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魔導学院へ
魔力について調べてみた
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「それではアカネさん、さっそく魔導の練習を始めましょう!」
「はい、シグレ先生! よろしくお願いします!」
魔導学院への入学を目指すことにした私は、魔導に関する知識や技術をシグレさんから手取り足取り教えてもらうことにした。とはいえシグレさん自身も「まだまだ勉強中の身ですが」と言っていたから、どちらかというと一緒に勉強すると言ったほうが近いのかもしれないけど。
「アカネさん、まずは基礎から始めましょう。アカネさんは魔力の属性を調べたことってありますか?」
「属性? 魔力値なら測ったことあるけど……?」
「荷馬車の積荷に機材があるので測ってみましょうか。えっと確かこの木箱の中に……ありました!」
シグレさんが木箱から取り出したのは、直径30センチぐらいのガラス玉(水晶玉?)だった。球体の中に魔力が閉じ込められているからなのか、ガラス玉自体が淡く発光しているように見える。どうやらこの道具を使うと魔力の属性を調べることができるみたい。
「アカネさん、まずは私が手本を見せますね。まずはこうして魔力を高めて……」
そう言うとシグレさんの身体が透明度の高い青っぽい綺麗な魔力に包まれて、その状態でガラス玉に手を当てると、玉の中の光が弱まってガラス玉の中に水滴が付着した。
「このように、魔力を高めた状態で装置に触れると魔力の属性を調べることができるんです。私の場合は見ての通り水属性の魔力ですね」
「ふぅん。水属性の魔力だと水属性の魔道しか使えないの?」
「……すいません今のは言葉の綾です。私は確かに生まれつき水属性の魔力が得意ですが、他の魔力を全く持っていないわけでは無いんです。基本的にどんな人でも全属性の魔力を体内に宿していますが、その割合は人によってまちまちで……この機械も、その人の向き不向きを調べるための道具ぐらいのものです。ということで、アカネさんも魔力を調べてみましょう!」
「……ところでその魔力を高めるってのはどうやるの?」
「え?」
「……え?」
シグレさんは「どうってその、こう……魔力を、引っ張り出す感じで?」みたいな感じで説明しようとしてくれているけど、私にはいまいちピンとこないというか。
この世界の人たちにとって魔力はあって当たり前の感覚で、もしかしたら「魔力の出し方を教えて」っていうのは「右手を握る方法を教えて」と聞かれるようなものなのかもしれない。説明しろと言われても「右手を、こう、握って!」としか教えられないような感覚というか。
「アカネさん、こんな感じです! こうして……こう!」
「うん。シグレさんから魔力が出たり消えたりしてるのはわかるんだけど……。おへその下あたりから発生した魔力が全身に流れて皮膚から出ていく……みたいな感じ? そこら辺に力を入れればいいの?」
シグレさんが魔力を出す様子を確認していると、どうやら魔力はおへその少ししたあたり(丹田とかがその辺りっぽい?)から発生しているみたい。そこまでは分かったので私も真似して腹筋に力を入れても、全く魔力が湧いてこない……。
「シグレ先生、無理なんだけど! どうしたらいいの?」
「……もしかしたらアカネさんの記憶喪失と関係があるのかもしれません。確立的な方法はないと思うので、少しずつリハビリしたほうがいいのかも……」
「まあ、そうなんだろうけどね」
魔導師への道のりは、長く険しいものになりそうだね。異世界転移も楽ではないよ、まったく。
「ちなみにアカネさん、魔力値を測ったことあるって言ってたんですけど、その時は何桁まで測れるやつを使ったんですか? 私は幼いの頃に7桁のを試したことはあるんですが、結局カンストしてて測定不能になりました。男の人とか生まれつき魔力の低い人とかなら調べることができるらしいんですけど、私たちぐらいになると10桁以上は必要なんでしょうね……」
「そ、そうなんだ。へぇー、そうなんだ~」
ちょっと私の想像を超える事態なんだけど。え、なに? この世界では「私の魔力値は〇〇です」みたいな感じじゃなくて「〇〇桁まで調べたことある」ってのがステータスになってるの⁉︎ しかもカンストしてるのが前提なの⁉︎
「えっと、私の魔力値は……こんな感じ!」
魔導謄本から取り出したステータスカードをシグレさんに手渡すと、シグレさんは受け取って不思議な顔をしているみたい。
「えっと、アカネさん。……これ、何歳の時に測ったやつですか?」
「つい最近? ちょうど一週間前ぐらいかな」
「一週間前? 生後一週間ではなくて?」
「うん。なんかごめん。こんな私が魔導を勉強しようなんておこがましいよね……」
「そ、そんなことないですよ! そうだ、アカネさんは貴族なんですから、土地の魔力で魔導を使う練習をしましょう! そうです、せっかくなので土地の魔力の属性を調べてみませんか?」
「うん。そうする。」
いかん、余計なことをしたせいでシグレさんに気を使わせてしまった。でもどうやら私の魔力では魔導を使うこともできないって分かっただけでも収穫があったことにしようかな。
今度は私じゃなくて、お馬さんたちのいる土地の魔力を調べてみよう。とりあえず今はお馬さんの方に垂れ流しにしてる魔力の流れをほんの少しだけ私の中に取り込んで、丹田を通して皮膚から放出……。
「ちょちょちょ、ちょっと待ってアカネさん、止めて! 魔力が暴発してるから止めてー!」
「え、何?」
シグレさんに言われて顔を上げてみると、馬車を中心に半径数メートルの範囲に青々とした草が生い茂っていた。というか今の時点でもぐんぐんと早送りの映像を流しているかのように草が成長している。
「うわぁ……」
「うわぁ……じゃ、ないですよアカネさん! 一体どれだけの魔力を使ったらこんな現象を起こせるんですか⁉︎」
「えっと……ひとつまみぐらい?」
少し暴走して辺りを草原にしてしまったけど、少し経った今は落ち着いたのか草の成長も止まったし、無事に私の体の周りには新緑色の魔力がまとわりついている。
「ともかく、魔力を調べてみるね。えっと、この状態でこれに手を置けばいいんだよね?」
「どうにも嫌な予感がしますが……そうです。試してみてください」
「はい、シグレ先生! よろしくお願いします!」
魔導学院への入学を目指すことにした私は、魔導に関する知識や技術をシグレさんから手取り足取り教えてもらうことにした。とはいえシグレさん自身も「まだまだ勉強中の身ですが」と言っていたから、どちらかというと一緒に勉強すると言ったほうが近いのかもしれないけど。
「アカネさん、まずは基礎から始めましょう。アカネさんは魔力の属性を調べたことってありますか?」
「属性? 魔力値なら測ったことあるけど……?」
「荷馬車の積荷に機材があるので測ってみましょうか。えっと確かこの木箱の中に……ありました!」
シグレさんが木箱から取り出したのは、直径30センチぐらいのガラス玉(水晶玉?)だった。球体の中に魔力が閉じ込められているからなのか、ガラス玉自体が淡く発光しているように見える。どうやらこの道具を使うと魔力の属性を調べることができるみたい。
「アカネさん、まずは私が手本を見せますね。まずはこうして魔力を高めて……」
そう言うとシグレさんの身体が透明度の高い青っぽい綺麗な魔力に包まれて、その状態でガラス玉に手を当てると、玉の中の光が弱まってガラス玉の中に水滴が付着した。
「このように、魔力を高めた状態で装置に触れると魔力の属性を調べることができるんです。私の場合は見ての通り水属性の魔力ですね」
「ふぅん。水属性の魔力だと水属性の魔道しか使えないの?」
「……すいません今のは言葉の綾です。私は確かに生まれつき水属性の魔力が得意ですが、他の魔力を全く持っていないわけでは無いんです。基本的にどんな人でも全属性の魔力を体内に宿していますが、その割合は人によってまちまちで……この機械も、その人の向き不向きを調べるための道具ぐらいのものです。ということで、アカネさんも魔力を調べてみましょう!」
「……ところでその魔力を高めるってのはどうやるの?」
「え?」
「……え?」
シグレさんは「どうってその、こう……魔力を、引っ張り出す感じで?」みたいな感じで説明しようとしてくれているけど、私にはいまいちピンとこないというか。
この世界の人たちにとって魔力はあって当たり前の感覚で、もしかしたら「魔力の出し方を教えて」っていうのは「右手を握る方法を教えて」と聞かれるようなものなのかもしれない。説明しろと言われても「右手を、こう、握って!」としか教えられないような感覚というか。
「アカネさん、こんな感じです! こうして……こう!」
「うん。シグレさんから魔力が出たり消えたりしてるのはわかるんだけど……。おへその下あたりから発生した魔力が全身に流れて皮膚から出ていく……みたいな感じ? そこら辺に力を入れればいいの?」
シグレさんが魔力を出す様子を確認していると、どうやら魔力はおへその少ししたあたり(丹田とかがその辺りっぽい?)から発生しているみたい。そこまでは分かったので私も真似して腹筋に力を入れても、全く魔力が湧いてこない……。
「シグレ先生、無理なんだけど! どうしたらいいの?」
「……もしかしたらアカネさんの記憶喪失と関係があるのかもしれません。確立的な方法はないと思うので、少しずつリハビリしたほうがいいのかも……」
「まあ、そうなんだろうけどね」
魔導師への道のりは、長く険しいものになりそうだね。異世界転移も楽ではないよ、まったく。
「ちなみにアカネさん、魔力値を測ったことあるって言ってたんですけど、その時は何桁まで測れるやつを使ったんですか? 私は幼いの頃に7桁のを試したことはあるんですが、結局カンストしてて測定不能になりました。男の人とか生まれつき魔力の低い人とかなら調べることができるらしいんですけど、私たちぐらいになると10桁以上は必要なんでしょうね……」
「そ、そうなんだ。へぇー、そうなんだ~」
ちょっと私の想像を超える事態なんだけど。え、なに? この世界では「私の魔力値は〇〇です」みたいな感じじゃなくて「〇〇桁まで調べたことある」ってのがステータスになってるの⁉︎ しかもカンストしてるのが前提なの⁉︎
「えっと、私の魔力値は……こんな感じ!」
魔導謄本から取り出したステータスカードをシグレさんに手渡すと、シグレさんは受け取って不思議な顔をしているみたい。
「えっと、アカネさん。……これ、何歳の時に測ったやつですか?」
「つい最近? ちょうど一週間前ぐらいかな」
「一週間前? 生後一週間ではなくて?」
「うん。なんかごめん。こんな私が魔導を勉強しようなんておこがましいよね……」
「そ、そんなことないですよ! そうだ、アカネさんは貴族なんですから、土地の魔力で魔導を使う練習をしましょう! そうです、せっかくなので土地の魔力の属性を調べてみませんか?」
「うん。そうする。」
いかん、余計なことをしたせいでシグレさんに気を使わせてしまった。でもどうやら私の魔力では魔導を使うこともできないって分かっただけでも収穫があったことにしようかな。
今度は私じゃなくて、お馬さんたちのいる土地の魔力を調べてみよう。とりあえず今はお馬さんの方に垂れ流しにしてる魔力の流れをほんの少しだけ私の中に取り込んで、丹田を通して皮膚から放出……。
「ちょちょちょ、ちょっと待ってアカネさん、止めて! 魔力が暴発してるから止めてー!」
「え、何?」
シグレさんに言われて顔を上げてみると、馬車を中心に半径数メートルの範囲に青々とした草が生い茂っていた。というか今の時点でもぐんぐんと早送りの映像を流しているかのように草が成長している。
「うわぁ……」
「うわぁ……じゃ、ないですよアカネさん! 一体どれだけの魔力を使ったらこんな現象を起こせるんですか⁉︎」
「えっと……ひとつまみぐらい?」
少し暴走して辺りを草原にしてしまったけど、少し経った今は落ち着いたのか草の成長も止まったし、無事に私の体の周りには新緑色の魔力がまとわりついている。
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