超能力探偵 SD(加筆修正版)

長瀬 青斗

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EPISODE1

4.サムライ・クライデイズ

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次の日の放課後

今日こそ図書室へ………っ!!

「キャップ???」
「ゔ………。」
「行っくわよぉ~!」
「えええええーーーーーーー!!!」


部室。

「─で。あや。せめて部員を探すとか…何かしないか?」
「─そうねぇ…。」
「……。………!!」

いつもの様に窓際に座っていたゆづきさんが、突然身を震わせた。

「ゆづき!!どうしたの!?」
「─誰かが…泣いているような…。」
「まぁここ学校だしな。誰かが泣いててもおかしくないだろ。」
「何かしら…行ってみましょ!」

えぇー。。。

「案内して、ゆづきっ!」
「お、おぅ─場所は…図書室………?」

図書室だって!?

「行こう!!」



─ガラガラッ

いつもの変わらない図書室。
泣き声なんてやっぱり聞こえないけど、ゆづきさんには聞こえるんだろう。

「こっちだ。」

どんどん奥へ。

「ここ……。」

そこには、端っこでうずくまっている─少女。
─俺は、見覚えが……あった。

「あなた、どうしたの?」
「………。」
「とりあえず着いてきなさい。安心して、ただここが図書室で…人が集まるから。ね?」
「(コクリ…)」

あの時、ここでハンカチを差し出してくれた………。あの。




─ガラガラッ

パソコンが2台と、ソファ。机がある部室。

「─で?どうしたの?」
「まぁ、とりあえず、その乱れた服を整えなさい。」

自分の身なりにさえ気がついていなかったのだろう。
途端に、顔を真っ赤に染める少女。

「─ゆづき。何か聞こえる?」
「─こいつ…男か…。」
「え、男!?」

えっ………おと、男………???

「うーん…何?男子達が─ふむ…。で、いつもの図書室で─はぁ。」
「何かわかった様ね?」
「俺から言っても…大丈夫か?」
「(コクリ…)」

「どうやらこいつ、女子っぽいっていうだけの理由で男子達に虐められているらしい。今日は、集団で─その後、いつも通っている図書室に逃げ込んだみたいだ。─正直胸糞が悪すぎる。」
「─もう大丈夫よ。」

その…少年の頭を撫でるあや。
こういう時だけは少し見直してしまう。

「あの……。この前、図書室でお会いしましたよね?」
「……っ!」
「ハンカチをありがとうございました。…お名前を聞いてもいいですか?」
「……。岩田いわた 海歩みほ……。」
「ありがとう。」

頭を軽く、ポンポンと撫でる。
みほさんが、顔を赤くしたまま俯いている。
─にしても、正直女子にしか見えないんだよなぁ………。

「あ、そうだみほ!部活とか入ってる?」

ゆっくりと首を振るみほさん。

「じゃあうちの部活入って!」
「(コクコク)」

「みほ。ちょっと聞くが…その左手の黒い手袋は……?」
「(プルプル)」

小刻みに首を振るみほさん。何か言えない事情があるのだろう。

「えーっと……何て呼びましょうか?」

上目遣いでこちらを見上げるみほさん。

「みほ……がいいです………。」
「はい!わかりました!………みほ!」

また顔を赤くして俯く─みほ。

「たく、ちょっと来なさい!」
「ん?」
「あの子、たくにしか話してない気がするんだけど!!」
「………そうだったか?」
「声のトーン的に、あれは恥ずかしがってるのか、心を許していると取るべきか…」

なにやらもごもごといつもの考察が始まった。

「っていうかあの顔よ!たくに撫でられた時とか、目が合った時とか!なんなの、あの子本当に女の子なんじゃないでしょうね!?」
「知らねーよ!ってか、撫でてないぞ俺は!?」
「とりあえずー…みほは男子!…多分。というわけで、男子であるたく!あんたに任せた!」
「んー、まぁ男同士の方が話しやすいこともあるのか…?」

いやでも男に虐められてたんだよな…うーん…。

「それはそうとして。あの子、すっっごいメイド服とか着せたいんだけど!!」

そう言って目を輝かせるあや。

あぁ………完全に忘れてた………。

こいつがかなりのかつ、だという事を………。。。
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