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EPISODE1
3.発足
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次の日の放課後。
さて、と。
教室を出よう、と席を立つと、前の席のあやが話しかけてきた。
なんでこんな時に限って。
「ずいぶん上機嫌じゃない。」
「そう見えるか?」
「見えるわ。眉がいつもより2mm程上がっている事や、それに伴って瞼が上がっている事から、何かプラスの出来事があった。もしくはあると推測される。
それと、さっきから目が教室のドアに向き気味なのと、足が盛んに動いている事からプラスの出来事はこの先、未来にある事が予想できる。いつもの様子とは違う。よって、上機嫌なのだろうと考えたのだけれど?」
「─その目は、相変わらず、か。」
あやが中学時代、問題児とされた理由は謎が好きすぎる事と、実は他にもあった。
あやはたまに、両目が白目まで真っ黒になる。
いつもは右の瞳が赤、左の瞳は灰色のオッドアイなのだが─それが珍しいのもある─真っ黒になった時、何か普通の人が見ている物と別の物が見えているらしい。
その時、ズバズバと相手の感情を相手の動作や様々な事柄から読み取り口に出す事があり、中学時代の教師の感情を暴露した事から
中学校の教師はおろか、生徒までもが避けるようになってしまったのだ。
医学的にも解明されていない状態の様で、両目が漆黒に染まる奇妙さや、心の内を読み取られる恐怖で人は大体寄り付かない。
─まぁ、こいつは全然気にしていない様だったが。
「─まぁね。で?何があるのかな??」
こんなに怖い笑顔を俺は見た事がなかったかもしれない。
「いや…別に?」
「じゃあちょっと付き合いなさい。」
俺が上機嫌だという事とその理由を知った上で、これだ…。くっそ~~~………っっ。
「で、どこ行くんだよ。」
「まぁそんなに怒らないで。」
「…お前、部活は?」
「全ー部っ、仮入部したわ。
なんっっなのよここ!まともな部活なんてありゃしないっっ!ミス研なんてただのミスオタの集まり。探偵愛好会はまだマシかと思って行ったらこっちも結局ミステリーオタク。謎を自ら解こうという意思すら感じ取れない!!
じゃあ、どうするか?」
「………どうするんだ?」
「決まってるじゃない!作ればイイのよ!!」
「そうか。頑張れよ。」
「…え?何他人事みたいに言ってんのよ。」
俺の頬をよくない汗が流れる。
「作るわよ。た・く・も!!」
「おっ…おい……。」
「そうと決まったら、まずは部室探しね!」
何も決まってねぇよぉ~。
って、なんつー力の強さだ……!!
俺は、半ば引きずられる様に歩いている。
「ここなんて使いやすそうじゃない?」
「コンピューター…部…?」
─ガラガラッッッ
「たのもーーう!!早速で悪いんだけど、ここ、使わせてもらうわよっっ!!」
中に居たのは、1人のヘッドフォンをつけた少女
「あああ!!!すみませんすみません!!!おい、あやっっお前も謝れ!!!」
「なんでよ?」
「なんでってお前なぁ…」
「別にいい。」
「へっ?」
「別に良いと言っているんだ。
お前ら…。アホだな…。」
フゥ…とため息をひとつ。
「えと…あの、他に部員は…?」
「俺1人だ。」
「えっと…ここがすごい事になりそうなんですけど…?」
「それはさっきも言っただろう。別に良いって。」
「で、あなたは…?」
「2年B組。藤林 結月だ。」
「せ、先輩!?す、すみません!!」
いやそりゃそうだわこんな大人っぽい人先輩に決まってる!!
「その、先輩ってやめろ。俺は先輩と呼ばれるのは好きじゃないんでな。気軽に、ゆづきと呼んでくれ。」
「そう。じゃあゆづき。ここ、あたしが作る部活のモノになったからよろしく!」
「そうか。」
「おまっ、敬語……!!」
先が思いやられる………。
「えっと、ゆづき、さん?あの…本当に良いんですか?」
「大丈夫だと言っているだろう。」
……………。。。
「今、俺の事変わったヤツだと思ってただろ。」
「えっ!!なんで!!?」
──っっっ!!
その時のゆづきさんの両目は…真っ黒に染まっていた。
俺は、この目に見覚えがある。
そう、あや…。
「驚いた。お前達この目を見ても逃げ出さないんだな。」
気づいた時には、ゆづきさんの目は元に戻っていた。
「ゆづき、あなたってもしかして…。」
「…ん?─そ、その目は…。」
「あたしは、左目だけ少し普通とは違う物が見える。ゆづきは?」
「俺は─左耳だけ、違う声や音が聞こえるんだ…。」
なんなんだ…この超能力合戦みたいなものは…。
しかも何かもう普通に楽しそうに盛り上がってやがる。
俺は、床に座って膝に顔を埋めた。
─おもしろすぎる…。
「ゆづきさん、今の俺の気持ちがわかりますか?」
「───すまない。たまにしか心の声は聞こえないんだ。だが、感情くらいはわかるぞ。」
「うそっ。あたしには顔が見えないからわかんないのに…!」
「あんたの声のトーンがさっきより高い。少し早く、乱れている。息づかいも荒い。
…驚きと喜びや好奇心…随分楽しそうだな。」
「ゆづき…すっっっごく耳がいいのね!」
「そうだな─俺は…耳はかなり良い方だと思うぞ。」
ゆづきさん、か。。。
自分の事を俺って呼ぶし
ネクタイ締めてて長ズボンにブレザーは前開けっていう少しダラしない服装だけど
よく見るとかなり綺麗に整った顔立ちをしている。
ただ…銀髪に瞳も銀色…。校則、引っかからないんだろうか…。
まぁ、そういう俺は金髪だけどな!そのせいで不良だと思われるよ。瞳はエメラルドグリーンっ!
まぁ昔あやが瞳の色で悩んでた時にカラコンしたのがきっかけだけど、な。
髪の色は…だって金髪ってカッコイイじゃん?って事にしといてくれ。
「部活動名、決めたわよ!
Other Supernatural power Detective(優れた能力を持った探偵たち)」
「なっっっっが!!!」
「だ・か・ら!略して、SD!なんてどう?
超能力探偵、SD!」
ここで、「SDカード?」とか「反対にしたらゲームみたいだな。」等と言ったら、俺は明日の朝日を拝めないだろうな。
「リーダーはもちろん、このあたしね!
そして、たくにはキャップの称号を与えるわ!」
「ん?ちょっと待て、あや。リーダーとキャップって何が違うんだ???」
「リーダーは指導者。キャップは責任者。どちらもグループの長って意味だけどそこが違うのよ!」
─つまり全ての責任を俺に押し付けられたってわけか…。
「ゆづき。ここにあるパソコンってこの2台だけ?」
「あぁ。─すまんな。」
「いいのよっ!2台あれば十分だわ!」
何を始めるんだか…。
「たく!これ書いといて!!」
部活動申請書………。
1.部活動名
2.部員名
3.顧問名
4.活動内容
5.責任者(部長)
下の方には規則が書いてある。
ふむ─って、これは………。
「おーい…あや?」
「何よ今忙しいの!」
「えーっと…部員最低5人は必要らしいぞ…?」
「………。」
─ゴクリ。
「忘れてたわ!」
ズコッッッ
「じゃあ、集めるしかないな。誰かいたかな…。」
「その通りよ、ゆづき流石ね!」
……………………………先が思いやられる。
さて、と。
教室を出よう、と席を立つと、前の席のあやが話しかけてきた。
なんでこんな時に限って。
「ずいぶん上機嫌じゃない。」
「そう見えるか?」
「見えるわ。眉がいつもより2mm程上がっている事や、それに伴って瞼が上がっている事から、何かプラスの出来事があった。もしくはあると推測される。
それと、さっきから目が教室のドアに向き気味なのと、足が盛んに動いている事からプラスの出来事はこの先、未来にある事が予想できる。いつもの様子とは違う。よって、上機嫌なのだろうと考えたのだけれど?」
「─その目は、相変わらず、か。」
あやが中学時代、問題児とされた理由は謎が好きすぎる事と、実は他にもあった。
あやはたまに、両目が白目まで真っ黒になる。
いつもは右の瞳が赤、左の瞳は灰色のオッドアイなのだが─それが珍しいのもある─真っ黒になった時、何か普通の人が見ている物と別の物が見えているらしい。
その時、ズバズバと相手の感情を相手の動作や様々な事柄から読み取り口に出す事があり、中学時代の教師の感情を暴露した事から
中学校の教師はおろか、生徒までもが避けるようになってしまったのだ。
医学的にも解明されていない状態の様で、両目が漆黒に染まる奇妙さや、心の内を読み取られる恐怖で人は大体寄り付かない。
─まぁ、こいつは全然気にしていない様だったが。
「─まぁね。で?何があるのかな??」
こんなに怖い笑顔を俺は見た事がなかったかもしれない。
「いや…別に?」
「じゃあちょっと付き合いなさい。」
俺が上機嫌だという事とその理由を知った上で、これだ…。くっそ~~~………っっ。
「で、どこ行くんだよ。」
「まぁそんなに怒らないで。」
「…お前、部活は?」
「全ー部っ、仮入部したわ。
なんっっなのよここ!まともな部活なんてありゃしないっっ!ミス研なんてただのミスオタの集まり。探偵愛好会はまだマシかと思って行ったらこっちも結局ミステリーオタク。謎を自ら解こうという意思すら感じ取れない!!
じゃあ、どうするか?」
「………どうするんだ?」
「決まってるじゃない!作ればイイのよ!!」
「そうか。頑張れよ。」
「…え?何他人事みたいに言ってんのよ。」
俺の頬をよくない汗が流れる。
「作るわよ。た・く・も!!」
「おっ…おい……。」
「そうと決まったら、まずは部室探しね!」
何も決まってねぇよぉ~。
って、なんつー力の強さだ……!!
俺は、半ば引きずられる様に歩いている。
「ここなんて使いやすそうじゃない?」
「コンピューター…部…?」
─ガラガラッッッ
「たのもーーう!!早速で悪いんだけど、ここ、使わせてもらうわよっっ!!」
中に居たのは、1人のヘッドフォンをつけた少女
「あああ!!!すみませんすみません!!!おい、あやっっお前も謝れ!!!」
「なんでよ?」
「なんでってお前なぁ…」
「別にいい。」
「へっ?」
「別に良いと言っているんだ。
お前ら…。アホだな…。」
フゥ…とため息をひとつ。
「えと…あの、他に部員は…?」
「俺1人だ。」
「えっと…ここがすごい事になりそうなんですけど…?」
「それはさっきも言っただろう。別に良いって。」
「で、あなたは…?」
「2年B組。藤林 結月だ。」
「せ、先輩!?す、すみません!!」
いやそりゃそうだわこんな大人っぽい人先輩に決まってる!!
「その、先輩ってやめろ。俺は先輩と呼ばれるのは好きじゃないんでな。気軽に、ゆづきと呼んでくれ。」
「そう。じゃあゆづき。ここ、あたしが作る部活のモノになったからよろしく!」
「そうか。」
「おまっ、敬語……!!」
先が思いやられる………。
「えっと、ゆづき、さん?あの…本当に良いんですか?」
「大丈夫だと言っているだろう。」
……………。。。
「今、俺の事変わったヤツだと思ってただろ。」
「えっ!!なんで!!?」
──っっっ!!
その時のゆづきさんの両目は…真っ黒に染まっていた。
俺は、この目に見覚えがある。
そう、あや…。
「驚いた。お前達この目を見ても逃げ出さないんだな。」
気づいた時には、ゆづきさんの目は元に戻っていた。
「ゆづき、あなたってもしかして…。」
「…ん?─そ、その目は…。」
「あたしは、左目だけ少し普通とは違う物が見える。ゆづきは?」
「俺は─左耳だけ、違う声や音が聞こえるんだ…。」
なんなんだ…この超能力合戦みたいなものは…。
しかも何かもう普通に楽しそうに盛り上がってやがる。
俺は、床に座って膝に顔を埋めた。
─おもしろすぎる…。
「ゆづきさん、今の俺の気持ちがわかりますか?」
「───すまない。たまにしか心の声は聞こえないんだ。だが、感情くらいはわかるぞ。」
「うそっ。あたしには顔が見えないからわかんないのに…!」
「あんたの声のトーンがさっきより高い。少し早く、乱れている。息づかいも荒い。
…驚きと喜びや好奇心…随分楽しそうだな。」
「ゆづき…すっっっごく耳がいいのね!」
「そうだな─俺は…耳はかなり良い方だと思うぞ。」
ゆづきさん、か。。。
自分の事を俺って呼ぶし
ネクタイ締めてて長ズボンにブレザーは前開けっていう少しダラしない服装だけど
よく見るとかなり綺麗に整った顔立ちをしている。
ただ…銀髪に瞳も銀色…。校則、引っかからないんだろうか…。
まぁ、そういう俺は金髪だけどな!そのせいで不良だと思われるよ。瞳はエメラルドグリーンっ!
まぁ昔あやが瞳の色で悩んでた時にカラコンしたのがきっかけだけど、な。
髪の色は…だって金髪ってカッコイイじゃん?って事にしといてくれ。
「部活動名、決めたわよ!
Other Supernatural power Detective(優れた能力を持った探偵たち)」
「なっっっっが!!!」
「だ・か・ら!略して、SD!なんてどう?
超能力探偵、SD!」
ここで、「SDカード?」とか「反対にしたらゲームみたいだな。」等と言ったら、俺は明日の朝日を拝めないだろうな。
「リーダーはもちろん、このあたしね!
そして、たくにはキャップの称号を与えるわ!」
「ん?ちょっと待て、あや。リーダーとキャップって何が違うんだ???」
「リーダーは指導者。キャップは責任者。どちらもグループの長って意味だけどそこが違うのよ!」
─つまり全ての責任を俺に押し付けられたってわけか…。
「ゆづき。ここにあるパソコンってこの2台だけ?」
「あぁ。─すまんな。」
「いいのよっ!2台あれば十分だわ!」
何を始めるんだか…。
「たく!これ書いといて!!」
部活動申請書………。
1.部活動名
2.部員名
3.顧問名
4.活動内容
5.責任者(部長)
下の方には規則が書いてある。
ふむ─って、これは………。
「おーい…あや?」
「何よ今忙しいの!」
「えーっと…部員最低5人は必要らしいぞ…?」
「………。」
─ゴクリ。
「忘れてたわ!」
ズコッッッ
「じゃあ、集めるしかないな。誰かいたかな…。」
「その通りよ、ゆづき流石ね!」
……………………………先が思いやられる。
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