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幽霊に触れたからお持ち帰りするけど質問ある?
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『あ、あなた…神官さまでしょうに口が上手すぎですわ…!』
「いやぁこのくらい、男であれば普通でしょう?」
神官さまはいかにも当たり前と言わんばかりの身振り手振りでそう言いました。普通…普通なのでしょうか?わかりません。
でも、なんだかこの方といると楽しいです。だから、少し付き合ってみましょうか。
『ふふっいいですわ。あなたの手を取りましょう』
「うんうん。いい判断だ。俺はアルブレヒト。君の名前は?」
『わたくしは…。…………。わたくし、自分の名前がわかりませんわ!』
なんだかいい雰囲気で、さあこれから物語が始まる!って場面だったと思いますが、なぜか自分の名前がわかりません。
まあ記憶も数分前からしかないので名前もわからないのも当たり前かとも思うのですが…。うーん。
「名前がないのは不便だな…。そうだ。その溢れるような光をたたえた瞳から、マレーネなんてどうだろうか。古い言葉で星の海を意味する名前だ」
『まあ!ロマンチックですわ!素敵ね。いいわ、これからわたくしはマレーネと名乗りましょう。よろしくお願いしますねアルブレヒトさま』
階段を下りるようにゆったりと神官さま…いいえ、アルブレヒトさまの隣まで降りると、手を差し出します。きっと彼はわたくしの手を取ってくれるでしょう。
「ああ、よろしくマレーネ」
アルブレヒトさまは想像通りわたくしの手を取り、そのまま跪いて手の甲にキスをしてくださいました。
やわらかなそれがわたくしの手の甲に落され、ふう、と彼の鼻から抜けた息がわたくしの皮膚の上を熱く吹き抜けました。そして最後に唇が離れる時にちゅ、というリップ音がこの広い空間に響いたのです。
………手の甲にキス??リップ音???
『どどど、どうして幽霊のわたくしに触れるんですの?!!?』
「さあ、どうしてだろうね?」
またしても彼はにっこりと微笑むのですが、なんだかとっても胡散臭い笑みになっています。わ、わたくし…手を取る人を間違えたのでは…????
それに上から見下ろしていた時にはわかりませんでしたが、アルブレヒトさまはとっても大きくて…え、巨人ですの?
手もすごく大きくて、わたくしの手がまるでおもちゃみたいです。ぎゅっと握りしめられたりしたらボキボキっと折れちゃうんじゃないかしら。
……想像するだけで怖くなったから、アルブレヒトさまのことは怒らせないようにしましょう。
「さて、ずっとここにいるわけにもいかないからとりあえず移動しようか。といっても俺の部屋になるんだけど、いいよね?」
そういうとアルブレヒトさまはわたくしをサッと抱き上げ、スタスタと歩き始めました。歩幅が広いからなのかあっという間に風景が変わっていき、目的地であろう部屋の前まで来ました。
次の話は21時以降に投稿予定です
「いやぁこのくらい、男であれば普通でしょう?」
神官さまはいかにも当たり前と言わんばかりの身振り手振りでそう言いました。普通…普通なのでしょうか?わかりません。
でも、なんだかこの方といると楽しいです。だから、少し付き合ってみましょうか。
『ふふっいいですわ。あなたの手を取りましょう』
「うんうん。いい判断だ。俺はアルブレヒト。君の名前は?」
『わたくしは…。…………。わたくし、自分の名前がわかりませんわ!』
なんだかいい雰囲気で、さあこれから物語が始まる!って場面だったと思いますが、なぜか自分の名前がわかりません。
まあ記憶も数分前からしかないので名前もわからないのも当たり前かとも思うのですが…。うーん。
「名前がないのは不便だな…。そうだ。その溢れるような光をたたえた瞳から、マレーネなんてどうだろうか。古い言葉で星の海を意味する名前だ」
『まあ!ロマンチックですわ!素敵ね。いいわ、これからわたくしはマレーネと名乗りましょう。よろしくお願いしますねアルブレヒトさま』
階段を下りるようにゆったりと神官さま…いいえ、アルブレヒトさまの隣まで降りると、手を差し出します。きっと彼はわたくしの手を取ってくれるでしょう。
「ああ、よろしくマレーネ」
アルブレヒトさまは想像通りわたくしの手を取り、そのまま跪いて手の甲にキスをしてくださいました。
やわらかなそれがわたくしの手の甲に落され、ふう、と彼の鼻から抜けた息がわたくしの皮膚の上を熱く吹き抜けました。そして最後に唇が離れる時にちゅ、というリップ音がこの広い空間に響いたのです。
………手の甲にキス??リップ音???
『どどど、どうして幽霊のわたくしに触れるんですの?!!?』
「さあ、どうしてだろうね?」
またしても彼はにっこりと微笑むのですが、なんだかとっても胡散臭い笑みになっています。わ、わたくし…手を取る人を間違えたのでは…????
それに上から見下ろしていた時にはわかりませんでしたが、アルブレヒトさまはとっても大きくて…え、巨人ですの?
手もすごく大きくて、わたくしの手がまるでおもちゃみたいです。ぎゅっと握りしめられたりしたらボキボキっと折れちゃうんじゃないかしら。
……想像するだけで怖くなったから、アルブレヒトさまのことは怒らせないようにしましょう。
「さて、ずっとここにいるわけにもいかないからとりあえず移動しようか。といっても俺の部屋になるんだけど、いいよね?」
そういうとアルブレヒトさまはわたくしをサッと抱き上げ、スタスタと歩き始めました。歩幅が広いからなのかあっという間に風景が変わっていき、目的地であろう部屋の前まで来ました。
次の話は21時以降に投稿予定です
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