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番外編 バレンタインですのよ!③
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ジェラルドさまによって、パカッと音をさせてチョコレートの箱が開けられてしまいました。もちろん当然のごとく中からはザ…ッとバラの花弁だったチョコレートの破片が、ベッドの上に撒きちらされ……あれ?
「ふふっねえ、思い出して。俺は学園で何の教師をしているのか」
わたくし達のまわりを、チョコの破片が白く淡い光を伴い舞っています。その幻想的な光景に、わたくしはほぅ…と息をつくことしかできませんでしたの。ああ、そうです…。そうでしたわ…!
ジェラルドさまは…わたくしの旦那さまは、稀代の錬金術師でしたわ!魔法では成しえないことを成すことができる、魔法使いよりも魔法使いらしい技術者!
ジェラルドさまが、右手を広げるとそこに引き寄せられるようにチョコの破片が集まり、そこでどろりと溶けて混じり合いましたの。とろりとろりとジェラルドさまの手のひらから流れ落ちるチョコレート。その一つ一つが淡く光りながら丸い球になり、それが空中で数個合わさって形を変えていきます。
瞬きをする間にそれは出来上がっていき、最後の一つがパズルのピースのようにぴたりと隙間なくはまりましたの。まだほのかに輝くチョコレートは、まるで最初からその形だったとばかりに、ひび割れや歪みもなく完璧に仕上がったのですわ。
光が消えた後をじっと見ればジェラルドさまの左手には、それは愛らしい一口サイズのウサギの形をしたチョコレートの小山ができていました。ぴんっと立った二つの耳に、つぶらな瞳。それにふわっとした小さなしっぽ。ふくふくの太もももキュートです!
このかわいらしいウサギ達が、元は砕けてしまったバラのチョコレートだったなんて、誰が想像できるでしょうか?
「ジェラルドさま!すごいっすごいですわ!壊れた破片がこんなにかわいいウサギさんになるなんて!」
わたくしは興奮してジェラルドさまの膝に手を乗せると、大きな手の中のウサギさん達を見つめました。よく見ると一つ一つ形が違いますのよ!
毛づくろいをするもの、足で耳をかくもの、後ろ足で立ち上がっているもの、手足を隠すように座っているものと様々です。かわいいですわ~♡♡
「アデリーナちゃん、俺からのバレンタインプレゼントは用意してるけど、それより先にこっち食べちゃおっか。箱から出てるし、そもそもこのままじゃ俺の手で溶けちゃうからね」
ジェラルドさまはそう言うと、有無を言わさずウサギさんをつまみ、わたくしの口に押し当てたのでした。こうなるとわたくしには食べるという選択肢しか残されていません。
可愛らしいウサギさんを食べてしまうのは、とても残念でたまりませんわ。もっとウサギさんを愛でてから食べたいのですが、このままにしておいてもわたくしの唇で溶けるか、ジェラルドさまの手で溶けるかの違いしかありませんもの。
餌を与えられる雛のように口を開けると、ジェラルドさまの太い指がチョコレートを舌に乗せられましたの。口の中に放り込まれたそれは舌の上でとろりと溶け、ねっとりとした液体になり口の中を満たしてくれました。
甘くて、幸せ。チョコレートは幸せの味なのですわ…!ジェラルドさまにあーんされたことですし!きゃー!きゃー!
「アデリーナちゃんの食べてる顔好きだなあ…♡俺にも食べさせてよ」
「ふふっねえ、思い出して。俺は学園で何の教師をしているのか」
わたくし達のまわりを、チョコの破片が白く淡い光を伴い舞っています。その幻想的な光景に、わたくしはほぅ…と息をつくことしかできませんでしたの。ああ、そうです…。そうでしたわ…!
ジェラルドさまは…わたくしの旦那さまは、稀代の錬金術師でしたわ!魔法では成しえないことを成すことができる、魔法使いよりも魔法使いらしい技術者!
ジェラルドさまが、右手を広げるとそこに引き寄せられるようにチョコの破片が集まり、そこでどろりと溶けて混じり合いましたの。とろりとろりとジェラルドさまの手のひらから流れ落ちるチョコレート。その一つ一つが淡く光りながら丸い球になり、それが空中で数個合わさって形を変えていきます。
瞬きをする間にそれは出来上がっていき、最後の一つがパズルのピースのようにぴたりと隙間なくはまりましたの。まだほのかに輝くチョコレートは、まるで最初からその形だったとばかりに、ひび割れや歪みもなく完璧に仕上がったのですわ。
光が消えた後をじっと見ればジェラルドさまの左手には、それは愛らしい一口サイズのウサギの形をしたチョコレートの小山ができていました。ぴんっと立った二つの耳に、つぶらな瞳。それにふわっとした小さなしっぽ。ふくふくの太もももキュートです!
このかわいらしいウサギ達が、元は砕けてしまったバラのチョコレートだったなんて、誰が想像できるでしょうか?
「ジェラルドさま!すごいっすごいですわ!壊れた破片がこんなにかわいいウサギさんになるなんて!」
わたくしは興奮してジェラルドさまの膝に手を乗せると、大きな手の中のウサギさん達を見つめました。よく見ると一つ一つ形が違いますのよ!
毛づくろいをするもの、足で耳をかくもの、後ろ足で立ち上がっているもの、手足を隠すように座っているものと様々です。かわいいですわ~♡♡
「アデリーナちゃん、俺からのバレンタインプレゼントは用意してるけど、それより先にこっち食べちゃおっか。箱から出てるし、そもそもこのままじゃ俺の手で溶けちゃうからね」
ジェラルドさまはそう言うと、有無を言わさずウサギさんをつまみ、わたくしの口に押し当てたのでした。こうなるとわたくしには食べるという選択肢しか残されていません。
可愛らしいウサギさんを食べてしまうのは、とても残念でたまりませんわ。もっとウサギさんを愛でてから食べたいのですが、このままにしておいてもわたくしの唇で溶けるか、ジェラルドさまの手で溶けるかの違いしかありませんもの。
餌を与えられる雛のように口を開けると、ジェラルドさまの太い指がチョコレートを舌に乗せられましたの。口の中に放り込まれたそれは舌の上でとろりと溶け、ねっとりとした液体になり口の中を満たしてくれました。
甘くて、幸せ。チョコレートは幸せの味なのですわ…!ジェラルドさまにあーんされたことですし!きゃー!きゃー!
「アデリーナちゃんの食べてる顔好きだなあ…♡俺にも食べさせてよ」
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