3 / 8
EPISODE1
2.図書室の主
しおりを挟む
数日経ったある日。
「…暇だ…。」
放課後。部活に入る気は無い俺。
あれからあやは、びっくりする程に話しかけてこなくなった。
─良い事なんだが…。
…というわけで、今は図書室に居る。
暇なんだよ。別に本が好きなわけじゃない。
それ程に俺は暇を持て余していた。
そういえば中学の時は結局あや以外につるんでた奴なんて居なかったな…。
本も読まずに窓辺でボーーーっとしてみる。
案外つまらなくもないんだぜ?
…つまらなく…ないんだぜ…?
変だな…視界が…ボヤけてきたぜ………。
─トントンッ
ふいに肩をたたかれて、思わず振り返った。
「………。」
なんとも控えめに肩をたたいたその人物は、ものすごく可愛い美少女だった。
な、何か喋らねば…。
「あ……。なんかすいません。読書の邪魔、しちゃいましたかね…。」
小柄で華奢な上に色白で綺麗な肌。髪はボブくらいの長さで…か、可愛い。綺麗、とか美しい、っていうよりかは、可愛いって感じの子。
長ズボンにネクタイを締めているが…この学校は制服をスカートかズボン、リボンかネクタイ、等を選べる。
お兄さんでもいるのだろうか…?
じゃなければ、こんなに可愛い子がスカートを履かないなんてもったいなすぎる…。
「………。」
無言でハンカチを差し出す少女の目は、不思議という気持ちや驚きの感情が見て取れる。
「?」
俺の目元を指差す少女。
「え、何かついてます?」
不思議に思い、目元を手の甲で拭ってみた。
すると手の甲には、窓から射す夕日できらきら光る液体が………。
「!!!」
ごしごしごしっっっっ!!!
美少女の前で泣き様を晒すなんて……!!
「う、うあぁ……っっ!ほっといてくださいいいぃぃ……。」
少し微笑んだ様にみえた少女は、コクリと頷き、左手でしっかりと胸に抱えていた本をカウンターへと持っていく。
貸し出しの手続きを終え、また控えめにペコリ、と礼をして去っていった。
……よし。明日から図書室に通おう。
「…暇だ…。」
放課後。部活に入る気は無い俺。
あれからあやは、びっくりする程に話しかけてこなくなった。
─良い事なんだが…。
…というわけで、今は図書室に居る。
暇なんだよ。別に本が好きなわけじゃない。
それ程に俺は暇を持て余していた。
そういえば中学の時は結局あや以外につるんでた奴なんて居なかったな…。
本も読まずに窓辺でボーーーっとしてみる。
案外つまらなくもないんだぜ?
…つまらなく…ないんだぜ…?
変だな…視界が…ボヤけてきたぜ………。
─トントンッ
ふいに肩をたたかれて、思わず振り返った。
「………。」
なんとも控えめに肩をたたいたその人物は、ものすごく可愛い美少女だった。
な、何か喋らねば…。
「あ……。なんかすいません。読書の邪魔、しちゃいましたかね…。」
小柄で華奢な上に色白で綺麗な肌。髪はボブくらいの長さで…か、可愛い。綺麗、とか美しい、っていうよりかは、可愛いって感じの子。
長ズボンにネクタイを締めているが…この学校は制服をスカートかズボン、リボンかネクタイ、等を選べる。
お兄さんでもいるのだろうか…?
じゃなければ、こんなに可愛い子がスカートを履かないなんてもったいなすぎる…。
「………。」
無言でハンカチを差し出す少女の目は、不思議という気持ちや驚きの感情が見て取れる。
「?」
俺の目元を指差す少女。
「え、何かついてます?」
不思議に思い、目元を手の甲で拭ってみた。
すると手の甲には、窓から射す夕日できらきら光る液体が………。
「!!!」
ごしごしごしっっっっ!!!
美少女の前で泣き様を晒すなんて……!!
「う、うあぁ……っっ!ほっといてくださいいいぃぃ……。」
少し微笑んだ様にみえた少女は、コクリと頷き、左手でしっかりと胸に抱えていた本をカウンターへと持っていく。
貸し出しの手続きを終え、また控えめにペコリ、と礼をして去っていった。
……よし。明日から図書室に通おう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる