デブ執事

saionji41

文字の大きさ
8 / 21

第8話 探偵登場?

しおりを挟む
「はい、では2学期の案内は以上になります。明日から授業再開しますので、お休み気分は今日まで。切り替えてくださいね~。」
朝鳥先生はそう言うと、手を振りながら教室を後にした。

「希美ちゃん久しぶり~、元気にしてた?」
荷物をまとめて帰る準備をしていると、後ろから綿あめのような声が降り注いできた。
「久しぶりね。琴音こそ大丈夫だった?」
「だいじょぶだよ~、何回か車にぶつかりそうになったけど、平気だったよ!」

この天然と顔にでかでかと描いてある彼女は、鰈埼琴音。
希美の親友であり、家族ぐるみで仲が良い。
希美にとっては親友というよりも、妹という関係性の方がしっくりくる。
とにかく人を信用しすぎてよく危ない目に会っている。

「希美ちゃんの執事さん新しい人に変わったんだって?どんな人なの?」
希美は少し考えた。しかし琴音には隠し事は意味をなさない。
「どんな人って、一言で言うなら『大きな』執事よ。」
「『大きな』執事?体が大きいってこと?」
「そうね、体だけじゃなくて態度も大きいし神経も図太いわね。」

琴音はそうなんだ~と言って窓を眺めている。
彼女はいつも窓を眺めている。
授業中も良く窓を眺めてて注意を受けている。
興味がなくなるといつもそうだ、と希美は特に気にもせず帰り支度を再開した。
すると窓を眺めていた琴音に肩をちょんちょんとつつかれた。

振り返ると、琴音は窓の方を指さして希美に尋ねる。
「希美ちゃん、『大きな』執事ってあの人みたいな感じ?」
琴音の指さす方を見ると、明らかに砂糖元家の『大きな』執事が校庭の木の下で肩車をしている。
希美は固まった。なぜ『大きな』執事が希美の通う学校の校庭に、しかもなぜ肩車をしているのか。
『大きな』執事が肩に乗せているのは、遠くて分からないが普通のおじさんのようだ。剣や盾には変身しそうにもない。

琴音は頭の上に?マークを出しながら、希美の様子を窺う。
「ごめん、ちょっと急用ができちゃったから、琴音は先に帰ってて。」
希美はそう言うと、荷物を素早くまとめて席を立った。

希美はすぐに校庭に向かい、呑気に肩車をしている『大きな』執事のもとへ向かう。
するとそれを察知したのか、『大きな』肩車をしていることを忘れて一目散に校門の方へ走り出す。
すると肩車をされていた男はうわっと声を上げその場に倒れる。
希美はすぐに『大きな』執事を追いかけたいが、自分の執事のせいで落とされた男を放ってはおけず、大丈夫ですか?と倒れている男に声をかける。

その間に『大きな』執事は校門を後にしてあの大きな体でどこに隠れたのか、姿が見当たらない。
希美は追うのをあきらめて、転がっている男に経緯を確認しようと声をかける。
「あの失礼ですが、あなたはあの『大きな』執事と何をしてたんですか?」

転がっている男はそう声をかけられるとゆっくりと立ち上がり、汚れた上着の内ポケットからしわくちゃの名刺を取り出し、希美に提示する。
「あんたが希美ちゃんかい?僕は脂元君の知り合いで、彼に仕事を手伝ってもらってたんだけど、どっか行っちゃったなぁ。これは困った。」

そう言う男をよそ目に、希美は手渡された名刺を見つめていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...