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5.帝国と言う国

九十八話 亡霊と湖の調査1

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98話 初めての調査依頼と仲間?

じっと見つめられるが特になにもないその視線、その間に2人は帰っていった
気にはなるがそれだけのため外に出ようとすると、彼女が近付いてきた
振り向くと同時に奥の扉が閉まる音が響く、2人が帰るのを待っていたようだ
「ねぇちょっといい?」
声に引かれそちらへとしっかり目を向けると、まず目に入り込んだのは茶色
服も茶色だしどこも茶色と言える中、目を引くのは長い焦げ茶色髪で頭の上と横
その中間で両側を結んだ髪型、ダブルテールだったかツインテールと言う髪型
いやこれはエビの一種だっけ?どっちだったかわからないがどっちかの髪型と
それに映えるような赤色の瞳に褐色の肌、整った幼くも見える美しい顔立ち
自分に比べて身長は10cmちょっとは低いか、流石に細かい所までは判らない
全体的に細い体だが鍛えているようにも見える動き、戦闘は出来るだろう
「ちょっとー?ねぇ聞いてるー?」
いけない少し考えに没頭しすぎていた、これは失礼という奴だな
「すまない、少し考え込んでいた」
「そう?なんか私のカラダをじっと視てただけの気がするけどねぇー」
ニヤニヤして言ってくるがさっきは君も見ていたじゃないか、と言いたく
「さっきは君も私の事を見ていたじゃないか」
なったので言った、すると彼女は少しきょとんと呆けた顔をする
「確かに見てたけど観察してただけよ、そんなじっとり見つめてないわ
あなたの目線というか視られてると何て言うか恥ずかしいのよ」
そして手を胸部や下半身へと向かわせ押さえるように隠す動作をする
「うーむそうか?自分では判らん」
「あー別にイヤらしい目って訳じゃないわ、自分の全てを暴こうって言うか
全身くまなく裸を視られてる感覚って言うか、なんかそんな感じなんだけど
その目からイヤらしさも何も感じとれないから変な感覚なのよねぇ」
途中から押さえる手を離し腕を組んで首をかしげこっちを見て眼を合わる
「透視とか解析とかなんかしてる?」
「いやしてないし、そんな事が出来るスキルも道具も持ってない」
「あらそう···ってそんな事の為に貴方に話しかけたんじゃないのよ
ごめんなさいね本題に移るわ、さっきの依頼私も同行していいかしら?」
「ふむそれはまたどうしてだ?」
っといつの間にか敬語が抜けてしまっていた、うーむ気が抜けるせいか
なんだか彼女相手だといつの間にか素が出でしまう、まぁ別にいいか
「興味があるからかしら、どちらかと言えば幽霊にだけどそれに
最初は私が受けようとしたんだけどお爺さん達に危ないからって
止められちゃったのよ、一応冒険者登録はしてあるんだけどね」
「ふむ幽霊への興味だけで受けるのか?」
「興味も確かに有るんだけど···一番はこの村への恩返しかしらね
3週間位前にね、私この村の人達に助けられたの、いつの間にか村の中心部
あの開けた場所ね、あそこに倒れていたらしくてね、右も左も判らない私を
家に泊めてご飯まで貰っちゃって、いく宛がないならこの村に居て良いって
だから少しでも恩を返したいんだけど、危ないことはしなくていいって
ってなんで会ったばかりの貴方に話してるんだろ、ごめんごめん」
「いやそれについてはまぁいい、それと気になったんだが、恩返しそれはいいが
私が一緒に着いったとしても心配されるし怒られるんじゃないか?」
「んまぁそうだろうけど、何も返せないとそれこそ私が前に進めないしね」
「ふむ?まぁいい、解った良いだろう協力者がいれば心強いと言うものだ」
「ありがとね、じゃぁ準備してくるからちょっと待ってて」
「解った、じゃぁ村の掲示板の所で待ってるよ」
聞いたのか聞いてないのか、話終えると直ぐに走って受付奥の扉から出ていく
と同時に受付の人が戻ってきた、その勢いに驚いたようで小さな叫びが聞こえた
別に要もない···依頼はまぁ別にいいか、外に出て掲示板へと向かう
湖と森の調査どっちも取っていく、繋がってる可能性が無いわけでもないし
森と湖は近いし関係無かったとしてもついでにやればいいだろう
また掲示板へ軽く眼を通す、別に変化は無いようだし近くの椅子に座って待つ
農園で働く人達を眺めなから待っていると、来た方から足音が近付いて来る
「お待たせ、それじゃ行きましょ案内は期待しないでね」
来た彼女は武器の所持以外特に変わって無いように見える、エプロンを脱いだ位
それ位しか違いが判らない、だから思っていたよりも来るのが早かったのか
装備は初心者向けの何処でも売っている一式装備だ、違いは短剣が2つ多い位か
「気にするな、それと湖や森の方に行ったことは無いのか?」
「無いわ、って言うかそもそも魔物も出るから村人は誰も近付かないし
私も行くなって言われてたから···多分誰に聞いても情報は無いと思うわ」
聞き込みは無意味か、元々冒険者しか行かない場所なのに冒険者も行かないのか
一先ず近い森を経由して湖に行くことにする、農園の直ぐ近くにある疎らな木々
そこを進んでいけば森に出ると言う、着くまで余裕があるため少し話をする
先程の話で疑問に思った事を聞いてみる、されど警戒はしながら森を目指す
「理由は簡単だ儲からないから、金になる敵も居らず危険な敵も居着かない
攻撃的な魔物が居ないから危険性も低く討伐依頼も出ないし
わざわざ魔物の領域に行って刺激し危険を呼び込む訳にもいかない」
要約するとこうなる、だから冒険者は誰も行かないし来ないのだと言う
森まであと少しと言うところで丁度話を終え、互いに警戒を強めておく
草は踏まれ地面には小型の魔物の足跡が見えるようになってきた
互いに眼を合わせ静かに行動する、足跡や毛や傷痕など見える範囲を観察する
が大型の痕跡と言える物は見あたらない、大型は村に来ないようだが
森の奥では今まで何度か確認されている、だから村人が誰も森に行かないように
掲示板に警告が貼り出されていた訳だ、今回はまだ奥まで行く気はない
せめて亡霊の依頼が済んでからだ、今回は森の中程まで移動してから右へ向かう
山とは言えないかもしれないが、小さな盛り上がりである小山を登れば奥に行く
登らず沿うように右へ向かえば湖へ出る、だからまずそこまで行かないとな
ついでに言えば彼女は右手に短剣を持って常に左手は腰のポーチに近付けている
私は武器を持っていない···訳じゃなく普通の剣、昔奪った奴だ
マガセビは木々に引っ掛かって振り回せそうにないから止めておいた
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