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魔術師のジュルブと奴隷のティルム
「さて、何か質問はあるかな?」
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ティルムが目を覚ますまで頼まれている簡単な魔法道具の作成をする。
少量の魔力でも発動し、かつ最大の力を発揮する巻物。そこに僕オリジナルの紋章を追加し使用回数を増やすのだ。
20ほど効果の違う巻物を完成させてそこでふ~っと息を深く吐いた。いったん休憩にしよう。
肩を持ち上げぐるぐると回せばゴリゴリと音が鳴る。やはり作業をすると力を込めて紋章を書きこむからだろうか、最近は肩甲骨の少し下あたりがズキズキジワジワする。
年は取りたくないものだ。
手を組み伸ばしてから茶でも入れようと立ち上がろうとすると、椅子が床とこすれてガタと音がする。そこまで大きな音ではなかったがティルムが目を覚ますには十分だったようだ。
「やあ。おはよう」
目をぱちぱちとさせてからこちらを見つめるティルム。よだれを垂らしていないのは幸いだ。
「お、おはようございま、す?あの、ここは?」
ティルムはよだれの有無を確認してから部屋の中をぐるりと見渡してそれから疑問符付きのあいさつをしてきた。
「ああそうだね。気絶したからここまでのことはわからないよねぇ…」
中途半端に立ち上がる姿勢だった僕はそのまま立ち上がりティルムが座っている椅子の前に移動する。
あまり部屋の中を見られて興味を持ってもらっても困る。ここには重要な書物や材料、それから必要な道具が置いてある。どれも僕以外が触れば大変なことになってしまうものばかりだからね。
とにかく視界はふさぐに限る。
「そうだなぁ。もう全部話しちゃおうか」
すべては研究のため。抵抗するものを捕まえて実験をするよりも協力的な方がずっといい。
そしてたとえ僕が騙していたとしてもそれを疑う頭が無いのは更に好ましい。この子がそうであることを祈ろう。
「ここは僕の研究所兼生活する住居で、来た時に見た花畑や薬草畑は実験や研究のために栽培している。それから君が見て気絶してしまった彼はゴーレム。我が家のなんでも屋さんだ。荷物運びに食事の用意、戦闘に畑仕事。それから留守番や子守りだってこなしてくれる僕の作ったゴーレムの中でも最高のものだよ」
ティルムは次々に繰り出される言葉を理解しきれないようで目をぐるぐるとさせている。見た目通りの年齢じゃないだろうにこの反応をされるとはなぁ……まあ贅沢な鳥籠の中に入れられていたようなものだろうから何も知らなくても仕方ないか。
まあいい。そんなことは僕の研究には関係ないことだ。
「さて、何か質問はあるかな?」
ジュルブさまはそう言ってくるけど一番気になってたあのよくわからないものがなんなのかを説明されたらそんな簡単に次の質問は出てこない。
だってそれが私が一番最初に聞きたいことだったんだから。あんなのタミル家にいた時にもディラットン家にいた時もエダリオ家にいた時にも見たことが無かったんだもん。
ディラットン家なんて小さいながら王家だったのにだよ?まあそこにいたのは5.60年前のことだからもしかして最近開発されたのかもしれないけど……
うーんでもどうしよう?何か、何かないかな…?
私は足をぶらぶらと振り子のように振って考えた。でも考えるのって苦手なんだよね………
少量の魔力でも発動し、かつ最大の力を発揮する巻物。そこに僕オリジナルの紋章を追加し使用回数を増やすのだ。
20ほど効果の違う巻物を完成させてそこでふ~っと息を深く吐いた。いったん休憩にしよう。
肩を持ち上げぐるぐると回せばゴリゴリと音が鳴る。やはり作業をすると力を込めて紋章を書きこむからだろうか、最近は肩甲骨の少し下あたりがズキズキジワジワする。
年は取りたくないものだ。
手を組み伸ばしてから茶でも入れようと立ち上がろうとすると、椅子が床とこすれてガタと音がする。そこまで大きな音ではなかったがティルムが目を覚ますには十分だったようだ。
「やあ。おはよう」
目をぱちぱちとさせてからこちらを見つめるティルム。よだれを垂らしていないのは幸いだ。
「お、おはようございま、す?あの、ここは?」
ティルムはよだれの有無を確認してから部屋の中をぐるりと見渡してそれから疑問符付きのあいさつをしてきた。
「ああそうだね。気絶したからここまでのことはわからないよねぇ…」
中途半端に立ち上がる姿勢だった僕はそのまま立ち上がりティルムが座っている椅子の前に移動する。
あまり部屋の中を見られて興味を持ってもらっても困る。ここには重要な書物や材料、それから必要な道具が置いてある。どれも僕以外が触れば大変なことになってしまうものばかりだからね。
とにかく視界はふさぐに限る。
「そうだなぁ。もう全部話しちゃおうか」
すべては研究のため。抵抗するものを捕まえて実験をするよりも協力的な方がずっといい。
そしてたとえ僕が騙していたとしてもそれを疑う頭が無いのは更に好ましい。この子がそうであることを祈ろう。
「ここは僕の研究所兼生活する住居で、来た時に見た花畑や薬草畑は実験や研究のために栽培している。それから君が見て気絶してしまった彼はゴーレム。我が家のなんでも屋さんだ。荷物運びに食事の用意、戦闘に畑仕事。それから留守番や子守りだってこなしてくれる僕の作ったゴーレムの中でも最高のものだよ」
ティルムは次々に繰り出される言葉を理解しきれないようで目をぐるぐるとさせている。見た目通りの年齢じゃないだろうにこの反応をされるとはなぁ……まあ贅沢な鳥籠の中に入れられていたようなものだろうから何も知らなくても仕方ないか。
まあいい。そんなことは僕の研究には関係ないことだ。
「さて、何か質問はあるかな?」
ジュルブさまはそう言ってくるけど一番気になってたあのよくわからないものがなんなのかを説明されたらそんな簡単に次の質問は出てこない。
だってそれが私が一番最初に聞きたいことだったんだから。あんなのタミル家にいた時にもディラットン家にいた時もエダリオ家にいた時にも見たことが無かったんだもん。
ディラットン家なんて小さいながら王家だったのにだよ?まあそこにいたのは5.60年前のことだからもしかして最近開発されたのかもしれないけど……
うーんでもどうしよう?何か、何かないかな…?
私は足をぶらぶらと振り子のように振って考えた。でも考えるのって苦手なんだよね………
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