かわりもの、こまりもの

メッティ / metty.all

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ばつげーむ

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 ゲームの腕は殆ど互角だった。
 勝敗はトータルで見れば、ちょっと僕が負け越しかな?
 結構良い勝負になったと思う。

「俺の勝ちー」
「強いね、海翔かいとは」
「やあ、里央りおも強かったぜ?」
「そうかな?」
「そうだって。身も蓋もない話をすると、俺もお前も全国対戦じゃボロ負けだろうけど」

 うん、それは否定できない。
 僕や海翔がゆっくりパズルを組んでいる間にさくっと終わる、そんな光景が目に浮かぶようだ。

「ま、それでもこの場は海翔の勝ちだし……ご褒美というのも変だな。物とかはあげられないし。罰ゲームってことで、この場で出来る事なら何でもしてあげるよ。どうする?」
「…………、何でもしてあげる、って……?」
「この場で出来る事なら、だからね。強盗してこいとか、そういうのはダメ」
「いやそんな事はやらせねえけど」

 させられても困る。

「何でも……、何でもか……。正直思いついたことはあるんだけど、……本当に何でも良いんだな?」
「もちろん」

 ……え、何?
 もの凄く念を押されてるんだけど、何をさせる気だろう。

 でもまあ、言っちゃったものは言っちゃったしな。

「じゃあ、マッサージで」
「なんだ、そんな事で良いの?」
「ああ」
「わかった。じゃあ、マッサージね」

 肩からにするか、足からにするか悩むな。
 マッサージを始めようと海翔に近付くと、「ああいや」、と海翔は声を上げた。

「俺がマッサージをする方。里央はされる方な」
「へ?」

 いや……うん?

「それだと、罰ゲームの趣旨が逆になっちゃうよ」
「きっと終わった後……いや、始まった直後には罰ゲームとして納得してくれるさ」
「…………?」

 なんだその自信。
 まあ、マッサージって一言で言ってもいろいろあるからな……足ツボマッサージとかは確かに、罰ゲームかも……。

「ただ、そうだな。罰ゲームの趣旨を貫くためにも、時間はぴったり十分間。その間は『ギブアップ』無し。良いよな?」
「十分はちょっと、長くない?」
「ん……じゃあ、五分」
「それなら、まあ……」

 それでもちょっと長い気がするけど、五分くらいなら我慢できる……と思う。

「ちょうどもうすぐ五時になるから、五時ジャストに始めるぞ」
「ほんとうにもうすぐだね」

 一分もないや。

「いいよ、解った」
「よーし。そんじゃ、座ったまま後ろ向いてくれ」
「…………? わかった」

 足ツボマッサージ……じゃないのかな?
 座ったままくるりと後ろを向くと、背中が少し暑くなる――僕の背中に、海翔がぴたりとくっついたからだろう。

胡座あぐらから膝伸ばして……そう、あと、腕は後ろ、背中と俺の身体の間に挟んでおく」
「マッサージっていうよりヨガストレッチじゃない、これ……?」
「いや、マッサージだよ」

 どんなマッサージなんだろう……、まあ、あと数秒で解るんだけれど。

「5、4、3、――」
「始めるぞ」
「――いち、ゼ……ろひゃあっ!?」

 時計がちょうど五時ぴったりを指し示した瞬間、海翔が始めたマッサージに、僕は出したことの無いような声を挙げていた。
 海翔が伸ばした手は、あろう事か僕の股間に伸ばされ、僕のおちんちんをトランクスの上から握ってきたのだ。他人に触られるなんて初めてで……それに、なんだかぞくっと、背筋が震えて、くすぐったい。

「五分間だからなー」
「う、んふっ」

 パンツの上からおちんちんと玉を覆うように、海翔は手を握り込むと、細かく震わせるようにしてくる――まずい、これが、五分間も続くの?

 そんなの……、
 そんなの、ヤバイって……、

「お、『凝ってきた』な。根元よりこっちのほうとか――」
「ひゃっ」

 海翔は勃起し始めた僕のおちんちんの先っぽのほうをパンツの上から左手でつまみ上げ、右の手のひらに押し当て、そのまま右の手のひらをぐるぐると円を描くように動かす――その刺激に腰が引けて、腕で海翔を押しのけようとしても、海翔はがっちりとぼくの身体を抱きしめている。
 腰はこれ以上引けないし、腕も背中と海翔の身体に挟まれたままで動かせない――他人に触られているという事にくわえて、パンツのざらつく感触が、ぞくぞくをさらに強くさせて、あっという間に僕のおちんちんは、完全に勃起してしまう。

「う、ぅー」
「お……なんかパンツが湿ってきたな」

 ざらざらという音が段々と減り、代わりにみちゃ、という粘っこい水の音が響き始める。
 なのに海翔は手が汚れる事になんてお構いなしで、しつこく刺激を続けていた――

「そーれ」
「っっ!」

 ――そして一気に、ゴシゴシと、右の手のひらを強く強く擦り付け。
 おちんちんの先っぽがこすれる摩擦の熱が、じんわりと根元にもおりてきて――やばい、なんて、思う暇も、我慢しようとする時間すらなく、熱とは逆にせり上がってきたものを、びくびくっと全身を震わせながら、あっさりと吹き出してしまった。

 吹き出されたものは、精液は、当然、僕のパンツの中に勢いよく放たれて――じんわりと、僕のパンツにしみこんでゆくどころか、そんなイったばかりの僕のおちんちんを構わず、海翔がこすり続けているせいで、あっという間にパンツの布に絡んで、じわりと、ぬるりと、広がる……って、

「や……あ、とめ、てよ――」
「ギブアップは無し。あと四分二十秒だぞ」
「も、出て、んふっ、あははは、はっ、ん――」
「すっげえな……パンツ、ぐっしょぐしょじゃん。俺の手もだけど」

 言われて、かあっ、と、恥ずかしくなる。
 けれど、そんな事はお構いなしに、海翔はさらに手を動かし続けて――僕は、身体を蛇のようにくねくねとくねらせながら、精液が染みきったパンツと、精液にまみれてぬちゃぬちゃになっているおちんちんがこすれて産まれる感覚に、悶え続けて。

 はっ、
 と、一度大きく息をすると、やっと、海翔の手が止まった。

 そして、ぎゅう――と、右手で絞るように僕のおちんちんをパンツ越しに握ってくる。

「沢山出るなあ、里央は。ほら、見て見ろよ。こうやって絞ると、パンツから精液が漏れてる」
「う、ぅ、恥ず、かし……」
「でも」

 え……?

「まだあと四分あるぞ」
「――へ」

 時計は……五時、一分。
 え……、まだ、あと四分もあるの……?

 現実に戻されて、けれど――

「ひっ、にゃうっ!」
「あはは」

 ――いきなり、海翔は僕のおちんちんをパンツ越しに握った右手を、そのまま上下にしごき始める。
 それは、さっきまでの擦りつけるような感覚とは格の違う、もっと直接的な、快楽を得る動きで……イった後、萎えかけたおちんちんは、あっさりとまた硬く、勃起しきってしまう。

「いくら里央が変わり者でも、男だもんな。オナニーはしてるんだろ?」
「ぅ、ぅうぅ……」
「俺もしてるんだよな。ほとんど毎日。俺は直に握るけど……、こうやって、ゴシゴシってやってるんだ」

 なにを、そんな、恥ずかしいことを堂々と……、なんて、言葉で伝えたいのに、今、僕の口は自由に動きそうにない。
 おちんちんの『気持ちいい』が、腰が思いっきり殴り続けているようで――ぜえぜえと、肩で息をしながら、僕はその刺激かいかんを、身体をくねらせ、震わせながら、受け容れるのが精一杯だった。

「……里央は、なにをオカズにしてるんだろ。……俺はな、こうやって、クラスメイトのちんこを弄ってイかせるのを、オカズにしてる。俺の手でイかせるのを妄想しながら、自分のをシコってるんだ。あくまでも妄想の中でな?」
「や……、もぉ、い、ぁ――」
「だな。ついにやっちゃった……やっちまった……! だってお前さ、俺の前でパンツとシャツだけになったりして。ゲームしてる最中、ちらちらってパンツの隙間から、その、里央の玉とかが見えて……すっげえエロくて――」

 海翔は、僕の首筋に背中側から顔を埋めながら、尚も僕のおちんちんをしごいている――もう、むり、我慢、できな――っ、

「んんんっ!」

 身体を震わせて――僕はまた、海翔の手でイかされてしまう。
 それは痛いくらいの、快楽で――初めてオナニーをした時よりも、ずっとずっと気持ちが良くて、トランクスの内側に叩き付けられた精液は、その少しが布をあっさり飛び出して、びゅくり、どろりと跳び、海翔の手に思いっきり掛かってしまう。

 それでも、みちゃみちゃ、ぬちゃぬちゃと音を立てる手は、まだ、止まりそうにない。

「――何でもしてあげるって言われて、なんか、もうやりたいようにやろうってなって……やっべえ。これ、夢でも、妄想でも、ないんだよな……、俺、今、里央のちんこシコってイかせて……、これ、里央の精液なんだよな……」

 海翔は僕の精液を馴染ませるように、何度も何度も僕のおちんちんをしごき続けて。
 全身が引き攣るような気持ちいいを、僕は味わい続けて――きゅうう、と、僕のおちんちんが縮まるような、そんな感覚がして。

 次の瞬間、ぷつりと。
 なにかが切れるような感覚がして――腰がふわっと、浮いたような感覚と、とても熱いものがせり上がる感覚が同時にすると、パンツの中に僕は、おちんちんから何かを大量に、おしっこくらいの勢いで、出していた。

 それは、精液じゃない。
 さらさらしていて、パンツの布を貫いたり、パンツの伝いに流れてきたものは、透明なもので――僕は、頭が急に冴えたような、感じになった。

 音が、とてもよく聞こえる。時計の針が進む音も、海翔の息の音も、海翔の心臓の鼓動も。
 匂いが、とてもよく届く。僕の出した精液や、そうじゃないなにかが、そして、海翔と僕の汗や、海翔自身の匂いでさえも。

 それに加えて――背中にとっても熱くて、とっても硬いものが、……ほんのすこし、ぬるりとしながら、押しつけられていることに、やっと気付いて。

ひゃ……い、……」

 海翔は、まだ、僕のおちんちんをこすり続けているけれど。
 僕はそれ以上の快楽を受け止めきれず――海翔に身を委ねて、

 ぷつりと、
 全ての感覚が消えて、目の前は、真っ暗になった。
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