近仕入れたばかりの処女になります」
少女達を連れてきた男、アンドウはそう言うとディランに一緒に持ってきた書類を渡す。おそらくそれには奴隷達の情報が書いてあるのだろう。男がそれに目を通している間に俺は4人の少女達に目を向けた。
褐色の肌のアンジュは体の発育もこの中では良く色気が漂い、サティは子犬の耳や震えて足の間に挟まれている尻尾が好ましく、ヒサコは腕に大きな傷の跡があるがめずらしい黒髪で瞳も黒く時折緑に光るのが興味をそそられた。そして耳の長いエルフ族のミリーは幼いながらも4人の中で一番美しい。
どの娘にしてもいいなと思った所でディランが少女達の説明をし始めた。
いわくアンジュは身体能力に長けた14歳、サティは没落貴族で教養がある12歳、ヒサコはヒールが使える巫女で13歳、ミリーはエルフ族らしく弓が得意でヒト族の年齢に換算すると14歳とのことだった。
「あー…その、ヒサコはもう少し年が下なのではないか?誰よりも小さいし13とはとても思えん」
「ああ。ヒサコでございますね?ヒサコはここ、帝都から遠く海を越えた東の小国の生まれでその地方の者は誰もがあのように幼い容姿をしているとのことです。40を過ぎても10代のように見える者もいるそうですのでヒサコが特別幼いということはないと思われます」
確かにそんな人種がいると聞いたことがある。
冒険者で時折この帝都まで足を延ばすものもいるらしいが特徴的な黒髪が防具で隠れていればただの年若い冒険者としか思われずなかなかその国のものだとは見抜けない。後々あれがそうだったのではないかと噂されるくらいで現物を見たという話すらそう簡単に聞かないのだそうだ。
これはなかなか出ない掘り出し物なのではないか?顔の好みで言えばミリーだがエルフなら時期を見ずとも市場に並ぶことがあるがヒサコのようなものはなかなか出る物ではない。多少高かろうがこれは買うしかあるまい。
「なるほど。ではヒサコをいただきましょう」
俺は立ちあがり自分の胸より更に低い身長のヒサコの頭を撫でながら言った。
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